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中卒から大学へ進学して人生の選択肢を広げたい
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大学に行きたい気持ちはあるけど、中卒の場合、何から始めればいいのかわからない…
中卒から大学へ入学することは決して不可能ではありません。
本記事では、中卒が大学の受験資格を得る5つの方法や、最短で大学へ進学するルートを解説します。
さらに、中卒から大学へ進学するメリット・デメリット、おすすめの勉強の仕方などもご紹介するので、大学進学を考えているという方はぜひ参考にしてみてください。
中卒から大学受験するには「大学入学資格」が必要

中卒から大学の入学試験を受験するためには、大学入学資格を得る必要があります。
文部科学省では次のいずれかの条件を満たすことで大学入学資格が得られると定めています。
- 高校または中等教育学校を卒業した人(法第90条第1項)
- 特別支援学校の高等部もしくは高等専門学校3年次を修了した人(法第90条第1項)
- 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した人(施行規則第150条第5号)
(なお、18歳に達していないときは、18歳に達した日の翌日から認定試験合格者となる。)
- 大学の個別審査で認められた18歳以上の人(施行規則第150条第7号)
引用:文部科学省「大学入学資格について」(参照 2025-11-25)
大学入学資格を得る方法はいくつかあります。
仕事と両立しながら大学入学を目指せる方法もあるので、自分にとって取り組みやすい方法を選びましょう。
中卒から大学の受験資格を得る5つの方法

ここからは、中卒から大学の受験資格を得るための方法を5つ解説します。
| 受験資格取得までの時間 | 費用 | おすすめの人 | |
|---|---|---|---|
| ①高卒認定試験(高認)に合格する | 最短4ヶ月 | 8,500円 | 自分のペースで勉強したい人 |
| ②通信制大学の特修生・履修生制度を利用する | 最短半年 | 8万円~20万円程度 | 最短で大学に入学したい人 |
| ③大学が実施する入学資格審査に合格する | 2週間程度 | 無料(大学によって異なる) | 社会人経験がある人 |
| ④通信制・定時制高校を卒業する | 最短3年 | 年間5万円~30万円程度 | 働きながら目指したい人 |
| ⑤高等専修学校や高等専門学校を修了する | 最短3年 | 年間23万円~130万円程度 | 専門分野も学びたい人 |
それぞれの方法のメリット・デメリットも紹介するので、どの方法が自分に合いそうか検討してみましょう。
1.最も一般的:高卒認定試験(高認)に合格する
高卒認定試験(高認)は、高校を卒業していなくても「高校卒業と同等の学力があること」を証明できる国家試験です。
16歳以上で高校を卒業していなければ受験資格があるため、比較的ハードルが低く、中卒から大学に進学するための最も一般的な方法といえるでしょう。
令和6年度は15,585人が受験しており、合格者は7,748人、合格率は49.7%と、半分近くが合格しているため、決して手が届かない試験ではないことがわかります。
試験は毎年8月と11月の2回実施されます。
- メモ
- メリット
・自分のペースで勉強できる
・資格取得や就職の面でも役に立つ
デメリット
・自主的な学習が必要
・別途で大学の入学試験を受験して合格する必要がある
高卒認定試験の勉強は学校に通わなくてもできるので、自分のペースで行えます。
また、高卒認定を得られると、国家資格をはじめとする資格の取得や就職などにも役立ちます。
たとえ大学に行かない選択を取った場合でも、有効性の高い方法といえるでしょう。
参考:文部科学省「令和6年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果」(参照 2025-11-25)
2.最短で目指す場合:通信制大学の特修生・履修生制度を利用する
