中卒で保育士になるには?転職成功のポイントと求められる能力

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中卒で保育士になるには?転職成功のポイントと求められる能力

  • 中卒で保育士になれるの?

  • 保育士になるにはどんな条件があるんだろう?

保育士は、乳児から小学校入学前の子どもを預かり、保護者に代わって成長を支える仕事です。子どもたちと向き合う責任は大きいですが、その分やりがいも大きい職業といえます。

保育士になるためには国家資格が必要ですが、受験資格を満たせば、中卒から保育士を目指すことは可能です。

本記事では、中卒から保育士になるための条件や方法、効果的な試験対策、保育士になったあとのキャリアプランなどを解説します。

保育士になるメリットや注意点もご紹介するので、保育士への転職を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

中卒で保育士になれるが学歴以外の条件がある

保育士資格を取得すれば、中卒も含め学歴を問わず保育士になることが可能です。ただし、保育士試験を受けるには、次のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 中卒:児童福祉施設で5年以上、7,200時間以上の実務経験を積む
  • 高卒認定試験合格者:児童福祉施設で2年以上、2,880時間以上の実務経験を積む

ほかにも、高卒認定試験に合格後、保育士養成学校に進学し、卒業と同時に保育士資格を取得するのも一つの手です。最終学歴は変わりますが、このルートであれば実務経験や保育士試験の受験などは必要はありません。

必要条件を理解したうえで、自分に最適なルートで保育士を目指していきましょう。

中卒で保育士になる方法

低学歴で高収入の仕事に就くまでの2つのステップ

中卒から保育士を目指すには、以下の3つのルートがあります。

  • 方法①児童福祉施設で5年以上勤務し、保育士試験に合格する
  • 方法②高卒認定を取得し児童福祉施設で2年以上勤務、保育士試験に合格する
  • 方法③高卒認定を取得し指定保育士養成施設に通う

中卒のまま保育士になれるのは、方法①です。

方法②は、高卒認定試験に合格する必要があるものの、方法①より約3年早く保育士になれる可能性があります。

方法③は、「4年制大学」「2年制の短期大学」「専門学校」に進学するため、最終学歴が変わります。ただし、指定保育士養成施設の卒業と同時に保育士資格が得られるため、保育士試験の受験が不要になるのがメリットです。

実際に中卒から保育士になれる最短ルートは、方法③であることから、まずは高卒認定を取得する中卒も珍しくありません。

ここからは、それぞれの方法について詳しく解説します。

方法①児童福祉施設で5年以上勤務し、保育士試験に合格する

最終学歴が中卒のまま保育士になれる方法は、「児童福祉施設で5年以上勤務し、保育士試験を受験する」です。

最終学歴を中卒のままにしたい場合はこの方法になります。

参考
手順
・児童福祉施設で5年以上、7,200時間以上勤務する
・保育士試験を受験し合格する

ここでいう「児童福祉施設」とは、児童福祉法7条で定められた施設のことを指します。

代表的な施設は、次のとおりです。

  • 助産施設
  • 許可保育所
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 幼保連携型認定こども園
  • 児童厚生施設(児童館)など

注意したいのは、国が指定していない施設では実務経験として認められない点です。

せっかく長く働いても受験資格が得られないケースもあるため、就職前に必ず対象施設かを確認しておきましょう。

方法②高卒認定を取得後に児童福祉施設で2年以上勤務し、保育士試験に合格する

方法①より保育士になるまでの時間を短縮できます。そのため「できるだけ早く保育士になりたい」という人に選ばれやすいルートです。

参考
手順
・高卒認定を取得する
・児童福祉施設で2年以上、2,880時間以上勤務する
・保育士試験を受験し合格する

高卒認定が必要になりますが、方法①よりも約3年早く保育士を目指せるのが大きなメリットです。

年齢的な不安がある人や、早めに安定した仕事に就きたい人には現実的な選択肢といえるでしょう。

なお、高卒認定試験は2026年度より「情報」が新しく追加され、合格に必要な科目数が9~10科目となります。

  • 国語
  • 地理
  • 歴史
  • 公民
  • 数学
  • 理科「科学と人間生活+理科の基礎科目どれか1つ」または「理科の基礎科目どれか3つ」
  • 英語
  • 情報

