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高卒で海外で働くにはどうすればいい?
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高卒で海外の就労ビザをとれる国ってあるの?
高卒で海外で働くことは可能ですが、難易度が高いのも事実です。
本記事では、高卒で海外就職するための方法や、就労ビザをはじめとする知っておくべきこと、必要な準備の内容などを解説します。
また、高卒が海外で就職しやすい職種やおすすめの国もご紹介するので、海外で働きたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
高卒者が海外で働く際に知っておくべきこと

高卒が海外で働くには、いくつか注意点があります。
ここでは、高卒が海外で働く際に知っておくべきことを3点にしぼってご紹介するので、海外就職をお考えの方はしっかり確認しておきましょう。
1.就労ビザが発行されない可能性がある
海外で働くには、各国が発行している就労ビザの取得が必須です。
しかし、就労ビザ発行の条件に「一定以上の学歴」や「実務経験」などを含めている国が多く、国や職種によっては高卒だと就労ビザを取得するのが難しい場合があります。
たとえば、アメリカで特定の専門職に就くのに必要な就労ビザの「H-1B」を取得するには、原則的に専門分野の学士号、またはそれと同等の経歴や資格が求められます。
とはいえ、学歴がなくても、一定以上の技能や実務経験があれば就労ビザを取得できる可能性はあるので、あきらめるのはまだ早いです。
2.高卒=実力がないとみなされやすい
海外では学歴も「実力」として重視されやすいです。
文部科学省の調査によれば、大学の修了率が日本は91%と高い一方で、アメリカやニュージーランドは54%と低い結果が出ています。つまり、海外の大学は卒業の難易度が高いので「大学卒業=実力がある」と評価されるのです。
そのため、海外では高卒というだけで「実力がない」「知識やスキルが不足している」とみなされやすいのが実情です。
高卒が海外で働くには、学歴をカバーできる実力があることを示せる経験やスキルを身につけておくと、採用率が上がります。
参考:文部科学省「図表|2-2 大学型高等教育修了率の国際比較」(参照 2025-05-12)
3.就職の選択肢が限られている
海外では大卒や実務経験・スキルが豊富な人を採用する企業が多く、高卒向けの求人は多くありません。実務経験やスキルに自信がない高卒の場合は、就職先の選択肢が限られています。
そのため、高卒向けの求人は、下記のような「日本人であることが有利になる仕事」や「特別な知識・スキルを必要としない単純作業」がメインとなります。
- 日本食レストランのスタッフ
- 日本語対応のコールセンター
- 日本語教師
- 日本人向けのツアーガイド、通訳
- 小売店の販売スタッフ
- ホテルの客室係
- ベビーシッター
やりたい仕事が明確にある場合は、海外へ渡る前に関連するスキルをしっかり身につけておきましょう。
高卒者が海外で働く方法

ここでは、高卒が海外で働く方法を5つご紹介します。
それぞれ一長一短があるので、自分の理想の働き方やキャリアに合う方法がないかチェックしてみましょう。
現地採用で海外企業に就職する
まずは、現地採用枠で就職する方法です。
現地の求人サイトや転職エージェントを利用して、企業にエントリーして就職します。この方法だと、現地の海外企業はもちろん、現地で求人を出している日系企業で働くことも可能です。
行きたい国ややりたい仕事を自由に選べるメリットがありますが、給与や待遇は現地の相場に依存するため、国によって生活水準に大きな差が出ます。必ず事前に現地の給与の相場を確認しておきましょう。
また、現地採用で海外企業に就職する際は、高い語学力を求められるケースが多く、英語圏以外の国では現地語の習得も必要である可能性が高いです。
日本企業に就職し海外赴任する
海外に拠点がある日本企業に就職し、海外駐在員を目指す方法です。
海外駐在員は、現地スタッフの管理や指導といった業務を担当することも多く、実務経験が豊富な社員や高い語学力を持つ社員から選出されます。選出されれば、安定した給与や福利厚生といった待遇を受けられたり、社内でのキャリアパスが広がったりするメリットがあります。
ただし、高卒が海外駐在員として働くのは難易度が高いのが実情です。社内での競争が激しく、たとえ実務経験を積んだとしても必ず海外赴任できるとは限りません。
海外駐在員になるには、国内でしっかり実務経験やスキルを積みながら、アピール材料となるレベルを目指して語学力も高めましょう。
インターンシップを活用する
