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上司との飲み会で、どう振る舞えばいいのだろう?
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職場の飲み会マナーとは?
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上司との飲み会にどんなメリットがあるの?
会社や上司との飲み会には、友人同士の飲み会とは異なる「暗黙のルール」があります。
たとえ無礼講が許された飲み会でも、社会人として最低限のマナーは押さえておかなければいけません。
本記事では上司との飲み会で気を付けるべきマナーや、距離を縮めるのに役立つ会話術を解説します。
上司と飲むメリット・デメリット、飲み会に苦手意識がある人向けの対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【時系列順】上司との飲み会マナー9選
上司との飲み会では、以下の9つのマナーを意識しましょう。
- 清潔感のある身だしなみを意識する
- 約束の10分前には到着する
- 座席は出入り口の近くに座る
- 一杯目はお酒が無難
- 目上の人と乾杯する時はグラスの位置を下げる
- お酒を注ぐ時は一言声かけをして両手で行う
- ちょっとした行動や仕草に気を付ける
- 無礼講をはき違えないように注意する
- 飲み会の翌日は必ずお礼を言う
飲み会のマナーについて時系列順に詳しく解説していきます。
1.清潔感のある身だしなみを意識する
清潔感のある身だしなみは、上司に好印象を与えます。
勤務時間外でも気を抜かず、ラフすぎる服装は控えてスーツやジャケットスタイルなどで落ち着いた清潔感のある格好を心がけましょう。飲み会当日の服装に迷った時は、職場の先輩や同僚に相談してみるのもありです。
また、服装に問題がなくても衣類にシワや汚れ、ほつれがあると清潔感が一気に損なわれてしまいます。飲み会では、上着や靴を脱ぐことも多いので、シャツや靴下、靴の中の状態までしっかりチェックしてくださいね。
この他、コートやマフラーを着用していた場合は、外のホコリを部屋の中に持ちこむのを防ぐ意味で、防寒具の着脱は入店前に行うのがマナーです。
2.約束の10分前には到着する
会社や上司との飲み会では、特に時間厳守が鉄則です。ルールやマナー以前に、社会人として「約束した時間を守る」のは当然のことと言えます。
たとえ飲み会であっても上司を待たせるのは失礼なので、「遅れても大丈夫だよ」と優しい言葉をかけられたとしても、真に受けずに10分前行動を心がけましょう。
事前に交通手段や移動ルートを調べたうえで余裕をもって出発し、遅くとも約束の5~10分前にはお店や待ち合わせ場所に到着しておくのがおすすめです。
特に新入社員の場合、他の参加者よりも早めに到着して「上司や先輩を迎えよう」という気持ちを見せることが大切です。
電車遅延や道に迷うリスクも考慮して、可能であれば集合時間の30分前に到着できるように行動しましょう。
3.座席は出入り口の近くに座る
入店後、席に通されたら上座・下座の位置を確認しましょう。
和室・洋室にかかわらず、一般的に出入口から遠い席が上座、出入口に近い席が下座となり、上座は上司、下座は部下が座るのが基本です。
下座は、運ばれてくる料理やドリンクの配膳を行う機会が多いため、部下が座る傾向にあります。
上司と一緒に入店した場合、上司に「奥の席にどうぞ」と声をかけて上座に案内した後、自分は出入り口近くの下座に座ります。
なお、以下のように部屋の形状によって席順のマナーが異なるので注意してください。
- 座敷席なら床の間(畳より一段高く、主に壺や掛け軸が飾らている場所)の前が上座
- 長テーブルの場合、中央が上座
- 景色が見える窓があれば、景色が見える席が上座
新入社員の歓迎会や取引先との会食などで、上司・取引先の役職者から上座に座るよう促される場合もあります。