※理科の基礎科目:物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎

一度合格した科目は次回以降免除されるため、すべてを一発合格する必要はありません。

試験は年2回実施されるので、働きながら少しずつ進める人も多いです。

試験は毎年2回実施されるので、計画的に学習を進めていくことが合格するコツです。

また、受験料は科目数に応じて次のように定められています。

受験科目数受験料
3科目以下4,500円
4~6科目6,500円
7科目以上8,500円

参考:文部科学省|高等学校卒業程度認定試験規則・告示等「高等学校卒業程度認定試験における試験科目の変更等について(令和8年度から)」(参照 2025-12-12)

注意点として、高卒認定は「高卒の資格」ではなく「高卒と同等の学力があると証明するための試験」です。このルートで保育士になれた場合でも、最終学歴は「中卒」となります。

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方法③高卒認定を取得し指定保育士養成施設に通う

中卒から保育士を目指す場合、「高卒認定を取得し指定保育士養成施設に通う」という方法もあります。将来的なキャリアも含めて考えたい人には、この方法も選択肢になります。

参考
手順
・高卒認定を取得する
・指定保育士養成施設に通い、卒業する

指定保育士養成施設とは、卒業と同時に保育士資格が取得できる学校のことです。令和6年度の学校一覧は、以下から確認できます。

令和6年度 指定保育士養成施設 施設コード一覧

このルートの最大のメリットは、保育士試験を受けなくていい点にあります。

ただし中卒の人が指定保育士養成施設へ進学するには、高卒認定が必要です。まずは高卒認定を取得し、その後、指定保育士養成施設への入学を目指しましょう。

指定保育士養成施設は卒業と同時に保育士の資格を取得できるため、保育士試験を受ける必要はありません。

中卒で保育士になるための試験対策

中卒で保育士を目指す場合、指定保育士養成施設に進学しないルートでは、保育士試験に合格することが必須です。

保育士試験は「筆記試験」と「実技試験」の2段階があり、どちらも合格しなければ資格は取得できません。

そのため、試験合格に向けて「どう勉強するか」が非常に重要です。特に意識したい試験対策は、次の4つです。

  • 各科目「6割以上」を目指しスケジュールを立てる
  • 過去問を解いて出題傾向を把握する
  • 保育業界の最新情報を学ぶ
  • 向いている分野を見極めて反復練習する

ここでは、上記の試験対策について詳しく解説します。

①各科目「6割以上」を目指しスケジュールを立てる

保育士試験の筆記は、とにかく出題範囲が広いのが特徴です。

一夜漬けでは対応できないため、スケジュールを立てて計画的に基礎知識を定着させることが大切です。

保育士試験の試験科目は以下の通りです。

試験科目満点
保育の心理学100
保育原理100
子ども家庭福祉100
社会福祉100
教育原理50
社会的養護50
子どもの保険100
子どもの食と栄養100
保育実習理論100

参考:一般社団法人 全国保育士養成協議会「試験日程・科目(後期)」(参照 2025-11-26)