海外企業や外資系企業のインターンシップに参加して実務経験を積むことで、海外での就職の可能性を広げるという方法です。
企業に認められれば、インターンシップ後にそのまま正社員として採用されるケースもあります。
海外企業のインターンシップは数ヶ月に及ぶ長期型がメインなので、語学力や仕事スキルの向上も期待でき、さらに人脈づくりにも役立ちます。
ただし、インターンシップ期間中は無給や低賃金の場合もあるため、インターンシップに参加するなら、十分な資金を準備しておきましょう。
なお、インターンシップに参加する方法は「斡旋会社に紹介してもらう」「自分で情報を集める」の2つがあります。
ワーキングホリデーを活用する
ワーキングホリデーとは、日本が協定を結んだ国に渡航して、宿泊・学習・就労といった現地の生活を体験できる制度です。国によって年齢条件は異なりますが、18歳~30歳の人が対象となります。
学歴や資格を問わず働けるため、初めての海外就職の足がかりにしやすいでしょう。
滞在可能な期間は約1~3年で国によって異なります。前半は語学学校に通い、後半はカフェやレストランなどで働くパターンが一般的です。
なお、就労できる期間や職種には制限があります。また、ワーキングホリデー制度は一度しか利用できないので、帰国後のキャリアプランも考慮しながら慎重に渡航先を検討することが重要です。
留学先でアルバイトをする
海外留学先でアルバイトをする方法です。
短期留学は観光ビザでも可能ですが、長期留学は学生ビザを取得する必要があります。学生ビザでもアルバイトが許可されている国は多いので、現地の仕事を経験できます。
海外の語学学校で学びながら働くと、語学力と実務経験を同時に身につけられるのが、大きなメリットです。また、人脈づくりもしやすいので、将来海外で正社員として就職する可能性も広げられます。
ただし、留学先でアルバイトをする場合、ビザの種類によって働ける時間や職種に制限がある点は注意が必要です。事前に就学先のルールをしっかり確認しておきましょう。
【番外編】海外に移住してリモートワークをする
海外に移住してリモートワークをするという働き方もあります。
海外でのリモートワークを許可している日本の企業に就職したり、フリーランスとして仕事を受注して働いたりするなど、さまざまな選択肢から自分に合った働き方を選べます。
ちなみに、日本企業に就職してリモートワークする場合は、基本的に日本人の社員と一緒に仕事をするため、語学力にあまり自信がなくても仕事に支障はありません。また、物価の安い国に移住すれば、生活コストを抑えながら日本円で収入を得ることも可能です。
ただし、ビザ要件や税金制度は国によって異なるので、移住先のルールは調べておきましょう。
高卒者が海外で働くのに必要なもの5選

高卒が海外で働くのに準備しておきたいものはたくさんあります。
ここでは、高卒が海外で働くのに必要なものを5つご紹介します。将来的に海外就職を考えているなら、今のうちから準備を進めていきましょう。
1.就労ビザ
海外で合法的に働くには、国ごとに定められた就労ビザの取得が必須です。
ビザの種類や取得条件は国によって異なり、学歴・職歴などが影響するケースは珍しくありません。また、各国が発行できるビザの数は限られており、抽選方式が採用されている場合もあります。
条件次第では就労ビザの申請をしても却下されてしまう可能性があるため、行きたい国の就労ビザの取得条件や取得方法は必ず最新情報を確認することをおすすめします。
一般的な就労ビザの取得方法は、以下の通りです。
- 企業から内定をもらう
- 必要書類を準備する
- 就労ビザの申請を行う
ちなみに、就職した企業によっては、就労ビザの申請手続きをサポートしてくれる場合もあります。
2.語学力
海外で働くには、最低でも日常会話ができるレベルの語学力は身につけておきましょう。
飲食店の裏方や工場勤務など、最低限の会話だけで働ける仕事はありますが、接客業やオフィス業務ではビジネスに適した会話ができる一定レベルの語学力が求められます。
仕事で支障が出ない程度に英語を話せれば、応募できる求人の選択肢が広がり、より良い待遇の仕事に就ける可能性が高まります。
また、公用語が複数ある国では、その他の現地の言語も学んでいると、よりキャリアが広がりやすいです。
3.業務に関する資格やスキル
海外は実力主義の風潮が強いため、自分の実力を示せる資格やスキルがあると、採用につながりやすくなります。
特に貿易・IT・医療・教育などの専門的な知識・技術が必要な職種は、資格やスキルがほぼマストで求められます。
国によっては就労ビザ取得の条件として特定の資格が必須になることもあるので、行きたい国の就労ビザ取得条件を確認し、必要な場合は資格やスキルの取得を目指しましょう。
ちなみに、幅広い業界において役立つ資格・スキルの例は以下の通りです。