通信制大学の特修生・履修生制度は、まだ大学入学資格を持っていない人でも、一定の単位をクリアすればその大学の入学資格を得られる仕組みです。
まず特修生・履修生として通信制大学に入学し、決められた単位を取得します。その後、正科生として正式に大学へ入学し、必要な単位を取り切れば、最終学歴は「大卒(学士)」になります。
正科生になるまでの期間は、だいたい半年から1年ほどが目安です。
その後、正科生として必要単位を取得すれば、最終学歴が「大卒(学士取得)」に切り替わります。
- メモ
- メリット
・入学試験がなく、書類選考のみで大学に入学できる
・通信制大学のため、働きながら講義を受けられる
デメリット
・入学資格を得られる大学は、特修生制度を利用した通信制大学に限られる
・自宅での学習が中心でモチベーション維持が難しく、卒業までの難易度が高い
特修生制度を活用すると、大学入学試験の準備をする必要がなく、最短で大学の授業を受けられる点が大きなメリットです。
また、大学によっては一部の科目だけを履修することもできるので、興味のある科目だけを履修したい場合もおすすめです。
3.社会人向け:大学が実施する入学資格審査に合格する
一部の大学では、学歴に関係なく「社会での経験や資格」をもとに入学資格を判断する審査を行っています。
この審査は、社会での実務経験や取得している資格といったこれまでの経歴などをもとに、高校や大学を卒業した人と同等以上の学力があるかどうかを判断するものです。
審査基準は大学によって異なるため、事前に入学したい大学への確認が必須となります。
- メモ
- メリット
・これまでの経歴だけで大学の受験資格を得られる可能性がある
・審査に合格すれば、すぐに大学の受験資格を得られる
デメリット
・社会人経験や資格取得といった経歴によって合否が決まるため、不確実性が高い
・別途で大学の入学試験を受験して合格する必要がある
入学資格審査のメリットは、審査に合格するとすぐに大学の受験資格を得られる点です。
一方で、審査で判断されるのはあくまでも入学資格の有無であるため、入学資格を得たあとに改めて入学試験も受験しなければいけません。
4.働きながら目指す人向け:通信制・定時制高校を卒業する
通信制高校や定時制高校を卒業すれば、学歴が「高卒」となり、大学受験資格が得られます。
仕事を続けながらでも進められるため、「今の生活を続けつつ、将来の選択肢を広げたい」という人に向いています。
通信制高校は、学校から届く教材を使って自宅で勉強を進めるスタイルです。
レポート提出や試験をこなし、必要な単位をそろえて卒業を目指します。
一方、定時制高校は仕事終わりの夜間や週末に通って授業を受ける形式なので、「勉強は対面のほうがやりやすい」という人に向いています。
- メモ
- メリット
・働きながら大学受験資格を取得できる
・卒業と同時に学歴が高卒になる
デメリット
・大学受験資格を取得するまでに最低3年はかかる
・別途で大学の入学試験を受験して合格する必要がある
早く大学に入学したい人や、時間の確保が難しい人にとっては難しい方法かもしれません。
ただ、高卒の学歴があれば働ける仕事の幅も広がるため、たとえ大学受験をしない選択をしても、将来にプラスになるのは大きなメリットです。
5.専門分野も学ぶ場合:高等専修学校や高等専門学校を修了する
高等専修学校(専修学校の高等課程)や高等専門学校(高専)を修了すれば、大学受験資格を得られます。
これらの学校では、専門分野に特化した技術や知識を体系的に学べるため、専門的な技術を身につけられるため、「将来やりたい仕事がハッキリしている」「手に職をつけたい」という人にぴったりです。
ちなみに、高等専門学校で学べる専門分野は、工業分野と商船分野の2つに限られます。
- メモ
- メリット
・学校によっては働きながら大学受験資格を取得できる
・大学入学前に専門分野に特化した技術や知識を学べる
デメリット
・大学受験資格を取得するまでに最低3年はかかる
・別途で大学の入学試験を受験して合格する必要がある
