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中卒警察官を目指したいけど、具体的に何をすればいい?
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中卒から転職して警察官になりたいけど必要なスキルってある?
今回は警察官への転職方法を知りたい中卒者へ向けて、転職を成功させるポイントを解説していきます。
この記事でお伝えする内容
- 警察官になるための基本条件
- 中卒から警察官になるまでの手順
- 警察官に向いている人・向いていない人の特徴
- 警察官になるメリット・デメリット
警察官の種類や試験内容、採用されてからの流れも詳しくご紹介しています。
本記事を警察官になるためのマニュアルとして、ぜひ参考にしてみてください。
中卒で警察官になることはできる
中卒でも警察官になることは可能です。
前提として、警察官が所属する組織は主に「警察庁」と「都道府県警察」の2種類に分かれます。
- 警察庁
- 警察庁は、国家機関である警察庁採用の警察官で「国家公務員」です。
仕事はデスクワークが中心で、治安に関わる様々な施策を立てたり、警察官全体の指揮をとったりします。
- 都道府県警察
- 都道府県警察は、都道府県採用の警察官で「地方公務員」です。
現場仕事や交番勤務が中心で、事件があれば現場に向かって捜査を行ったり、市民が安心・安全に生活できるように地域のパトロールを行ったりします。
ちなみに、神奈川県を管轄(かんかつ)する警察組織は「神奈川県警」、大阪府は「大阪府警」と呼びますが、東京都の場合は「警視庁」と呼びます。
中卒で警察官を目指す場合、「都道府県警察」がおすすめです。
中卒でも警察庁の警察官になれる可能性はゼロではありませんが、警察庁で採用されるためには「大卒程度の学力」の試験に合格しなければなりません。
さらに警察庁に勤務している警察官は、国家公務員総合職採用試験や国家公務員一般職採用試験を受けたキャリア組で、受験者のほとんどが東京大学出身者などの学歴が高い人たちなのが現状です。
採用試験合格者も毎年30人前後と、国家公務員の中でも狭き門と言われているので、中卒から合格するのはかなりハードルが高いと言えます。
参考:総務省「採用昇任等基本方針に基づく任用の状況(平成 23 年度)」(参照 2023-12-25)
警察官になる基本条件
警察官になるには、公務員試験に合格する必要があります。
警察庁は年齢や大卒程度の学力を満たすことが受験資格に定められており、警視庁をはじめとした都道府県警察は各都道府県によって受験資格が異なります。
後ほど詳しくご説明しますが、都道府県警察であれば最終学歴が中卒でも応募・合格することが可能です。
警察官の学歴内訳
都道府県警察の警察官の学歴内訳は以下のとおりです。
学歴 | 割合 |
高卒未満 | 1.6% |
高卒 | 57.8% |
専門学校卒 | 14.1% |
短大卒 | 10.9% |
高専卒 | 7.8% |
大卒 | 89.1% |
修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 4.7% |
博士課程卒 | 1.6% |
わからない | 1.6% |
※学歴別の公的な統計は取られていないので、下記参考サイトにて都道府県警察の警察官で実際に働いている人が多いと感じる「学歴」を表しています。
高卒未満は1.6%と少数派ではあるものの、可能性はゼロではありません。
中卒で警察官になる方法と手順
ここでは、都道府県警察(警視庁を含む)の採用試験の受験方法や対策、警察官になったあとの流れについて解説していきます。
都道府県警察の警察官になるまでの主な手順は、以下の通りです。
- 採用試験の受験申し込みをする
- 一次試験を受ける
- 二次試験を受ける
- 合否発表
- 採用されたら警察学校に通う
- 警察学校を卒業後に職場に配属される
中卒で警察官になる方法①警視庁の採用試験を受ける
中卒が警察官になる1つ目の方法は、「警視庁」の採用試験を受けて合格することです。警察庁と警視庁は間違われやすいですが、警視庁は「東京都の警察の本部」を指します。
- 警察庁と警視庁の違い
- ■警察庁:「日本全国の警察」を取りまとめている。警察庁に属する警察官は国家公務員
■警視庁:「東京都内の警察」を束ねている。警視庁に属する警察官は地方公務員
警視庁の採用試験は、「Ⅰ類(大卒程度)」「Ⅲ類(高卒程度)」と試験の難易度で分類されています。
