中卒で航空整備士になるには?転職成功のポイントと求められる能力

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中卒で航空整備士になるには?転職成功のポイントと求められる能力

  • 中卒で航空整備士になれる?

  • 中卒が航空整備士を目指すメリットやデメリットがあれば知りたい

航空機を整備するという重大かつ専門性の高い業務を担当する航空整備士は、高い専門性が求められる職業なので、中卒でなるのは極めて難しいと言われている職業です。

本記事では、中卒から航空整備士になるために目指すべき手順や試験の対策方法、航空整備士になったあとの流れ、メリット・デメリットなどを解説します。

今から航空整備士になって技術と資格を武器にキャリアアップしていきたいと考えている中卒者の方はぜひ参考にしてください。

中卒だと航空整備士になるのは難しい

最終学歴が中卒の場合、航空整備士になることは実質不可能です。

航空整備士は人の命を左右する責任の重い仕事になり、航空機に関する高度な整備知識やスキルが求められます。

そのため「航空整備士」の国家資格を取得していないと、ほとんどの場合は航空整備士になれないのが実情です。

資格を取得するには「整備実務の経験を一定年数以上有すること」という条件を満たす必要があります。

中卒者の場合は経験を積む手段がないという背景から、最終学歴が中卒のまま航空整備士になることは実質できません。

航空整備士​になる基本条件

前述のとおり、中卒から航空整備士を目指す場合は実質、国家資格が必須です。

受験するには「整備実務の経験を一定年数以上有すること」という条件があり、中卒から目指す場合、以下の3通りとなります。

  • 国土交通大臣指定の航空専門学校で整備実習を受ける
  • 航空機整備訓練課程をもつ学校で整備実習を受ける
  • 先に航空機の整備ができる企業に就職して業務にあたる
 メリットデメリット
1の場合・在学中に国家資格を取得できる
・中卒から最短で目指せる
・高卒認定を取得する必要がある
2の場合卒業後、国家資格が受験できるようになる・高卒認定を取得する必要がある
・在学中に国家資格を取得できない
3の場合・国家資格取得のサポートが充実している
・4年間専門知識の習得に専念できる
・実質、大卒前提の狭き門
・一番時間がかかる
・航空整備の部署に配属されるとは限らない

いずれにせよ高校認定を取得する必要があり、この点が最終学歴が中卒のまま就職が難しい理由になります。

もし中卒から目指す場合は1つ目の「国土交通大臣指定の学校で整備実習を受ける」方法がおすすめです。

国土交通大臣指定の学校では、資格の受験条件を達成できるうえ、在学中に国家資格も取得できるため、中卒から目指す最短の方法になります。

中卒から航空整備士を目指す手順

前述のとおり、中卒から航空整備士を目指す場合、「国土交通大臣指定の学校で整備実習を受ける」ルートが最短なのでおすすめです。

【就職までの流れ】

  • 高校認定を取得する
  • 国土交通大臣指定の航空専門学校に入学する
  • 航空整備士の国家試験に合格する

高校認定を取得する

国土交通大臣指定の航空専門学校を受験するためには、「高卒資格」か「高卒認定」を取得する必要があります。

高校を卒業する方法もありますが、なるべく短期間で航空専門学校の入学試験を受けたい中卒者にとっては、高校認定を取得するのが近道です。

高卒認定は高卒者と同等の学力があると証明できるものなので、「高卒以上の学歴」の条件も達成でき、資格の取得を目指せるようになります。

ポイント
高卒認定試験は「必修科目」と「選択科目」があり、最低8科目の受験が必須です。
選択科目によっては最大10科目になる点に注意しなければいけません。

試験自体は中学生~高校1年生修了程度の学力があれば合格できる内容ではあるものの、科目数が多く合格率は例年40~50%程度に留まっています。

なるべく早く次のステップに進むためにも、しっかり試験勉強をしましょう。

国土交通大臣指定の航空専門学校に入学する

先述した通り、国土交通大臣指定の航空専門学校に入学する大きなメリットは、在学中に国家資格の受験に必要な整備の実務経験を積めることです。

さらに、航空専門学校では、就職後に航空整備士として即戦力となる人材の育成を重視しているので、授業で実践的なスキルや技術を学べます。

また、航空専門学校によっては、資格取得支援があったり、国内大手の航空会社グループと提携を結んで就職支援していたりするケースもあるため、そのような学校を選べば航空整備士として就職できる可能性はさらに上がります。

