通信制大学の学費調達は奨学金がおすすめ!返済を合法的に猶予・減額する裏ワザ

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通信制大学の学費調達は奨学金がおすすめ!返済を合法的に猶予・減額する裏ワザ

  • 通信制大学への進学を考えているけど学費調達はどうしたらいい?

  • 奨学金制度を利用したいけど将来ちゃんと返済できるか不安

通信制大学へ進学して大卒の肩書きを手に入れたいと思っている人のなかには、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

奨学金制度を利用することで、経済的に進学が難しい人も支援を受けながら大学に通えるようになります。

奨学金制度はさまざまな団体が用意しており、団体によって奨学金の種類や条件が異なるため、奨学金の仕組みを理解したうえで自分に合った奨学金制度を利用するようにするのが大切です。

しかし、「奨学金を借りて進学できたけど卒業後に返済が難しくなった」というケースもあります。

そこで、本記事では「奨学金制度の利用がおすすめの理由」と「日本学生支援機構の制度を例にして奨学金返済を合法的に猶予・減額する裏ワザ」について解説します!

通信制大学への進学を希望している方や、奨学金の返済に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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日本学生支援機構の奨学金で通信制大学の学費調達をする方法

そもそも奨学金とは、経済的な理由で修学が難しい学生に対して、学費の給付や貸与を行う制度です。

通信大学に通う学費の調達が難しい場合は、奨学金を借りるのがおすすめです。

数年働いて学費を稼いでから大学に入学するという道もありますが、その場合は勉強できる時期が後ろ倒しになってしまいます。

その結果、希望の職種に就職するチャンスが失われてしまったり、キャリア形成が遅れてしまったりといったデメリットが発生することもあるので、できるだけ早く通信大学に通うなら、自分に合った奨学金制度の利用が手っ取り早いです。

ちなみに、奨学金には「給付型」と「貸与型」の2種類があります。

項目詳細
給付型奨学金返済の必要がない奨学金。給付の基準は厳しいが、給付の対象になれば入学金や授業料が免除または減額されるというメリットがある。
貸与型奨学金卒業後に返済の必要がある奨学金。無利子で借りられるものと利子が付くものがあり、無利子は基準が厳しいため、利子付きで借りる学生が多い。


また、奨学金制度でもっともよく知られているのが、国が主体となって運営している「日本学生支援機構」の奨学金事業です。

【日本学生支援機構(JASSO)とは】
日本の大学などで学ぶ学生たちが適切に修学できるように環境を整備し、次代の社会を担う豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に貢献することを目的とした独立行政法人です。事業は、大きく分けると「奨学金事業」「留学生支援事業」「学生生活支援事業」です。

昭和18年度から始まった日本学生支援機構の奨学金事業は80年近い歴史があり、令和4年度までに累計で約1,485万人の学生に奨学金を貸与した実績があります。学生のうち約3人に1人が日本学生支援機構の奨学金を利用しているというデータも出ており、多くの学生が進学の経済的支援を受けています。

奨学金の利用を検討するなら、まずは日本学生支援機構の制度の詳細を調べてみましょう。

日本学生支援機構の「給付型」の奨学金を大学進学前に申請できるのは、現役高校生または高校卒業後2年以内の人のみなので、本記事をご覧になっている方には当てはまらない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、上記の条件に当てはまらない人は、返済が必要な「貸与型」の奨学金を申請することができます。

「貸与型」の奨学金を進学前に申し込む場合は、高等学校卒業程度認定試験に合格した人も応募資格の条件に追加されます。

条件を満たすと、大学・短期大学・高等専門学校(4~5年制)・専修学校(専門課程)を対象として奨学金を利用可能です。

このように、日本学生支援機構の奨学金制度は、高等学校卒業程度認定試験さえ突破すれば、中卒者でも申し込みの条件を満たせます。

参考:独立行政法人 日本学生支援機構「奨学金事業への理解を深めていただくために」(参照 2024-09-13)

貸与型奨学金

日本学生支援機構の貸与型奨学金は、無利子の「第一種奨学金」と有利子の「第二種奨学金」の2つがあり、概要はそれぞれ以下の通りです。

項目第一種奨学金第二種奨学金
申請資格①その年度の3月末に高等学校または専修学校を卒業する予定の人。
②高等学校または専修学校を卒業後2年以内の人。
③高等学校卒業程度認定試験に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者。
①その年度の3月末に高等学校または専修学校を卒業する予定の人。
②高等学校または専修学校を卒業後2年以内の人。
③高等学校卒業程度認定試験に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者。
学力基準①高等学校等における申し込み時までの全履修科目の評価平均値が3.5以上であること。