- TOEIC
- 日本語教育能力検定
- プログラミングスキル
- ITデザインスキル
4.実務経験
海外にも未経験OKの仕事はありますが、やはり経験者が高待遇で採用されやすいです。
日本で関連する仕事の実務経験を積んでからのほうが、海外でより良い条件で働ける可能性が高いです。
特に現地採用の場合は、即戦力となる経験が求められるケースがほとんどなため、事前に職歴を積んでおくのは重要な戦略といえます。
また、高卒の場合は就労ビザ取得の条件として、数年以上の実務経験が必要とされることがあります。国によって求められる実務経験の年数は異なるので、行きたい国の就労ビザ取得の条件をチェックしておきましょう。
5.貯金
海外で働くには、渡航費やビザ取得費用、現地での生活費などの資金が必要になります。資金不足に陥ると、海外生活を続けるのは難しくなってしまいます。
物価や生活費の相場は国によって大きく異なるため、渡航先の相場を調べて計画的に貯金をしておきましょう。
また、初任給が支払われるのは早くても働き始めてから1ヶ月先です。
渡航してすぐは、現地での生活を整えるために出費をする機会も多いので、生活が安定するまでの期間を想定して、最低でも3~6ヶ月分の生活費を用意しておくのが理想です。
【番外編】人脈やコネも重要
海外での就職は「コネクション」も重視されます。海外では紹介や推薦によって採用されるケースも多いので、人脈やコネがあるとチャンスが広がりやすいのです。
コネが一切ない高卒が現地採用で就職をしようとしても、コネがある現地の人たちに埋もれてしまう可能性が高いです。また、企業の内部情報や労働環境を知る際にも、人脈を活用するのは有効といえます。
現地在住の日本人コミュニティに参加したり、企業のインターンシップに参加したり、SNSを活用したりして、ネットワーク作りをするのもおすすめです。
高卒者が働く国選びのポイントは5つ

高卒が海外で働く際は、「国選び」も重要なポイントです。
国によって生活環境や物価水準など、生活のしやすさは大きく異なります。これからご紹介する5つのポイントを意識しながら渡航先を選んでみてください。
1.就労ビザの難易度
特に高卒の場合は、就労ビザを取得しやすい国を選ぶのがおすすめです。
就労ビザを取得するには、その国の取得条件をクリアしなければなりません。
国によって、高卒でも就労ビザを取得できる場合もあれば、大学以上の学歴が必要な国もあります。また、学歴以外にもスキルや実務経験など、ビザ取得の条件は国ごとに異なります。
日本企業から海外赴任を命じられた際は、会社がビザ申請の手続きを代行してくれるケースがほとんどですが、それ以外のケースでは基本的に自分で手続きを進めなければいけません。
就職したい国の就労ビザの取得条件を確認し、今の自分の経歴やスキルで取得可能かを見極めたうえで渡航先の国を決定するようにしましょう。
2.親日国かどうか
日本人が海外で働くうえで、渡航先が親日国であるかどうかは重要なポイントです。
親日国は日本企業の進出が盛んで日本人向けの求人も多く、働きやすい環境が整っている傾向にあります。また、日本食のレストランがたくさんあったり、現地の人が好意的な態度で接してくれたりするメリットもあります。
逆に、親日国でない場合、言語の壁や文化の違いを感じやすかったり、人種差別を受けたりする可能性もあります。日本人というだけで素っ気ない態度をとられて、居心地の悪さを感じてしまう恐れもあるでしょう。
事前に現地の日本人による体験談・評判を調べておくだけでなく、日本とその国の関係性などもリサーチしておくと安心です。
3.治安や衛生などの生活環境
海外で働くなら、その国の治安や衛生面といった生活環境も確認しておく必要があります。また、医療や電気・ガス・水道といったライフライン、住宅環境、公共交通機関が整っているかどうかも、重要なポイントです。
せっかく就職できても、治安や衛生環境が悪く、サービスやインフラが整っていない国は生活しづらいため、仕事以外の要素でストレスを抱えてしまうかもしれません。
日本は治安や衛生、インフラなどの生活環境が世界でも高く評価されている国なので、海外での生活を経験すると、日本の環境がいかに整っていたかを実感する場面も少なくありません。事前にその国の状況を知っておけば、ギャップに苦しむ可能性も低くなるでしょう。
4.物価水準
物価水準は生活に大きな影響を与えるため、しっかり確認すべきポイントです。
日本より物価が高い国の場合、現地通貨で給与が支払われれば、日本円に換算すると年収は上がりやすいです。ただし、現地での生活費が圧迫される可能性もあります。
逆に、日本より物価が安い国では、日本円に換算すれば給与が低くなりがちです。しかし、日本企業から海外支社に勤務する場合は、日本円で給与が支払われるケースも多いので、現地での生活費を抑えられます。