そんな時は、一度お断りしたうえで再度勧められた際に、「恐れ入ります」と一言添えて上座に座りましょう。
4.一杯目はお酒が無難
上司との飲み会では、一杯目のドリンクはお酒にしておくのが無難です。
注文内容がバラバラだと、その分提供が遅くなり乾杯を待たせてしまうので、最初の一杯は他の参加者と合わせてビールやその他お酒にするのがおすすめです。
「お酒があまり得意ではない」という人は、ひとまずお酒で乾杯してグラスに口を付けた後、タイミングを見計らってソフトドリンクを注文しましょう。お酒が飲めない人や一口でも飲むと体調に影響が出てしまうという人は無理する必要はありません。
また、飲み会では上司からお酒を勧められることもあります。お酒が飲めるのであれば、自分のキャパシティを超えない範囲で上司と一緒にお酒を楽しんでOKです。
お酒が飲めない人は、「ありがとうございます。でもお酒が飲めない体質なんです。申し訳ありません」と丁重に断りましょう。
「お酒が飲めないことを正直に言ってもらったほうがお互いのため」と考えている上司が一般的なので、言い方に気を付けながら早いうちに意思表示をしておくのがポイントです。
5.目上の人と乾杯する時はグラスの位置を下げる
乾杯する時は、上司のグラスよりも低い位置で自分のグラスを合わせます。
目上の人よりグラスを高く上げる行為は失礼にあたると言われており、飲み会のマナーの基本です。
特に取引先や顧客との会食では、乾杯のグラス位置によって相手の機嫌を損なう可能性もあることから、普段から実践してマナーを身に付けておきましょう。
グラスを下げる際は、不格好にならない程度にほんの少し下げるのがポイントです。
なお、乾杯する時に音が鳴るほど強くグラスをぶつけるのはマナー違反です。ワイングラスのような薄いグラスは、ぶつけた衝撃で割れてしまう場合もあります。
ワイングラスで乾杯する時は、脚の部分を持って胸の高さまで持った後、相手と目と目を合わせて笑顔で乾杯するとスマートに行えます。
6.お酒を注ぐ時は一言声かけをして両手で行う
飲み会中は、上司のグラスに気を配り、自分から進んでお酒を注いでいきます。
上司のグラスが半分以下から3割程度になったタイミングで、「お注ぎしましょうか?」「次は何を飲まれますか?」と尋ねましょう。
上司の許可なく勝手にお酒を注ぐのは無礼な行為にあたるので、必ず一言添えてからお酒を注ぐのがマナーです。
なお、複数の上司のグラスが空に近い時は、役職がより上の上司のグラスから継ぐようにしましょう。
もし、接点の少ない上司の相手をする場合、最初に自己紹介をした後にドリンクを尋ねると、距離が縮まるきっかけにつながります。
また、お酒を注ぐ際は、両手を使う場合が多いですが、お酒の種類によって変わります。
この後、お酒の注ぎ方と注がれ方を種類別でご紹介するので、気づかないうちに失礼なことをしないようにしっかりチェックしましょう。
【ポイント】お酒別の注ぎ方と注がれ方
飲み会では、お酒を注ぐだけでなく注がれることもあるため、両方のマナーを心得ておかなくてはいけません。
上司との飲み会で飲む機会が多いビール、日本酒、ワインの注ぎ方・注がれ方をまとめました。
ビールの場合
日本酒の場合
ワインの場合
なお、種類にかかわらずお酒を注いでもらった時は、お礼を伝えるのはもちろん、一口飲んでからテーブルに置くのがマナーです。
7.ちょっとした行動や仕草に気を付ける
お酒が入る飲み会では、つい気が緩みがちです。自分の何気ない行動や仕草が、上司から悪い印象を持たれることもあるため、つい取りがちなNG行動を知っておきましょう。
まず、社内・外の人間の悪口や愚痴は厳禁です。たとえ周りが盛り上がっていたとしても、積極的に発言するのは控えておくのがおすすめです。
くわえて取引先や社外秘の情報などを口にするのもNGです。コンプライアンスに抵触する事例のひとつなので注意しましょう。
また、「自分の話ばかり続ける」「撮影した写真を許可なくSNSに投稿する」といった自分勝手だと捉えられるような行動もNGです。
