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公認会計士って難しそうだけど中卒でも目指せるの?
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中卒が公認会計士になるにはどんなスキルが必要?
今回は公認会計士への転職方法を知りたい中卒者へ向けて、転職を成功させるポイントを解説していきます。
この記事でお伝えする内容
- 公認会計士になるための基本条件
- 中卒から公認会計士になるまでの手順
- 公認会計士に向いている人・向いていない人の特徴
- 公認会計士になるメリット・デメリット
また、公認会計士になったあとのキャリアパスについても詳しくご紹介します。
公認会計士になりたい方必見の内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
中卒で公認会計士になることはできる
結論からいうと、中卒者も公認会計士になれます。
2005年までは公認会計士試験の受験資格に「大卒以上」が含まれていたものの、2006年の制度の変更によって現在は学歴の制限がなくなっています。
なお、令和5年度公認会計士試験の大卒の合格率は7.5%、高卒の合格率は4.6%、中卒を含むその他の学歴の人の合格率は4.9%です。
公認会計士は、難関資格ゆえに高学歴の人しかなれないイメージを持つ人も多いですが、中卒者も公認会計士試験に合格できるチャンスがあります。
しかし、公認会計士試験の全体の合格率は10.7%で、高難易度であることには変わりありません。
公認会計士試験に合格するための学力が身につくまでに、少なくとも数年はかかるといわれています。
公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験 合格者調(学歴別)」(参照 2024-04-30)
公認会計士になる基本条件
公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格後、以下の3つの条件を満たさなければなりません。
- 3年以上の実務経験(試験合格の前後は不問)
- 一般財団法人会計教育研修機構が実施する実務補習を受講し、単位を取得
- 日本公認会計士協会が実施する修了試験に合格
公認会計士試験合格後、3年以上の実務経験および実務補習を受けなければいけないため、試験に合格してもすぐに公認会計士と名乗れるわけではないのでご注意ください。
なお、実務補習は年に1回修了考査が実施されます。
修了考査に合格できなければ公認会計士になれないため、実務経験と実務補習を通じて必要な知識や能力をしっかり身につけ、一発合格を目指しましょう。
中卒者が公認会計士になる方法や手順については、後ほど詳しく解説していきます。
公認会計士の学歴内訳
公認会計士の学歴内訳と、学歴別の公認会計士試験の合格率は以下の通りです。
学歴
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合格者数(受験者数) | 合格率 |
その他(中卒含む) | 27名(551名) | 4.90% |
高校卒業 | 95名(2,073名) | 4.60% |
大学在学(短大含む) | 652名(6,740名) | 9.70% |
大学卒業(短大含む) | 670名(8,892名) | 7.50% |
会計専門職(大学院在学) | 17名(195名) | 8.70% |
大学院在学 | 15名(138名) | 10.90% |
会計専門職(大学院修了) | 29名(719名) | 4.00% |
大学院修了 | 39名(1,009名) | 3.90% |
公認会計士試験の合格者の約9割が大学在学・大卒以上の学歴を持っているという結果が出ています。
とはいえ、中卒を含むその他の学歴を持つ者は全体の1.7%で、決して高い数字ではないものの、中卒者が公認会計士試験に合格している実績があります。
学歴を問わず公認会計士試験の合格実績があることから、公認会計士は学歴に関係なく目指せる職業です。
中卒で公認会計士になる方法と手順
ここからは、中卒で公認会計士になる方法と手順を解説していきます。
公認会計士になるまでの手順は、以下の通りです。
- 公認会計士試験に合格する
- 3年間の実務経験を積む
- 実務補習所に3年間通う
- 修了考査に合格して公認会計士の開業登録をする
公認会計士は学歴に関係なくなれる職業ですが、上記のように段階を踏んで準備を進めていかなければ、公認会計士として登録できません。
