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中卒で何の知識がなくても農業を仕事にできるって本当?
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中卒で農業を始めるメリットやデメリットはある?
農業を始めるのに学歴や資格は一切必要ないため、中卒でも農業従事者として就職することが可能です。
とはいえ、一口に農業と言ってもさまざまな働き方があります。
本記事では、農業未経験の中卒者が就職しやすい農業の仕事について紹介しています。
【この記事で分かること】
- 中卒・未経験が目指しやすい農業の仕事
- 中卒者が応募したい求人の特徴
- 農業従事者になった後のキャリアパス
- 中卒で農業を始めるメリット・デメリット
- 農業が向いている人・向いていない人の特徴
農業に興味がある方は、本記事を参考に就職活動をスムーズに進めましょう。
中卒の仕事探しなら農業法人への就職がオススメ!
農業法人の仕事は特別な学歴や資格が不要なため、中卒で就職することが可能です。
- 農業法人とは
- 法人形態として、稲作・施設園芸・畜産などの農業を営む組織・団体を指します。農業法人は、農業協同組合法が定める「農事組合法人」と、会社法が定める「会社法人」の2つのカテゴリに分類されます。
そもそも、農業は「土地を利用して食料・原材料を生産する活動」する産業を指し、大きく以下の2つに分類されます。
- 耕種農業:田畑で米・野菜・果物、花などを育てる農作物の栽培を中心とした農業
- 畜産農業:家畜を飼育し、肉・乳・卵などの動物性食品を生産する農業
ちなみに、農業に関連する事業は農業資材の供給・農産物の加工や販売・農業技術の開発といった仕事なども含めて「アグリビジネス」と呼ばれることもあります。
この記事では、中卒者の方が農業と聞いて一番イメージしやすい「耕種農業」を取り上げていきます。
中卒・未経験者にオススメなのは農業法人に就職する雇用就農
農業を仕事にする方法は、以下の2パターンが一般的です。
- 個人事業主(個人農家)として開業して働く「新規就農」
- 農業法人に就職して正社員として働く「雇用就農」
新規就農の場合、資金や経営計画づくりの支援、農業技術のレクチャー、農地の斡旋・販売ルートの確保などを自治体がサポートしてくれます。
しかし、このようにある程度の支援を受けられるものの、基本的には農地・機材・資材などを自分で準備・管理する必要があり、初期投資のための資金も用意しなければいけません。
そして、農作物の栽培は気候や自然環境に大きく左右されるというリスクが付き物です。
脱サラして自給自足するといった暮らしに憧れを抱いて農業を志望する人は多いですが、個人農家として成功するためには十分な農業技術・ノウハウも求められます。
実家が農家で家族からサポートを受けられる場合でなければ、いきなり個人農家として独立すると、懸念されるリスクが多岐に渡ります。
そのため、農業の知識・経験がない中卒者は、まず「雇用就農」として農業法人で働きながら、農業技術やノウハウを身に付ける方法がおすすめです。
農業法人に正社員として雇用されれば、経営リスクを負わずに農業の仕事に従事できるほか、福利厚生や社会保険が整っている安定した環境で農業を学べるという大きなメリットがあります。
近年は日本の農業従事者数が減少しており、農業従事者の高齢化が進んでいます。
慢性的な人手不足が課題となっているので、若手向けの求人を出す企業が増えており、学歴・職歴をほとんど見られずに業界に飛び込むことが可能です。
参考:農林水産省「農業労働力に関する統計」(参照 2024-07-02)
中卒で農業法人を目指すならどんな求人がねらい目?