ただし、上記の基準を満たさない場合でも、次のア~ウのいずれかに該当し、かつ将来社会で自立し、活躍する目標を持って進学しようとする大学等における学習意欲がある人として学校から推薦されれば、第一種奨学金の学力基準を満たす人として対象になります。

ア:生計維持者の貸与額算定基準額が0円である。
イ:生計維持者が生活保護を受給している。
ウ:社会的擁護を必要とする人である。
①高等学校または専修学校における学業成績が平均水準以上と認められる人。
②特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる人。
③進学先の学校における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる人。
④高卒認定試験合格者。
貸与月額(大学進学の場合)【国公立】
・自宅20,000円、30,000円、45,000円
・自宅外20,000円、30,000円、40,000円、51,000円

【私立】
・自宅20,000円、30,000円、40,000円、54,000円
・自宅外20,000円、30,000円、40,000円、50,000円、64,000円
20,000円~120,000円(10,000円刻み)

申請資格は同じものの、それぞれ学力基準が設けられており、毎月支給される貸与額も異なります。日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用する際は、自分がどちらに該当するか事前に確認しておきましょう。

なお、通信教育の課程については、申請の際に各学校の奨学金窓口での問い合わせも必要です。

給付型奨学金

日本学生支援機構の給付型奨学金の概要は、以下の通りです。

項目給付型奨学金
申し込み資格①その年度の3月に初めて高等学校等を卒業予定の人。
②初めて高等学校等を卒業した年度の末日から申し込みを行う日までの期間が2年以内の人。

【高卒認定試験合格者の場合】
①高卒認定試験受験資格取得年度の初日から認定試験合格までの期間が5年を経過していない人。
②高卒認定試験の合格者となった年度の末日から2年を経過していない人。
学力基準①高等学校等における第1学年から申し込み時までの全履修科目の評価平均値が5段階評価で3.5以上であること。
②将来、社会で自立し、活躍する目標をもって、入学しようとする大学等における学修意欲を有することが、文書や面談により確認できること。
支給月額
(通信教育課程)
国立・公立・私立/自宅・自宅外共通
第1区分:51,000円第2区分:34,000円第3区分:17,000円第4区分:12,800円

給付金奨学金は貸与型奨学金との併用もできますが、第一種奨学金の場合は貸与月額が減額となる可能性があるので注意が必要です。

日本学生支援機構の奨学金返済を延滞したらどうなる?

日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用する場合、卒業後に返済する必要があります。

しかし、なかには経済的な理由から奨学金返済が難しく、延滞してしまう人も一定数います。

「少しくらい延滞しても問題ないだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、延滞した際の対応や処置は決して甘くありません。

ここでは、奨学金返済を延滞した場合の日本学生支援機構の対応について解説します。

電話及び文書で督促が行われる

奨学金返済を延滞すると、本人や場合によっては連帯保証人、保証人宛に日本学生支援機構から電話・文書で督促の通知が届きます。

事前に承諾を得ている人や、自宅・携帯番号の登録がなく連絡手段がない人などは、本人の勤務先に電話がかかってくることもあるようです。

なお、電話による督促は日本学生支援機構の職員のほかに、業務委託の債権回収会社が行う場合もあり、債権回収会社から連絡が来る際は本人確認を行ったあとに督促内容についての案内が来ます。

また、債権回収会社の職員が督促を行う際は、自宅を訪問するケースもあるので奨学金の延滞が家族にバレてしまう可能性も否定できません。

このように、奨学金返済を延滞してしまうと連帯保証人や保証人、勤務先など周りの人にも迷惑がかかる可能性があります。速やかに督促に応じて、できるだけすぐに返済するようにしましょう。

【督促に応じない場合】保証により肩代わりされる

再三の督促に応じず延滞してから9か月を過ぎた場合、機関保証もしくは人的保証により、奨学金の一括返済が必要となります。

奨学金の返還で利用される機関保証と人的保証のそれぞれの仕組みと返還方法について解説します。

この段階まで来てしまうとかなりの大事になってしまうので、奨学金をすぐに返還できない事情がある場合は、機関保証や人的保証の措置をとられる前に、日本学生支援機構に相談するのがおすすめです。