一次試験は筆記試験(教養試験、論作文試験、国語試験)や適性検査、二次試験は面接試験や身体検査、体力検査、適性検査が行われます。一次試験・二次試験の結果を総合的に判断し、合否が決まる仕組みです。
- 警視庁の令和5年度採用試験の受験資格
- ■年齢および学力
最終学歴が中卒の方は、Ⅲ類の「昭和63年4月2日から平成18年4月1日までに生まれた人で高校卒業程度の学力を有する人」を受けることになります。
■身体要件(二次試験)
以下を全て満たす必要があります。
・視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上である
・色覚、聴力:警察官としての職務執行に支障がない
・疾患:警察官としての職務執行上、支障のある疾患がない
・その他身体の運動機能:警察官としての職務執行に支障がない
※警察官としての職務執行上、支障のある疾患や体力の有無等について検査を行います。
参考:警視庁「令和5年度警視庁採用サイト(参照 2023-12-25)
中卒で警察官になる方法②都道府県警察官の採用試験を受ける
中卒が警察官になる2つ目の方法は、各都道府県警察官の採用試験を受けることです。
全国都道府県警察官採用ページから志望する都道府県警察のホームページにアクセスし、募集要項や採用情報を確認することができます。
試験を受ける条件は各都道府県で異なるので要注意です。
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〇〇県の方が倍率が低いし合格する可能性が高かったかも
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〇〇県なら試験日程的に受験できたのに……
このような後悔をしないためにも、自分が志望する自治体の「応募条件(年齢や学力)・試験内容・試験のスケジュール・倍率」を必ず確認しましょう。
イメージが湧きやすいように、ここでは大阪府警察の募集概要を例に挙げます。
- 大阪府警察の令和5年度採用試験受験資格
- ■年齢および学力
・年齢:平成2年4月2日から平成18年4月1日までに生まれた人
・学力:A(大卒および大卒見込み、または大卒程度の資格がある人)、B(A以外の人)
中卒の場合は、基本的にB区分で受験することになります。
■身体要件(二次試験)
以下を全て満たす必要があります。
・身長:男性/おおむね160cm以上、女性/おおむね150cm以上
・体重:男性/おおむね47kg以上、女性/おおむね43kg以上
・視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上
・色覚:警察官としての職務執行に支障がない
・疾患:警察官としての職務執行上、支障のある疾患がない
・その他身体の運動機能:警察官としての職務執行に支障がない
※警察官としての職務執行上、支障のある疾患や体力の有無等について検査を行います。
参考:大阪府警察「募集概要」(参照 2023-12-25)
【注意】警察官の採用試験を受験できないケースもある
年齢や学歴、身体的な条件を満たしていても、警察官の採用試験を受験できないケースもあるので確認しておきましょう。
例として警視庁の受験要項を見てみてください。
警視庁の採用試験を受けることができない人
- 日本国籍を有しない人
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの人
- 東京都職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない人
- 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した人
- 平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている人(心神耗弱を原因とするもの以外)
参考:警視庁「令和5年度警視庁採用サイト」(参照 2023-12-25)
上記は警視庁の採用試験を受験不可の人の条件ですが、都道府県警察の場合も、原則として「その地域の自治体職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない人」は受験することができないので、注意が必要です。
中卒で警察官になるための資格試験の対策方法
警察官になるためには、筆記試験・面接・体力検査に合格しなければなりません。しっかり試験対策をすれば、中卒から警察官になれる可能性がグッと高まります。
