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高卒で就職しないといけないけど、初任給ってどれくらいなんだろう?
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就職か進学かで迷っているので、手取りが良ければ就職しようかな
高校卒業後は専門学校や大学へ進学してから就職というケースが多いですが、高卒で就職する道を選ぶ方も少なくありません。
家庭の事情や金銭的理由などのほか、やりたいことが明確に決まっているという方まで背景はさまざまですが、気になるのは高卒で就職した場合の初任給や手取りの金額です。
本記事では高卒で得られる初任給の平均額や業種別・地域別などの手取りの比較、収入を上げるポイントなどを徹底解説しています!
高卒で就職を考えている方に有用な情報を取りまとめていますので、参考にしてみてください。
手取りと給与(額面)の違い
よく耳にする手取りと給与(額面)という言葉ですが、実はこの二つには大きな違いがあります。まずは基本からおさえておきましょう。
手取りとは?
手取りとは給与から税金や保険料など控除額の合計が引かれた後に残る実際に給与口座に振り込まれる金額です。
控除の種類は主に以下のとおりです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料
- 雇用保険料
- 源泉所得税
- 住民税
- その他(退職金・社員旅行の積立金など)
これらはあくまでも一例で、その人や会社によっては当てはまらない項目もあります。
手取りは給与(額面)のおよそ80%と考えておけば良いでしょう。
また、自分の給料の手取りを確認する際は、給与明細の「差引支給額」という項目を確認すればOKです。
給与(額面)とは?
一方で給与(額面)とは、会社から支給される給料の総額を指し、基本給に時間外手当・役職手当・通勤手当など、各種手当を含んだ金額です。各種控除額が差し引かれる前の金額と覚えておけば分かりやすいかと思います。
給与明細では「総支給額」の項目で確認が可能です。
控除額には個人差があり、同じ給与(額面)でも手取りに差が生まれる可能性があるため、一般的に年収や月収を表す際は給与(額面)を使用します。
高卒初任給の平均手取りはいくら?
手取りと給与(額面)の違いを明確にしたところで、次は高卒と他学歴の初任給の手取りを紹介します。
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高卒で就職したけど、思っていたような手取り額と全然違った……
このような思いをせずに済むように、あなたが想像している手取りの金額と照らし合わせて見てください。
手取りは約14万円
結論からいうと、高卒の初任給の手取りの平均額は約14万円です。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、高卒で就職した場合の初任給の平均は17万9,700円と発表されています。
しかし、これは額面の給与なので、ここから健康保険料や厚生年金保険料などの控除額が引かれます。
その結果、額面の17万9,700円の約80%に当たる約14万円が手取りという計算になるのです。
参考:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」(参照 2023-12-11)
他の学歴の手取りとの比較
次は高卒とほかの学歴との手取りの比較を紹介します。
各学歴の額面の給与から80%を手取りとして計算した表をご覧ください。
最終学歴 | 手取り |
高校卒 | 14万3,200円 |
高専・短大卒 | 16万5,520円 |
専門学校卒 | 15万9,840円 |
大学卒 | 18万320円 |
大学院卒 | 20万2,800円 |
高卒と比べると高専や短大卒や専門学校卒のほうが手取りが多いですが、特に大卒以上の手取りは非常に多い結果となっています。
なぜ大卒以上の手取りはこんなに差が出ているのかと気になる方もいらっしゃるでしょう。
次の項目で理由を詳しく解説していきます。
高卒より大卒の手取りが高い理由は?