ポイント
航空業界は人物重視のため、面接試験に重点を置いている学校が目立ちます。
また、学科試験は数学や英語の科目を指定している学校が多く、基本的に高校の教科書をしっかり復習していれば合格できる可能性が高いとされています。

航空専門学校の入試は学校によって異なりますので、志望校のホームページで入試要項を必ず確認しましょう。

航空整備士の国家試験に合格する

航空整備士としての就職に活かせる航空整備士系の国家資格は、全部で5つです。

  • 一等航空整備士
  • 一等航空運航整備士
  • 二等航空整備士
  • 二等航空運航整備士
  • 航空工場整備士

いずれも、最低でも2年以上の航空機の整備経験がないと試験の受験ができません。

就職活動で特に需要の高い資格は「一等航空整備士」「二等航空整備士」です。
そのため基本的には、航空専門学校に入学して在学中に「二等航空整備士」を取得し、就職後に4年間実務経験を積んで「一等航空整備士」を取得する人が多いです。

資格取得後は、航空機を整備する職場への就職活動を進め、採用されれば晴れて航空整備士として活躍できるようになります。

なお、資格ごとに対応できるようになる業務範囲は異なります。

参考
航空整備士…日常的な保守や軽微な修理
運航整備士…航空整備士より難易度の高い整備を担当
航空工場整備士…エンジンやプロペラ、計器などの装備品を専門に整備

複数取得することで航空会社への就職が有利になる上に、就職後も多くの仕事を担当できて高収入を望めます。

中卒で航空整備士を目指す難易度

中卒から航空整備士になる最短ルートである「国土交通大臣指定の航空専門学校で整備実習を受ける」方法をピックアップし、具体的な手順や資格試験の難易度、対策方法などについて解説していきます。

下記の理由で、中卒から航空整備士を目指すハードルは高めです。

  • 高卒認定を取る必要があるから
  • 航空専門学校に合格し実習を受ける必要があるから
  • 上記を達成し初めて航空整備士の資格が目指せるから

前述のとおり、中卒から航空整備士を目指す場合、まずは高校認定を取得する必要があります。合格率は40~50%程度と決して高くはないので、学力試験の勉強をしっかりする必要があります。

高校認定取得後は、国土交通大臣指定の航空専門学校に入学し、2~3年間の実習を受けて初めて航空整備士試験の受験資格を得られます。

このように、就職に必須な資格を取得するために数年の努力が必要なことから、中卒で航空整備士を目指す難易度はかなり高いと言えます。

航空整備士のおすすめ資格と試験対策

前述の通り、「一等航空整備士」と「二等航空整備士」がなかでも就職に優位に働く可能性がありおすすめです。
どちらも航空整備士試験の中でもっとも需要が高く、就職において求められる可能性が高いためです。

①一等航空整備士

種別受験資格
飛行機・20歳以上
・4年以上の整備実務経験
※8.6t以下の飛行機か航空運送事業用飛行機の整備を6ヶ月以上含む
回転翼航空機・20歳以上
・4年以上の整備実務経験
※9.1t以下のヘリコプターか多発回転翼航空機の整備を6ヶ月以上含む


②二等航空整備士

種別受験資格
飛行機・19歳以上3年以上の整備実務経験
※飛行機の整備経験6ヶ月以上含む
回転翼航空機・19歳以上3年以上の整備実務経験
※回転翼航空機の整備経験6ヶ月以上含む
滑空機・19歳以上3年以上の整備実務経験
※滑空機の整備経験6ヶ月以上含む

航空整備士の資格は、整備する機体の種類ごとに細かく分かれており、受験条件には年齢と実務経験が設けられています。

いずれの資格も、最低でも2年以上の実務経験を求められるのが特徴です。

ちなみに、資格試験は学科試験・実地試験の順に行われ、学科試験に合格できなければ実地試験は受けられません。

しかし、国土交通大臣から指定を受けた航空専門学校に通っている学生の場合は、学科試験に合格すれば、実地試験は免除で航空整備士資格を取得できるので、受験のハードルが大幅に下がると言えます。