給与の相場はもちろん、現地での家賃・食費・交通費といった生活費や支払わなければいけない税金などをリサーチし、実際に住み始めたらどの程度の支出が必要になるかも把握しておきましょう。
5.使用できる言語の認知度
現地でどの言語が使用できるかも、海外で働くうえで重要なポイントといえます。
英語や日本語の認知度が高い国のほうが、働きやすさを実感できる可能性は高いです。
英語や日本語が通じやすい国は意思の疎通が取りやすいですが、それ以外の現地語しか通じない国では言語の壁がネックになって伝えたいことが思うように伝わらず、苦労する場面は多いでしょう。
よって、英語や日本語の認知度が高い国を渡航先に選ぶのも手です。
たとえば、アジア圏は日本語がある程度認知されており、日本語の勉強をしている人が多い国があります。そのような国の場合は、日本語だけで働ける仕事の求人数も豊富です。
高卒者の海外就職におすすめの国

ここからは、高卒者の海外就職におすすめの国を5ヶ国ご紹介します。
以下は、おすすめの5ヶ国を項目ごとに評価した一覧表です。
給与レベル | 生活のしやすさ | 就職のしやすさ | ビザの取りやすさ | |
---|---|---|---|---|
タイ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
フィリピン | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
カンボジア | ★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
インド | ★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★ |
オーストラリア | ★★★★★ | ★★★★ | ★ | ★★★ |
明確に行きたい国や企業がある場合は別ですが、これから渡航先を決めるのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
1.タイ
給与の目安 | ・営業:月収210,500~336,800円 ・事務:月収210,500~252,600円 ・エンジニア:月収252,600~378,900円 |
タイで働くメリット | ・日系企業が多く、仕事を見つけやすい ・物価が安く、生活費を抑えられる |
タイで働くデメリット | ・首都のバンコクは交通渋滞が激しい ・物価水準が低く、年収が下がる可能性がある |
求人の特徴 | ・製造、商社、物流業界の求人が多い |
向いている人の特徴 | ・日本人が就職しやすい国で海外生活を送りたい ・物価の安い国で働きたい |
タイは高卒が就労ビザを取得しやすい国の一つとして知られています。
日系企業が盛んに進出しており、コールセンターや飲食店スタッフ、工場スタッフ、営業職など、日本人向けの求人が豊富な傾向にあります。物価が安く、生活コストを抑えながら働けるのも魅力です。
また、タイで日本人が働く際は「1ヵ月の給与が50,000バーツ(約20万円)以上」と定めているので、日本とあまり変わらない生活水準を維持できるでしょう。
2.フィリピン
給与の目安 | ・営業:月収286,000~390,000円 ・事務:月収234,000~338,000円 ・カスタマーサービス:月収208,000~338,000円 |
フィリピンで働くメリット | ・英語が公用語の1つ ・物価が安く、生活費を抑えやすい |
フィリピンで働くデメリット | ・インフラがあまり整っていない ・物価水準が低く、年収が下がる可能性がある |
求人の特徴 | ・英語スキルを活かせる求人や未経験OKの求人が多い |
向いている人の特徴 | ・英語スキルを高めたい ・早期からキャリアアップを目指したい |
フィリピンは英語が公用語の1つのため、英語スキルを鍛えながら働ける環境が整っています。
BPO産業が盛んで、コールセンターをはじめとした日本語だけで働ける求人や、未経験OKの求人が豊富です。
- 【BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業とは】
- 企業の業務プロセスの一部または全体を外部の専門企業に委託するサービス
また、物価が安く生活費を抑えられるほか、学歴や職歴を問わず就労ビザを取得しやすい国でもあるので、海外就職の第一歩として最適な国といえるでしょう。
3.カンボジア
給与の目安 | ・営業:月収230,000~280,000円 ・技術:月収270,000~450,000円 |
カンボジアで働くメリット | ・経済成長率がトップクラスの市場で働ける ・未経験OKの求人が多い |