各科目において、満点の6割以上得点することが合格の基準になるため、全科目をまんべんなく勉強する必要があります。

まずは1日に確保するべき勉強時間や、参考書を1日何ページずつ進めて勉強していくかなどを決めましょう。

無理のない学習スケジュールを立てることが、挫折せず最後まで学習を続けられるコツです。

事前にスケジュールを立てて勉強するメリットは、勉強の偏りが起きにくくなり、バランス良く知識を身につけられるようになる点です。

②過去問を解いて出題傾向を把握する

過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握するのは、筆記試験対策として有効です。

よく出題されるテーマやポイントが理解できるのはもちろん、自分がどの分野を苦手としているのかを知ることにもつながります。

また、時間を測りながら問題を解いていくと、試験本番のペース配分を掴みやすくなります。特に、テストの時間配分に苦手意識を持っている方に効果的な方法です。

過去問を解くメリットには、次のような点も挙げられます。

  • 学習した知識が身についているかを確認できる
  • 現在の実力と合格基準との差を把握できる

苦手な分野が見つかった場合は、その範囲を重点的に勉強し、合格点を取れるように対策しましょう。

③保育業界の最新情報を学ぶ

保育士試験の筆記試験には、保育業界に関する時事問題が出題されることがあります。

筆記試験を突破するうえで特におさえておきたいのは次のような内容です。

  • 児童福祉法の改正内容
  • 保育所保育方針
  • 子育て支援制度に関する最新情報

法律や制度は数年ごとに見直されるため、保育業界の最新動向を確認しておくことが重要です。

試験対策を行う際は、参考書や過去問で基礎知識を定着させるのはもちろんのこと、保育関連のニュースや行政の公式発表を定期的にチェックしておくのがおすすめです。

日頃から新聞やインターネットの記事、厚生労働省の発表などから最新情報を入手して、時事問題の対策に活用しましょう。

④向いている分野を見極めて反復練習する

保育士試験の実技試験は、音楽・造形・言語の3分野のうち、2分野を選択します。

それぞれ内容や求められる力がまったく違うため、苦手を無理に伸ばすよりも、「これならできそう」と感じる分野を選ぶことが合格への近道です。

実技試験の主な内容は、以下のとおりです。

実技試験の分野内容
音楽課題曲をピアノやギターで弾きながら歌います。正しい音程やリズムだけでなく、子どもが楽しいと感じる表情や声の出し方など表現力や指導力も評価ポイントです。
造形与えられたテーマに沿って、鉛筆(シャープペンシル)や色鉛筆を使って絵を描く試験です。絵の上手さだけでなく、情景や人物、色づかいなど、子どもたちの創造性を引き出せる構成力や表現力が求められます。
言語試験室入室後に指定された物語を道具を使わずに3分以内で読み聞かせします。子どもに伝わる話し方や、興味を引きつける工夫が重視されます。

それぞれの分野で求められるスキルが異なるため、自分に向いている2分野を選んで練習を重ねることが大切です。子どもに接する場面を想定して、繰り返し練習を行いましょう。

中卒で保育士になったあとのキャリアプラン

保育士は幅広い専門性が求められる職業なので、一度資格を取得すれば多様なキャリアを築けます。

保育士の資格を取得したあとの代表的なキャリアプランは、以下の3つです。

  • リーダー・主任保育士を目指す
  • 園長を目指す
  • 福祉・教育関連の仕事に転職する

それぞれ詳しく解説するので、今後のキャリア形成にお役立てください。

①リーダー・主任保育士を目指す

保育士として経験年数を積むと、「リーダー」「主任保育士」といった役職へのキャリアアップを目指せます。

メモ
リーダーとは
クラス運営の中心となる役割で、目安として経験3年以上で任されることが多いポジションです。
クラス担任としての業務に加え、新人保育士のフォローや指導も行います。

主任保育士とは
保育現場をまとめる責任者の一人で、経験年数8年以上の保育士のなかから選ばれるのが一般的です。
園長の補佐やクラス担当保育士のサポート、研修の企画・実施など、運営面にも深く関わる重要なポジションです。

規模が大きい保育施設は、副主任保育士や複数のリーダー職が存在するケースもあり、役職制度の仕組みが異なる場合も少なくありません。

②園長を目指す

園長は保育園の総責任者であり、園の運営全般や経営、保育士の管理・指導を行う重要な役職です。一般的に保育士としての経験年数10年以上が目安とされ、保育に関する専門知識と豊富な実績が求められます。