航空整備士資格の難易度と合格率

「一等航空整備士」「二等航空整備士」ともに、難易度は高いと言われています。

航空整備士の合格率のデータは公表されていないので、正確な合格率は不明です。

参考
一般的には、企業で実務経験を経てから「二等航空整備士」を受験した場合の合格率は20%程度、「二等航空整備士」になってからさらに実務経験を経て「一等航空整備士」を受験した場合も、合格率は20%程度と言われています。

膨大な知識と技術を習得している必要があり出題範囲が広い上に、暗記だけではなく実務経験をもとに解答していく問題が多いことが、合格率が低い理由として考えられます。

しかし、技術者として即戦力となる人材の育成と、国家資格の取得を教育の目的としている国土交通大臣指定の航空専門学校の学生は、学科試験の合格率が概ね100%となっているケースも少なくありません。

「航空整備士の資格を取れるか不安」という中卒者は、資格試験の合格実績がある航空専門学校を選ぶのも一つの選択肢です。

航空整備士試験​に合格するための対策方法

航空整備士試験の国家資格に合格するには、航空機の機体構造に関する知識はもちろん、適切な整備・点検・修理の方法と技術を身に付ける必要があります。

前述した通り、航空整備士の資格は5つに分類されていますが、ここでは航空整備士を目指すにあたっての関門となる「二等航空整備士」に絞って解説していきます。

「二等航空整備士」の資格は「飛行機」「回転翼航空機」「滑空機」の3つの種別に分かれているのが特徴です。

学科試験実地試験
試験科目【飛行機】
・航空法規 20問(40分)
・機体 20問(60分)
・タービン発動機 20問(60分)
・ピストン発動機 20問(60分)
・電子装備品等 20問(60分)

【回転翼航空機】
・航空法規 20問(40分)
・機体 20問(60分)
・タービン発動機 20問(60分)
・電子装備品等 20問(60分)

【動力滑空機】
・航空法規 20問(40分)
・機体 20問(60分)
・ピストン発動機 20問(60分)
・電子装備品等 20問(60分)
【飛行機・回転翼航空機・動力滑空機】
・整備基本技術
・整備・検査知識
・整備技術
・点検作業
・動力装置操作
試験形式四肢・五肢択一式
※マークシート
口述および実技
試験日年3回受験者の希望日時を考慮しながら2年以内に実施

参考:国土交通省「航空従事者技能証明等申請・学科試験」(参照 2025-01-30)

試験は学科試験・実地試験に分かれていますが、航空専門学校に在学している場合は、実地試験が免除されます。

資格種別によってそれぞれ学科試験の科目は異なるものの、主に「機体・発動機の知識」「電子部品等」「航空法規」についての知識が身についているかを問う問題が出題されます。

学科試験であっても、実務経験の知識をもとに解答していく問題が多く出題されるので、「二等航空整備士」の場合、基本的には専門学校で学んだ知識や実務実習をもとに勉強すれば合格できるでしょう。

ポイント
合格基準は各科目とも、100点満点の70点以上です。
また、航空整備士の学科試験は、最初の試験で必要な科目を全て受験して一部の科目に合格していれば、残りの科目は1年以内に合格すれば良いという「科目合格制度」がとられています。