カンボジアで働くデメリット | ・インフラがあまり整っていない ・物価水準が低く、年収が下がる可能性がある |
求人の特徴 | ・製造業やIT企業での管理業務や日系企業相手の営業ポジションの求人が多い |
向いている人の特徴 | ・成長中の市場でチャンスをつかみたい ・英語力を高めたい |
経済成長率が世界トップクラスのカンボジアは、学歴や年齢、実務経験に関係なく就労ビザを取得しやすいので、高卒も働きやすい国です。
日本企業が多く進出し始めているため、日本語話者の採用を考えている海外企業も増えています。そのため、主に製造業やIT業界での管理業務、営業業務、日本人対応のカスタマーサポートといった日本人向け求人も豊富です。
一方で、アジアの中でも給与水準が低めな点や、インフラ整備が発展途上である点には注意が必要です。
4.インド
給与の目安 | ・いずれのポジションでも年収約292万円以上が保証されている |
インドで働くメリット | ・将来性の高い市場で働ける ・英語力向上が期待できる |
インドで働くデメリット | ・インフラがあまり整っていない ・衛生面での課題が多い |
求人の特徴 | ・製造業やITを中心に、金融、建築など幅広く、日系企業相手の営業ポジションの求人も多い |
向いている人の特徴 | ・成長中の市場で成功したい ・英語力を高めたい |
インドはIT産業やBPO産業が発展しており、未経験でも挑戦できる職種が多いのが特徴です。日本語の需要も比較的高いので、日本語教師や日系企業のサポート職といった求人も見つけやすいでしょう。
多言語国家で第二公用語が英語のため、英語力を高めたい人にも向いている環境です。
物価が安く低コストで生活できますが、一方で、国内全土で水事情が悪いといった衛生面や治安面で課題があります。
5.オーストラリア
給与の目安 | ・営業:月収600,000~800,000円 ・事務:月収500,000~650,000円 ・カスタマーサービス:月収450,000~600,000円 |
オーストラリアで働くメリット | ・世界トップクラスで給与水準が高い ・ワークライフバランスを実現しながら働ける ・特定の専門分野に特化してキャリアアップしやすい |
オーストラリアで働くデメリット | ・英語ができないとビジネス面・生活面で苦労する ・物価が高く、生活費がかかりやすい |
求人の特徴 | ・IT、教育、建築、農業といった分野の求人が多い |
向いている人の特徴 | ・スキルアップやキャリアアップを目指したい ・オンオフを切り替えながら働きたい |
英語圏のオーストラリアは、英語力を伸ばしながらキャリアアップを目指しやすい環境です。また、仕事においては「プロフェッショナル」を重んじている風潮があるので、特定の分野に特化して専門性を高めていきたい人にも向いています。
物価が高く生活費がかかりますが、給与水準も高いため、短期間でしっかり稼げる仕事が多いのも特徴です。
20代までならワーキングホリデー制度を活用すれば、高卒も働きながら滞在できます。
高卒者が海外就職しやすい職種10選

高卒が海外で就職しやすい職種を10種に絞ってご紹介します。
高卒が海外で採用されやすい職種は、専門的な知識やスキルを必要としない仕事、日本語を使って働ける仕事などが主に挙げられます。
コールセンター
海外進出している日本企業は海外にコールセンターを置いている場合が珍しくなく、日本人向けの求人も豊富に出ています。特にタイやマレーシアといった東南アジアで求人数が多いです。
日本人の対応をするポジションであれば、日本語のみで働ける職場も多く、語学力は問われないことがほとんどです。
勤務先によって扱う製品やサービスは異なりますが、どの企業でも顧客からの問い合わせやクレーム対応が主な仕事内容になります。電話対応が苦手でなければ、特別なスキルがなくても就職しやすい職種です。
- 必要なスキル・資格:特になし
日本食の飲食店スタッフ
世界中で日本食の人気が高まっている影響で、昨今は海外に日本食レストランが急増しており、それに伴い日本人向けの求人数も増えています。
キッチンスタッフの場合は調理スキルが必要となりますが、ホールスタッフは特別なスキルが必要ないので、未経験者でも働きやすいです。実際に語学力や学歴は不問の求人も多く、高卒もチャレンジしやすいでしょう。
給与水準は国によって異なりますが、チップ文化のある国のホールスタッフは、努力次第で収入が増える可能性があります。
- 必要なスキル・資格:特になし
ホテルスタッフ
日本人観光客向けのホテルや日系ホテルチェーンは、日本人スタッフの需要が高い傾向にあります。
仕事内容はフロント業務、清掃、調理、営業など多岐にわたりますが、特別な資格がなくてもホテルへの就職は可能です。