園長は、職員が働きやすい職場環境を整えつつ、子どもが安心して過ごせる環境を維持するために、園全体を統括する役割を担います。

よって、以下のスキルが求められるのが特徴です。

  • 管理能力
  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力

また、園長は保育園のトップなので、年収も高めに設定されている傾向にあります。

③福祉・教育関連の仕事に転職する

保育士として培った経験やスキルは、他の仕事にも活かせます。なかでも、福祉や教育関連の仕事は、保育士としての知識や経験が大いに役立ちます。

たとえば、日常生活のサポートを必要とする高齢者や障害者に対して福祉サービスを提供する「社会福祉士」に転職した場合、利用者本人だけでなく家族への助言や支援にも柔軟に対応できるでしょう。

「臨床心理士」の資格を取得すれば、スクールカウンセラーとして活躍することも可能です。子どもと接する経験が豊富なので、カウンセリングや支援活動において大きなアドバンテージになります。

自身のキャリアの幅を広げたい方は、他の業界への転職も検討してみてください。

中卒で保育士に向いている人

保育士はさまざまなスキルが求められるため、人によって適性の有無があります。中卒で保育士に向いている人の特徴は、以下の3つです。

  • 子どもとのやりとりが得意な人
  • コミュニケーション力が高い人
  • 体力に自信がある人

ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

①子どもとのやりとりが得意な人

保育士は日々子どもと関わりながら成長を支える職業です。そのため、子どもとのやりとりが得意な人に向いています。

子どもは言葉で気持ちを表現できないことも多く、泣いたりわめいたりと行動で感情を示す場面がたくさんあります。そうした表情や行動から子どもの気持ちを読み取り、寄り添いながら対応できる力が必要です。

子どもとの会話や遊びを心から楽しめる人は、自然と子どもたちとの信頼関係を築くことができ、保育士として活躍できるでしょう。

②コミュニケーション力が高い人

どんな相手でも適切に意思疎通できるコミュニケーション力がある人は、保育士に向いているでしょう。

保育士は、子どもだけでなく保護者や一緒に働くスタッフ、地域住民など多くの人と交流する機会があります。

保護者には子どもの様子を分かりやすく伝えたり、笑顔で挨拶したりと、安心して預けてもらえるような対応が大切です。また、スタッフと連携して子どもの成長を支えたり、トラブルに対処したりする場面も少なくありません。

周囲と円滑にコミュニケーションを取れるスキルは、保育士として働くうえで大きな強みになります。

③体力に自信がある人

体力に自信がある人も、保育士に向いています。

保育士は子どもと一緒に遊んだり外で活動したりする時間が長いため、1日中動き回れる体力が必要です。

抱っこやおんぶのほか、行事の準備や園内掃除など動き続ける時間が長い傾向にあります。また、風邪やウイルス感染などから子どもを守るためにも、健康管理を徹底することも欠かせません。

保育士として活躍したい方は、日々健康に気を配り、常に体調を整える意識を持ちましょう。

中卒で保育士に向いていない人

保育士は日々子どもと接する仕事のため、子どもとの触れ合いが得意でない人は向いていない可能性があります。中卒で保育士に向いていない人の特徴は、以下の3つです。

  • 複数の作業を同時にするのが苦手な人
  • 臨機応変に対応することが苦手な人
  • 汚れることに抵抗感がある人

それぞれの特徴について、詳しく解説します。

①複数の作業を同時にするのが苦手な人

保育士の仕事は、複数の作業を同時にこなす場面が多いです。

たとえば、子どもを見守りながら連絡帳を書いたり、遊びの準備をしつつ別の子の対応をしたりと、いくつもの作業が重なります。
その場その場で優先順位を判断しないと、業務が遅れたり、子どもの小さな変化に気づけなかったりすることもあります。