高卒より大卒で就職したほうが手取りが高い理由はいくつかの種類があります。
「ああ、やっぱりそうだろうなぁ」と想像しやすいものから「え、こんな理由があるの?」というものまでさまざまです。
一つずつ詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。
大企業の多くが大卒者を優先して採用するため
手取りが多い会社の筆頭はやはり大企業です。
大企業への応募条件に大卒と指定があったり、指定はなくても大卒と高卒のどちらかとなると大卒を優先して採用したりするケースが少なくありません。
また大企業に限らず、学歴を基準に考える会社は残念ながら一定数存在します。
高卒で応募できる会社での手取りの額は、大卒に比べるとどうしても低めの傾向が強いです。
なぜ大卒より高卒のほうが手取りが少ないのかは、次の項目で解説します。
高卒者よりも大卒者の方が能力が高いと思われやすいから
面接官は履歴書の内容や短い面接時間内で就職希望者を「この人はどんな人なのか」と見定める必要があります。
その際に指標の一つとなるのがやはり学歴です。
高卒を募集している会社の場合、大学を卒業しているというのが一種のステータスとされており、「この人は大学を卒業しているから努力や自己管理ができる人」と判断されるケースが多いです。
高卒より大卒のほうが能力面において優れていると判断されやすいので、その分給料も高くなります。
競合他社の手取り水準に合わせているから
多くの会社が高卒の手取りを競合他社と同じ給与水準にしていることも理由として挙げられます。
会社からすれば給料は固定費、つまり支出に当たるため、できるだけおさえたいという考えがあるものです。
しかし、競合他社と比べて低い給料にしてしまうと、優秀な人材がそもそも応募してこない可能性が出てきます。そのような事情があるので、高すぎず安すぎない給料を提示するため、競合他社と給与水準を合わせるという会社が多いのです。
つまり、「競合他社が高卒の給料を上げていないから、うちも同水準で募集をしよう」と考える会社が大多数のため、なかなか高卒の給料が上がらないという状況になっているのです。
【企業規模・業種・都道府県別】高卒の初任給の手取りを比較
次は高卒の手取りをさらに詳細に見ていくために、企業規模・業種・都道府県別のそれぞれのデータをご紹介します。
あなたが就職を考えている会社に照らし合わせれば、よりリアルな手取りが見えてくるので、参考にしてみてください。
企業規模別
企業規模別に高卒の初任給の手取りを比較すると、以下のとおりです。
企業規模 | 高卒の手取り |
10人以上 | 16万9,840円 |
10~99人 | 16万80円 |
100~999人 | 16万7,840円 |
1,000人以上 | 17万6,800円 |
こちらの表は政府統計の総合窓口に記載されている企業規模別の給与額から80%を手取りとして計算したものです。
全体的に見ると、やはり企業規模が大きいほうが高卒の手取りも多い傾向にあることが分かります。
業種別
業種(業界)別に高卒の初任給の手取りを比較すると以下のとおりです。
業種 | 高卒の手取り |
建設業 | 14万8,960円 |
製造業 | 14万2,720円 |
情報通信業 | 14万4,720円 |
金融業・保険業 | 13万80円 |
こちらの表は参考サイトに添付されたエクセルに記載されている業種別(10人以上)×学歴別の給与額から80%を手取りとして計算したものです。
この数値を見ると、建設業や製造業の高卒の手取りが多い傾向にあることがわかります。
一方で最も手取りが少ない金融・保険業は、給料の個人差がかなり大きく出る業界でもあります。この業界はノルマを達成する・契約を取るなどに応じたインセンティブが、基本給に給与に上乗せされるケースが珍しくないからです。
金融・保険業に就職したばかりの頃は覚えることが多数あり、実際にインセンティブを得られるまでに至るケースが少ないため、初任給の手取りが少ない結果が出ていると読み取れるデータになっているのではないでしょうか。
都道府県別
続いて都道府県別に高卒の初任給の手取りをご紹介します。
都道府県 | 高卒の手取り |
北海道 | 14万480円 |
秋田県 | 13万800円 |
千葉県 | 14万8,880円 |
東京都 | 15万8,880円 |
大阪府 | 15万320円 |
兵庫県 | 14万7,920円 |
愛知県 | 14万3,680円 |
福岡県 | 14万4,960円 |
宮崎県 | 12万9,440円 |
沖縄県 | 13万2,800円 |
こちらの表は「政府統計の総合窓口」に記載されている都道府県別の給与額から80%を手取りとして計算したものです。
東京や大阪などのいわゆる首都圏は、ほかの地域に比べて比較的高い初任給が提示されています。大都市圏は多くの人と会社が集まる傾向にある点から、人材確保に競争が発生している結果といえるでしょう。