そのため、暗記問題の対策をしたあとは過去問を繰り返し解いていくことや、早めに得意な科目を仕上げ、残りの苦手な科目はあとで勉強に専念するという勉強方法も有効です。

ちなみに、試験はコーヒーメーカーなどの家電を含む、航空機内の備品整備の知識も必要とされます。

そして、航空整備士に必要な知識を得るためには、英語のマニュアルを読んだり、世界各国のエンジニアやスタッフとコミュニケーションをとったりする必要が出てきます。

中卒で航空整備士になったあとのキャリアパス

中卒で航空整備士の資格を取得すると、下記のようなキャリアパスがあります。

  • 航空会社や航空機整備会社に就職する
  • 官公庁に就職する
  • 航空機関連メーカーに就職する

難易度の高い国家資格を取得しなくてはいけない航空整備士は、誰でも簡単になれる職業ではありません。

しかし、一度資格を取得すれば、確かな知識・技術を持つ者として、中卒者も就職に困らないでしょう。

ここでは、航空整備士になったあとの具体的な就職先や働き方について詳しく解説します。

ちなみに、このあと紹介する就職先以外に、自社機を所有する企業、取材用のヘリコプターなどを持つ報道機関も、航空整備士を採用しているケースがあります。

航空会社や航空機整備会社に就職する

航空整備士を多く採用する航空会社や航空機整備会社は、就職先として真っ先に候補に挙がるでしょう。実務経験を積みながらキャリアアップも目指せる航空会社は、航空整備士にとってもっとも求人数が多い就職先です。

航空会社の場合、主な勤務先は全国各地の空港にある駐機エリア、ハンガーと呼ばれる格納庫となります。

まずは現場で実務経験を積んで、より難易度の高い「一等航空整備士」の試験にも挑戦していきましょう。経験年数や取得資格が増えれば、昇給・昇格につながるほか、転職先の選択肢も増えていきます。

特に大手航空会社などでは、ある程度の経験を得たあとは、人材育成や整備体制の強化などを担当するために、航空整備の現場を離れて管理職へとキャリアアップするケースが一般的です。管理職になれば、年収や福利厚生の大幅な向上も期待できます。

出世志向よりも現場志向のほうが強く「できるだけ長く航空整備の現場で活躍したい」と考える場合は、航空機整備会社や航空会社内にある整備専門の関連子会社に就職するという道もあります。

航空業界では機体整備の外注化や専門化が進んでおり、航空機整備会社や整備専門の関連子会社では、機体整備・修理・部品交換などをより専門的に行えるのが特徴です。

航空整備士の技量を存分に発揮できる職場環境なので、自分の整備テクニックに一層の磨きをかけられるでしょう。

官公庁に就職する

官公庁に就職して全国の自治体にある警察や消防などが運用する航空機を整備するという選択肢もあります。

この場合は、航空整備士という肩書きで採用されるのではなく、警察の技術職員や消防吏員として採用されることがほとんどです。

整備する機体は、捜査や消火活動、救助活動の現場で多く使われているヘリコプターが主で、「二等航空整備士(回転翼航空機)」の資格があれば多くのケースで対応できるでしょう。

このほかにも、海上保安庁や航空自衛隊などに入隊して活躍するのも選択肢です。海上保安庁や航空自衛隊では、航空整備の経験を積みながら航空機を使った警備業務や救患搬送業務、救難業務などにも携わることになります。

業務内容が多岐にわたる上、「一隊員」として厳しい訓練に耐える必要がありますが、航空整備士の上位資格取得を目指してスキルアップしていける環境も整っています。

ただし、官公庁や自衛隊などに就職する際は、採用試験を受ける必要がある点には注意しましょう。

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航空機関連メーカーに就職する

航空整備士は、航空機を設計・製造しているメーカーにも必要とされます。
航空機関連メーカーに就職すると、完成品の整備業務だけでなく、航空機の研究・開発業務にも携われる可能性があります。

航空整備士として技術を発揮しつつ、航空機開発チームの一員として知識も活かせるので、仕事を通じて大きな充実感が得られるでしょう。

ちなみに、メーカーと一口に言っても、航空機全般を取り扱っている会社もあれば、「ヘリコプター」「飛行機」など、メインで取り扱う機体を限定している会社もあります。就職する会社によっては、特定の機体の専門性をとことん追求できるのが、メーカー勤務の特徴です。