「そんなの当たり前じゃないの?」と疑問に感じる人もいますが、お酒を飲み過ぎると自制心を失うので、日頃の自分では考えられないような行動を取ってしまうケースも珍しくありません。
調子に乗りすぎないように節度を持ってお酒をたしなむのが、飲み会を楽しむコツと言えます。
他にも、お座敷での飲み会に参加する場合、座布団を踏まないようにするのもマナーの一つです。
座布団は、「お客様を敬いもてなす」という意味をこめて、お店の厚意で置かれているものです。
座布団を踏んだまま立ったり歩いたりする行為は、お店のホスピタリティを無下にしているとみなされてしまいます。
座布団に座る際は膝から入り、立つ際は一旦下座に移動し、座布団の外で立ち上がるのがマナーです。
ちなみに、座布団の上であぐらを組む場合、上に置く足を上司の方に向かないように組むのがルールとされています。
8.無礼講をはき違えないように注意する
職場の飲み会では、上司から「今日は無礼講でやろう」と言われることもあります。
ここで指す「無礼講」は、「和気あいあいと楽しもう」という意味であり、どんな失礼な行為をしてもいいという意味ではありません。
しかし、「無礼講」の意味をそのまま受け取ってしまい、上司へ無茶ぶりをしたり、舐めたような態度を取ったり、非常識な行動を取ったりしてしまう人もいます。
上司からマイナスな印象を持たれないためにも、飲み会の会話は仕事の話題を中心にするのがおすすめです。
また、激しく酔っぱらうほどお酒を飲み続けるのもNGです。
お酒に飲まれてしまうと、「うっかりな言動が増える」「具合が悪くなってしまう」「途中で寝る」など、上司に限らず飲み会の参加者全員に迷惑をかけるリスクが高くなります。
無礼講という言葉には「気負わず楽しんでほしい」という上司の優しさが込められています。そのため、飲み会の最中も常に気遣いを怠らないようにしましょう。
9.飲み会の翌日は必ずお礼を言う
上司には飲み会当日にお礼を伝えるのはもちろん、飲み会の翌日にも再度お礼を言うのがマナーです。
お礼は早ければ早いほど好印象を残せるので、翌日に会ったらすぐ伝えてください。
もし会社が翌日休みだった場合、休み明けにお礼を伝えればOKです。
しかし、参加者が多い飲み会であれば、全員にお礼を言うのは難しいケースも出てきます。
そんな時は、飲み会の参加者のうち最も役職が高い幹部や直属の上司を最優先に、後は飲み会中にかかわった先輩を中心にお礼を伝えましょう。
お礼の内容は、「昨日はありがとうございました。ご馳走様でした」のようなシンプルな言葉で問題ありません。「勉強になりました」「楽しかったです」のような感想を一言付け足すと、より好感度が高まります。
なお、どうしても直接伝えられない時は、電話やメールを活用します。
電話やメールでお礼を伝える場合も、なるべく手短に済ませるのがポイントです。
「飲み会にお誘いいただきありがとうございました」「また機会がありましたら、ぜひ誘ってください」といった内容で、電話は1分以内、メールは2~3行程度で完結できるように意識しましょう。
「簡素な内容だと素っ気ないと思われてしまうかも?」と不安に感じる人もいますが、早いうちに飲み会のお礼を言うのが重要であって、次に会えた時に改めて伝えれば、むしろ上司は好印象を受けます。
上司との関係づくりに役立つ会話術
飲み会中に上司と会話する時は、上司を立てて聞き役に徹することで、より友好的な関係を築けます。
普段は交流の少ない上司とゆっくり話せるチャンスなので、以下の内容を意識して上司とより良い関係を構築していきましょう。
- ほめ言葉を欠かさない
- 仕事に関するオープンな質問をして上司に話をしてもらう
ほめ言葉を欠かさない
飲み会で上司と話す際は、要所要所にほめ言葉を交えて上司を立ててください。こうすると上司は気持ちよく話せるようになり、お互いの距離もぐっと近づきます。
「どんなほめ言葉が喜ばれるのか分からない!」という人は、飲み会のトークで使える「さしすせそ」を参考に実践してみるのがおすすめです。
- メモ
- さ:さすがです!最高です!