また、産業や観光などで栄える大都市がある都道府県は、ほかの地域より高卒の初任給も高くなる傾向にあります。
高卒でも手取りが多い業界・業種
次は高卒でも手取りが比較的多い業界・業種を紹介します。
手取りが多いということは、基本的に大変な面も多々ある仕事ともいえます。中には向き不向きが顕著に表れる仕事もありますので、自分自身と照らし合わせながら参考にしてみてください。
IT業界
一口にITエンジニアといってもシステムエンジニア・Webエンジニア・インフラエンジニアなど、その種類は多岐にわたります。
国や各企業などがこぞってIT化を進めているため、IT業界はニーズが非常に高い業界です。その中でもITエンジニアは専門性が高いほか、常に新しい知識や技術が生まれており、変化が著しい業種といえます。
それゆえに替えの効きづらい人材であるため、慢性的な人手不足が続いています。つまり、スキルがあれば未経験でも採用されやすい傾向にあるのです。スキル次第では高卒からでも昇給を目指していけるため、手取りを増やすチャンスも多くあります。
スキルのあるITエンジニアは高卒のハンデをものともせず、職場で重宝される可能性が高いですよ。
不動産・保険の営業職
インセンティブ制度を導入しているケースが多い不動産会社や保険会社の営業職も高収入を目指せる業種です。
簡単にいえば売り上げを上げれば上げるほど自身の給与に反映されるため、学歴に関係なくどんどん上を目指していける業種といえます。
特に不動産や保険の営業職は高額な商品を扱うケースが多く、1件で数千万円の売り上げになることも珍しくありません。その分、営業職へ還元されるインセンティブも高い傾向にあるので、基本給から大幅に給料を上げるチャンスもつかみやすいです。
その一方で、お客様への説明やお客様からの質問に回答をするための土地や住宅といった商材に関する深い知識が必要です。
業務を通じて、さらに自分でも学ぶ意欲を持って知識を積んでいけば自ずと結果に繋がる可能性は上がりますよ。
公務員
長いスパンで考えた場合、公務員も高い手取りを得られるといえる業種です。
公務員は民間企業と比べると安定した給与や豊富な手当、勤続年数に応じた退職金などが用意されているのが魅力です。公務員の基本給は低めですが、給与が業績や景気などに左右されづらいのは大きな利点といえます。
公務員になるためには公務員試験を受けて合格する必要があります。
一部の公務員試験を除き、試験は「高卒程度」「短大・専門卒程度」「大卒程度」と種類分けされていますが、あくまでも難易度を指しているだけです。実際にその学歴が必要というわけではないので、自信があれば上の試験を受けることは可能です。
ただし、公務員試験を受けるためには年齢制限が設けられているケースがあります。年齢制限は自治体ごとにさまざまですが、高くても30歳くらいまでというところが多いです。
公務員になろうと思っている方は、あらかじめ自治体のホームページで試験を受けられる年齢を確認しておきましょう。
建設業界
体力に自信があるという方は建設業界がおすすめです。
建設業界は慢性的な人手不足が続いており、特に若者が少なく需要が高まっています。そのため、学歴不問で募集されているケースが多く、実際に高卒で活躍している人がたくさんいる業界です。
大工・左官・鳶(とび)などの種類があり、これらをまとめて建設作業員と呼ばれます。
まずは現場職からのスタートがほとんどですが、経験を積んでいけば現場監督や管理職を目指すことができます。
建設作業員は初任給から高めの手取りが得られる可能性がありますが、現場職には危険が付き物です。とはいえ、「実務経験を積む」「施工管理技士などの国家資格を取得する」など、自らの努力次第で手取りを増やせるチャンスを掴めるのは大きな魅力といえます。
ナイト系スタッフ
高卒でも初任給の手取りが多い職業に就きたいなら、ナイト系スタッフという道もあります。
ナイト系スタッフとはナイトワークのお店で働く女性キャストのサポートや、お客様の案内をはじめとする店内業務や女性キャストを送迎する送迎ドライバーといった仕事を担当します。
需要の絶えない業界なので、常に新しい人材を求め続けている業界・職種です。
学歴や業界経験は不問で募集されており、実際に高卒で働いているスタッフも非常に多いです。中には初任給が月収80万円という高卒の方もいます。
また、スピード昇給のほか、将来的には店長や幹部などの役職へ昇格といったステップアップを目指していけるお店もあります。
完全実力主義の業界なので、学歴や経験よりやる気や結果が評価される職場で働きたい方は、ナイト系スタッフへの就職も検討してみてはいかがでしょうか。
高卒でも高収入を狙える企業の特徴
ここまで業種・企業規模別・都道府県別など、さまざまな条件での高卒の初任給の手取りを紹介してきました。
これらの情報から見えてくる、高卒でも高収入を狙える企業の特徴をまとめます。しっかりと把握して、あなたの就職活動にお役立てください。
インセンティブ制度を取り入れている