農業法人に就職したい中卒者は、以下のような特徴に当てはまる求人を探しましょう。
- 学歴不問・未経験OKの求人
- 農業就職に特化した求人サイトに掲載されている求人
- JAの農業求人サイトやハローワークに掲載されている求人
「高卒以上」「実務経験2年以上」など、学歴や経験に関する応募条件を設けている求人に応募しても選考通過率は下がります。
大前提として、中卒者は「学歴不問」「未経験OK」と記載している求人の中から就職先を探しましょう。
そして、求人を探す際は他業界の求人も幅広く載っている求人サイトではなく、「農業就職に特化した求人サイト」の利用がおすすめです。
農業に特化した求人であれば、全国の農業に関連する求人情報を網羅しているほか、農業法人の営業・企画・経理・事務といった職種も募集しています。
さらに、農業関連の仕事ならではのこだわり条件などで絞り込んで、目当ての求人を探しやすいのもメリットです。
求人サイトによっては自治体が開催するイベント情報を掲載していたり、非公開求人を紹介してくれるエージェントサービスがあったりと、コンテンツも充実しています。
また、JA(農業協同組合)の農業求人サイトや、ハローワークを活用するのもひとつの手です。
JAは都道府県ごとに求人サイトが分かれており、たとえば埼玉県なら東部・西部・南部・北部、千葉県なら市川市・一宮町・柏市など、勤務地の市区町村を絞って求人を探すことが可能です。
そして、ハローワークでは地方就職支援コーナーや農林漁業就職支援コーナーなども用意されています。
求職者支援訓練として農業の基礎を学ぶことも可能なので、「自分が農業に向いているか不安」という方は最初に訓練を受けてみるのも良いでしょう。
農業法人の求人を選ぶ際のポイント
就職してから「イメージと違った」と後悔しないためにも、農業法人の求人を選ぶ際は、給与額や待遇だけでなく下記の項目もチェックしておくのがおすすめです。
- 会社形態
- 組織規模
- 勤務地
- 独立支援
会社形態
農業法人の形態は、「会社法人」と「農事組合法人」の2種類に分類されます。
法人形態によって経営方針や事業の制限、役員の人数などが異なります。
会社法人に就職する場合は、一般的な会社と同じく社員として企業に雇用されるのに対し、農事組合法人の構成員のほとんどは法人に加入している農家で、構成員は社員ではなく組合員です。
しかし、組合員にならずとも、農事組合法人が出している求人に応募して採用されれば、会社法人の社員と同じような感覚で雇用されながら働くことが可能です。
また、会社法人の運営目的が「会社の利益を生み出すこと」に対し、農事組合法人は「農業生産の協業化」を目的としています。
そして、会社法人は事業に制限がないため幅広い事業展開を展開可能ですが、農事組合法人はあくまで業界の活性化のための組織なので、農業以外の事業は行えないという点にも注意が必要です。
組織規模
大規模な農業法人は経営状況が安定しているだけでなく、研修制度が充実していたり設備が整っていたりと、経営基盤がしっかりしています。
また、規模の大きい会社法人は複数の事業を展開しているケースが多く、キャリアの選択肢も幅広いです。
一方で小規模な農業法人は個人の影響力が大きいため、自分の行動が法人のブランドや売上に直結しやすいという特徴もあります。
社長・代表者との距離も近く、農作物栽培のノウハウだけでなく経営といった分野も間近で学ぶことができる可能性も高いです。
勤務地
農作物を育てる仕事は農地があるエリア内に居住することになるので、勤務地選びによっては自身の生活に大きな影響を及ぼします。
また、基本的に農業法人は転勤することがあまりなく、将来個人農家として独立をする際も、基本的には農業法人で経験を積んだエリアで新規就農をする場合がほとんどです。
これは同じ作物であっても地域によって気候や育て方が異なることから、その地域に沿った作物や栽培方法をしっかり学ぶ必要がある点が主な理由となっています。
将来的に定住する予定のエリアや、携わりたいと思っている業種・品種などが盛んなエリアの農業法人を選ぶようにしましょう。