また、将来的には資格や経験を活かして、管理職へとキャリアアップすることもできます。昇進すると給与水準が上がるため、中卒でも高収入を実現できるでしょう。

ただし管理職になると、整備計画や人材育成、外部との技術的な交渉などが主な仕事となり、働き方がガラッと変わる点には注意が必要です。

らなければいけません。長時間集中力を保つことができない人も、航空整備士になるのは難しいでしょう。

中卒から航空整備士を目指すメリット

中卒で航空整備士になる主なメリットは、以下3つです。

  • 将来的に安定している業界で働ける
  • 有資格者の需要が高い
  • 資格取得によりキャリアアップにつながる

将来性がある安定した業界で働けるのは、中卒から航空整備士を目指す大きなメリットです。

将来的に安定している業界で働ける

人の移動や貨物の輸送に、航空業界の存在は欠かせません。たとえ将来的に人口減少が起きたとしても、航空業界そのものが消滅する可能性は低いです。

技術革新やAI化が進んでも、細部の整備までを機械だけで完璧に作業を行うのは難しいとされており、必ず人間の手は必要になるでしょう。

有資格者の需要が高い

グローバル化や格安航空(LCC)の市場拡大に伴い、現在の航空業界は人手不足に悩む企業が多いです。ジャンボジェット機が普及した頃に整備士として入社していた世代が定年を迎えるため、近年は若手航空整備士の需要も高まっています。

育成に費用と時間がかかる航空整備士は、まだまだ人手不足の状態が続くとみられており、一等・二等を問わず資格を持っていれば、転職市場における航空整備士の需要は今後も高いでしょう。

資格取得によりキャリアアップにつながる

実務経験を積んで取得資格を増やせば、着実にキャリアアップできる点も、航空整備士の魅力です。

航空整備士は取得資格によって携われる仕事に違いがあり、より難易度の高い資格を取れば仕事の幅が広がります。

できる仕事が増えれば当然キャリアアップや年収アップにつながり、中卒者の平均年収を大きく上回れる可能性が高いです。

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中卒から航空整備士を目指す際の注意点

中卒で航空整備士になる主なデメリットは、以下3つです。

  • ミスが人命につながり責任が重い
  • ハードワークになることが多い
  • 資格取得のため長時間の努力が必要

ミスが人命につながり責任が重い

航空整備士はたった一つの部品を取り付け損ねるだけで乗員・乗客の命を危険にさらしてしまう可能性がある責任が重い役割を担います。

一つのミスでも内容が重大だと、業務停止処分に至ることもあり、常に大きなプレッシャーを抱えて仕事をすることになるので、ストレスを抱えやすいとも言えます。

ハードワークになることが多い

航空整備士はシフト勤務が一般的ですが、トラブルがあった際は長時間労働となりがちです。

また、ハンガー内の機械加工やエンジンの点検といった騒音が響く中での作業、主翼や水平安定板といった姿勢が安定しない場所での作業、機器室などの狭い空間での作業もしなければいけないので、業務環境は過酷です。

さらに、航空機を定刻通りに飛ばすために、作業を時間内に終わらせないといけないプレッシャーも相まってハードワークを強いられるケースが多く、しっかりと健康管理しないと体調を崩してしまう恐れがあります。

資格取得のため長時間の努力が必要

経験や保有資格が少ない航空整備士の年収は決して高くなく、年収アップするには経験によるスキルアップや複数の資格の取得が必須です。

仕事内容がハードであるにもかかわらず、時間をかけて上位資格を取らない限り収入が増えにくいため、割に合わないと感じる人もいます。

中卒で航空整備士に向いている人・向いていない人

航空整備士に向いている人・向いていない人の特徴を3つずつ紹介します。

航空整備士に向いている人航空整備士に向いていない人
責任感がある人体力と強い精神力がない人
冷静な判断力がある人向上心がない人
協調性がある人集中力が途切れやすい人

多くの勉強時間を費やして航空整備士になったのに向いていなかったとなれば、早期離職につながってしまい、苦労が水の泡になってしまいます。

向いている人・向いていない人の特徴をそれぞれ詳しく解説していくので、自分に航空整備士の適性があるかを分析してみましょう。


向いている人①責任感がある人

航空整備士は、乗員・乗客の命を左右する非常に責任が重い業務を担います。

航空整備士として活躍するには、正確で丁寧な整備技術と、機体に対する深い知識を持っていることが重要ですが、これらを追求するためには、強い責任感が欠かせません。

また、時にはトラブルに見舞われたり、整備の時間が押したりする場合もあるでしょう。しかし、そんなときに無責任に「まあいいか」と妥協してしまう人だと、整備不良が原因で航空事故を起こし、取り返しのつかない事態を招きかねません。