それぞれの対策方法を解説していきます。
中卒で警察官になるための資格試験の対策①筆記試験
筆記試験は、過去問を繰り返し解いて傾向をつかむのが試験突破のカギです。
公務員の筆記試験は、過去に出題された問題と似た内容が出題される傾向があります。もちろん新しいタイプの問題も出ますが、合格率を上げるためには過去問対策が欠かせません。
また、時事問題が出題されることも多いため、日頃からニュースを見て世の中で起きていることを把握しておきましょう。
中卒で警察官になるための資格試験の対策②面接
ハローワークや公務員予備校を利用して模擬面接を受け、第三者からアドバイスをもらいましょう。
面接に慣れていないと緊張して思うように話せなかったり、早口になってしまったりします。模擬面接を通じて客観的に自分のことを見てもらい、「受け答え」「声のボリューム」「話す速度」について良かった点・悪かった点をフィードバックしてもらうことが大切です。
また、とっさに自分の考えを発表できるように、日頃から自分の考えていることを発信したり、世の中のニュースに対して自分の意見を持っておいたりするといった日頃の習慣も重要になります。
中卒で警察官になるための資格試験の対策③体力検査
警察官は肉体的にもハードな仕事でもあるため、体力が必要です。
体力検査で落とされないように、筋トレや有酸素運動を中心に日頃からトレーニングをすることが重要です。
体力試験の内容は都道府県によって異なりますが、主に「腹筋・腕立て伏せ、握力」などが実施されます。
出典: 神奈川県警察「令和5年度警察官採用試験」(参照 2023-12-25)【神奈川県警の体力検査の内容例】
項目(実施回数):腕立て伏せ(男性25回)、膝つき腕立て伏せ(女性15回)、上体起こし(男女ともに25回)バーピーテスト(男女ともに20回)、握力(左右1回ずつ)
中卒で警察官になるための資格試験の対策④資格加算
警察官の採用試験では、特定の資格やスポーツ歴がある場合に加点されるケースがあります。
加点対象については各都道府県によって異なります。
- 参考
- 【資格加算の例】
■警視庁
・体力
柔道又は剣道、その他の武道:初段以上 他
・情報処理
ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者等、経済産業省管轄の国家資格又はこれ に類するもの
・語学
英語:実用英語技能検定(英検)2級以上、TOEIC470点以上 他
中国語:中国語検定3級以上 他
韓国語:ハングル能力検定準2級 他
■大阪府警
・柔道初段以上
・剣道初段以上
参考:警視庁「令和5年度警視庁採用サイト」(参照 2023-12-25)
大阪府県警「令和5年度大阪府警察官(巡査)採用選考」(参照 2023-12-25)
中卒で警察官になったあとの流れ
警視庁も都道府県警察も、警察官として採用されてすぐに職場へ配属されるのではなく、まずは警察学校へ通って警察官として必要な知識を習得したり、訓練を受けたりする必要があります。
- 警察学校の特徴
- ・全寮制
・6時の起床~23時の就寝まで集団で規則正しい生活を送る
・試験区分によって在籍期間が定められている(大卒は6ヶ月、大卒以外は10ヶ月)
・授業は平日のみで土日祝は休日になる
・警察学校に通っている間も給与が発生する
警察学校を卒業したら、いよいよ新人警察官として管轄の警察署に配属されます。
警察官に向いている人・向いていない人
どんな職業にも向き・不向きがありますが、警察官は向いている人・向いていない人の特徴がはっきりしています。
ここでは、警察官として求められる人物像や能力、適性がある人・ない人の特徴を解説していきます。
警察官に向いている人の特徴3つ
警察官に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 警察官に向いている人の特徴
- ・冷静さがある
・正義感や倫理観がある
・基礎的な身体能力・運動能力がある
警察官は地域のパトロールや犯罪を取り締まるなど、自分の身に危険がさらされるような現場に立ち向かうことが多いです。どんな時でも、冷静になって現場の状況を即座に把握し、正しい判断を下さなければなりません。
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自分がこの街と住民の安全を絶対に守る!
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犯人を必ず捕まえて事件を解決する!