独立支援
農業法人のなかには、将来独立したい従業員をサポートするプログラムや支援制度を設けている会社があります。
将来的に新規就農を目指し農家として独立したい方は、独立支援が充実している農業法人を選ぶのも選択肢としてアリです。
中卒で農業法人に就職したあとのキャリアパス
農業はキャリアパスをイメージしにくいかと思いますが、農業法人に就職して働く場合は役職に就くことでキャリアアップを図ることが可能です。
また、農業法人でキャリアを積んでいく以外にも、独立をするといった選択肢もあります。
ここでは、中卒で農業法人に就職した後の代表的なキャリアパスを3つご紹介します。
キャリアパス①リーダーや管理職に昇進する
就職した農業法人の中で管理職を目指す出世コースです。
農業法人に就職して実務を通して実績を積み、リーダー・主任・係長・課長と徐々にキャリアアップしていくのが一般的な流れです。
具体的には、就農1~3年は一般スタッフとして働き、就農4~10年ほどで主任やリーダー、10~15年ほどでその上の管理職やマネージャーといった役職につけるチャンスが出てきます。
昇格するには、実務で成果を出すのはもちろんのこと、農業に役立つ資格を持っているとキャリアアップに繋がる可能性があります。
下記に農業の代表的な資格を以下にまとめました。
資格 |
合格率 |
特徴 |
日本農業技術検定 |
3級:65.7% |
農業を学ぶ学生や農業に携わりたい人が農業の知識・技術の習得度を測る資格。 |
農業機械整備技能士 |
64.5% |
農業機械の整備・保守能力を認定する国家資格。農機具メーカー・農機具の買取・修理業など活躍の幅が広がる。 |
農薬管理指導士 |
73% |
都道府県より認定される資格。農薬取扱者として農業者や農薬販売者にアドバイスを行うことができる。 |
農業簿記検定 |
3級:62.0% |
農業経営に欠かせない簿記知識を身に付けられる資格。将来的に独立したい人にも有用な資格。 |
全国農業会議所「令和5年度 日本農業技術検定試験結果(受験者内訳および科目別実績)」(参照 2024-07-02)
資格の王道「農業機械整備技能士」(参照 2024-07-02)
山形県「山形県農薬管理指導士について」(参照 2024-07-02)
日本ビジネス技能検定協会「農業簿記検定」(参照 2024-07-02)
また、他業界での管理職経験・マネジメント経験などもあると、昇格において有利になりやすいです。
異業種からの転職の場合は、実績次第で2~3年で管理職につける可能性もあるのです。
そして、「確実に管理職を目指したい」という方は、最初から幹部候補者として転職する方法もあります。
幹部候補者とは管理職に就くことを前提に採用される人材のことで、慢性的な人手不足が課題となっている農業界では幹部候補者の求人が全国で多数出ています。
マネジメントの経験がない場合でも、意欲とポテンシャルが認められれば幹部候補者として採用されるチャンスがあるため、管理職を目指しているなら応募してみましょう。
キャリアパス②農業法人の組織経営者になる
さらに上の役職を目指すのであれば、経営継承を経て農業法人の組織経営者になるキャリアパスも候補に入ります。
農業法人における経営継承とは、事業計画や経営方針、農業技術、農地や設備等の資産を次世代の経営者に引き継ぐことを指します。
農業従事者の高齢化が進む中で、業界全体で若い世代への経営継承が急務です。
以前は農家が身内のみで経営継承をするのが一般的でしたが、現在は人手不足から農業法人の従業員へ継承が行われることも珍しくありません。
農業法人からしても、業務をしっかり理解している意欲のある従業員が事業を継承してくれると業界にとってプラスになるため、近頃は積極的に継承を進める動きが見られます。
「個人農家として農業経営をするのは不安」という方は、農業法人に入って徐々にステップアップしていき、所属する組織の経営者を目指すことを視野に入れてみてはいかがでしょうか。
キャリアパス③独立して経営者になる
3つ目は、独立して農業経営を始めるキャリアパスです。