機関保証

機関保証とは、奨学金を受給する際に、日本学生支援機構が指定した保証機関の連帯保証を受けるという制度です。

奨学金の返済が難しい場合、本人に代わって保証機関が返済する「代位返済」を行います。

とは言え、当然ながら借金を肩代わりしてくれるわけではなく、後ほど保証機関から同額の請求を受けるため、返済の一時的な先送りと言えます。

また、機関保証を使う場合は、保証機関に保証料を支払う必要があります。

機関保証の流れは以下の通りです。

  • 一括返還請求:返還未済額の全額と利息および延滞金の返済請求を受ける。
  • 代位弁済請求:日本学生支援機構から保証機関に対して、返還未済額の全額と利息および延滞金についての請求が行われる。
  • 保証機関からの請求・督促:代位弁済がなされた場合、保証機関から本人に対して、代位弁済額の一括請求が行われる。
  • 強制執行:代位返済に応じない場合、保証機関が強制執行に至るまでの法的措置をとり、給与や財産の差し押さえが行われる。

人的保証

人的保証とは、奨学金を受給する際に、本人の父母や親戚などに連帯保証人と保証人を引き受けてもらうという制度です。

人的保証を使うと、本人が奨学金の返済を延滞した際に、連帯保証人と保証人にも延滞の連絡や返済の請求・督促が行われます。それでも長時間の延滞が続くと、裁判所に申し立てが行われて法的措置がとられるので注意が必要です。

人的保証の流れは以下の通りです。

  • 支払督促予告:延滞して督促にも応じない場合、返還未済額の全額と利息および延滞金の一括返済を請求するとともに、支払督促の申し立ての予告が行われる。
  • 支払督促申立:支払督促予告で支払いを求めた返済期限までに返済しない場合、裁判所に支払督促の申し立てが行われる。
  • 仮執行宣言付支払督促申立:支払督促の申し立てをしても返済しない場合、裁判所に仮執行宣言付支払督促の申し立てが行われる。
  • 強制執行:仮執行宣言付支払督促の申し立てをしても返済しない場合、給与や財産の差し押さえといった強制執行の手続きが行われる。

延滞金が発生する

奨学金の返済を延滞すると、1.5%~10%の延滞金が発生します。

なお、延滞金の計算方法は、奨学金の種類や貸与の時期などによって異なります。

延滞している割賦金(わっぷきん)の額に対して、返済期日の翌日から延滞している日数に応じて、以下の所定の割合を乗じて計算した額が賦課(ふか)されます。

延滞期間第一種奨学金(無利息)第二種奨学金(利息付)
平成26年3月27日まで5%10%
平成26年3月28日~令和2年3月27日2.5%5%
令和2年3月28日以降1.5%3%

なお、奨学金の延滞金は2回目の延滞から発生するため、1ヶ月の延滞であれば延滞金は発生しません。延滞金の計算方法は以下の通りです。

月々の返済金×賦課率÷365日×(延滞期間-1ヶ月分)=延滞金

たとえば、第二種奨学金の返済金3万円を3ヶ月延滞した場合、以下の延滞金が発生します。

30,000円×延滞金3%÷365日×60日(90日-1ヶ月分)=148円

金額はそこまで大きくないため「延滞してもそこまでデメリットにはならないのでは?」と思うかもしれませんが、ご紹介している通り、延滞するとほかにさまざまなデメリットが発生するので注意しましょう。

信用情報機関のブラックリストに登録される

奨学金の返済を長期間延滞すると、信用情報機関に延滞した履歴が記録され、ブラックリストに登録されてしまいます。

【信用情報とは】
個人の経済的信用を示したデータを指します。
契約内容や利用状況、返済状況などの客観的な取引事実が登録されていることから、クレジットカードや住宅・自動車のローンの契約審査の際に参考資料として利用される情報です。
信用情報が低い場合、クレジットカードの申請やローンの契約ができなくなる可能性があります。

信用情報機関のブラックリストに登録された場合の具体的なデメリットは以下の通りです。

  • クレジットカードを新規で作成したり利用したりできなくなる
  • 住宅や自動車などのローン審査が通らなくなる
  • 賃貸住宅の審査が通らなくなる
  • スマートフォンの分割払いができなくなる

このように、信用情報が低くなると日常生活にも大きな影響を及ぼします。

ちなみに、新規返済者の場合は、返済を開始してから6ヶ月経過の時点で延滞が3ヶ月以上続いていると、信用情報機関に延滞情報が登録されます。また、6ヶ月経過以降は延滞が3ヶ月になった時点で登録されるようになります。

一度信用情報機関に履歴が登録されると、返済完了後も5年間は登録情報が残るので注意が必要です。

奨学金が返せないときの支払いを猶予・減額する合法的な裏ワザ3選

奨学金の返済を延滞するとさまざまなデメリットが発生することがわかりました。

しかし、延滞しないほうが良いとわかっていても、経済的にどうしても奨学金を返済できないケースも出てくるでしょう。

実は奨学金の返済が難しい場合の救済措置がいくつかあります。

ここでは、奨学金が返せないときの支払いを猶予・減額する合法的な裏ワザを3つご紹介します。

返還期限猶予を使う

奨学金の支払いを猶予・減額する裏ワザとして、「返還期限猶予」を使う方法があります。

日本学生支援機構には、一定期間返済を先送りできる「返還期限猶予制度」が用意されています。運用期間は1年で、毎年申請することで最大10年まで先送り可能なのがメリットです。