ただし、この方法で大学入学資格を得るには、指定された3年制の高等専修学校を修了するか、高等専門学校の3年次を修了する必要があり、最低でも3年はかかります。
中卒から大学進学するメリット

中卒から大学へ進学すると、就職や働き方の選択肢が増えたり、キャリアアップの機会を得られるなど、さまざまなメリットがあります。
ここでは、中卒から大学へ進学するメリットを4つ解説します。
- 専門分野を学ぶことで将来の選択肢が広がる
- 就職の選択肢が広がる
- 生涯年収がアップする可能性がある
- さまざまな人と交流する機会が生まれる
専門分野を学ぶことで将来の選択肢が広がる
教科書に沿って幅広い科目を先生から教わる高校とは異なり、大学では自分が興味を持つ専門分野について自主的に学ぶことができます。
講義や演習、ゼミでの研究を通じて高度な知識・実践的なスキルを身につけられる点は、大学進学の大きなメリットといえるでしょう。
研究環境が整った場で学びたいテーマを掘り下げていくことで、自分の得意分野や将来の方向性を明確にしやすくなります。
さらに、得た知識やスキルは、資格取得・キャリア形成などにも役立ちます。
専門資格の中には指定の学部や学科を卒業しないと取得が難しいものもあるため、卒業後に専門的な仕事に就きたい場合は、大学へ進学したほうが有利になるでしょう。
就職の選択肢が広がる
大学を卒業することで、中卒では条件面で就職が難しかった企業や職種にも挑戦できるようになり、就職の選択肢が大幅に広がる点もメリットといえます。
日本では依然として学歴を重視する企業が多く、求人の募集条件を「大卒以上」と設定しているケースも少なくありません。
また、大卒であれば、よりキャリアアップを見込めるポジションに応募できる場合もあり、昇進のチャンスが高まります。
さらに、就職の選択肢が増えることで、自分の希望や適性に合った仕事を見つけやすくなり、将来のキャリア形成にもプラスに働きます。
結果として、自分らしい働き方を実現しやすくなる点も大学進学の魅力です。
生涯年収がアップする可能性がある
大卒と中卒では、平均年収や生涯年収に大きな差があります。
ユースフル労働統計によれば、大卒の生涯年収は2億6,190万円であるのに対し、中卒の生涯年収は1億9,400万円となっており、その差は約6,790万円です。
こうした賃金格差が生まれる背景として、大卒は専門知識やスキル、専門資格を活かして、収入アップにつながる仕事に就きやすいという点が挙げられます。
また、学歴を重視する企業では、大卒のほうが昇進の機会を得やすく、結果として収入が上がりやすくなる傾向があります。
そのため大学進学は長期的に見ると収入面で大きなメリットをもたらす可能性が高いといえます。
参考:独立行政法人 労働制作研究・研修機構「ユースフル労働統計2022|生涯賃金など生涯に関する指標」(参照 2025-11-25)
さまざまな人と交流する機会が生まれる
大学には、さまざまな価値観を持つ幅広い年代の人々と出会える環境が整っています。
講義やゼミ、サークル活動、学内イベントなどを通じて、多くの人と交流する機会が生まれやすい点は大学進学の大きなメリットです。
こうした交流を通じて、異なる考え方やバックグラウンドに触れることで、自分の視野も広がります。
また、共通の目標を持つ仲間とのつながりは刺激となり、学習意欲や挑戦意欲を高めるきっかけにもなるでしょう。
さらに、人間関係を通じて新しい価値観や考え方を知ることで、社会に出たときにも役立つコミュニケーション能力や柔軟な思考力が養われます。
大学は単に学問を学ぶ場であるだけでなく、さまざまな人と関わりながら成長していける貴重な環境ともいえるのです。
中卒から大学進学するデメリット

中卒から大学へ進学するメリットは多くありますが、一方でお金の問題や勉強を続ける大変さなどデメリットもあります。
ここでは、中卒から大学へ進学するデメリットを3つ解説します。
- 学費や入学金など、経済的な負担が大きい
- 働きながら勉強を続けるには強い意志が必要
- 大学を卒業しても収入が上がるとは限らない
学費や入学金など、経済的な負担が大きい
大学に進学するには、入学金や授業料などのまとまった費用が必要です。