農業で独立する方法は「農業法人に就職して経験を積んでから新規就農する」もしくは「研修教育機関などで知識を身に付けた後に新規就農する」の2パターンに分かれます。
農業で独立するには、あらかじめ資金を貯めておく必要があります。
農業経営をするための初期投資費用は755万円ほどが目安と言われていますが、これには農地代や自身の生活費などは含まれていません。
新規就農に関する国の支援制度や補助金もあるので、積極的に使っていきましょう。
また、独立の際に準備が必要なものとしては、以下が挙げられます。
農地 |
購入・賃借もしくは地域の農地バンクを利用して確保します。 |
機材 | 育てる品種によって異なるものの、トラクター・みぞ切り機・穴掘機などが一般的です。機材の共同購入やレンタル(リース)という選択肢もとれます。 |
設備 | 倉庫・作業所・ビニールハウスなどが当てはまります。機材の共同購入やレンタル(リース)もあります。 |
種苗・肥料・燃料 | 育てる品種によって値段や入手のしやすさが異なります。品種登録制度に登録されている品種を育てたい場合は、育成者権者から許諾を得る必要があります。 |
このような準備を経て独立することで、自由な経営ができたり、事業が上手くいけば収入が大幅にアップしたりとさまざまなメリットがありますが、一方で経営の全責任を自分が負わなければなりません。
事業が上手くいかず売上が立たなければ生活が苦しくなる一方なので、独立前にしっかりとしたビジネスプランを考えなければいけません。
周辺の同業者との繋がりを大切にし、積極的に情報共有や相談をし合うといった点も重要です。
また、農業経営をするにあたって、下記のような「就農支援が手厚い地域」を選ぶことも、初めての事業を成功させるカギになる可能性があります。
地域 |
主な支援内容 |
北海道十勝足寄(あしょろ)町 | 営農実習奨励金:月額15万円支給(最長2年間) 経営開始奨励金:年間200万円支給(経営開始から3年間) |
青森県つがる市 | 就農準備支援金:10万円支給 研修支援金:月額5万円支給(上限24ヶ月) 居住費支援金:家賃の1/2以内を支給(上限2万5000円、補助月数上限24ヶ月) |
大分県豊後高田市 | 中高年移住就農給付金:年間100万円(最長2年間) 新規就農者自立支援:資金相談、研修先の紹介、助成金上限20万円支給等 |
Otanomi「【移住×農業】就農支援が充実した地域【5選】北海道・東北編」(参照 2024-07-02)
二拠点・移住マガジン「田舎で農業したい人におすすめ!就農支援が手厚い移住先トップ10!」(参照 2024-07-02)
農業での独立は成果をすぐに出すのが難しいので、使える支援制度はどんどん利用していきましょう。
中卒で農業法人への就職に向いている人・向いていない人
農業法人への就職に向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。
農業法人で農作物を育てる仕事をする場合、一般的な民間企業と仕事内容や働く環境が異なり、生活面もガラッと変わることが多いです。
そのため、向いていない人が無理して仕事を続けると、ストレスを感じてしまう可能性があります。
後悔しないためにも、適性をしっかり把握しておくことが大切です。
自分の性格と照らし合わせながらチェックしていきましょう。
中卒で農業法人への就職に向いている人の特徴3つ
農業法人への就職に向いている人の主な特徴は、以下の3つです。
- 地道な努力を続けられる人
- 生物や自然が好きな人
- 体力・気力に自信がある人
農作物の収穫量は季節や天候に大きく左右されるため、短期間で確実に成果を上げることが難しいです。
目先のことだけを考えるのではなく、長期的な視点を持って、地道に努力を続ける必要があります。
たとえ失敗してもその過程で得た知識・経験を活かし、挑戦を続けられる人は農業界で活躍しやすいです。
また、農業は植物や動物と密接に関わる仕事です。