なお、返還期限猶予制度には適用条件があり、災害や傷病、経済困難、失業といった返済が困難な事情が生じた場合のみ利用できます。

また、奨学金返還期限猶予願は審査が通ると適用されます。審査中の時期は口座振替請求や本人・連帯保証人への督促通知は停止されないので注意してください。

返還期限猶予が承認された期間中は返済の必要はありませんが、適用期間が終了すると返済が再開し、返済終了年月も延期される仕組みです。あくまで「返済の先送り」である点は覚えておきましょう。

審査が通らず不承認となった場合、契約時の取り決め通りに奨学金の返済をしなければなりません。すでに奨学金を延滞していると、延滞金が発生してしまいます。

ちなみに、延滞者も申請をして審査を通過すればこの制度が適用されます。延滞している場合は、延滞開始年月から12ヶ月ごとに猶予願・証明書を提出する必要があります。

返還期限猶予の申込手順

返還期限猶予制度の申し込み方法は、日本学生支援機構に必要書類を提出するだけで完了となります。

必要書類は、以下の通りです。

  • 奨学金返還期限猶予願
  • チェックシート
  • マイナンバー提出書
  • 返済困難な事情を示す証明書

上記の書類は日本学生支援機構のホームページからダウンロードが可能です。書類に不備があった場合は受理されないため、不備がないかを確認して提出しましょう。

また、返還期限猶予制度の申請は、郵送だけでなくインターネット上(スカラネット・パーソナル)からも可能です。

スカラネット・パーソナルを利用した申請方法

  • スカラネット・パーソナルにログインする
  • 「各種手続」タブを選択する
  • ワンタイムパスワードを取得して入力する
  • 「各種手続」にログインして「7.返還期限猶予願」の「次へ」を押す
  • 「奨学金返還期限猶予 誓約」で奨学生番号と氏名を確認して「送信」を押す
  • 「奨学金返還期限猶予 同意確認」で同意事項を確認し、すべてチェックして「送信」を押す
  • 「インターネット提出可否判定」で奨学生番号ごとにインターネット提出の可否が表示されるため、「インターネット提出」を選択する
  • 「願出事由」を選択して「次へ」を押す
  • 「奨学金返還期限猶予 内容入力」で返還期限猶予の期間・願出事由を確認して「送信」を押す
  • 「受付完了画面」が表示される

提出時期は、郵送・インターネットいずれの場合も猶予開始の希望月の3ヶ月前からです。3ヶ月より早い時期の願出は受理されないので注意しましょう。

審査の結果は、郵送だと約1~2ヶ月後、スカラネット・パーソナルだと約2週間後です。

在学猶予を使う

奨学金の支払いを猶予・減額する裏ワザとして、「在学猶予」を使う方法もあります。

「在学猶予制度」とは、学校に在学している間、卒業予定年月まで返済期限が先送りされる制度です。

返還期限猶予制度と同じく適用期間は1年間となり、毎年申請することで最大10年間まで奨学金の返済を先送りできるようになります。

在学猶予制度を利用する条件は、以下の通りです。

  • 大学または大学院に在籍している
  • 高等専門学校に在籍している
  • 専修学校(高等課程または専門課程)に在籍している

現在奨学金を返済中の人も含め、すべての奨学生が対象となります。

また、放送大学をはじめとした通信制大学に在籍している場合でも、在学猶予制度は利用可能です。ただし、上記の学校に在籍していても、聴講生・研究生・専修学校一般課程・選科履修生・科目履修生などは在学猶予の対象外です。

在学猶予の申込手順

在学猶予制度の申し込み方法は、日本学生支援機構のスカラネット・パーソナルからインターネット上で申請を行うと完了します。

スカラネット・パーソナルを利用した申し込み手順

  • スカラネット・パーソナルにログインする
  • 「各種手続」タブを選択する
  • ワンタイムパスワードを取得して入力する
  • 「各種手続」にログインして「3.在学猶予・期間短縮願出」の「次へ」を押す
  • 「在学猶予願」を選択して「次へ」を押す
  • 「在学猶予願 誓約」で奨学生番号を確認し、氏名を入力して「送信」を押す
  • 「在学猶予願 願出対象選択」で奨学生番号と本人情報を確認し、変更がなければ「変更なし」を選択して「確認」を押し、再度表示される情報を確認して「入力」を押す
  • 「在学猶予願 学校情報入力」で学校名や番号名、学部名などを入力し、「送信」を押す
  • 「受付完了画面」が表示される