下記は大学別の初年度にかかるおおよその目安です。
| 国立大学 | 82万円程度 |
| 公立大学 | 91万円程度 |
| 私立大学 | 136万円程度 |
参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」(参照 2025-11-25)
文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」(参照 2025-11-25)
どの大学を選ぶ場合でも、ある程度の費用がかかります。
特に私立大学や学部によっては金額が大きく変わるため、「思っていたより高かった…」といったことがないように、あらかじめ調べておきましょう。
奨学金制度を利用することもできますが、ほとんどの制度は返済が必要です。奨学金制度を活用する際は、将来的な返済計画や生活設計も考慮しなければいけません。
そのため、生活費の負担を含めた現実的な資金計画を立てることが大切です。
働きながら勉強を続けるには強い意志が必要
中卒から大学進学を目指すには、高卒と同じ学力を身につけたうえで、志望大学の受験勉強もこなす必要があります。
かなりの勉強量になるため、計画的に学習を進めていく必要があります。
特に働きながら勉強する場合は、学習時間の確保や効率的なスケジュール管理が重要となります。
実際に受験勉強を始めてみると、モチベーションの維持が難しく、挫折してしまうことも少なくありません。
大学入学前に勉強への意欲が低下した場合、大学に入学したあともモチベーションが続かず、中退を選ぶリスクも高まります。
そのため、勉強の習慣を早めにつけ、モチベーションを維持する工夫が必要です。
大学を卒業しても収入が上がるとは限らない
一般的に中卒と比べて大卒のほうが平均年収が高い傾向にあります。
とはいえ「大学を出たから必ず稼げる」というわけではありません。学歴はあくまでスタート地点のひとつであり、その後の行動や選ぶ仕事によって収入は大きく変わります。
確かに大卒は就職先の選択肢が幅広く、待遇の良い企業へ応募しやすいというメリットがあります。
ただし、そのような企業に採用されるには、大学で専門的な知識や高度なスキル、関連する資格を取得するなどして、自分の市場価値を高める努力が必要です。
また、業界や職種によって平均年収は大きく変わります。
たとえばIT系や技術職は比較的収入が高い傾向がありますが、サービス業や販売職などは学歴よりも実力や経験が評価されることも多いです。
さらに、就職活動を成功させるには、企業研究や自己分析、面接対策といった学業以外の準備も欠かせません。
自身の就職活動の仕方や就職先によって、大学卒業後の収入やキャリアが大きく変わる点には注意しましょう。
中卒から大学受験に合格するためのポイント

中卒から大学受験に挑戦する場合、ただ勉強するだけではなく、勉強を始める前の準備も重要です。
ここでは、中卒から大学受験に合格するために押さえておきたいポイントを5つ解説します。
効率良く学習を進めて短期間で合格を目指していきましょう。
- 大学に進学する目的を明確にする
- 自分の目的に合う大学・学部を選ぶ
- 受験する大学の入試形式を事前に調べておく
- 入試に向けた学習計画を立てる
- 予備校・通信講座の利用を検討する
大学に進学する目的を明確にする
大学進学を目指すうえで、「なぜ大学に行きたいのか」を明確にすることが非常に重要です。
目的が曖昧なままでは、勉強を続ける途中で気持ちが揺らいだり、大学入学後に目標を見失ってしまったりして、モチベーションが低下する原因になります。
たとえば、下記のように具体的な目的を設定しておくことで、日々の勉強にも意味を見出しやすくなります。
- 興味のある分野の専門知識を深めて仕事に役立てたい
- 異業種の仕事に就くために大学で専門的な資格を取得したい
- 目指している仕事に必要な「大卒」の学歴がほしい
目的がはっきりしていれば、勉強のモチベーションが維持しやすくなるでしょう。
自分の目的に合う大学・学部を選ぶ
大学や学部ごとに学べる分野が大きく異なるため、進学する目的に合った大学・学部を選ぶことがポイントです。
