【高卒向け】履歴書の書き方と採用担当者に伝わる自己PR術を解説

このような悩みを持つ方に向けて本記事では、高卒向けの履歴書の書き方や採用担当者に見られやすいポイント、履歴書作成時にやってしまいがちなNG例などを詳しく解説します。

学歴に不安があっても、書き方のコツさえ押さえておけば履歴書はしっかり仕上がります。自分の経験や強みをうまく伝えられれば、応募するときも自信を持てますよ。

志望動機・自己PRの書き方もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【重要】高卒向け！履歴書の学歴・職歴欄の正しい書き方

履歴書を書くにあたり、まずは「学歴・職歴欄に関する基本的な書き方のルール」を押さえましょう。

これは採用担当者が最初に確認しやすい部分なので、丁寧に整えておくことが大切です。

これらの基本ルールを押さえたうえで、職歴欄を書く際は次のポイントも意識しましょう。

ここからはより詳しく、高卒・高卒認定合格・高校中退といった状況ごとに履歴書の学歴欄の書き方をさらに詳しく解説します。

高校を卒業している場合の書き方

履歴書の学歴欄は、最終学歴の一つ前の学歴から記入するのが基本です。つまり高卒の場合は、小学校を省略して中学校卒業から書き始めます。

学校名は略さず「中学校」「高等学校」と正式名称で記入し、「私立」「公立（県立）」「国立」などの区分も省略しないようにしましょう。

また、高校で専門学科やコースを卒業している場合は、学科・コース名まで書くのがおすすめです。応募職種に関連がある学科であれば、効果的なアピール材料になります。

たとえ直接関係がない場合でも、情報を正確に伝えようとする姿勢は誠実さとしてプラスに映ります。

高卒認定試験に合格している場合の書き方

高校を卒業していなくても「高等学校卒業程度認定試験（高卒認定）」に合格していれば、学歴欄または資格欄に記入できます。

一般的には学歴欄と資格欄のどちらか一方に記載するので問題ありませんが、採用担当者の見落としを防ぐために、両方に記載しても問題ありません。

どちらの欄に書く場合も「〇年〇月 高等学校卒業程度認定試験 合格」と書きます。

高卒認定試験は、高校卒業と同等の学力を証明する試験です。
大学入試や一部の公務員試験など「高卒以上」が条件の場面において、高卒者と同じ扱いになるケースも多くあります。

高校を中退している場合の書き方

高校を中退した場合は「〇年〇月 △△高等学校 中途退学」と記入し、学科があれば学科名も書きます。

高校を中退した人の最終学歴は中学校卒業になりますが、高校中退の事実を記載しないと学歴詐称と見なされる可能性もゼロではありません。

学歴欄は通常、小学校の学歴は不要なので中学校から記入し、その流れで高校中退の事実も正直に明記しましょう。

中退の理由は書かなくても問題ないものの、事情があった場合は書いたほうが採用担当者の理解を得やすくなります。

理由を書く際は、「経済的事情のため」「家庭の事情により」といったように、内容を簡潔にまとめるのがポイントです。

また、理由を記載しない場合でも、面接で聞かれることはよくあるので、落ち着いて答えられるように準備しておくと安心です。

高卒向けの志望動機・自己PRの書き方

志望動機・自己PRは、履歴書の中でもよく見られる部分です。そのため、この部分をしっかり作り込むだけで、採用担当者へ伝わる印象が大きく変わります。

ここでは、高卒の方に向けた志望動機・自己PRの書き方を解説します。履歴書を作成する際に、ぜひご活用ください。

志望動機は、学生時代やアルバイトの経験を交えて具体的に伝えよう

高校を卒業してすぐであれば、「学生時代に力を入れたこと」や「部活動の経験」をもとに書くのがおすすめです。

一方、すでにアルバイトを経験している場合は、仕事を通じて感じたことや成長したポイントを盛り込むと、より説得力が強まります。

志望動機は抽象的なものではなく、自分ならではの体験談を具体的に書くことが大切です。

以下は、志望動機のNG例とOK例です。

このように背景や体験を入れるだけで、自分の思いや熱量がより伝わりやすくなり、良い印象を与えられます。

自己PRは「自分の強み」を仕事にどうつなげて伝えるかがカギ

履歴書によっては、志望動機とは別に「自己PR欄」が用意されているケースもあります。

自己PRでは、「入社したら会社にどう貢献できる人なのか」を相手にイメージしてもらうことがポイントです。

自己PRは、次の3つをセットで書くとまとまりやすくなります。

• 自分の強み
• その強みを裏付ける具体的なエピソード
• その強みを仕事でどう活かせるか

また、どの企業にも同じ自己PRを使い回すのではなく、応募先の仕事内容に合わせることが大切です。

たとえば、細かい作業や確認が多い仕事であれば「集中力がある」、人と接する機会が多い仕事の場合は「コミュニケーションに自信がある」といったように、仕事内容と強みを結びつけると、自身の強みを業務に当てはめて理解してもらいやすくなります。