ミスをした場合に被害が甚大になる恐れがあることから、航空整備士は業務上の過失によっては、20日間の航空業務を停止する行政処分を科される可能性もあります。「多くの人の命を預かっている」という強い責任感を持ち、どんなときでも細心の注意を払って業務にあたれる人が航空整備士に向いていると言えるでしょう。

向いている人②冷静な判断力がある人

そして、航空機にはフライトスケジュールがあり、航空整備士はスケジュールに支障が出ないように、指定された時間までに作業を終えなくてはいけません。

急なトラブルにもスムーズに対応できたり、定められた作業を効率的に進められたりする、冷静な判断力を持つ人が現場では重宝されるでしょう。

向いている人③協調性がある人

航空機には膨大な数の部品があるので、多くの航空整備士と協力してチームを分けて整備を行います。

周囲の整備士やスタッフとのチームワークも欠かせないため、他者とのコミュニケーションが得意で協調性がある人も、航空整備士の適性が高いと言えます。


向いていない人①体力と強い精神力がない人

航空整備士は長時間にわたる作業をしたり、重い部品を持ち上げたりと、体力的にハードな仕事です。空港勤務などでは夜勤がある職場も多いため、体力に自信がない人には向いていません。

さらに、体力だけでなく精神力も必要です。そもそも強い精神力で自分を律して勉強しなければ航空整備士の試験に合格できません。

向いていない人②向上心がない人

航空整備士は就業してからも、まだ取得していない資格の取得、最新知識・技術のアップデートなども求められます。

航空整備士の昇格は極めて厳格に行われ、航空関係の職業の中で昇格するには最も勉強と訓練をする必要があるとも言われています。晴れて夢を叶えたとしても、常に機体について勉強していかなくてはいけないので、向上心がないと、キャリアアップができない可能性が高いです。

向いていない人③集中力が途切れやすい人

航空整備はミスが許されない仕事のため、いついかなるときでも集中力をもって作業にあたらなければいけません。

長時間集中力を保つことができない人も、航空整備士になるのは難しいでしょう。

航空整備士以外で転職を検討するならナイト系がおすすめ

航空整備士は複数の資格がないと年収が低めである上に、一つひとつの資格の取得難易度が高いです。

中卒の場合はまず先に高卒認定を取る必要があり、実際に航空整備士として活躍できるようになるまでには長い年月がかかります。

  • 今すぐ転職して活躍できる業界で働きたい

  • 資格や経験がなくても高収入を狙える業界が理想

と考えているなら、志望業界を広げてナイト業界も検討してみましょう。

ナイト業界は高校生を除く18歳以上であれば応募でき、学歴や資格不問なだけでなく、実務経験も求められません。

必要なのは「就職後の熱意や努力」で、頑張り次第でスピード昇進が可能なので、無資格・未経験から始めた中卒者でも高収入を実現している人がたくさんいます。

ナイト系は職種の幅が広く、自分の能力や適性に合った仕事を選べる点も魅力です。

企業によっては独立支援制度があり、キャリアアップしやすい環境も整っているので、ぜひ一度ナイト系求人もチェックしてみてください。

中卒で航空整備士になるためのおさらい

最後に、おさらいとして中卒で航空整備士になるためのポイントをまとめておきます。

ポイント
【中卒で航空整備士になる方法】
・高卒認定後、航空専門学校に入学して国家資格を取得する

【航空整備士に向いている人の特徴】
・責任感がある人
・冷静な判断力がある人
・協調性がある人

【航空整備士になるメリット】
・将来的に安定している業界で働ける
・有資格者の需要が高い
・資格取得によりキャリアアップにつながる

航空整備士は、最終学歴が中卒のままだと、なることが極めて難しい職業なのが実情です。

難易度の高い国家資格を取得する必要がありますが、高卒認定を得てから専門学校に通ってしっかり対策を講じれば十分に合格を狙えます。

一度資格を取得してしまえば航空整備士は需要が高く、複数の資格を取得することにより年収アップも可能です。航空業界は将来性もあるので、就職すれば安定して長く働けるでしょう。

航空整備士への転職を検討している中卒者は、ぜひ本記事を参考にしながら資格取得に向けて行動してみてください。

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