し:知らなかったです!
す:すごいです!すばらしいですね!
せ:センスありますね!せかいいち!
そ:そうなんですね!その通りです!
あまりにほめ言葉を連発してしまうと、お世辞っぽさが出てしまうので、タイミングを見計らって合いの手を入れるのがポイントです。
また、ほめ言葉はストレートに伝えるよりも、独り言のように呟いたほうが相手の心に響く場合があります。
たとえば「やっぱりすごいなあ」「さすが○○さんだなあ」のように小声でつぶやくと、上司は「思わずつぶやいてしまうほど本当に思ってくれているんだな」と嬉しくなります。
ほめ言葉を欠かさないだけではなく、伝え方にも工夫を凝らすことで、上司からの印象はさらに良くなります。
仕事に関するオープンな質問をして上司に話をしてもらう
飲み会では、自分から積極的に仕事に関するオープンな質問をして、上司が長く話せる機会を増やしましょう。
仕事中では聞きにくかった疑問点を気軽に質問しやすいのが飲み会の魅力なので、この機会に教えてほしいことを質問してみるのがおすすめです。
仕事に関するオープンな質問例として、以下の内容が挙げられます。
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私、業務の~が苦手なんです。○○さんみたいにうまくやるコツはなんですか?
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私は○○さんの仕事ぶりに憧れているんです。働く時に大切にしていることは何ですか?
このように、上司を尊敬しているのが分かる質問を投げかければ、上司は「アドバイスしてあげよう」という気持ちになり、自分についてたくさん話してくれます。
また、熱弁する上司の話を熱心に聞くことで、あなたのひたむきさが上司に伝わるため、今後仕事をするうえで何かと気にかけてくれたり、時には手助けをしてもらえたりする可能性が高いです。
飲み会でただ席に座って過ごすより、仕事面でプラスになるような行動を取ったほうが自分にとって大きなメリットにつながります。
上司との飲み会に参加するメリット
上司との飲み会に参加すれば、以下のようなメリットがあります。
- 職場ではできない話を聞ける
- 良い人間関係を築ける
- 仕事がしやすくなる
上司を含めた飲み会に苦手意識がある人は、参加するメリットを知っておけば、考え方が変わるかもしれません。
それぞれ理由を解説していくので、ぜひチェックしてみてください。
職場ではできない話を聞ける
上司との飲み会に参加するメリットとして、まず職場ではできない話が聞ける点が挙げられます。
飲み会は、上司を含めてさまざまな参加者と情報交換ができる貴重な場です。特に、仕事に関する有益な情報を得やすいため、自己成長をするチャンスにつながります。
たとえば、上司の新人時代の成功談・失敗談を聞いて今の自分との共通点を探せば、今後仕事で結果を出すためのヒントが見つかりやすいです。
また、転職経験のある上司と話す場合、前職の経験談や業界にまつわる裏話を聞ける可能性があるので、自分の視野を広げられるメリットもあります。
ただし、勤務時間外は仕事の話をなるべく避けたい上司も存在します。
仕事以外の話をする際は、以下の内容を中心に上司が話しやすい話題を振ってみましょう。
- メモ
- ・趣味
・休日の過ごし方
・出身地や地元ネタ
・時事ネタ
良い人間関係を築ける
上司とはもちろん、先輩や他部署の人とも交流を持てるため、職場のあらゆる人と距離を縮められるのも飲み会に参加するメリットです。
今まであまり接点がなかった人と、一緒にお酒を飲んだりおいしいご飯を食べたりすれば、自然と話す機会が増えて打ち解けやすくなります。
飲み会をきっかけに良い人間関係を築ければ、仕事面でもプライベート面でもストレスを減らせます。
また、飲み会に参加して、業務上では接しにくいと感じていた上司が、実はすごく気さくで話しやすい人だったと気づくケースも珍しくありません。