採用担当者が高卒の履歴書で注目する3つのポイント

採用担当者は、高卒の履歴書のどのような点を重視するのでしょうか。

ここでは、特に注目されやすいポイントを3つ解説します。要点をおさえて作成することで、書類選考で目に留まりやすくなり、印象も良くなります。

「学びたい」「成長したい」という意欲とポテンシャルがあるか

20代～30代の高卒者の場合、即戦力になる経験やスキルよりも「意欲・やる気」を重視する企業が多いです。

意欲とやる気が伝わる履歴書が書ければ、将来性を期待して採用される可能性が高まります。

ただし、ただ単に「学びたい」と書くだけだと受け身に見える場合があります。

企業は、自ら課題を見つけて積極的に取り組む姿勢を評価します。
学校や仕事で自分なりに課題を発見し、改善に取り組んだ経験などを具体的に書くと、意欲や積極性が伝わりやすくなります。

企業のことをしっかりと調べているか

履歴書を書く前に、応募先の企業についてしっかりと調べておくのも重要です。

商品やサービスの特徴、仕事内容、経営理念、求める人物像などを把握しておくと、志望動機や自己PRの内容がグッと具体的になります。

一方、企業研究が不十分な場合には、どうしても志望動機・自己PRが抽象的になりやすく、熱意が伝わりづらくなってしまいます。

調べた内容は志望動機の中で一言添えるだけで印象が違います。「御社の〇〇という商品に惹かれ、△△という点で自分が貢献できると考えています」のように、具体性を意識しましょう。

内容が正確か、丁寧に書かれているか

どんなに中身が良くても、誤字や記入漏れ、連絡先の間違いがあると評価は下がります。履歴書は「仕事でミスをしないか」を判断する材料にもなるため、見た目と正確さは軽視できません。

チェックポイントは次のとおりです。

• 誤字脱字がないか、読みやすい字で書けているか。
• 年号や職歴の整合性が取れているか
• 連絡先や資格の記載に間違いがないか。
• 見た目が整っているか

また、履歴書やES（エントリーシート）は、パソコンで作成するのが主流となりつつありますが、手書きでの作成を求める企業もあります。
手書きを求める企業の多くは「文字に丁寧さがあるか」「書類に向き合う姿勢がうかがえるか」といった点を確認するためです。

一文字一文字丁寧に書かれた履歴書は、「仕事も誠実に取り組む人柄」をイメージさせやすく、読む人に好印象を与えやすいです。

字が上手かどうかは重要ではないので、履歴書を手書きする際は丁寧かつ読みやすい字を意識しましょう。

高卒向け！履歴書の必須項目の「基本の書き方」

履歴書の空欄が多いと「記入漏れがあるのでは」「意欲が低いのでは」と判断される可能性があります。そのため、一般的には履歴書は全ての欄を埋めるのが望ましいとされています。

ここでは、高卒者に向けて、必須項目の基本的な書き方を解説します。

氏名・日付・生年月日・住所・連絡先などの基本情報の書き方

履歴書の基本情報の部分にあたる氏名や生年月日、住所など、合計5項目の書き方で押さえておくべきポイントは以下のとおりです。

項目	書き方のポイント
氏名欄	・名字と名前の間を少し空けてフルネームを記入する ・旧字体は省略せず、戸籍にある正式な字体で書く ・振り仮名は、欄の表記に従う ※「ふりがな」と書かれていればひらがな、「フリガナ」とあればカタカナで記入する
履歴書上部の日付欄	・記入日ではなく会社への提出日を記入する ※面接持参なら面接日、郵送なら投函日または窓口に差し出した日を書く ・日付は算用数字で記入する（例：2025年3月1日）
生年月日欄	・西暦か元号のどちらかに統一して書く ・「満〇歳」とある場合は、提出日時点の年齢を記入する
住所欄	・郵便番号または都道府県から始め、番地や建物名、部屋番号まで省略しない ・別の連絡先を希望するなら連絡先欄に記入し、現住所と同じ場合は空欄にしないため「同上」と記入する
電話番号・メールアドレス欄	・日中に連絡が取れる番号を記入する ・メール欄がある場合は正確なアドレスを書く