軽く先述しましたが、インセンティブとは実績や成果に応じて基本給とは別に支給される手当のことです。
インセンティブ制度は特に「商品を販売する」「契約を成立させる」が成果となる営業職に導入されている場合が多く、インセンティブの支給タイミングは会社によってさまざまです。「即時支給」「次の給与へ上乗せ」「次の賞与へ上乗せ」などがありますので、入社前に確認しておきましょう。
さらに海外研修や特別休暇など、給与とは別の形でインセンティブが用意されている会社もあります。
インセンティブは学歴に関係なく頑張りや成果をしっかりと評価してくれる制度なので、高卒の方が大幅に収入を上げられるほか、やりがいも感じられる制度といえます。
スキル・経験を重視している
高卒が高収入を狙いやすいIT業界や建設業界、ナイト系業界などは学歴よりもスキルや経験を重視するケースが多いです。
その業界に役立つスキルは入社後に研修やOJTという形で身に付けることができる会社もありますが、最初からスキルや経験を持っている人は、即戦力として期待されます。
「経験者優遇」といった記載がある求人に応募すれば、採用されやすいだけでなく、初任給や昇給の頻度といった給与面でも優遇されやすいです。また、経験があるということは未経験者よりも早く成果を上げやすいので、昇格が早めに決まるというケースもあります。
できるだけ早く高収入を狙いたい場合は、自分の得意分野に直結する仕事を選んだり、就職前に資格をとったり、アルバイトなどで経験を積むといった手段が有効です。
業界の需要は高いが人手不足に陥っている
人手不足の業界だけに着目しても高卒の手取りが多いとは限りません。大事なのは「人手不足かつ需要が高く成長が期待できる業界」です。
本記事で取り上げた業種の中ではIT業界・建設業界・ナイト系業界が該当します。
これらの業界は先に挙げた条件を全てクリアしており、高卒からでも高い手取りを実現できる可能性が高い業界です。とはいえ、自身の努力や実際に成果を上げる必要があることは念頭に置いておいてくださいね。
また、その業界に就職するタイミングも重要なポイントです。
例えば2010年代初頭にはスマートフォン向けアプリやソーシャルゲームの台頭により、ITエンジニアの需要が急増しました。2013年には東京オリンピックの招致が決まり、競技場や宿泊施設などの建設のために建設作業員の需要が急増しています。
このように現在の需要をしっかりと見極めて就職すれば、高卒でも高収入を得られる可能性を上げることができるでしょう。
高卒が年収を上げる4つの方法
「稼げそうな会社に就職したのに思ったより手取りや年収が少なかった」というケースはあります。
そこで目指したいのが手取りを増やせる昇給です。就職した後でも昇給ができれば年収アップが見込めます。
昇給に繋がるポイントをいくつかご紹介しますので、手取りを増やしたい方は実践してみてください。
同じ企業に長く勤める
一般的な企業では勤続年数が長いほど給与が上がり、それに応じて手取りも増えていきます。そのため、同じ企業に長く勤めることが大切です。
しかし、目標もなくただ何となく仕事をしていると、思ったように評価されずあまり昇給できない事態におちいる可能性があります。
そこで重要なのは、就職前にキャリアプランを明確にしておくという点です。
キャリアプランとは「自分が今後どんなキャリアを積み上げていくかという具体的な計画や見通し」を指します。キャリアプランを明確にすることで今の自分の目標がしっかりと見えるようになるので、仕事へのモチベーションが高まります。
目標とするキャリアに向かって長く同じ企業に勤めれば、自ずと結果は付いてくるはずですよ。
経験とスキルを増やして専門性を高める
経験を積みながらスキルを身に付けるのもおすすめです。
高卒に限らず、働き始めたばかりの頃はできる業務が限られますので、しばらくは手取りが少ない時期が続く傾向にあります。
そこで挫けてしまってすぐに転職しても手取りアップは見込めないので、今いる会社でしっかりと経験を積んでいくことが重要です。
経験を積んで業務や業界に対する知識を深め、適切な対応ができるスキルが身に付いてくると、任される仕事の幅は確実に広がります。
「同じ企業に長く勤める」に通ずるものがありますが、新入社員の時期の少ない手取りには目をつむりながら経験を積んでいけば手取りはアップしていきます。
資格を取得する
業務に役立つ資格を取得するのは、手取りや年収を上げる方法として非常に有効です。
会社によっては特定のスキル・資格を習得していると特別手当が付くことがありますし、何よりそのスキルが有用なものである場合、替えが効きづらい人材として重宝される可能性が高いです。
重要視される人材に対して、会社側は手当の支給や基本給アップなど手取りが増えるようにして、手放さないように尽力してくるはずです。そのような人材を目指して経験とスキルを積んでいきましょう。
また、就職したい業界や会社を先に決めて、必要とされる資格を取得しておくという方法も有効です。
