転職活動をしていて、求人情報の応募条件に「基本的なパソコンスキル」という文言を見かけたことはありませんか?
しかし、「基本的なパソコンスキル」とは具体的にどの程度のレベルを指すのか、分からない方も多いでしょう。
本記事では、企業が想定する「基本的なパソコンスキル」のレベルについて解説します。
「基本的なパソコンスキルを習得する方法」「便利なショートカットキー」「面接でのパソコンスキルの伝え方」も併せてご紹介します。
事務職などへの転職を考えている方はもちろん、これまでの仕事でパソコンを使った業務経験がない方も必見ですよ。
※本記事でご紹介するのはWindowsを想定しています(Macは操作方法が少し異なります)
転職で求められる基本的なパソコンスキルとは?どの程度のレベルなのか
「基本的なパソコンスキル」の基準は企業によって異なりますが、一般的には以下の項目が最低限できれば良いとされています。
基本的なパソコンスキル例
- タイピングスキル
- メールやチャットの作成・送信
- officeソフト「Word」「Excel」「PowerPoint」の使用
- 検索エンジンの活用
- セキュリティ面の知識(あれば良い程度)
それぞれに求められるレベルについて、詳しく見ていきましょう。
タイピングスキル
タイピングスキルとは、両手でスムーズにキーボードのキーをタッチして、文章を作成できるスキルを指します。スピード性とともに正確性も求められるスキルです。
一般的に、事務をはじめとしたパソコンをメインツールとして使用する仕事では、日本語入力で1分間に100~120文字を入力できると問題なく業務にあたれるとされています。
メール作成・送信
メール作成の基準は、「基本的なビジネスメールの作成ができるか」「CCやBCCを活用できるか」「ファイル添付が問題なくできるか」が求められます。
たとえば、以下のようなポイントを押さえられていれば問題ないレベルと言えるでしょう。
- ポイント
- ・文頭で送信先の会社名、部署、名前を正しく入力できる
・挨拶文が入っている
・件名は受け取った相手がメールを開かなくても何について書かれているのかが明確である
・伝えたい要件が簡潔に書かれている
Word・Excel・PowerPoint
officeソフトとは、ワープロソフトや表計算ソフトといった、主にオフィスで利用されるアプリケーションソフトを一つにまとめたパッケージを指します。
もっとも代表的なのがMicrosoft(マイクロソフト)社の「Microsoft Office(マイクロソフト・オフィス)」で、Word・Excel・PowerPointのスキルを求められる場合が多いです。
Word(ワープロソフト)では、文字入力と文章作成がスムーズに行えることが求められます。フォントの種類、サイズ調整、文章の配置調整、余白の調整といったレイアウト調整も必須。さらに、表作成やグラフ・画像の挿入もできると良いでしょう。
Excel(表計算ソフト)では、関数による表計算や、表・グラフの作成スキルが求められます。また、レイアウト調整やシートの印刷がスムーズに行える操作知識も身についていると良いでしょう。
PowerPoint(プレゼンテーションソフト)では、画像や表の挿入、画像の簡単な加工やサイズ・位置調整、文字入力による資料作成のスキルが求められます。また、プレゼン資料として用いられるケースが大半なので、資料の分かりやすさも求められるスキルです。
セキュリティ意識
パソコンでは社内情報や顧客情報、個人情報など重要なデータを扱うため、高いセキュリティ対策も求められます。
そのため、以下のようなセキュリティ対策ができるかどうかもポイントと言えるでしょう。
- ポイント
- ・各ツールやサイトのパスワード管理の意識
・ファイルやフォルダの管理・整理
・離席時のパソコンの画面ロック(win + L)の徹底
検索して自分で問題解決ができる
仕事をしていると分からないことが出てくる場面も多いと思いますが、上司や先輩に聞くまでもない内容であれば自分で解決できるのも重要なスキルの一つです。
そのため、検索エンジンの操作・活用が最低限できるかどうかも求められます。
Googleをはじめとした検索エンジンを活用して自分で問題を解決できれば、スムーズに業務を行えるレベルと言えるでしょう。
また、検索しても問題が解決できなかった場合でも、具体的にどのような点が分からないのかが明確になりやすいので、上司や先輩に質問しやすくなります。
転職で必要な基本のパソコンスキルを身につける方法
ここからは、今までパソコンを使った業務経験がない方に向けて、基本的なパソコンスキルを身につける方法をご紹介します。
自前のパソコンをお持ちでない方は、ネットカフェや公共施設のパソコンを使用して特訓するのも手ですよ。
タッチタイピングの練習サイトを活用する
タッチタイピングとは、手元を見ないでキーボードを打つスキルのことです。タッチタイピングができるようになれば作業効率が上がるため、身につけておくと良いでしょう。
タッチタイピングができない方や自信がない方は、まず無料で練習ができるWebサイトを活用するのがおすすめです。
中にはゲーム感覚で行えるものもあるので、楽しみながらタッチタイピングの練習ができます。
書籍や動画で学習する
独学でパソコンスキルを身につけたいなら、書籍や動画での学習がおすすめです。
特にYouTubeでは、パソコンの使い方をレクチャーしている動画が多数アップされているので、視覚的にもイメージしやすく、気軽に自分のペースで学習できるツールと言えるでしょう。
職業訓練学校やスクールに通う