このように、上司や先輩、同僚などに勝手に抱いていた印象を良い意味で払拭できる可能性がある点も、飲み会に参加する魅力と言えます。
仕事がしやすくなる
飲み会で職場でできないような話をして良好な人間関係を築ければ、今まで以上に仕事が円滑に進みやすくなります。
ほとんどの職種では、スタッフ同士のチームワークやコミュニケーションが欠かせない業務が発生します。人間関係が良好であれば連携がスムーズになるので、仕事をしやすくなる可能性が高いです。
また、職場で気軽に話しかけたり相談できたりする人が多ければ多いほど、業務で分からないことがあったり、トラブルが発生したりしても、職場内で助けを求めやすくなるので、早めに解決できるのもメリットです。
そして、逆に誰かが困っている時は自分がサポートすることで、自分に対する仲間からの信頼度がアップするだけでなく、職場全体のチームワークもさらに良くなります。
このように働きやすい環境を自ら作っていくことで、仕事でも大きな成果を出しやすくなり、キャリアアップのチャンスも得られます。
上司との飲み会に参加するデメリット
上司との飲み会には多くのメリットがある反面、デメリットもあります。メリット・デメリットの両方を知り、状況に応じてうまく立ち回ることが大切です。
ここからは、上司との飲み会に参加するデメリットを解説します。
- 個人の時間が削られる
- 周囲に気を遣うことでストレスになる
- 金銭的な負担が発生する
個人の時間が削られる
上司との飲み会は、一般的に仕事終わりに行われるため、自分のプライベートな時間を割く必要がある点はデメリットです。
1回の飲み会の所要時間は約2~3時間とそれほど長くないものの、状況によっては二次会や三次会も開催されて、さらに個人の時間が削られる場合もあります。
翌日に仕事やプライベートの予定を控えている人や、同居の家族がいる人にとっては、普段よりも帰宅が大幅に遅くなる飲み会の参加は大きな負担です。
ただし、二次会・三次会は不参加だったとしても、断り方さえ気を付ければ上司は不快な気持ちになりません。
たとえば、前日までに二次会・三次会の開催が決まっている場合、「明日朝から家族の病院に付き添わなきゃいけない」「帰ったら子どもの面倒を見なければいけない」といった相手が深入りしにくい理由を言えば、スムーズに帰らせてもらいやすいです。
当日になっても二次会・三次会にしつこく誘われる時は、「明日までに作らなければいけない資料がある」「仕事が終わっていない」など仕事を理由にすれば、上司も理解してくれます。
どうしても飲み会に行きたくないなら、角が立たない理由で断りましょう。
周囲に気を遣うことでストレスになる
上司との飲み会では、周囲に気を遣いすぎるあまり、なかなか楽しむことができず、むしろストレスに感じる人も少なくありません。
友人同士の飲み会とは異なり、「マナーを守る」「会話を盛り上げる」「飲み物や食べ物が不足していないか目を配る」など、周囲を気遣う場面がたくさん出てきます。
また、参加者の中で自分が一番年下だった場合、その場にいる全員に失礼のない振る舞い方をしなければならず、状況によっては自分から率先して盛り上げ役に徹する必要もあります。
上手く場を盛り上げられなかったり、話題が見つけられなかったりすると沈黙が続き、気まずい雰囲気になるのもストレスです。
しかし、上司との飲み会は、マナーや気遣いの仕方を学べる絶好のチャンスです。面倒見の良い上司や先輩であれば、飲み会での振舞い方をレクチャーしてくれる場合もあります。
飲み会に参加し続けるうちに、自然とコミュニケーションスキルが上がっていき、職場の人と親睦を深められます。
コミュニケーションスキルは、仕事やプライベートでも役立つ重要な能力なので、身に付けておいて損はありません。
金銭的な負担が発生する
上司と1対1のサシ飲みをする場合は奢ってもらえるケースが大半ですが、参加人数が多い飲み会では少なからず金銭的負担が発生する可能性が高いです。