自然環境で過ごす時間が好きな人、生物の成長過程や生態系の変化などにも興味がある人は、農業の仕事へのモチベーションが高いので、成果も出やすくなります。
そして、農業の現場は肉体労働で、長時間立ったりかがんだりといった姿勢での作業や、重い物の運搬などが日常的に行われます。
特に屋外での作業は、夏の暑さや冬の寒さに耐える体力が欠かせません。
体力に自信がある人は、こうした厳しい環境でも適応しやすく、長く働き続けることができるでしょう。
さらに、農業は自分の落ち度ではないにもかかわらず、天候のために収穫予定の作物がすべてダメになってしまうといったイレギュラーな事態も起こるので、粘り強さやメンタルの強さも重要です。
中卒で農業法人への就職に向いていない人の特徴3つ
農業法人への就職に向いていない人の主な特徴は、以下の3つです。
- 飽き性でコツコツした作業が苦手な人
- 長期的な計画を立てるのが苦手な人
- 地方の暮らしに適応できない人
農業の仕事は地道な作業が多く、毎日同じ作業を繰り返すことも少なくありません。
作物は手入れを怠って品質が落ちてしまうと商品として出荷ができなくなってしまうので、飽き性な人や、ルーティーンワークが苦手な人には向いていません。
そして、農業は成果が出るまでにある程度の時間がかかり、作物を出荷して初めて収入に結びつきます。
コツコツとした作業が苦手で早く成果を出したい人にとっては、モチベーション維持が難しいでしょう。
また、繰り返しになりますが、農業は短期間で成果を出すのが難しいため、長期的な視点で計画を立てて行動する必要があります。
季節ごとの計画や収穫スケジュールを決めたり、作物の成長や天候の変化などを見越して病害虫対策をしたりと、前もって計画を立てるのが苦手な人は、農業の仕事に苦戦する可能性が高いです。
そして、多くの農業法人は地方に位置しているため、就職するとなると移住を求められることがあります。住み込みで働くケースもあり、地方の暮らしに適応できない人は農業法人への就職は難しいかもしれません。
「交通や娯楽の面で不便さを感じるのは嫌」「地元のコミュニティに溶け込めない」というように、日常生活でストレスを溜めてしまうと、仕事にも支障が出てしまう恐れがあります。
中卒で農業法人の社員になるメリット・デメリット
ここでは、中卒で農業法人の社員になるメリット・デメリットをご紹介します。
中卒で農業法人の社員になるメリット |
中卒で農業法人の社員になるデメリット |
学歴や職歴に左右されにくい |
自然災害の影響を受けやすい |
働きながら農業を学ぶことができる |
体力を使うハードな作業が多い |
初期投資の土地や農具の準備が必要ない |
ライフプランに影響を与える割合が大きい |
「学歴に関係なく就職できるから」という理由だけで農業法人への就職を目指すのは危険です。
労働環境などもしっかりとチェックし、良い面・悪い面の両方を知る必要があります。
中卒で農業法人の社員になるメリットは3つ
中卒で農業法人の社員になるメリットは、以下の3つです。
- 学歴や職歴に左右されにくい
- 働きながら農業を学ぶことができる
- 初期投資の土地や農具の準備が必要ない
農業法人へ就職するにあたって、学歴や経験はそこまで重視されません。
学歴よりも本人の意欲やポテンシャルを見て採用する傾向があるので、中卒でも就職しやすい仕事です。
また、昇給・昇格も学歴ではなく経験年数や実績に応じて評価されるため、中卒で将来的には管理職を狙っているという人にもおすすめです。
求人の数は少ないものの、農業法人は営業職・企画職・事務職といった職種も募集しているため、農作業以外の職種で就職したいという人もチャンスを得られます。
さらに、働きながら農業に関する知識・技術を身に付けられる点も大きなメリットです。
農業は技術やノウハウが大事な要素なので、いきなり何の経験もないままに農家として独立しても成功できる可能性は低いです。
農業法人に就職すれば、安定した待遇のもとで農業のやり方を学びながら収入を得ることができます。
新規就農は農地の確保や農機具の準備などで多額の初期投資費用がかかりますが、農業法人に就職した場合は、会社が用意した農地や設備を利用して仕事をすることが可能です。