スカラネット・パーソナルから申請を行う場合、在学している学校の「学校番号」の入力が必要です。スカラネット・パーソナルを利用できない際は、紙の「在学届」に記入して学校の担当窓口に提出するようにしてください。

減額返還を使う

奨学金の支払いを猶予・減額する裏ワザとして、「減額返還」を使う方法も有効です。

「減額返還制度」とは、災害や傷病、経済的な理由などで返済が難しいものの減額することで返済が可能な場合に、当初の返済月額を減額し返済できる制度です。

制度を利用すると、当初の返済月額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2のいずれかに減額となります。適用期間は1年間となり、毎年申請すると最大15年間まで適用されます。

減額返還制度が適用される条件

  • 災害、傷病、その他経済的な理由などで奨学金の返済が困難である
  • 申請および審査の時点で奨学金の返済を延滞していない
  • 口座振替で返済を行っている
  • 月単位で返済を行っている(月賦以外の返済方法で返済している場合は変更となる)

返還期限猶予制度や在学猶予制度に比べて条件は厳しくなりますが、その分返済月額を減額できるため、経済的な負担を軽減しながら返済を行えます。

ただし、減額返還制度はあくまで返済期間を延長して毎月の返済額を減額するものであり、当初の返済予定総額から返済金額が減額されるわけではありません

また、減額返還の適用中に2回続けて支払いができなかった場合は、延滞発生時にさかのぼって減額返還の適用が取り消しとなります。さらに、減額返還適用前の返済月額を延滞額として算出した延滞金が加算されるようになるので、注意が必要です。

減額返還の申込手順

減額返還制度の申し込み方法は、日本学生支援機構に必要書類を提出すれば完了となります。

必要書類

  • 奨学金返還減額願
  • チェックシート
  • マイナンバー提出書
  • 返済困難な事情を示す証明書
  • 個人信用情報の取扱いに関する同意書
  • 口座振替申込書の控え

上記の書類は日本学生支援機構のホームページからダウンロードできます。なお、書類に不備があった場合は受理されないため、不備がないかを確認して提出しましょう。

また、返還減額制度の申請は郵送だけでなくスカラネット・パーソナルからも可能です。

カラネット・パーソナルを利用した申請方法

  • スカラネット・パーソナルにログインする
  • 「各種手続」タブを選択する
  • ワンタイムパスワードを取得して入力する
  • 「各種手続」にログインして「6.返還減額願」の「次へ」を押す
  • 「奨学金返還減額願 誓約」で奨学生番号と氏名を確認して「送信」を押す
  • 「奨学金返還減額願 同意確認」で同意事項を確認し、すべてチェックして「送信」を押す
  • 「インターネット提出可否判定」で奨学生番号ごとにインターネット提出の可否が表示されるため、「インターネット提出」を選択する
  • 「願出事由」を選択して「次へ」を押す
  • 「奨学金返還減額願 内容入力」で返還期限猶予の期間・願出事由を確認して「送信」を押す
  • 「受付完了画面」が表示される

返還期限猶予と同じく、郵送・インターネットいずれの場合も、減額返済開始を希望する月の3ヶ月前からでないと提出できません。

審査の結果が出る時期も同じく、郵送だと約1~2ヶ月後、スカラネット・パーソナルだと約2週間後となります。

奨学金返済を猶予・減額するメリット

奨学金の返済が難しい場合の裏技として、猶予・減額が可能な制度がいくつかあることがわかりました。また、奨学金返済を猶予・減額する制度を利用すると、以下のようなメリットも得られます。

  • 支払いを延滞せず計画的に返済できる目処がつく
  • 家計に余裕ができる
  • 繰上げ返済すると利息が安くなる
  • 在学猶予の場合は学割が有効になる

たとえ一時的であっても、奨学金返済の猶予・減額が可能な制度を利用するメリットはあるので、それぞれ解説します。

支払い延滞をせず計画的に返済できる目処がつく

まずは、奨学金の支払いを延滞せずに返済できる目処がつくのが何よりのメリットです。

先述したように、奨学金の支払いを延滞してしまうと、連帯保証人・保証人となった家族や親戚、さらには勤務先にまで督促の通知が届く場合があり、周りの人に多大な迷惑をかけるおそれがあります。

くわえて延滞金が発生したり、個人信用情報機関に延滞の履歴を登録されたりすることで、クレジットカードを作成・利用できなくなったり、ローンの審査に落ちてしまったりと、経済的な負担がさらに増えて日常生活に支障が出る可能性も高まります。

