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ありがとうございます、助かりました!
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このタスクを巻き取っていただけるととても助かるのですが…
このように「助かりました」は誰かに助けてもらった場合や何かを依頼したい場合に自然と使用している方は多いでしょう。
しかし「助かりました」は、使う相手によっては失礼に当たる言葉だということはご存じですか?
「助かりました」という表現は特にビジネスにおいて、「敬語として正しいのか」「そもそも上司や顧客など、目上の人・社外の人に使っていいのか」と迷ってしまう人が多い言葉でもあります。
本記事では「助かりました」の正しい表現方法や注意点、別の言葉への言い換えなど、詳しくご紹介します。
本記事をしっかりと理解すれば使い方をマスター、「助かりました」と正しく相手へお礼を伝えられるようになるので、最後までご覧ください。
「助かりました」は敬語として扱われる
まずは「助かりました」という言葉は敬語なのかという点から解説していきます。
「助かりました」は「助かる」を「です・ます」に言い換えた丁寧語です。つまり、敬語として正しい言葉であり、何の問題もありません。
では何に気を付けるべきなのかというと、「助かりました」を使う相手です。
詳しくは後述しますが、上司や目上の人に対して「助かりました」を使うことは失礼に当たります。
相手が「助かりました」の意味をしっかり理解している場合、不快にさせてしまうかもしれません。
それぞれしっかりと解説していきますので、参考にしてみてください。
「助かりました」を上司や目上の人に使うのは失礼に当たる
「助かりました」が敬語として正しいにもかかわらず、上司などの目上の人に使うのは失礼と思われる理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目の理由はビジネスにおいて使われる「助かる」という言葉に上から目線のニュアンスが含まれているためです。
「負担や労力などが少なく済んでありがたい」という意味の「助かりました」は、身も蓋もない表現をするのであれば「あなたのおかげで楽ができたよ、ありがとう」という上から目線のニュアンスが含まれてしまいます。
そして、2つの目の理由は、そもそも「助かりました」が労いの言葉だからです。
「助かるよ」「助かったよ」は相手が自分をサポート(補佐)する役割であると暗に言ってしまっていることから、一般的に労いの言葉として用いられます。しかし、労いの言葉というのは目上の人・上司から目下の人・同僚・部下などに対してかける言葉です。
以上の理由から、「助かりました」は目上の相手にかける言葉としてはそもそも不適切なのです。
同僚と後輩には使って問題なし
先述したように「助かりました」は労いの言葉としての意味合いがあります。
そのため、同僚・部下・目下の人などに使うのは全く問題ありません。
「助かりました」は使う相手を誤らなければ、容易に感謝の気持ちを伝えられる使い勝手の良い言葉です。
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ありがとう、あなたのおかげで助かったよ
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今ちょっと立て込んでて……手伝ってくれると助かります
同僚・部下・目下の人に対してこのように使うと、きっと相手は悪い気はしないはずですよ。
上司や目上の人へ失礼にならない「助かりました」の言い換え例
「助かりました」と言いたい相手が上司や目上の人だった場合、どのように言い換えれば良いのでしょうか?