というような、強い正義感がなければ務まらない仕事です。
また、警察官の仕事は肉体的にもハードなので、体力・運動神経の良さはもちろん、視力や色覚、聴力なども採用試験の身体要項に含まれています。これは、たとえば視力や色彩感覚が低下していると、街中で逃走中の犯人を見つけたとしても犯人の服装や顔といった特徴を素早く正確に把握できないといった支障が出るからです。
各都道府県によって身体基準は異なりますが、警視庁では視力に関して「裸眼視力が両眼とも 0.6 以上、もしくは矯正視力が両眼とも 1.0以上」、色覚・聴力に関して「職務執行に支障がないこと(二次試験では医師の診察あり)」を受験資格としています。
そもそも、今の自分はこれらの条件をクリアしているかどうか、チェックしてみてください。
警察官に向いていない人の特徴3つ
警察官に向いていない人の特徴は、以下の3つです。
- 警察官に向いていない人の特徴
- ・公私のメリハリをつけたい
・メンタルが弱い自覚がある
・体力や健康面に不安がある
警察官は、たとえ休日でも事件や災害があれば呼び出しが来ることがあり、現場に駆けつけなければなりません。
「いつ何が起こるか分からない」という仕事をこなす警察は、出勤日や休日が急に決まるといったケースが多いです。あらかじめ旅行の計画を立てたり、自由に連休をとったりといった私生活重視の行動がしづらく、仕事とプライベートを完全に分けたい人には向いていません。
また、基本的にいつでも出勤できるように構えておく必要があり、気の休まる職業ではない傾向にあるため、メンタルに自信がある人でないと厳しいでしょう。
そして、繰り返しとなりますが、警察官は肉体労働です。体力と健康な身体があってこそ成り立つ職業であることを念頭に置く必要があります。
中卒で警察官になるメリット・デメリット
中卒で警察官になるメリット・デメリットは、それぞれ以下の3つが挙げられます。
- ポイント
- 【メリット】
■公務員なので安定感があり民間企業よりも安定した収入・待遇を得られる
■身体能力を活かせる
■学歴コンプレックスを解消できる
【デメリット】
■規則や急な出動要請が多くプライベートに自由がない
■体育会系のような上下関係の厳しさがある
■他の職業と比べて命の危険や精神的な負担がある
警察官を目指すか迷っている中卒者は、ここから詳しく解説するメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで決断してください。
中卒で警察官になるメリット3つ
中卒で警察官になるメリットは、以下になります。
- ポイント
- 【警察官になるメリット】
■公務員なので安定感があり民間企業よりも安定した収入・待遇を得られる
■身体能力を活かせる
■学歴コンプレックスを解消できる
警察官は「公務員」として生活面・収入面ともに安定感を得られます。
国や地域のために働く公務員は、法律上でも身分が厚く保証されており、失業のリスクはほとんどありません。さらに、公務員は民間企業よりも給与水準が高く、景気に左右されずにボーナスが支給されるため、経済的に安定しています。
また、勉強は苦手でも運動神経が良いという方は身体能力を大いに活かせます。
中卒という学歴にコンプレックスを抱いている人でも、警察官になって公務員という安定した職業を手に入れられたら、学歴コンプレックスの解消にもつながりやすいです。
中卒で警察官になるデメリット3つ
中卒で警察官になるデメリットは、以下の3つです。
- ポイント
- 【警察官になるデメリット】
■プライベートに自由がない
■体育会系のような上下関係の厳しさがある
■他の職業と比べて命の危険や精神的な負担がある
前述のとおり、警察官は休日でも呼び出されて急遽出勤することがあるため、常に連絡がとれるようにしておく必要があります。なかなか自分の思い通りに休めないといったケースは多いです。
また、事件現場で死体を見たり、凶悪な犯罪者と対立したりと、警察官は他の職業と比べて精神的・身体的な負担がかなり大きいと言えます。
仕事にやりがいはあるものの、その分相当な覚悟がないと続けられない職業なのです。
警察官以外で転職を検討するならナイト系がおすすめ
警察官になるためには採用試験に合格し、全寮制の警察学校を卒業する必要があります。
採用試験の応募条件や、警察官として求められる要素を知って、「自分にはきつい……」と感じた人もいるのではないでしょうか。
警察官を目指す理由が「学歴にコンプレックスがある」「体力を活かしたい」「給与が安定しているから」といった内容であれば、ナイト系への転職もおすすめです。
ナイト系は18歳以上であれば応募が可能(高校生は応募不可)で、学歴不問の求人が多いです。また、学歴や職歴に関係なく中卒から高収入を狙える業界でもあり、スピード昇格・昇給もしやすい傾向にあります。
選択肢を広げるためにもぜひ一度ナイト系もチェックしてみてください。
中卒で警察官になるためのおさらい
最後に警察官になるためのポイントをまとめたので、おさらいしておきましょう。
- 参考
- 【中卒から警察官になる方法】
■採用試験・体力検査に合格する必要がある
■採用後は全寮制の警察学校に通う必要がある(中卒者は10ヶ月間)
【警察官に向いている人の特徴】
■冷静さがある
■正義感や倫理観がある
■基礎的な身体能力・運動能力がある
【警察官になるメリット】
■公務員なので安定感があり民間企業よりも安定した収入・待遇を得られる
■身体能力を活かせる
■学歴コンプレックスを解消できる
警察官の採用試験は「高卒程度の学力」があれば受けられるため、中卒でも警察官を目指すことが可能です。
改めて自分は性格的に警察官に向いているのかを改めて考え、メリット・デメリットを理解したうえでそれでも警察官になりたいと思った方は、この記事を参考に今日から準備を進めていきましょう。