独学に不安のある方は、職業訓練学校やパソコンスクールに通うのも手です。
退職中で一定の条件を満たしている方は、職業訓練学校でパソコンスキルを無料で学ぶことができます。
すでに就職している方や職業訓練学校での受講条件を満たしていない方は、パソコンスクールに通うと良いでしょう。
どちらも基礎から応用までしっかり教えてもらえるので、パソコンスキルに自信を持てるようになります。
ショートカットキーを覚える
ショートカットキーとは、複数のキーを組み合わせて打つことで特定の機能を実行できるキーの総称です。
たとえば、代表的なものとして「Ctrl + C」でコピー、「Ctrl + V」で貼り付けといったショートカットキーが挙げられます。
これらを覚えておくと、マウスで操作する必要がなくなり、キーボードに手を置いたままスムーズに操作できるようになるので作業効率が大幅に上がります。
便利なショートカットキー一覧【要保存】
上記で紹介したコピーや貼り付けといった動作以外にも、「Ctrl + Z」で元に戻す、「Ctrl + S」で保存など、あらゆる機能を効率的に実行できるショートカットキーが存在しています。
今回は、覚えておくと便利なショートカットキーを一覧でまとめた画像を用意しました。
転職面接・履歴書でのパソコンスキルの自己PR方法
面接で「パソコンは使えますか?」と聞かれた場合や履歴書にパソコンスキルを記載する場合、具体的にどのように答えたら良いか悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。
パソコンスキルの有無によってアピールの方法は異なります。ここでは、それぞれのケースでアピールにつながる自己PRの方法を解説します。
パソコンスキルがある場合
アピールできるパソコンスキルがある場合、「業務には支障のないレベルで使用できます」というような、どのツールが使えてどのような業務なら支障がないのかが分からない抽象的な回答はNGです。
せっかくパソコンスキルがあるなら、面接官に正確に伝えられるように具体的なアピールポイントを押さえておきましょう。
使用経験のあるソフト・ツールと業務への活用内容を答える
パソコンを使えると言っても、どのようなソフトやツールが使えるかは人それぞれでしょう。
そのため、使用経験のあるソフトやツールを取り上げ、どのような業務で使用したのか、どのような操作が可能かなどを併せて回答すると、相手に伝わりやすくなります。
面接時と履歴書、それぞれの答え方・書き方の例を用意しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 面接での答え方の例
- 使用経験のあるツールは、Word、Excel、PowerPointです。
前職では、WordやExcelを使って作業しており、PowerPointは月に1~2回ほど会議用資料の作成で使用していました。
Wordでは文章の作成や報告書の作成をしていたため、文章作成や表の作成、画像の挿入は問題なくこなせます。
Excelは関数を使用したデータ管理を行っており、一般的な関数は問題なく使用できます。
PowerPointは会議用資料を主に作成していたため、視覚的に分かりやすい資料作成のスキルが身についています。
また、タッチタイピングが可能で、入力速度と正確性には自信があります。
- 職種別の履歴書での書き方例
- ▼総務・事務
・Word(文書作成・社内外資料作成、見積書作成、礼状作成)
・Excel(関数・データ表作成、分析)
・PowerPoint(会議資料作成)
・Access(データベースの入力・修正、データ抽出)
・会計システム(弥生会計、勘定奉行など)
▼営業
・Word(企画書、提案書、表作成・図番挿入を含む社内外文書作成)
・Excel(リストの作成、ピボットテーブル、VLOOKUP、SUM関数、AVERAGE関数、IF関数など)
・PowerPoint(提案書、企画書、社内外向けスライドの作成)
▼デザイン・Web系
・Illustrator CC/広告デザイン制作
・Photoshop CC/広告デザイン制作
・HTML、CSS、JavaScropt/ホームページ制作
・OS/Windows10
履歴書に記載する場合は、応募する業界や職種に合わせて必要な情報を箇条書きで書くのが望ましいです。
パソコンスキルに関する資格を答える
実際の業務でパソコンを使ったことがなかったとしても、MOS(マイクロソフト オフィススペシャリスト)や日商PC検定などのパソコンスキルを証明できる資格を持っていればアピールにつながります。
資格取得を目指した経緯や、合格するために努力したポイントなども併せて伝えられるとベストです。
パソコンスキルがない場合
パソコンスキルがない、あるいは自信がない場合、「パソコンはあまり使えないです…」と答えただけでは何もアピールできずに話が終わってしまいます。
事実を伝えながらも、アピールになる要素を含めて話すことが大切です。
やる気とスキルアップのアピールで説得力をもたせる
パソコンが使えない、パソコンスキルに自信がない場合でも、嘘をついたり見栄を張ったりせず正直に答えるのがベストです。
そのうえで、「パソコンスキルを身につけたいと思っているので現在勉強中です」というように現在努力をしている点を伝えて、やる気をアピールしましょう。
このとき、具体的にどのように勉強に取り組んでいるのか、将来はこうなりたいと考えている目標などを伝えると説得力をもたせられます。
自己PRで使える!パソコンスキルを身につける&証明できる資格とは?