次に「助かりました」の言い換え例をいくつかご紹介します。
シチュエーションや相手との関係性、そしてあなたの普段の言動や性格に合わせて使い分けましょう。
ありがとうございます
最も基本的で、多くの人が使い慣れているであろう言葉です。
「助かりました」と違い、目上の人・目下の人・上司・同僚・部下・社内外などを一切問わず、誰に対しても問題なく使えます。
そして「ありがとうございます」はストレートに感謝を伝える言葉です。
これまで「助かりました」を使っていた場面を「ありがとうございます」と言い換えることによって、人間関係を円滑にできるメリットもありますよ。
- 参考
- 例文
・本日はお忙しい中ご足労いただき、ありがとうございます
・作業を手伝ってくださってありがとうございます
誰にでも使える感謝の言葉「ありがとうございます」は、積極的に使っていくことをおすすめします。
また、以下の記事では「ありがとうございます」に関してさらに深掘りしていますので、併せてご覧ください。
恐れ入ります
「恐れ入ります」は特にビジネスシーンでよく使われる表現で、主に以下の2つの意味が含まれます。
- ポイント
- 1.相手にかける手間や迷惑を申し訳なく思う
2.相手の好意をありがたいと思う
このように「恐れ入ります」は恐縮と感謝の両方の意味を持っています。
少し堅い印象のある言葉ですが、目上の人・上司・社外の人などに「助かりました」と伝えたい場合は最適な表現です。
- 参考
- 例文
・お忙しいところ、恐れ入ります
・ご尽力いただきまして誠に恐れ入ります
「恐れ入ります」は「助かりました」と比べると、相手を持ち上げつつ一歩引きながら思いを伝えるニュアンスになりますよ。
幸いです
「〇〇してくれると助かります」といった感じに、誰かに何かを依頼したい場合にもつい「助かりました」を使ってしまうことは多いでしょう。
この場合、目上の人や上司に対しては「幸いです」と言い換えると良いです。
「幸いです」は非常に便利かつ丁寧な言葉なので、上手く活用できるようになっておくことをおすすめします。
- 参考
- 例文
・都合の良い日時をお教えいただけますと幸いです
・お手すきの際にご確認いただけますと幸いです
さらに丁寧な言い回しとして「幸いに存じます」という言い換え方もあります。
「存じます」は「思う」の謙譲語にあたる言葉です。
たとえば社長や役員クラスの人などを筆頭に、自分から見てかなりの目上の人に何かを依頼したい際には臨機応変に用いると良いでしょう。
感謝申し上げます
「感謝申し上げます」は、先述した感謝を伝える「ありがとうございます」をさらに丁寧にした言葉です。
かなり畏(かしこ)まった表現なので、社外の人やビジネスメールなどで使うことをおすすめいたします。
さまざまな場面で活用できるため、使えるようになっておいて損はありませんよ。
- 参考
- 例文
・心より感謝申し上げます
・厚く感謝申し上げます
例文を見ていただくと分かる通り「感謝申し上げます」は単体で使うのではなく、前に「心より」「誠に」「厚く」などを付けて用いるケースが多いです。
これらの言葉を付け足すことで、相手に対する感謝の気持ちをより強調してくれるようになりますよ。
痛み入ります
「痛み入ります」は、「感謝申し上げます」よりもさらに恐縮している意味合いを持たせる言葉です。
日常で使うケースは少ないですが、特に言葉選びが重要となる社外の人(取引先・顧客など)に対して適宜使用するのが良いでしょう。
- 参考
- 例文
・ご高配賜り、痛み入ります
・温かいお心遣い、誠に痛み入ります
「痛み入ります」も「感謝申し上げます」と同様に「誠に痛み入ります」と使用することが多いので、覚えておくと良いでしょう。
余談ですが「痛み入ります」は相手の立場にかかわらず、冠婚葬祭の場面で用いるケースがあります。
「お心遣い痛み入ります」「ご丁寧なお悔やみ、痛み入ります」のように挨拶の冒頭に使用できますので、頭の片隅で覚えておくと役に立つ場面に遭遇するかもしれません。
幸甚に存じます
幸甚(こうじん)はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、ビジネスシーンではしばしば使用される言葉です。
幸甚には「この上ない幸せ」「非常に幸いなこと」という意味があり、「幸甚に存じます」は「とても助かる」「非常にありがたい」という意味になります。
- 参考
- 例文
・本日はお招きいただき幸甚に存じます
・ご回答いただけますと幸甚に存じます
「幸甚に存じます」は親しい間柄では仰々しい印象を与えてしまいます。
「痛み入ります」と同様に社外の人・取引先・顧客などに対し、感謝の気持ちを伝えたい場合や何かを依頼したい場合に使ってみてください。
~していただいてもよろしいでしょうか
目上の人や上司に何かを依頼したい場合に使える言葉で、「幸いです」や「痛み入ります」などと比べるとフランクな感じでお願いができます。
少し砕けた印象を与えることから、直属の上司や人や知人など比較的親しい目上の人に対して使用するのが良いでしょう。
- 参考
- 例文
・先日の件、〇〇日までにご対応をいただいてもよろしいでしょうか?
・明日までにご回答をいただいてもよろしいでしょうか?