さらに、ブラックリストに載ったり法的処置をとられたりと、奨学金を延滞するデメリットはかなり深刻なものばかりです。

猶予・減額の申請が通れば、一時的とは言え経済的にも精神的にも余裕が生まれます。

猶予・減額の期間に一度心を落ち着けて、計画的に返済できる目処を立てられるようになる可能性が高まります。

家計に余裕ができる

猶予・減額の制度を利用することで、奨学金の返済に追われていた日々から解放され、家計に余裕が生まれます。

中央労福協が2022年に実施した調査によれば、奨学金の返済が生活設計に影響しているかどうかについて、「貯蓄や日常的な食事に影響する」と回答した人が全体の4割以上いました。さらに、「医療機関の受診に影響する」と回答した人は3割を超えており、奨学金の返済が健康にまで影響を与えているという結果も出ています。

奨学金は月数万円の返済となるため、このように日常生活のさまざまな場面で多大な影響を及ぼす可能性があるのです。

月々にかかる奨学金返済の負担が減ると、奨学金返済に充てていたお金を日々の生活に回すことができます。

生活にゆとりを持たせられれば、後々の返済に向けても余裕を作れるので、大きなメリットになります。

参考:中央労福協「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書」(参照 2024-09-18)

繰上げ返済すると利息が安くなる

利息付きの第二種奨学金を利用している場合、毎月の返済金のなかには利息分も含まれています。そのため、繰上げ返済をすると、繰上げした月額分は利息がかからず、当初の返済額よりも少なくなります。

【繰り上げ返済とは】
毎月の返済額とは別に、ある程度まとまった額を返済するという返済方法です。 返済はすべて元金のみに充てられるため、元金が減るとその分の支払い利息が消え、総支払額を減らすことができます。

猶予・減額制度は、基本的に返済の期間が延長されるだけで、返済総額に変動はありません。しかし、猶予期間中に貯蓄をしておけば、返済が再開されたときに一括返済を行えるようになり、全体に占める利息額を減らせます。

また、日本学生支援機構の奨学金を繰上げ返済する場合、手数料はかからないのもメリットです。

繰上げ返済を積極的にすれば支払金額を減らせるだけでなく返済期間の短縮も可能なので、精神的な負担の軽減にもつながるでしょう。

【在学猶予の場合】学割が有効になる

在学猶予制度を利用する場合、学生としてさまざまな学割のサービスを使えるようになります。

学割のサービス例

  • 新幹線や飛行機のチケット代金
  • 映画館やテーマパークなどの利用料金
  • 美容院やネイルなどのサロンの利用料金
  • パソコンやソフトウェアの学割プラン
  • 旅行宿泊サイトの学割プラン
  • 英会話教室の学割プラン
  • 新聞や雑誌の定期購読の学割プラン
  • 学生食堂

猶予によって経済的に余裕が生まれれば、上記の学割サービスを使って学習や趣味にお金を充てることも可能です。

なかでもパソコンやソフトウェアを学割価格で購入できるのは、通信制大学に通う学生にとってメリットと言えるでしょう。

奨学金返済を猶予・減額するときに気を付けたい落とし穴

奨学金返済を猶予・減額する制度を利用するメリットはたくさんありますが、その一方で気を付けならないポイントもいくつかあります。

奨学金返済を猶予・減額するときに注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 最終的な返済金額は変わらない
  • 将来のライフプランも考えながら家計を見直す必要がある
  • 返還期限猶予や在学猶予の期限は最長でも10年間まで

それぞれの気を付けなくてはならない点を詳しく解説します。

返済の猶予・減額の申請を通過しても奨学金の返済が残っていることには変わりがないので、最後まで油断しないようにしましょう。

最終的な返済金額は変わらない

奨学金返済を猶予・減額する制度は、あくまで「当初のスケジュールから返済期限を延長または先送りする形で返済する」ための一時的な措置であり、制度の審査が通ったとしても支払い義務が消えるわけではありません。

また、奨学金返済の猶予・減額を行ったからといって、返済金額の総額が減るわけでもなく、最終的には当初取り決めた全額を支払う点は変わらないので注意しましょう。

上記でご紹介した「裏ワザ」を使うと返済の負担が一時的に軽減されるため、返済がスムーズに進んでいるように錯覚してしまいがちです。

制度の適用期間が終了した際に「思っていた以上に返済額が多くて大変」「猶予・減額期間の間の立て直しを怠り、貯金がゼロ」なんてことにならないように、計画的に返済への準備を行っていくのが大切です。