顔写真の撮り方・貼り方

一般的な履歴書に合わせて、縦40mm×横30mm程度の証明写真を用意します。

撮影時はスーツを着用し、髪型も整えて清潔感のある印象にしましょう。
そのほか、表情は自然で、まっすぐカメラを見るよう姿勢にも気をつけ、ビジネスパーソンとしての熱意が伝わる写真にすることが大切です。

写真は現在の自分の容姿を正確に伝えるために、「撮影から3ヶ月以内」のものを使用するのが推奨されています。

貼り付ける際はのりを使い、枠線に合わせて斜めにならないように丁寧に貼りましょう。

資格欄の書き方：応募職種と関連性の高いものを優先

免許・資格欄には「普通自動車第一種運転免許」「宅地建物取引士」など、略さず正式名称で記入し、取得年月も明記します。また、生年月日などと同様に、西暦か元号かを統一することが大切です。

取得資格が複数ある場合は、取得年月が古い順に書くのが一般的です。

資格が多く、資格欄に書ききれない場合は、応募先との関連性が高いものを優先して記載しましょう。業務に直結する資格があると、即戦力として評価されやすくなります。

また、「高卒認定（高等学校卒業程度認定試験）」は学歴欄ではなく、資格欄に書いても問題ありません。

趣味・特技欄・諸活動欄の書き方：人柄をアピールする

趣味・特技欄は、自分の個性や人柄をアピールできる重要な項目です。採用担当者の関心を引き、自分の強みにつながる内容を書くと、選考で有利に働くこともあります。

何を書けば良いのかわからない場合、趣味なら「興味のある分野や好きなこと」、特技なら「部活動や習い事で身についたこと」を振り返ってみましょう。

また、履歴書によっては趣味・特技欄がなく、代わりに「学校や地域での活動をアピールできる欄」が設けられている履歴書もあります。

その場合は、部活動や生徒会の役職、ボランティア、インターンシップなどの経験を具体的に記入すると良いでしょう。

せっかくのアピールチャンスなので、「特になし」と書くのは避けたほうが無難です。

ただし、実際にはない経験をあるように書くのは経歴詐称に該当するため、活動実績がない場合、諸活動の欄は「特になし」と正直に書いても問題ありません。

本人希望欄の書き方：「貴社の規定に従います」が基本

履歴書の本人希望欄は、「貴社の規定に従います」と書くのが基本です。

空欄にしたり「特になし」と書くのは避けましょう。

本来は、希望職種や勤務地、勤務時間など「譲れない入社条件」があるときに記載する項目ですが、細かく希望を記載すると「要望が多い応募者」という印象を与えかねません。

勤務地や待遇などの条件は、面接ですり合わせができます。そのため、本人希望欄はどうしても伝えたい条件がある場合のみ記入し、それ以外は「貴社の規定に従います」と書くのが安心です。

希望を書く際は「〇〇のため、△△を希望します」のように、理由と希望を簡潔にまとめましょう。

押印欄がある場合の対応方法

履歴書には押印欄があるものとないものがありますが、どちらを利用しても選考に影響はありません。

ただし、押印欄がある履歴書で押印しないまま提出すると書類の不備と見なされる可能性があります。

押印欄がある場合は、印鑑登録や銀行印でなくてもよいので、必ず印鑑を押しましょう。また、インクが内蔵されているシャチハタではなく、朱肉で押印する印鑑を使うのが一般的です。

押す際は、かすれや欠け、逆さや斜めにならないよう丁寧に押すことが大切です。

高卒向けの履歴書用紙の選び方

基本的に、履歴書のサイズや形式に決まった規定はなく、自分が書きやすいものを選んで問題ありません。

履歴書はコンビニや書店で購入できるほか、インターネットからダウンロードすることもできます。ただし、応募先の企業から用紙やフォーマットの指定がある場合はそれに従いましょう。

また、履歴書には「一般用」「アルバイト・パート用」など複数の種類があるため、用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。