そのため、金額や飲み会の頻度によっては、出費がかさんで生活が苦しくなる人も珍しくありません。
また、飲み会の費用は基本的に割り勘なので、お酒が飲めない人や途中から参加してあまり料理を食べられなかった人は不服に感じがちです。
しかし、先述した通り、上司との飲み会に参加すれば、良い人間関係を築くことで仕事をしやすくなるメリットがあります。さらに、職場ではできない話を聞けるチャンスが増えるため、自分の思考や知識の幅を広げられるのも魅力です。
職場の飲み会は、たとえ一時的な金銭的負担が発生しても、長期的に見ればプラスになる可能性が高いです。
その時の損得だけで参加・不参加の判断をするのはもったいないので、ぜひ前向きに検討してみましょう。
上司との飲み会が苦手な人が抱くイメージと対処法
上司と飲み会をする際のマナーや参加するメリットを知ったうえで、どうしても苦手意識を払拭できない人もいます。
ここでは、上司との飲み会が苦手な人が抱くイメージと対処法を解説します。
実際に苦手な状況が起きた場合、どのように対応すればいいのかチェックしていきましょう。
無理にお酒を勧められるイメージがある
飲み会で上司から無理にお酒を勧められた時は、はっきり断ってください。
「お酒が苦手なので飲めません」「これ以上は飲めません」のように、飲めない旨をはっきりと伝えるのが効果的です。
そもそも、「飲みニケーション」は過去の文化になりつつあります。現代で飲酒を無理強いさせる行為は、アルコール・ハラスメントと呼ばれて問題視されているため、しつこくお酒を勧める上司は減っている傾向です。
それでも、飲みニケーションの考え方を持つ上司はごくわずかに存在し、場を盛り上げるために一気飲みを強要したり、部下を泥酔させようとしたり、まさしくアルハラと呼ぶに適した行為をするケースもあります。
その場合、「周囲に助け舟を出してもらう」「その場から離れる」といった手段をとりましょう。また、事前に飲み会の予定が決まっているのであれば、お酒が飲めない体質であることを上司や同僚にカミングアウトしておくのもおすすめです。
昔ほど飲み会でお酒を強要される機会は減りましたが、万が一アルハラの被害に遭いそうになった時は、毅然とした態度で対応していきましょう。
上司と会話することに緊張してしまう
職場の飲み会に対して苦手意識を持つ理由として、上司との会話に緊張してしまう点が挙げられます。
「どうしても緊張して上司とうまく話せない」という人は、とにかく聞き役に徹するのがおすすめです。
また、あらかじめ自分が口下手であるとカミングアウトしておくと、多少話が空回ったとしても上司はネタとして認識してくれます。
さらに、話し上手な人の近くに座れば、その場の雰囲気に溶け込めるのはもちろん、コミュニケーションを取りやすくなり緊張をほぐせます。
職場の飲み会は「仕事のうち」と言われるほど、友人同士で飲む時のような楽しみ方が難しく、たとえお酒を飲んでいても常に周囲に気を遣い続けなければなりません。
しかし、上司との飲み会に参加すれば、今後の仕事で役立つさまざまなヒントを得られる可能性があります。
「今の会社でキャリアを積み上げていきたい」「もっと仕事で大きな成果を上げたい」という意欲が強い人は、一度上司のいる飲み会に参加してみてください。
上司との飲み会はマナーを守りながら有意義な時間にしよう!
職場の飲み会には、知っておくべきマナーやルールがあります。
最初は、楽しさより緊張・気疲れが上回ってしまいがちですが、上司や先輩に敬意をもって接すれば失礼に思われるような行動をとる可能性は低いので、過度に不安視する必要はありません。
職場の飲み会は、上司と交流を深めたり周囲と信頼関係を構築できたりする貴重な場です。
その後の仕事や自己成長に良い影響をもたらすメリットもあるので、前向きな気持ちで参加して有意義な時間を過ごしていきましょう。