金銭面の心配をすることなく農業に従事できるのは、農業法人に就職する魅力でしょう。
将来的に独立をするにしても、このようにまずは農業法人で経験を積むメリットがたくさんあります。
中卒で農業法人の社員になるデメリットは3つ
中卒で農業法人の社員になるデメリットは、以下の3つです。
- 自然災害の影響を受けやすい
- 体力を使うハード作業が多い
- ライフプランに影響を与える割合が大きい
農業は台風や洪水、冷害といった自然災害の影響を受けやすい産業です。
自然災害により作物が被害を受けてしまうと、経済的な損失が発生することがあります。
特に自然災害が頻発する地域ではこれらのリスクが高くなるため、法人経営にも大きな影響を与えます。
農業は自分の努力だけではどうにもならないイレギュラーなケースが多いという点は、安定志向の人にとってはデメリットです。
また、農作業は野外での作業や重い物の運搬など、体力を使う場面が多々あります。
体調を崩したりケガをしたりすると、仕事ができなくなってしまって生活が苦しくなりやすいです。
そして、農作物を育てる仕事は農地のそばに居住して行うことになるため、勤務地・居住地に縛られがちです。
作物の成長や収穫の時期に合わせて働くので、遠方に引っ越したり、長期休暇を取りにくかったりするといったデメリットがあります。
農地の近くの寮に住み込みで働く場合もあり、仕事とプライベートをしっかり分けたい人にとっては不便に感じる可能性も高いです。
ワークライフバランスを大切にしたい方は、農業法人に務める働き方にストレスを感じないかをじっくり考えてから就職することをおすすめします。
農業法人以外で転職を検討するならナイト系がおすすめ
農業で生計を立てて高収入を得るのは、そう簡単にできることではありません。
農業の知識・経験がゼロの状態であれば、まずは農業法人に就職して技術を身に付けてから独立する流れが現実的です。
また、農業は体力が求められる場面が多かったり、長期休暇が取りにくかったりするため、そういった働き方に納得ができる人でないと、続けていくのは難しいでしょう。
農業法人以外の就職先も視野に入れている中卒者には、ナイト系もおすすめです。
ナイト系は18歳以上であれば応募可能(高校生不可)で、学歴・年齢・経験に関係なく就職することができます。
また、頑張り次第でスピード出世を目指せるのも特徴で、頑張った分がすぐにお給料として返ってくるので、短期で「収入」という結果を出したい人にも向いています。
ナイト系では店舗スタッフ・ドライバー・Web運営・カメラマンなどさまざまな職種を募集しているため、気になる方は一度求人をチェックしてみてください。
中卒で農業法人の社員になるためのおさらい
中卒で農業の仕事に就く方法について理解を深めることはできたでしょうか。
最後にこの記事でお伝えしてきた要点をまとめます。
- ポイント
- 【農業を仕事にする2つの方法】
・個人事業主として開業して働く「新規就農」
・農業法人に就職して正社員として働く「雇用就農」
・農業の知識・経験がない中卒者は、まず雇用就農で働きながら技術を身に付ける方法がおすすめ。
【中卒が就職できる農業法人の求人を探すコツ】
・学歴不問・未経験OKの求人
・農業就職に特化した求人サイトに掲載されている求人
・JAの農業求人サイトやハローワークに掲載されている求人
【農業の仕事が向いている人の特徴】
・地道な努力を続けられる人
・生物や自然が好きな人
・体力・気力に自信がある人
【中卒で農業法人に就職するメリット】
・学歴や職歴に左右されにくい
・働きながら農業を学ぶことができる
・初期投資の土地や農具の準備が必要ない
農業は学歴・経験に関係なく就職できる仕事のため、実際に中卒で活躍している人がたくさんいます。
学歴や経験がなくても、農業法人に就職して農業技術を身に付け、将来的には独立して自給自足で暮らすこともできる夢のある仕事です。
本記事を読んで農業への興味が強くなった人は、さっそく求人探しから始めてみましょう。