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
中卒で公認会計士になる工程①公認会計士試験に合格する
まずは、公認会計士試験の合格を目指しましょう。
公認会計士試験は「短答式試験」と「論文式試験」の2つに分かれており、どちらも合格する必要があります。
短答式試験は5月・12月に年2回、論文式試験は8月に年1回実施され、短答式試験に合格しないと論文式試験を受験できません。
各試験の「試験形式」「試験科目」「合否判定」は以下の通りです。
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短答式試験 | 論文式試験 |
試験形式 | マークシート方式 | 論述式 |
試験科目 | 財務会計論、管理会計論、監査論、企業法 |
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合否判定 |
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令和5年度の公認会計士試験における短答式の合格率は約15%、論文式の合格率は約37%です。
非常に難易度の高い試験であるだけに、計画的かつ入念に勉強をしないと一発合格は難しいといえます。
公認会計士試験に合格するためには、日商簿記1級レベルの知識が求められるといわれています。
いきなり公認会計士試験を受けるのではなく、まずは日商簿記1級に合格できるかどうか腕試しをする意味で、受験してみるのも一つの手です。
公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験 合格者調(学歴別)」(参照 2024-04-30)
公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験の受験状況について」(参照 2024-04-30)
中卒で公認会計士になる工程②3年間の実務経験を積む
公認会計士試験に合格後、3年間の実務経験を積みます。
公認会計士として開業登録するためには、3年以上の実務経験が必要で、公認会計士試験の合格者のほとんどが監査法人で働きます。
- 監査法人とは
- 企業が適切に会計処理・決算が行われているかどうかの監査業務を組織的に行う目的で公認会計士が立ち上げた法人
監査法人は、日本全国に約250社の監査法人があり、東京・名古屋・大阪などの大都市圏に集中しています。
監査法人に就職する流れは、以下の通りです。
- 8月:論文式試験を終了
- 8月末~10月:監査法人向けの就活イベント参加
- 11月中旬:公認会計士試験の合格発表
- 11月中旬~末頃:エントリーシート提出・面接
- 12月上旬:内定
- 2月~4月頃:入社
監査法人は、公認会計士試験の合格者を採用対象とするので、公認会計士試験のスケジュールに沿って選考を実施します。
8月の論文式試験を受けた後、合格発表を待たずにすぐ就職活動を開始するため、受験者は試験終了後も慌ただしい日々が続きます。
また、法人によって採用選考のスケジュールは異なりますが、公認会計士試験の合格発表から内定までの約2週間とスピーディーなのも特徴です。
論文式試験の合格発表までに、就活イベントの参加や法人研究など法人に関する情報をしっかり収集して、希望の監査法人に就職できるように準備を進めていきましょう。
中卒で公認会計士になる工程③実務補習所に3年間通う
実務経験を積みながら、同時並行で実務補習所に3年間通って必修単位を取得していきます。
実務補習では監査教科、会計教科、税務教科、経営教科、法規、職業倫理など、公認会計士に必要な知識を学びます。
実務補習所に入所した年にもよるものの、実務補習の講義を修了するためには、基本的に以下の流れで単位を取得しなければいけません。
- ポイント
- 1.3年間で270単位以上
2.J1対象講義の単位が180単位以上
3.J2対象講義の単位が40単位以上
4.J3対象講義の単位が20単位以上
5.ディスカッション及びゼミナールの単位が30単位以上
講義を受ける頻度は、1年目は週に1~2回程度、2年目は月に1回程度、3年目は年1~2回程度で、主に平日の夜か週末に実施される場合が多いです。
また、講義の受講にくわえて、全10回の考査をすべてクリアして、6回におよぶ研究報告書の提出も求められます。
公認会計士を目指す人のほとんどは、監査法人の仕事と実務補習を両立しており、忙しい日々を送っています。
中卒で公認会計士になる工程④修了考査に合格して公認会計士の開業登録をする
必要な単位を取得した後、同じく実務補習所で実施される修了考査を受けます。
- 修了考査とは?