将来のライフプランも考えながら家計を見直す必要がある

何度も言うように、奨学金返済の軽減措置はあくまで返済期限を延ばしているだけに過ぎません。

当初の返済額から減額されたからと言ってお金を別のことに使ってしまわないためにも、このタイミングで一度家計を見直して、以後の返済がスムーズにできるようにしておく必要があります。

そして、奨学金返済の猶予・減額の制度を利用する際は、「何歳までに結婚したい」「何歳までに家を購入したい」「できれば子どもは2人以上ほしい」といった具体的なライフプランを立てることも重要です。

奨学金の返済がいつまでも残っていると、自身のライフイベントにおいて資金が足りないという状態を避けられます。

自身のライフプランと奨学金返済のスケジュールを照らし合わせながら、「いつまでにどのくらいの貯蓄が必要か」「奨学金をスムーズに返済するためには月々の支出をどのくらい抑える必要があるのか」などを考えて家計を見直すことをおすすめします。

返還期限猶予や在学猶予の期限は最長10年間まで

日本学生支援機構の返還期限猶予や在学猶予制度は最長でも10年までしか適用されません。

特に在学猶予制度は、2020年4月に制度が改正されて、最長10年間までの適用と期限が設けられるようになったので注意が必要です。

制度改正前に在学猶予制度を利用している人は、制度改正前に制度を適用していた時期と合わせて最長10年間です。この制度を知らなかった場合、突然奨学金を返済しつつ学費も払わなければならない事態にもなりえます。

在学猶予制度を利用する際は、自身の在学猶予取得年数を把握したうえで計画的に返済を行う必要があります。

また、在学猶予制度の適用後に引き続き返還期限猶予を利用することはできるので、返済が難しい場合は必ず事前に日本学生支援機構や所属大学に相談をしておきましょう。

通信制大学の奨学金に関するよくある質問

最後に、通信制大学への進学に奨学金を利用するときによくある質問をまとめました。

ここまでご紹介したように、奨学金の制度にはメリットもあれば注意点もあります。

「卒業後に返済が難しくて延滞してしまった」なんて事態にならないためにも、念入りに制度に関する情報を確認して、理解を深めてから申請することが重要なのです。

疑問や不安を解消して、自分に合った奨学金制度を利用しましょう。

Q1.奨学金返済が免除されるケースはありますか?

A.奨学金の返済ができないと判断された場合のみ、奨学金返済が免除されます。

奨学金の返済が免除されるケースは、以下の2つです。

  • 本人が死亡して返済ができなくなったとき
  • 精神または身体の障害によって労働能力を喪失、もしくは労働能力に強い制限がかかり、返済ができなくなったとき

上記の状態で申請をすることで、返済が全額もしくは一部免除されます。

ただし、精神や身体の障害によって返済ができないケースは、症状が固定または回復の見込みがないケースのみ、返済免除が適用となります。明確な条件は設けられていないので、申請が可能かわからない場合は、日本学生支援機構に相談してみましょう。

なお、必要書類はそれぞれ以下の通りです。

メモ
【本人死亡による免除のとき】
・貸与奨学金返還免除願または給付奨学金返還免除願
・本人死亡の事実を記載した戸籍抄本と、個人事項証明または住民票などの公的証明書の原本

【精神または身体の障害による免除のとき】
・貸与奨学金返還免除願または給付奨学金返還免除願
・返済することができなくなった事情を証明する書類の原本
・日本学生支援機構所定用紙の診断書

上記の書類は日本学生支援機構のホームページからダウンロードが可能です。

Q2.日本学生支援機構以外の奨学金を通信制大学で利用できますか?

A.日本学生支援機構以外の奨学金制度も利用できます。

通信制大学に通う場合、「自治体が運営する奨学金制度」「民間団体が運営する奨学金制度」「大学が運営する奨学金制度」などが選択肢になります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

奨学金の種類特徴探し方
自治体の奨学金・月額平均1万円~5万円の奨学金を支給
・貸与型と給付型の2種類がある
・自治体によっては奨学金を扱っていない場合もある
日本学生支援機構の「奨学金制度検索」機能を活用するのがおすすめ
民間団体の奨学金・月額平均2万円~12万円の奨学金を支給
・貸与型と給付型の2種類がある
・学内の選考に通過した学生のみが対象となる奨学金と、応募希望者が直接応募できる奨学金がある
日本学生支援機構の「奨学金制度検索」機能を活用するのがおすすめ
大学の奨学金・返済不要の給付型奨学金のほかに、学費減免制度や支援金制度を設けている大学もある
・独自の奨学金制度を設けている通信制大学として、「法政大学通信教育部」「日本大学通信教育部」「東京通信大学」などが挙げられる
各大学のホームページを見て奨学金制度があるか確認するのがおすすめ