ただし、接客業かつ他者との連携が必要な業務が多いので、一定以上の語学力は求められます。また、担当する部署によってはホテルスタッフの実務経験が必要となることもあります。
キャリアアップのチャンスもあり、経験を積めばマネージャーも目指せます。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、部署によっては実務経験
ツアーガイド
ツアーガイドは、現地の観光名所を案内したり、観光客からの質問に答えたりするのが主な仕事です。
日本人向けのツアーガイドであれば観光客への対応は日本語ですが、現地の人と交渉したり通訳をしたりするので、一定以上の語学力や知識は必要となります。
しかし、学歴よりもコミュニケーションスキルが重視されるため、高卒でもチャレンジは可能です。
観光業ゆえに繁忙期と閑散期で収入に差が出やすい点は注意しましょう。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、現地・観光地などの知識、コミュニケーションスキル、国によってはツアーガイドの資格や免許
生産管理
海外には自動車メーカーをはじめ日本企業の工場が多く存在しており、生産ラインを管理する求人が豊富にあります。勤務地は東南アジアや中国などの、製造業が盛んな地域が中心です。
生産管理は現場のスタッフと連携して仕事を進めるので、一定以上の語学力やコミュニケーションスキルが求められます。
また、生産計画や在庫管理、進捗管理といった業務をこなす必要があるため、生産管理の知識や実務経験があると有利ですが、未経験から挑戦できる求人もあります。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、コミュニケーションスキル
貿易管理
貿易管理は、海外と取引のある企業において、輸出入の手続きを担当します。
未経験者向けの求人もありますが、貿易に関する書類の作成、連絡、管理など幅広い業務に携わるため、貿易事務の実務経験や知識があると有利です。
また、専門用語や業界知識などを理解している必要があり、一定レベルの語学力や交渉力は必須です。
しかし、勤務先によっては基本的なビジネス英語ができればOKな場合もあるため、どの程度の語学力が必要なのかを入社前に確認しておきましょう。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、交渉力
海外駐在員
海外駐在員は日本企業に就職して海外赴任となったスタッフを指します。仕事内容は勤務先・部署によって異なります。
日本で積んだキャリアをそのまま活かして海外での勤務経験を積めるのがメリットです。
海外駐在員は枠自体が少ないので狭き門ですが、高卒でも社内の実績が評価されれば、駐在員としてのチャンスをつかめる可能性はあります。
業務スキルはもちろん、語学力やコミュニケーションスキルがあると、海外駐在員として選ばれやすくなるでしょう。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、コミュニケーションスキル、実務経験
日本語教師
日本語教師は、海外の教育機関や語学学校などで日本語を教えるのが主な仕事内容です。アジアをはじめ、日本語学習者や日本に働きに来る人が多い国で需要が高まる傾向にあります。
海外で日本語教師になるのに必須の資格はありませんが、日本語教育能力検定の資格を取得していると有利です。また、日本語だけでなく現地の言語も使って授業を行うケースが一般的なので、一定レベルの語学力が求められます。
しかし、未経験でも募集している職場もあるため、高卒でもチャレンジ可能です。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力
留学エージェント
留学エージェントは、留学希望者へのカウンセリングや留学手続きのサポート、現地生活の支援、悩み相談の対応などを行います。
特に日本人留学生が多い国では、現地に駐在する日本人アドバイザーの需要は高い傾向にあります。
現地のスタッフとコミュニケーションをとる機会も多くあるため、一定レベルの語学力は必要です。しかし、高卒であっても、留学の経験や、教育・カウンセリングに関する実務経験があれば、採用の可能性はあります。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、コミュニケーションスキル
ITエンジニア
コンピューターや通信機器全般の設計を行うITエンジニアは、専門職ではありますが、求められる知識や技術が世界共通という点が魅力です。
日本でITエンジニアとして働いた経験があれば、スキルや知識をそのまま活かして海外で働けます。