- 公認会計士になるための最終試験のこと
修了考査に合格すれば晴れて公認会計士の開業登録ができます。
修了考査は、毎年12月に年1回実施され、万が一不合格となった場合でも翌年以降に再受験が可能です。
総得点の60%を基準とし、運営委員会が相当と認めた正答率が合格基準となります。
ただし、科目ごとの合計点が40%以下になると不合格となる場合があるので注意が必要です。
なお、令和5年度の修了考査の合格率は76.4%です。
一見合格率は高く思われがちですが、超難関といわれる公認会計士試験を突破した人のうち2割以上が不合格になる点を踏まえると、高難易度であることには変わりありません。
修了考査の合格発表は、受験した年の翌年4月上旬頃「修了考査ウェブサイト」で発表されます。
修了考査に合格していた場合は、最大で18種類におよぶ必要書類を用意して、「日本公認会計士協会ウェブサイト」から開業登録を行いましょう。
必要書類は、勤務先や役所などから取り寄せなければいけないものと、申請書作成システムもしくは申請書式のダウンロードを活用して自力で作成できるものがあります。
自分で用意できる書類 |
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取り寄せ必須の書類 |
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また、公認会計士の開業登録をする際は、登録免許税や入会金など合わせて約15万円の費用がかかります。
必要書類を忘れずに準備するのはもちろんのこと、多額の費用を用意しておかなければいけない点も頭に入れておいてください。
日本公認会計士協会「令和5年度(2023年度)修了考査の合格発表について」(参照 2024-05-16)
中卒で公認会計士試験に合格するための対策方法
ここでは、公認会計士を目指すうえで最初の関門となる「公認会計士試験」の試験対策について解説します。
公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間は3,500時間程度といわれており、1日10時間の勉強で1年、1日5時間の勉強で2年間かかる計算になります。長期間の勉強に挫折しないためにも、事前にいつ受験するのか日程を決めてから長期の勉強プランを立てましょう。
先述した通り、公認会計士試験は、たとえ総合点が合格基準をクリアできていたとしても、正答率が40%に満たない科目が1つでもあれば不合格になります。
そのため、試験科目ごとの特徴を理解したうえで勉強して、苦手科目を作らないことが公認会計士に合格するコツです。たとえば、「財務会計論」は学習量が最も必要な科目といわれているので、継続的に参考書や過去問題集の問題を解いて理解を深めておくのがおすすめです。
また、予備校やオンラインスクールなどが主催する模擬試験を受ければ、現段階の自分のレベルや試験対策の改善点などを把握できます。
効率的に学習を進めて、公認会計士の早期合格を目指しましょう。
中卒で公認会計士になったあとのキャリアパス
公認会計士は、学歴や年齢に関係なく長く活躍できるのが強みです。
また、就職先は会計事務所や一般企業、証券会社など幅広く、就職・転職に困りにくいメリットもあります。
ここでは、中卒で公認会計士になったあとの主なキャリアパスを3つご紹介します。
- 監査法人で上位の役職を目指す
- コンサルティングファームや外資系企業などに転職する
- 経験を積んで独立開業をする
公認会計士としてどんなキャリアパスがあるのか理解して、自分の将来像をしっかり描いていきましょう。
キャリアパス①監査法人で上位の役職を目指す
公認会計士の代表的なキャリアパスの一つとして、監査法人で上の役職に就くことが挙げられます。
監査法人に勤務する公認会計士は、役職が明確に分けられているのが特徴です。
- 参考
- 【監査法人の役職(役職が高い順)】
・パートナー
・マネージャー
・シニアスタッフ
・スタッフ
監査法人に就職すると、最初は「スタッフ」からスタートします。
3年以上の実務経験を積みつつ、開業登録をして公認会計士に名乗れる立場になった頃に、「シニアスタッフ」へ昇進できる場合が多いです。最終的には、一般企業の役員・執行役員にあたる「パートナー」の役職に就けば、法人運営にも関わる機会も増えて業務の幅が広がります。
また、役職が高くなればなるほど収入も高くなっていき、パートナーになれば年収1,000~2,000万円になるケースも珍しくありません。
とはいえ、パートナーになるためには、豊富な知識や高いスキルの習得が必要で、昇進するまでに少なくとも約20年かかるといわれています。
また、監査法人は「大手監査法人(Big4)」「準大手監査法人」「中小監査法人」に分類され、法人規模が大きければ大きいほど、さらに昇進の難易度が高くなります。
今後のキャリアにおいて、監査法人で昇進を目指したい場合、自分のスキルに見合った規模の監査法人で働くのがおすすめです。
なお、「BIG4」と呼ばれる大手監査法人が4社あります。
- 参考
- ・有限責任あずさ監査法人(KPMG)
・EY新日本有限責任監査法人
・有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)