基本的に経済的な理由から学費の支払いが難しい人を対象としていますが、なかには成績優秀者を対象とした奨学金制度もあります。

また、放送大学では日本学生支援機構の貸与奨学金のほかに、学習意欲のある社会人を対象とした公益財団法人北野生涯教育振興会の奨学金も扱っています。

対象者

  • 4月入学の教養学部選科履修生
  • 4月入学の大学院修士選科生
  • 4月入学の大学院修士全科生

※いずれも28歳以上、または現在働いていて実務経験が3年以上の社会人

このように、自治体や民間団体、大学によってさまざまな奨学金制度が用意されているので、自分に合った奨学金制度を利用するようにしましょう。

Q3.通信制大学の学費を奨学金以外で調達できる手段はありますか?

A.奨学金以外の学費調達の手段として、さまざまな制度が用意されています。

通信制大学の学費を調達する選択肢には、「高等教育の修学支援新制度」「教育訓練給付金」「教育ローン」などがあり、それぞれの制度の特徴は以下の通りです。

奨学金の種類特徴
高等教育の修学支援新制度・授業料や入学金の免除または減額、返済不要の給付型奨学金で学生を支援する制度
・世帯収入や資産の要件を満たし、進学先で学ぶ意欲がある学生を対象としている
・年額で約20万円~90万円程度の奨学金を支給
教育訓練給付金・労働者のスキルアップ支援を目的とし、厚生労働大臣が指定した教育訓練の費用の一部を支給する制度
・所定の教育訓練を受講、修了した人を対象としている
・対象の訓練は「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類
・専門実践教育訓練は最大80%、特定一般教育訓練は最大50%、一般教育訓練は20%の受講費用を支給
教育ローン・学費や受験料などの教育費を対象に、保護者が申し込んでローンを組む制度
・日本政策金融公庫が実施する「国の教育ローン」、雇用・能力開発機構が実施する「公的機関の教育ローン」、金融機関や信販会社などが実施する「民間金融機関の教育ローン」、大学が提供する「提携教育ローン」などがある
・ローンの種類によって日本学生支援機構の奨学金と併用できたり、入学前の借入れができたりする

上記の制度は、奨学金と違って学力による審査はありません。安定した収入があることや学習意欲があることを条件としている制度も多く、人によっては奨学金よりも気軽に利用しやすいのがメリットです。

ただし、申し込み条件や給付・借入額、返済のプランなどは制度によって異なるので、気になる制度があれば、詳細をチェックしてみてください。

通信制大学の学費を奨学金で工面する場合は返済計画を立ててから借りよう

通信制大学は一般的な大学に比べて学費が安く通いやすいものの、それでも学費を工面するのは容易ではありません。

通信制大学に進学するための学費を調達するなら、奨学金制度を利用するのがおすすめです。

もっともメジャーな日本学生支援機構の奨学金制度は、奨学金の返済を軽減する「裏ワザ」のような制度がいくつか用意されていますので、制度を上手く利用すれば経済的な負担を軽減しながら無理なく返済を進められます。

ただし、奨学金返済の猶予・減額はあくまで返済期間が延長・先送りされるだけであり、支払いの総額は変わりません。延滞をしないためにも、制度を利用する際は返済計画をしっかり立てたうえで借りるようにしましょう。

本記事でご紹介した制度の条件やメリット・注意点などを参考に、ぜひ自分に合った奨学金制度を見つけて行動に移してみてください。

通信制大学の学費を稼ぐのであれば高収入なナイト系がおすすめ!

通信制大学は場所を選ばず受講できるというメリットがあり、働きながら通うことも可能です。

また、学費も通学が必要な一般的な大学よりも低めに設定されている場合が多く、効率良く稼げる仕事に就けば、そもそも奨学金制度を利用しなくても頑張り次第で学費を調達できます。

時間に融通が利く環境で学費を手っ取り早く稼ぎたいのであれば、高収入を得られるチャンスのあるナイト系の求人に応募するのもおすすめです。

ナイト系は18歳以上(高校生不可)なら学歴・経験は不問で応募できます。実力主義のため、未経験からのスタートでも頑張り次第でスピード昇給・昇格も実現可能です。

店舗や雇用形態によっては自由にシフトを組む働き方もあるので、通信制大学に通いながら自分のペースで無理なく稼げるのもメリットです。

ナイト系で学費を調達できれば、奨学金返済に悩まされる心配もなく、経済的に余裕が生まれる可能性も高くなります。

今すぐ稼ぎたい方にとってチャンスが多い業界なので、気になる方はぜひ求人をチェックしてみましょう。

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