たとえば、学びたい分野が明確であれば、その分野に強みを持つ大学を選ぶことで、より充実した学びを得られます。
また、大学卒業後になるべく早く就職したい人は、卒業までの期間が短い「短期大学」を選ぶという選択肢もあります。
自分の興味や将来のキャリアと合っているかどうかに加えて、無理なく通える環境かどうかも重要です。通学時間や学費の負担など、長期間学び続けるうえでの現実的な条件も踏まえて選びましょう。
受験する大学の入試形式を事前に調べておく
大学の入試形式は、主に「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つがあり、それぞれ出願条件や試験内容、評価基準が大きく異なります。
| 一般選抜 | 受験当日の学力試験の結果で選抜される形式 |
| 学校推薦型選抜 | 高校の成績や課外活動、人物像などを基準に、高校の校長から推薦を受けて選抜される形式 |
| 総合型選抜(旧AO入試) | 学力だけでなく、学習意欲や活動経験、適性、個性などを基準に選抜される形式 |
志望している大学や学部がどの入試形式を採用しているのかを調べ、早めに対策を進めることが重要です。
また、学力試験がある場合は、入試科目も早めに決めておくと、効率良く勉強を進められます。入試科目は受験に合格するためだけに選ぶのではなく、大学で学びたい分野との関連性も考慮することで、入学後の学びにも役立ちます。
入試に向けた学習計画を立てる
志望する大学の試験日から逆算して、無理のない勉強スケジュールを立てましょう。
特に働きながら大学入学を目指す場合は、限られた時間の中で勉強時間をどのように確保するかが重要になります。
通勤時間や休憩時間といったスキマ時間を活用したり、最も集中しやすい時間帯を把握してその時間に学習を集中的に行ったりするなど、自分に合った工夫が欠かせません。
また、自分で学習計画を立てるのが難しい場合は、大学受験のサポートを行うサービスや予備校、オンライン学習ツールを活用するのも効果的です。
予備校・通信講座の利用を検討する
独学で試験勉強を進めるのが不安な場合、予備校や学習塾、通信講座などの外部サービスを活用すると効率良く学習を進められるでしょう。
| 予備校や学習塾 | 講座 | |
|---|---|---|
| メリット | 予備校や学習講師に直接質問できるので、勉強方法や不明点をその場で解決できる | 通信動画授業やテキスト教材などを使って、自分の生活リズムに合わせて勉強できる講座 |
| デメリット | 授業のスケジュールに予定を合わせる必要がある | 不明点を相談しやすい講座を探す必要がある |
予備校や学習塾、通信講座はそれぞれ一長一短があるので、自分のペースに合ったサポートをしてくれるサービスを選ぶのがポイントです。
中卒から大学合格までのモチベーションを維持する方法

中卒から大学に合格するには、長期間にわたって学習を続ける必要があるため、モチベーションの維持がとても大切になります。
ここでは、中卒から大学合格までのモチベーションを維持する方法を4つ解説します。
- 短期的な目標を決めて計画的に行動する
- 努力の成果を記録して自信につなげる
- ご褒美や休息を取り入れる
- 合格後の自分をイメージしてみる
短期的な目標を決めて計画的に行動する
志望校合格までの長期的な目標を立てることは重要ですが、それだけを頼りに勉強を続けると、ゴールが遠いため途中で挫折してしまいやすくなります。
そこで有効なのが、「短期的な小さな目標」を設定することです。例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 今日は参考書を〇ページまで進める
- 過去問を1問だけ解く
- 英単語を20個覚える
こうした短期的な目標を達成していくと、小さな成功体験が積み重なり、自信や達成感を得られます。
結果として、学習のモチベーションが高まり、長期的な勉強も継続しやすくなるでしょう。
努力の成果を記録して自信につなげる
日々の学習時間や取り組んだ内容、模試の結果などを記録しておき、自分の努力を見える化しておくことも効果的です。