・PwC Japan有限責任監査法人
この4社で国内上場企業の監査業務の約8割を占めることから、他の法人と比べて採用数は多いです。
キャリアパス②コンサルティングファームや外資系企業などに転職する
監査法人で働くことにこだわらない人は、公認会計士のスキルを活かせる業種の法人・企業に転職するのも一つの手です。
監査法人以外で、公認会計士として活躍できる主な法人・企業は以下の通りです。
- 参考
- ・コンサルティングファーム
・外資系企業
・税理士法人
・金融機関
コンサルティングファームとは、コンサルティング業務を中心に行う会社のことです。
公認会計士の場合、財務系のコンサルティングファームで企業の合併・買収・再生などを支援するポジションとして活躍できます。
外資系企業における公認会計士の主な仕事内容は、海外企業へのレポーティングです。たとえば、海外に親会社がある場合、財務に関する情報を外国語で共有する必要があります。高い語学力が求められるものの、自社と海外企業をつなぐパイプ役の一人としてグローバルな仕事をしたい人にぴったりです。
税理士法人では、税の専門家として税務署類を作成したり顧客の税務相談を受けたりします。さらには、公認会計士の独占業務にあたる「監査」を活かして、経営コンサルティングに携わるケースもあります。
銀行や証券会社といった金融機関も、公認会計士のスキルを発揮できる転職先です。
たとえば、投資銀行の場合、企業が証券を発行して資金調達を行う時のサポート役として、主に引受業務を担当する傾向があります。
公認会計士で習得したスキルは、幅広い分野で活かしやすいのが特徴です。
法人・企業によって職場環境や待遇などが異なるので、「どの分野を極めていきたいか」「どんな業務がやりたいのか」などを考えたうえで、自分が活躍できる転職先を見つけていきましょう。
キャリアパス③経験を積んで独立開業をする
公認会計士は、法人や企業に属して実務経験を積んでから独立開業する方法もあります。
開業して事業が上手くいけば数千万円~数億円といった年収を得るのも夢ではありません。自分の努力次第で大幅な収入アップが目指せるので、大きなやりがいも感じられます。
公認会計士が独立する場合、会計事務所を開業するパターンが一般的です。監査法人を立ち上げることもできますが、公認会計士を5名以上在籍させる決まりがあるため、あまり現実的な方法ではありません。
また、独立開業に成功するためには、公認会計士の高い知識やスキル以外にも、経営に関する知識も必要で、営業活動をして自力で仕事を獲得するハングリー精神も求められます。
最初のうちは、安定した顧客の獲得に時間がかかるので、資金繰りに苦労しないように十分な資金を用意しておくことが大切です。
中卒で公認会計士に向いている人・向いていない人
高い専門性が求められる公認会計士は、向き・不向きがはっきりしている職業です。
そのため、公認会計士を目指すのであれば、まずは自分に適性があるかどうかをチェックしましょう。
ここでは、公認会計士に向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。
向いている人 | 向いていない人 |
勉強熱心な人 | 忍耐力がない人 |
大きく年収高収入を得たい稼ぎたい人 | 論理的に物事を考えられない人 |
安定志向の人 | 地道な作業を進めるのが苦手な人 |
中卒で公認会計士になるのに向いている人の特徴
公認会計士に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 勉強熱心な人
- 高収入を得たい人
- 安定志向の人
公認会計士試験は、「医師国家試験」「司法試験」と並んで「三大難関試験」といわれるほど難易度が高いです。
仮に試験に合格できたとしても、監査法人などで実務経験を積みながら実務補習所に通う必要もあるので、公認会計士になるまでに膨大な勉強量と努力が求められます。
もちろん、公認会計士として働けるようになった後も、会計や税務、経営などに関する高い知識やスキルの習得は必要不可欠です。そのため、勉強熱心で地道な努力が続けられる人に向いている職業といえます。
また、公認会計士の就職先は、大手企業や監査法人、外資系企業など年収が高い傾向にあります。
年収の高い就職先が多いことにくわえて、公認会計士は社会的信用度が高い職業なので、好条件の求人を出す法人・企業が見つかりやすいのも魅力です。
そのため、高収入を得たい人や長く安定して働きたい人にもおすすめの職業です。
中卒で公認会計士になるのに向いていない人の特徴
公認会計士に向いていない人の特徴は、以下の3つです。
- 忍耐力がない人
- 論理的に物事を考えられない人
- 地道な作業を進めるのが苦手な人
先述した通り、公認会計士の開業登録の資格を得るためには、税理士試験と実務補習所の修了考査に合格しなければならず、毎日のように勉強し続ける必要があります。
そのため、忍耐力がない人は途中で挫折してしまう可能性が高いです。
また、公認会計士試験で実施される論文式試験では、論理的思考が求められる問題ばかり出題されます。
公認会計士の業務においても、会計や監査の基準に沿った論理的な思考が必要なので、論理的に物事を考えられない人にとって難しい職業といえます。