そのため「一つのことに集中しないとミスしやすい」というタイプの人は、慣れるまで負担を感じやすいかもしれません。

ただし、経験を積むことで自然と段取りが身につく人も多いため、最初から完璧を求めすぎる必要はありません。

それでも複数の作業を同時に行うことに苦手意識を拭えないのであれば、作業スピードやマルチタスクをあまり求められない仕事を視野に入れてみるのも一つの手です。

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②臨機応変に対応することが苦手な人

保育士は子どもの予期せぬ行動に対して、常に臨機応変な対応が求められる職業です。時には、子どもが突然体調を崩したり、ケガをしたり、保護者から急な相談を受けることもあります。

そのたびに、その場で判断して行動する力が求められます。

また、子どもの安全を守るために、予定していた業務よりも優先して対応すべき事態が発生することも珍しくありません。

毎日決まった業務だけをやれば評価されるとは限らないので、臨機応変で柔軟な対応が苦手な人にとっては負担が大きい職業といえます。

③汚れることに抵抗感がある人

保育士は、子どもと外で遊んだり、食事や排せつのサポートをしたりするなかで、服や手が汚れる場面が多々あります。また、トイレをはじめとした施設内の清掃業務も保育士の仕事です。

そのため、汚れるのが嫌だという気持ちが強い人にとって、長く働くのは難しい仕事かもしれません。

ただし、汚れへの苦手意識が強い人のなかには、子どもと接するうちに汚れへの耐性がついた人もいます。子どもに愛情深く接する人は、現時点で汚れることに抵抗があっても克服できる可能性があります。

中卒で保育士になるメリット

保育士になるために必要な「保育士資格」は、国家資格です。「保育士資格」を取得することでさまざまなメリットを得られます。中卒で保育士になるメリットは、以下の3つです。

  • 就職・転職に強く、安定した需要がある
  • ブランクがあっても復職しやすい
  • 育児に関する知識を身につけられる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

①就職・転職に強く、安定した需要がある

「保育士資格」を取得すると就職や転職がしやすくなるというメリットがあります。

保育士試験は合格率が低く、専門性の高い資格として評価されるため、市場価値が高い傾向にあるのです。

また、共働き家庭の増加に伴い、全国的に保育士の需要は年々高まっています。保育園だけでなく、児童福祉施設や企業内保育所など活躍の幅が広く、安定した需要が期待できるので就職先には困りにくいのも魅力です。

②ブランクがあっても復職しやすい

保育士資格は一度取得すれば生涯有効であり、更新や再試験の必要はありません。

たとえブランクがあっても、資格さえあれば再び保育の現場に戻れます。そのため、復職を考えている人にとっても有利な資格といえるでしょう。

また、年齢を重ねても体力に自信があり、働き方を工夫できる人なら、長期間にわたって働き続けることも可能です。ライフステージが変わっても仕事を続けやすい点は大きなメリットといえます。