学習記録があると、以前より理解できる範囲が広がったことや、模試の点数が少しずつ伸びていることなど、自分の成長過程を客観的に振り返れるようになります。
たとえば、1ヶ月前は解けなかった問題が解けるようになっていたり、模試の点数が少しずつ上がっていたりするなどの成果が見えれば、自信や達成感につながります。
努力してきたという事実を振り返るだけでも自己肯定感が高まり、勉強へのモチベーションの維持にもなるでしょう。
ご褒美や休息を取り入れる
勉強を続けるためには、ご褒美や休息を意識的に取り入れるのも非常に効果的です。
たとえば、「今日は参考書を〇ページまで進めたら好きな映画を見る」「問題集を1章分終えたらカフェでゆっくりする」といったように、自分の楽しみや好きなことをご褒美に設定してみましょう。
小さな楽しみがあれば、勉強へのモチベーションが自然に高まります。
また、定期的に休息を設けるのも重要です。
適度にリフレッシュして心身の疲労を解消することで、集中力を維持しやすくなります。
合格後の自分をイメージしてみる
目の前の試験勉強にただ取り組むだけでなく、合格後の自分をイメージしてみるのも、モチベーションの維持につながります。
大学で学んでいる自分の姿や、志望校のキャンパスを歩いている様子、思い描いたキャリアで将来活躍している自分を想像することで、日々の努力が意味のあるものだと実感しやすくなります。
また、オープンキャンパスに参加して大学の実際の雰囲気を体感したり、自分と近い状況にある人の体験談を読んだりすると、より具体的なイメージが湧くでしょう。
こうした方法は、目的達成への意識を高め、勉強を続ける原動力になります。
中卒から大学を目指すときによくある質問

後に、中卒から大学を目指すうえで多くの人が不安に感じやすいポイントを、よくある質問としてまとめました。
大学進学を検討している方は、不安を解消して第一歩を踏み出すための参考にしてみてください。
高卒認定試験の勉強方法は?
高卒認定試験は、必須科目と選択科目を合わせて最低8科目に合格する必要があります。
合格するためには、過去問を解き、出題傾向を把握することが大切です。
間違えた問題は繰り返し復習し、知識を定着させていきましょう。
あわせて参考書や問題集を活用し、理解を深めることも欠かせません。
また、高卒認定試験は1回の試験で受ける科目や数を自由に選べるため、どの科目をいつ受験するのかを早めに決めて、計画的に学習を進めるのがポイントです。
一度の試験ですべての科目に合格する必要はなく、一度でも合格した科目は次回以降の試験で免除されます。2回目の受験以降は苦手な科目を重点的に勉強しましょう。
一般的な大学と通信制大学の違いは?
一般的な大学は、キャンパスに通学して講義を受けます。教授に対面で質問をしたり、同じ目標を持つ仲間と交流できたりするので、周りから刺激を得ながら勉強を進められるのが特徴です。
一方、通信制大学は自宅学習が中心で、学習計画を自分で管理する必要があります。
とはいえ、スクーリングとしてキャンパスや指定会場で講義を受ける機会もあり、教授に直接質問できる環境もある点は安心材料です。
また、通信制大学は入試がない場合も多く、入学のハードルが比較的低めである点も特徴です。
中卒から大学進学は可能!自分に合う方法で未来を切り開こう

努力次第で中卒から大学進学をすることは可能です。
まずは下記の方法から大学受験資格を得る必要があるため、自分にとって取り組みやすい方法を選びましょう。
- 高卒認定試験(高認)に合格する
- 通信制大学の特修生・履修生制度を利用する
- 大学が実施する入学資格審査に合格する
- 通信制・定時制高校を卒業する
- 高等専修学校や高等専門学校を修了する
大学へ進学できれば、就職先の選択肢が広がったり、将来的なキャリア形成や年収アップにつながったりといったメリットがあります。
大学選びの際は、自分の学びたい分野や将来の目標に合った大学・学部を選び、計画的に学習を進めることが成功のポイントです。
本記事でご紹介した内容を参考にしながら、自分に合う方法で第一歩を踏み出し、夢や目標に向かって挑戦してみましょう。