就職の前後どちらでも資格を取得する方法は取れるので、高い手取りや年収を目指したいなら実践してみることをおすすめします。
年収の高い企業へ転職する
ここまで紹介してきた内容は、あくまでも「こうすれば給料が増える可能性が高い」方法です。
これらの方法を実践しても手取りや年収が増えない会社もあるので、その場合はより手取りや年収が高い会社への転職を考えてみましょう。
ポイントは同じ業界・業種の会社を選ぶことです。
同じ業界・業種であれば、今勤めている会社で経験を積み、業務に役に立つ資格を取得していれば、即戦力として採用されるので、年収が上がる可能性が高まります。
ただし、特定の条件を出している求人もあるため、「社会人経験〇年以上」「業界経験〇年以上」「特定の資格取得済」など、応募に必要な募集要項をしっかりと満たしているかはしっかり確認しておく必要があります。
高卒者が手取りを上げるために転職するときの注意点
手取りを上げるために転職を考える際、注意すべきポイントがいくつかあります。転職してから何か問題が発生しても、元の会社に戻ることは困難な場合が多いです。
「やっぱり転職しなければよかった……」と後悔しないためにも、本項目をしっかりと確認しておいてくださいね。
自分に見合った業務内容かどうか
高卒で応募できる仕事の場合、デスクワークではなく身体を使った力仕事のほうが多いです。
体力に自信があるという方は問題がないかと思いますが、そうではない方はしっかりと転職先の業務内容を確認しましょう。体力的にきつい仕事の場合、入社後すぐに仕事を辞めざるを得ない場合もあります。
また、力仕事でなくても、ノルマがある営業職や、常に最新のスキルを求められるエンジニア職など、人によっては肌に合わない仕事もあるでしょう。自分がその仕事を続けていけそうかしっかり考えてから入社するようにしてください。
また、手取りの多さばかりに目がくらんでしまい、いわゆるブラック企業に就職してしまわないように気を付けることも大切です。仮にブラック企業で高い手取りを手にできたとしても、身体を壊しては元も子もありませんよ。
みなし残業の有無を確認する
転職活動をしていると、たくさんの求人票や求人情報を見ることになります。その際に気を付けたいのが、記載されている給与に残業代が含まれているか否かです。
求人の中には、給与にみなし残業代が含まれているケースもあります。みなし残業とは、はじめから一定以上の残業代を含めた給料を支給する制度のことです。
みなし残業を設定している場合、求人の給料欄には「月収210,000円(固定残業代40,000円含む)」といった記載がされています。
月収21万円だと高卒の初任給と考えると悪くないように思えますが、固定残業代の4万円を差し引くと、実は基本給は17万円です。残業代が別に出ると思い込んで就職してしまうと、思っていたより稼げないといった事態に見舞われます。
さらに、ブラック企業の中には固定残業代として定めた時間を超過して残業をした場合でも、超過分の残業代が支払われないという事例もあるのです。
まとめると以下のようになります。
- 固定残業代がある求人の場合、基本給と別にその旨が記載されているか
- 固定残業代は金額と時間の両方が明記されているか
- 固定残業代は割増料金になっているか
以上の3点は必ず注意して確認しておくようにしましょう。
「週休二日制」「完全週休二日制」なのか確認する
転職先選びの際には、休暇についても重要です。
同じ月給・年収が設定されている企業同士でも、実際に働く時間が短いほうがコスパ良く高収入を得られるといえるからです。
高卒の人に限らず、多くの人が勘違いしてしまうのが「週休二日制」と「完全週休二日制」です。
これらは似た言葉ですが、内容は全く異なります。
- 参考
- 週休二日制:1ヶ月の中で週休2日が1回以上、それ以外の週は週休1日以上
完全週休二日制:毎週必ず週休が2日以上
「週休二日制」と聞くと多くの人が毎週2日休めると思いがちですが、実際は1ヶ月のうち週に2日休めるのは1回で、ほかの週は1日しか休みがないということになります。
求人情報をチェックする際は「完全週休二日制」と「週休二日制」のどちらが記載されているのかを必ず確認しましょう。
高卒初任給の手取りが低くても努力次第で高年収を目指せる!
今回は企業規模や業種、都道府県別の高卒の初任給の違いや高卒でも手取りが多い業種、手取りを上げるための転職時の注意点など、高卒で就職したい方に向けたさまざまな情報を紹介してきました。
高卒の手取りが多い傾向がある業界や職種を理解したうえで、年収を上げる方法に取り組められれば、たとえ初任給が低かったとしても収入アップが狙えます。万が一今の会社で働き続けても希望の手取りに達しないと感じた際は、転職も視野に入れてみてください。
なるべく初任給が高い仕事に就きたい方は、ナイト系スタッフや営業職など学歴や経歴を問わず自身の実力が評価されやすい仕事がおすすめです。
自分が思い描くキャリアプランに近づけられるように、本記事を参考にしながら就職活動を有利に進めていきましょう。