日本企業や現地企業に入社する方法だけでなく、フリーランスとしても活躍しやすく、働き方の選択肢が多い点もメリットといえます。
ただし、現地の言語で書かれている書類や業務に関する会話を理解するレベルの一定の語学力は必要です。
- 必要なスキル・資格:一定レベルの語学力、プログラミングスキル
海外で仕事を探すならエージェントの活用が重要

海外で仕事を探すなら、自力だけで頑張るのではなく、エージェントも活用するのがおすすめです。
海外での仕事探しでエージェントを活用する具体的なメリットは下記の通りです。
自力では知りえない情報が得られる
エージェントを活用すると、一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらえます。応募できる求人の選択肢が広がり、自分が求めている条件の求人を見つけやすくなります。
また、エージェントは現地の労働市場や給与相場、働きやすい企業に関する情報など、独自のデータも持っているので、簡単に現地の最新情報を得られる点もメリットです。
さらに、実際に海外就職を成功させた人の体験談や、面接対策のノウハウなども提供してもらえるため、初めて就職するという高卒の方も安心して就職活動を進められるでしょう。
必要な手続きの支援や代行を行ってくれる
海外で働く際には、就労ビザの申請をはじめ、さまざまな手続きが必要です。
エージェントを活用すれば、アドバイスを受けられるほか、就労ビザ取得のサポートや必要書類の準備といった作業も手伝ってもらえます。
具体的なサポート内容はエージェントによって異なりますが、現地での銀行口座開設や住居探し、渡航先での生活相談など、生活面の支援を全面的に行ってくれるエージェントもあります。
また、トラブル発生時の相談窓口にもなってくれるので、就職前はもちろん、就職後も心強いバックアップを受けられるでしょう。
海外就職に特化したエージェント15選

海外での仕事探しでエージェントを活用する際のポイントは、以下の2点です。
- 希望条件に合った求人を多く取り扱っているエージェントを選ぶ
- 複数のエージェントを利用して比較検討する
海外就職に特化したエージェントを15種類ご紹介するので、上記のポイントを意識しながら自分に合ったエージェントを見つけてみましょう。
対応している国の数が多い就職サービス
LHH転職エージェント | 世界最大級の総合人材サービス企業・アデコグループの転職支援サービスです。求人情報数や非公開求人数が豊富です。さまざまな国籍のコンサルタントが在籍しているため、現地のリアルな情報を提供してもらえます。 |
Working Abroad | アジア、北米、ヨーロッパ、オセアニア、アフリカなどさまざまな国の求人が掲載されており、希望勤務国や言語、職種などを指定して求人を検索できます。 |
アジア系に特化した就職サービス
REERACOEN | タイに特化した求人サイトです。タイ国外在住の人のサポートも行っており、現地の市場観や給与相場などを踏まえてアドバイスをしてもらえます。 |
GJJ海外就職デスク | アジアを中心に幅広い求人を掲載しているサイトです。キャリア目標に合ったプランが3つ用意されています。コンサルタントによるカウンセリングのほか、海外就職準備セミナーも実施しています。 |
ベトスカウト | ベトナムに特化した日本人向けスカウト型転職サービスです。登録するだけでスカウトが届くため、キャリアの選択肢が広がります。ハイクラス・高年収の非公開求人も多く、ハイクラス転職も狙いやすいです。 |
iconicJob | ベトナムとマレーシアに特化した求人サイトです。日系企業の現地採用求人や海外駐在求人など、幅広い求人が掲載されています。全体の約80%は非公開求人で、希望に合った求人を紹介してもらえます。 |
ABROADERS CAREER | 東南アジアを中心とした求人サイトです。職種や業種のほか、「未経験OK」「語学力不問」といった条件からも求人を検索できるため、経験・スキルがない方も自分に合った求人を見つけやすいです。 |
RGF HR Agent | 東南アジア全域の求人を扱うサイトです。現地在住の日本人コンサルタントがサポートしてくれるため、日本語で安心して相談できます。オンラインでの面談もできるので、日本からでも利用可能です。 |
KJ CAREER | 韓国語&日本語に特化した求人サイトです。求人照会やキャリア相談のほかにも、応募書類作成や面接日時の調整、雇用条件の交渉など採用決定までをサポートしてもらえます。 |
アメリカに特化した就職サービス
QUICK USA | 全米の求人を掲載しているサイトです。英文の履歴書での登録が必要ですが、レジュメのアドバイスや語学やパソコンスキル向上などを目的とした各種セミナーの開催など、幅広いサポートを受けられます。 |