なお、アルバイト用の履歴書は記入項目が少なく簡易的なため、正社員応募での使用は避けましょう。

不採用を避けるために！高卒の履歴書でよくあるNG例

履歴書は書類選考に関わる重要な書類であるため、作成・送付の際はビジネスマナーにも気を配ることが重要です。履歴書の扱い方を間違えると、マナー違反と見なされて不採用につながる可能性もあります。

ここでは、高卒の履歴書でよくあるNG例を4つご紹介します。

• 間違った情報や嘘を書いてしまうのは絶対NG
• 修正液や消えるペンなどマナー違反の筆記具を使う
• 「御社」と書いてしまうなど、誤った敬語表現
• 郵送時の宛名や書き方を間違ってしまう

間違った情報や嘘を書いてしまうのは絶対NG

履歴書の誤字・脱字は、採用担当者に「注意力散漫な人」「志望度が低い人」といった印象を与えてしまいます。書き終えた履歴書は提出前に必ず読み直し、誤字脱字や記入漏れなどがないかを丁寧にチェックしましょう。

また、「高校中退を卒業と書く」「高卒認定を合格と偽る」など、事実と異なる内容を書くことは絶対にしてはいけません。

経歴や情報を偽る行為は「経歴詐称」にあたり、発覚すれば内定取り消しや解雇につながる可能性があります。
信頼性の低下にも直結するため、事実を正確に記載することが大切です。

修正液や消えるペンなどマナー違反の筆記具を使う

履歴書を書き間違えた場合は、修正液や修正テープを使わず、新しい用紙に書き直すのがマナーです。

履歴書に修正液や修正テープを使用すると、書類としての正確性や丁寧さに欠ける印象を与え、書類の信頼性が下がります。

もしも提出直前に気付いてどうしても書き直せないときは、定規を使って真っすぐ二重線を引き、線にかかるように訂正印を押して正しい文字を書きましょう。

また、水性ペンや鉛筆、消えるボールペンなど、簡単に修正や改ざんができる筆記具で履歴書を書くのもNGです。

消えるタイプの筆記具は、温度や摩擦、水濡れなどで文字が読めなくなる恐れがあり、公的書類の作成に用いるのは不適切とされています。

履歴書を手書きする場合は、必ず黒色の消えないボールペンを使いましょう。

「御社」と書いてしまうなど、誤った敬語表現

誤った表現がある履歴書は「ビジネスマナーが身についていない」「注意力が低い」といった印象を与えやすくなります。

特に敬語は普段あまり使わない言葉も多いため、履歴書を書く際には間違いがないかしっかり確認しましょう。

たとえば、相手の会社を指す場合、口頭では「御社（おんしゃ）」と話しますが、履歴書やメールの文章では書き言葉の「貴社（きしゃ）」を使うのが正しいです。

正しい言葉選びが行えると、きちんとした印象を与えられます。

郵送時の宛名や書き方を間違ってしまう

履歴書を郵送で送る場合、封筒の書き方を間違ってしまうと、採用担当者に「マナーが欠けている」と思われる可能性があります。

郵送時の基本的なポイントは次のとおりです。

• 表の宛先に郵便番号・住所・宛名を正しく記入する
• 宛名が会社・部署なら「御中」、個人名なら「様」を付け、両方同時には使用しない
• 表の左下に赤字で「履歴書在中」と明記する
• 裏に自分の住所・氏名・郵便番号を記入する
• 切手はまっすぐに貼り、郵便料金の不足がないよう注意する

郵送方法は、特別な理由がない限り普通郵便で送るのが基本です。

高卒の履歴書を正しく書いて就職・転職を成功させよう！

履歴書は、自分の経歴やスキル、働く意欲などを企業に伝えるための重要な書類です。

採用担当者は記載内容はもちろん、書き方からも応募者の人柄や能力、ビジネスマナーが身についているかどうかなどを判断しています。

履歴書でマイナスな印象を持たれてしまうと、自分の強みや良いところが伝わりにくくなるので、履歴書は正しい書き方で丁寧に作成しましょう。

高卒という学歴に自信がなくても、「簡潔かつ正直に書く」「エピソードを盛り込んで具体的にアピールする」などのポイントを押さえた履歴書が書ければ、採用される可能性は十分あります。

本記事を参考に、採用担当者にアピールできる魅力的な履歴書を作成し、就職・転職を成功させましょう。