ここでは、基本的なパソコンスキルを証明できる資格を3つご紹介します。どの資格も履歴書に書ける資格なので、取得しておいて損はありませんよ。
MOS(マイクロオフィススペシャリスト)
MOS(マイクロオフィススペシャリスト)とは、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoftオフィス製品の操作スキルがあることを証明する資格です。
MOSを取得していれば客観的にパソコンスキルを身につけていると証明できるので、転職時の実力アピールにつながるでしょう。
また、転職のアピールとして使えるだけでなく、実務においても役立つ場面は多いです。実際にWordやExcelなどの機能を使いこなすスキルが身に付くため、資料作成や関数を使った表作成といったパソコンを使う業務の効率化を図れるようになり、仕事の生産性が高まります。
仕事の幅が増えて周囲からも頼られやすくなるので、人事評価にも良い影響を与えられるチャンスです。
日商PC検定
日商PC検定とは、企業実務でIT技術を活用するために必要な知識とスキルがあるかを問う検定です。
MOSはMicrosoftオフィス製品の基本操作や応用的なスキルが身につく資格なのに対し、日商PC検定は実践的なスキルや仕事における知識などが身につくようになります。
日商PC検定はビジネスの場を想定してスキルや知識を身につける資格なので、実際の業務において役立つ場面が多いのが特徴。
業務データを速やかにネットワークで活用できたり、効率よくビジネス文書やプレゼン資料を作成できたりというように、業務の効率化や社内外の人との情報・データ共有の円滑化を図れるようになります。
また、一般的なビジネスマナーや常識を理解していると証明できるため、転職時にも有利に働くでしょう。
ITパスポート
ITパスポートとは、ITの基礎知識を有していることを証明できる資格です。ITパスポートを取得していれば、ITの理解力や業務で効果的にITを活用できる力が身についていると言えるでしょう。
社内のシステム部門や顧客との円滑なコミュニケーション、ITを活用した業務の課題把握や解決にも役立ち、業務効率化および業務改善につなげやすいというメリットがあります。
また、情報セキュリティや企業コンプライアンスに関する知識も身につくので、リスクマネジメントの面でも大きく役立つでしょう。
機密情報漏洩や法令違反、ウイルス感染といったリスクを理解できるようにもなり、企業コンプライアンスの向上に貢献できる人材として評価されます。
パソコンスキルを身につけて転職を成功させよう
ここまで、基本的なパソコンスキルとして求められるレベルやパソコンスキルを身につける方法などを解説しました。改めて、今回ご紹介した内容についておさらいしていきましょう。
- メモ
- ・基本的なパソコンスキルは「タイピング「メール作成・送信」「officeソフトの操作」「検索エンジンの活用」「セキュリティ対策」などを指す
・基本的なパソコンスキルを身につけるには、練習サイトや動画、スクールなどの活用、ショートカットキーの習得がおすすめ
・面接や履歴書では、使用経験のあるツールをどのような業務で使用したかを踏まえてパソコンスキルをアピールすると良い
・パソコンスキルを身につける・証明なら、MOS、日商PC検定、ITパスポートなどの資格取得がおすすめ
以上のポイントを押さえて、ビジネスで求められるパソコンスキルを今のうちからしっかり身につけて転職活動を有利に進めていきましょう!
ナイト系ならパソコンスキルは最低限でOK!未経験でも始めやすい
転職を考えているものの、パソコンスキルがない方や自信のない方は、ナイト系求人をチェックするのもおすすめです。
ナイト系求人はパソコンスキルが一切なくてもOKな求人が多数あります。そのため、パソコン使用の経験がゼロでもスタートしやすいのが特徴なのです。
業務の中でパソコンを使う場面はありますが、ナイト系の職場の多くでは働きながらパソコンスキルを習得できます。今までまったくパソコンを使った業務をしたことがない方にもうってつけです。
実際、ナイト系業界で活躍されている先輩たちの中には、パソコンの実務経験ゼロでスタートして、今では現場の最前線で活躍している方が多いです。パソコンスキルには自信がないけど仕事で活躍したい方は、ぜひナイト系にチャレンジしてみてくださいね!
こんなお悩みありませんか?
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上げたいけど学歴がネック - 他業界から転職したい
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