Actus | 主要都市を拠点に、就職・転職のサポートと企業側の人事・雇用のサポートを行っている人材紹介サービスです。求人の紹介や応募から採用までの支援のほか、セミナーや勉強会も実施しています。 |
ヨーロッパ系に特化した就職サービス
centre people | イギリスに特化した求人サイトです。語学力チェックや仕事探しの悩み相談のほか、企業への推薦、面接の調整、条件交渉、入社前の準備や書類発行など幅広いサポートを受けられます。 |
career management | ドイツに特化した求人サイトです。応募から入社前後のフォローアップまでのサポートのほか、主要都市にいる専任コンサルタントに最新の現地事情を踏まえて転職に最適なソリューションを提案してもらえます。 |
ovninavi | フランスに特化した総合情報サイトです。求人情報だけでなく物件情報も取り扱っているため、仕事探しと物件探しを同時に進められます。レストランやイベントの情報も掲載されており、フランスでの暮らしに必要な情報を収集できます。 |
高卒者の海外就職が難しいと感じたときの他の選択肢

高卒が海外で働くことは可能ですが、今すぐ渡航するのは難しいと感じている場合は、準備期間として日本で語学力を活かせる仕事をするのも手です。
いきなり高い語学力を求められる職種はハードルが高いので、インバウンド向けの接客業を選択肢に入れてみると良いでしょう。空港やホテル、レストラン、観光案内所といった外国人が多く訪れそうな場所での仕事は有力候補です。
また、海外就職に向けてできるだけ貯金をしたい人は、インバウンド向けのナイト系スタッフとして働くという手もあります。
メンズバニラは学歴・経験不問で始められるインバウンド向けのナイト系スタッフ求人が多数掲載されているので、興味がある人はチェックしてみましょう。
高卒者の海外就職に関するよくある質問

最後に、高卒者の海外就職に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。
海外就職に不安はつきものです。少しでも不安を解消して、安心して海外での就職を目指せるようにしていきましょう。
高校卒業後に海外で働きたいけど、18歳で一人暮らしは可能?
18歳で海外での一人暮らしは可能ですが、国によってはビザの取得条件や労働規制が厳しく、すぐに働けるとは限りません。
特に語学力や職歴がない状態での海外生活はハードルが高いため、不安がある場合はワーキングホリデーや留学を経てから就職するルートを検討するとよいでしょう。
また、国によって物価水準や治安・衛生などの生活環境は大きく異なります。移住後に慌てないように、国内にいるうちから生活費の相場や住宅環境、現地のサポート制度などをしっかり調べておくことが重要です。
高校卒業後に海外留学するのと、大学卒業後に海外で働くのはどっちがいい?
どちらがよいかは、目指すキャリアプランや職種によります。
高校卒業後すぐに海外留学をすれば、その分早く異文化に適応したり、語学を習得できたりする可能性が高いです。ただし、学歴がネックになり、就職先の選択肢が限られる恐れもあります。
大学卒業後に海外就職をする場合、文化や言語に慣れるまでに時間はかかるかもしれませんが、就職の際に「大卒」という学歴が有利に働きます。学歴要件のある職種に就きやすく、就職先の選択肢も広がるでしょう。
将来的にどのように働きたいかを明確にして、自分のキャリアプランに合った方法を選びましょう。
海外で働くには大卒は必須ですか?
国や職種にもよりますが、大卒という学歴は必須ではないケースも多くあります。
飲食・観光・工場・BPOなど高卒でも働きやすい職種であれば、経験やスキルがなくても採用される可能性があります。
ただし、専門職は学歴が重視されるので、大卒でないと採用されない場合が珍しくありません。また、大卒でないと、就労ビザの取得が困難な国もあるのが実情です。
目指したいキャリアプランに沿って、大卒の学歴を手に入れるかどうか検討するようにしましょう。
高卒者が海外で働くにはリサーチと準備が重要

高卒にとって、海外就職は国内就職に比べてハードルが高いため、高卒者が海外で働くには入念なリサーチと準備が重要です。
高卒者が海外で働くのに必要なものは主に以下です。
- 就労ビザ
- 語学力
- 業務に関する資格やスキル
- 実務経験
- 貯金
就労ビザがなければ、原則として海外で働くことはできませんが、高卒の場合は就労ビザの取得難易度が高い国もあります。まずは就労ビザの取得条件を確認し、条件をクリアできるように準備を進めましょう。
さらに、安心かつ安全に働くためには、働く国選びも重要なポイントです。
今回ご紹介した内容を参考にしつつ、必要に応じてエージェントも活用しながら、自分に合った仕事をぜひ見つけてみてください。