さらに、公認会計士は、企業の決算書をはじめとした膨大な量の資料を細かくチェックし、不備や誤りがあれば指導するのが役目です。
時間をかけて膨大なチェック項目をこなすことから、地道な作業を進めるのが苦手な人も公認会計士の仕事に向いていない可能性があります。
中卒で公認会計士になるメリット・デメリット
ここでは、中卒で公認会計士になるメリット・デメリットを解説します。
公認会計士への道に進むかどうか検討している方は、メリット・デメリットも判断材料の一つとしてお役立てください。
メリット | デメリット |
年収が中卒の平均年収より高い傾向にある | 公認会計士になるまで最低5年はかかる |
景気に左右されず安定している | 常に学び続ける必要がある |
社会的信用が高い | 時期よっては激務になりやすい |
中卒で公認会計士になるメリットは3つ
中卒で公認会計士になるメリットは、以下の3つです。
- 年収が中卒の平均年収より高い傾向にある
- 景気に左右されず安定している
- 社会的信用が高い
厚生労働省の調査によれば、公認会計士の平均年収は746.6万円で、中卒の平均年収を大きく超えています。
また、公認会計士の独占業務の一つとして、財務書類の監査業務があり、多くの法人・企業で監査業務ができる公認会計士を求めています。特に上場企業や一部の大企業の場合、法律上財務諸表監査の実施が義務付けられており、公認会計士は必ず必要です。
そのため、公認会計士の需要がなくなる心配は少なく、景気にも左右されにくいことから、安定して仕事を続けられるのもメリットです。
さらに、公認会計士は社会的信用が高い職業といわれています。
国家資格かつ安定して高収入が得やすい仕事なので、車や住宅といった多額のローンの審査に通りやすいです。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「公認会計士」(参照 2024-04-30)
中卒で公認会計士になるデメリットは3つ
中卒で公認会計士になるデメリットは、以下の3つです。
- 公認会計士になるまで最低5年はかかる
- 常に学び続ける必要がある
- 時期によっては激務になりやすい
公認会計士の開業登録の資格を得るためには、公認会計士試験に合格後、3年間の実務経験を積んで実務補習所の修了考査に合格する必要があります。
学力や公認会計士を目指す環境下によって異なるものの、すべてのステップが完了するまで最低でも5年はかかるので、すぐになれる職業ではないのがデメリットです。
また、公認会計士に大きく関係する金融系は、法改正や会計基準の変更など変動が激しい業界です。常に最新の情報を入手して知識やスキルをアップデートしていくことを求められます。
そのため、公認会計士になる前もなった後も、常に学び続けなければいけません。
さらに、監査法人で働く場合、3月決算が多い企業に合わせて、4月・5月に繁忙期を迎えます。
上場企業の監査業務を担当する場合、長時間の残業や休日出勤も珍しくなく、時期によっては激務になりやすい点も公認会計士になるデメリットといえます。
公認会計士以外で転職を検討するならナイト系がおすすめ
公認会計士は中卒も目指せる職業ですが、公認会計士試験や修了考査の難易度は非常に高く、膨大な勉強時間を要します。また、合格後も3年以上の実務経験と実務補習の修了が必要なので、公認会計士として活躍できるまでの道のりは非常に長いです。
「今すぐ転職したい」「未経験からすぐにキャリアアップや収入アップを目指したい」という方は、ナイト系への転職も検討してみましょう。
ナイト系の仕事は18歳以上(高校生不可)であれば応募可能で、学歴・経験不問で働ける求人が豊富です。また、ナイト系の職種は、店舗スタッフや送迎ドライバー、Webサイト運営などさまざまで、自分に合った仕事を選びやすいのが魅力です。
実力主義の業界なので、自分の頑張り次第でスピード昇給・昇格も狙えます。まさに、短期間でキャリアアップ・収入アップを目指したい方にぴったりな業界といえます。
転職活動において「転職のしやすさ」「短期間での昇給・昇格」を重視している場合は、ぜひナイト系もチェックしてみてください。
中卒で公認会計士になるためのおさらい
最後に、中卒者が公認会計士になるためのポイントをまとめたので、おさらいしておきましょう。
- ポイント
- 【中卒で公認会計士になる方法】
・公認会計士試験に合格する
・3年間の実務経験を積む
・実務補習所に3年間通う
・修了考査に合格して試験を受けて公認会計士の開業登録をする
【公認会計士に向いている人の特徴】
・勉強熱心な人
・高収入を得たい大きく年収を稼ぎたい人
・安定志向の人
【公認会計士になるメリット】
・年収が中卒の平均年収より高い傾向にある
・景気に左右されず安定している
・社会的信用が高い
公認会計士は、学歴を問わず誰でも目指せる職業ですが、試験の難易度が非常に高いです。
試験合格後も、3年間の実務経験と実務補習所で必修単位を取得して修了考査に合格する必要もあります。
公認会計士になるまでに多くの困難が待ち受けていますが、高収入かつ就職・転職先にも困らないため、収入面で安定した生活を送りたいという人におすすめの職業です。
本記事で公認会計士に興味を持った方は、さっそく今日から公認会計士試験の勉強を始めてみてください。