③育児に関する知識を身につけられる

保育園では0歳~未就学児までの子どもと接しますが、放課後等デイサービスや児童養護施設では18歳までの子どもと関わる機会もあります。

このように、幅広い年齢の子どもと触れ合いながら成長を支えることで、育児に関する知識を深められるのも保育士になる大きなメリットです。

保育士として得た知識や経験は、将来自分の子どもを育てる際にも役立ちます。

中卒で保育士になる注意点

中卒で保育士になるメリットはたくさんありますが、一方で注意点もあります。中卒で保育士になる注意点は、主に以下の3つです。

  • 給料が低いと感じる可能性がある
  • 休みが取りづらい
  • 勤務時間が比較的長い

ここでは、それぞれの注意点について詳しく解説します。

①給料が低いと感じる可能性がある

保育士は国家資格が必要な職業ですが、他の専門職に比べて給料が低いと感じる人も少なくありません。

保育士の給料が低い原因として、公定価格(国が定めた基準を元に算出した子どもの教育・保育に必要な費用)の低さや昇給機会の少なさなどが挙げられます。

子どもの命を預かる責任の重さや、業務量の多さを考えると、給料とのギャップを感じる場面もあるでしょう。

ただし、「資格手当がある職場を選ぶ」「公務員保育士を目指す」などの工夫次第で、給料アップを狙うことも可能です。

②休みが取りづらい

保育園では、「保育士の配置基準」によって、保育士1人につき担当する子ども人数が決められています。子どもの安全と生活リズムを守るために必要な基準ですが、これにより保育士は急な休みが取りづらい傾向にあるのです。

また、行事や発表会の準備・本番などで休日出勤が発生する可能性もあります。

体調不良で休む際も代わりの職員を確保する必要があり、調整が難しい点にも注意が必要です。

③勤務時間が比較的長い

保育士は子どもの登園から降園まで対応するため、勤務時間が長くなりやすい職業です。

行事や発表会の準備、保護者向けの案内準備など、保育時間外に行う業務も多く、残業が発生しやすい環境といえます。勤務時間内に仕事が終わらない場合は、持ち帰り仕事をするケースも少なくありません。

また、保育園によっては早番や遅番などシフト制で働く場合もあり、働き方によっては生活リズムが不規則になるのも、保育士として働くデメリットといえます。

保育士以外のおすすめの仕事

保育士は中卒でもなれる職業ですが、資格取得には時間がかかります。

そのため、今すぐ保育関係の仕事に就きたいのであれば、保育士に近い仕事を検討するのも手です。

ここでは、保育士と関連性の高い仕事を中心に、おすすめの職種をご紹介します。

  • 保育補助
  • ベビーシッター
  • 児童指導員

①保育補助

保育補助は保育士のサポート役として、子どもの見守りや掃除、行事の準備などを担当します。

保育士と共通しているのは、同じ現場で子どもと関わる仕事であるという点です。

保育士と保育補助の大きな違いは、「クラスの担任を持てるかどうか」と「資格の有無」です。保育補助は担任としてクラスを受け持つことはできませんが、資格いらずで保育業務に携われます。

未経験からでも始められるため、保育の仕事に今すぐ携わりたい方に向いています。

②ベビーシッター

ベビーシッターとは、依頼者の自宅で子どもの世話や遊び相手をする個別保育の仕事です。

小さな子どもの世話をする点は保育士と共通していますが、子どもの対象年齢や保育する人数が異なります。

ベビーシッターは主に0歳~12歳の子どもを対象としており、1~2人の子どもを保育するのが一般的です。

資格があると利用者からの信頼を得やすいですが、なくても就業できます。また、登録制や個人契約など、保育士よりも自由な働き方をしやすいため、ワークライフバランスを重視したい方にも向いている仕事です。

③児童指導員

児童指導員は、主に児童養護施設で0歳~18歳までの子どもの生活支援や学習、遊びなどをサポートする仕事です。保育士と同様に、子どもの成長を支える役割を担っています。

児童指導員になるためには任用資格が必要ですが、中卒からでも児童福祉事業の実務経験を3年積めば取得できます。試験を受ける必要もないことから、学習が苦手な方でも挑戦しやすい職業といえるでしょう。

中卒で保育士になるためのおさらい

中卒からでも保育士を目指すことは可能です。中卒から保育士になる方法を改めて整理しておきましょう。

中卒で保育士になる方法

  • 児童福祉施設で5年以上、7,200時間の実務経験を積む
  • そのうえで保育士試験に合格する

中卒から保育士試験に合格するまでには長い時間や実務経験が必要で、継続的な努力が欠かせません。

ただし、保育士資格は一度取得すれば生涯有効で、就職・転職や将来的なキャリアアップにも大きく役立ちます。

本記事でご紹介した内容を参考に、自分が始められることからさっそくチャレンジしてみましょう。

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