もう少し丁寧な言い回しが求められる場合、頭に「お手数ですが」「恐れ入りますが」などを付け加えます。
一方でさらにフランクな言い回しにしたい場合は「〇〇していただけると幸いです」とすると良いですね。
「大変助かりました」も目上の人や上司に使うのは失礼にあたる
「助かりました」が目上の人に対して失礼にあたると分かりましたが、それでは枕詞として「大変」をつけて感謝の度合いを強めるのはどうでしょうか。
「大変助かりました」は「助かりました」と比べると丁寧な言い回しであることは確かです。
しかし、この場合でも自分の負担を減らすというニュアンスが含まれているため、目上の人や上司に対しては使わないように心がけましょう。
「大変助かりました」は感謝を伝える場合と何かを依頼したい場合の2通りがあります。
何かを依頼したい場合は「助かりました」と同様に、目上の人には失礼な印象を与えてしまう可能性がありますので、以下のように言い換えることをおすすめします。
- 参考
- 例文
・資料の件ですが、〇日までにいただけますと幸甚に存じます
・一度ご確認いただけますと幸いです
【場面別】「助かりました」と言われたときの返答例
目上の人や上司などに対する「助かりました」の言い換え方はお分かりいただけたと思います。
次はあなたがほかの人に「助かりました」と言われた際の答え方を紹介します。
この場合もいくつかの返答例がありますので、参考にしてみてください。
「助かりました」とお礼を言われたとき
目上の人や上司などから「助かったよ」と言われた場合の返答例です。
- 参考
- ・とんでもございません
・お役に立てて光栄です
・恐れ入ります
1つずつ見ていきます。
- ポイント
- ・「とんでもない」は「それほどには及びません」「滅相もありません」という謙遜の意味があります
・「光栄」は「名誉に思う、誇りに思う」という意味があります
・「恐れ入ります」は「目上の人の行為に対しての感謝の気持ち」という意味があります
こちらからも感謝を、場合によっては謙遜や恐縮の気持ちを織り交ぜながら伝えると良いでしょう。
「~してもらえると助かります」とお願いされたとき
目上の人や上司などから「〇〇してくれたら助かるんだけど」のように、何かを依頼された場合の返答例です。
依頼の場合は承諾する・断るの2種類がありますので、両方の答え方をご紹介します。
- 参考
- 依頼を承諾する場合
・承知しました
・喜んで〇〇させていただきます
つい使ってしまいがちな「わかりました」よりも丁寧な印象の返答になります。
目上の人や上司を敬い尊敬する気持ちも同時に伝わるはずですよ。
- 参考
- 依頼を断る場合
・大変申し訳ございません
頭に「大変申し訳ございません」を付けてワンクッションを挟むと、相手を気遣う言い回しになります。
そのため、言葉全体の印象を柔らかい雰囲気にしながら断ることが可能です。
また、承諾する際の「承知しました」の使い方は以下の記事で深く掘り下げて解説していますので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
「助かります」「助かりました」と間違えて言ってしまった場合の対処法
次は目上の人や上司などに「助かりました」を使ってしまった場合の対処法について解説いたします。
やはり人間ですので、うっかり「助かりました」を使ってしまうケースもあるでしょう。そんな場合は適切にケアをすることがとても大事です。
何と言ってもまずは謝罪です。
自分に非がある場合にもそれを認めない、いわゆる我が強い人は社会において評価されづらい傾向にあります。
間違えてしまったことはしっかりと認めて、気づいた時点ですぐに「失礼いたしました」と誠意をもって謝罪と訂正をしましょう。
以下の記事ではビジネスシーンにおける謝罪について詳しく解説しています。
「助かりました」を使う場面か適切に判断して良好な人間関係を築こう!
今回は「助かりました」という言葉について、敬語として正しいのか、そして使うべきではない相手や言い換え方などを掘り下げました。
社会で生活をする以上、誰かに仕事を依頼したい・感謝の気持ちを伝えたいという場面は必ずあります。
そんなときに「助かりました」という言葉の使い方を理解しておくと役に立つはずです。
角を立てずに柔らかなニュアンスで依頼や感謝を伝えられる言葉なので、正しく理解して上手く活用しましょう。
最後に、本記事の要点をまとめておきます。
- 「助かります」「大変助かります」は敬語として正しい言葉
- しかし目上の人や上司などに使うと失礼に当たる
- 同僚や部下などに使うのが適切
- 「助かります」はさまざまな言い換え表現があるので、適切に言い換える必要がある
あなたから見た相手の立場や役職を把握して「助かりました」を使いこなせるようになれば、円滑な人間関係を築き保ち続けられるので、気になる点や不明点があれば、もう一度本記事を読み返してみてくださいね。
また「助かりました」以外にも他にもおさえておきたいビジネス表現をまとめているのであわせてご参照ください。
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