「ご自愛ください」の意味と使い方を解説!目上やビジネスでの表現と例文

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「ご自愛ください」の意味と使い方を解説!目上やビジネスでの表現と例文

「ご自愛ください」は、ビジネスシーンで相手をいたわる際によく使われる言葉です。しかし、実際にどのような場面で使うべきか、また言い換え表現があるかなど「ご自愛ください」の使い方に悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では「ご自愛ください」の意味やよく使われるシーンを例文と一緒に詳しく紹介します。「ご自愛ください」を使う際の注意点や言い換え表現、言われた時の返し方についても解説しているので、良い人間関係を築くうえで正しい使い方を知りたい方はぜひ参考にしてください。

「ご自愛ください」の正しい意味は?目上の人に使うと失礼?

「ご自愛ください」の正しい意味は?目上の人に使うと失礼?

「自愛(じあい)」とは「自分を大切にすること」「自分の健康に気をつけること」という意味です。

「ご自愛ください」は、「ご自身のお体を大切にしてください」「健康に十分気をつけてください」という意味を持ち、主に相手へのいたわりの気持ちや気遣いを示す結びの表現として使われます。

ビジネスやプライベートを問わず目上の人にも使える

「ご自愛ください」は、目上の人に使っても問題ありません。相手を気遣う言葉なので、仕事やプライベートといったシーンや立場に関係なく使えます。

しかし、失礼な表現ではないとは言え、「ください」が命令や指示をする言葉に聞こえがちなので、目上の人に使いづらいと考える方も少なくありません。

さらに丁寧でやわらかい表現で伝えたい場合は「ご自愛くださいませ」「ご自愛のほどお願い申し上げます」と言い換えるのがおすすめです。

そして「ご自愛ください」がどのような場面で使われるのか例文も一緒に知っておくと、いざ使用する時、適切な表現で相手に伝えられます。

この後「ご自愛ください」がよく使われる場面と例文を解説するので、いざという時のためにしっかり覚えておきましょう。

「ご自愛ください」がよく使われる場面と例文4選

「ご自愛ください」がよく使われる場面と例文4選

「ご自愛ください」がよく使われる場面は以下のとおりです。

「ご自愛ください」がよく使われる場面

  • ビジネスメール
  • 異動時のあいさつ
  • 年賀状
  • 暑中見舞い・残暑見舞い

「ご自愛ください」が使われやすい場面と、具体的な例文を解説します。

ビジネスメール

「ご自愛ください」は相手を思いやる気持ちを伝えられる言葉であり、上司や取引先などの目上の人に向けて使うことも可能です。

ビジネスメールで使われる結びの言葉は、「引き続きよろしくお願いいたします」や「何卒よろしくお願い申し上げます」が一般的です。ここで「ご自愛ください」を結びの言葉にすれば、決まり文句を使わずに相手を気遣えて、なおかつ相手に好印象を与えられるメリットがあります。

また、例文のように他の内容を添えたい場合は「ご自愛の上」という表現も使えます。相手を気遣いたい時は「ご自愛ください」「ご自愛の上」の表現を使うのがおすすめです。

参考
【ビジネスメールの例文】
寒い日が続いておりますので、何卒ご自愛ください。
ご多用とは存じますが、どうかご自愛くださいませ。
ご自愛の上、より一層のご活躍をお祈り申し上げます。

異動時のあいさつ

異動や転職などで、同僚や上司、取引先といった今までお世話になった方へ感謝の気持ちを伝える際も「ご自愛ください」が使えます。自分の異動や転職だけではなく、相手の異動や転職時にも便利な言葉です。

感謝に加え、健康を祈る気持ちを伝えたい時は「ご自愛ください」を使いましょう。

参考
【自分が異動・転職する場合の例文】
新しい場所での業務に邁進してまいりますが、皆様もどうかご自愛を忘れず、今後のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
(これまでの感謝を伝えた後に)末筆ではありますが、皆様の今後の躍進とさらなるご発展をお祈りいたします。寒さが厳しい日が続きますので、どうぞご自愛くださいませ。
参考
【相手が異動・転職する場合の例文】
新天地でもお忙しい毎日と存じますが、一層のご自愛とご活躍をお祈り申し上げます。
新たな環境の中大変な時期かと存じますが、どうかご自愛ください。

年賀状

年賀状では、上司や取引先などのお世話になっている相手に対して、日ごろの感謝と新年のお祝いを伝える際の結びの言葉として「ご自愛ください」を添えるケースがあります。

手紙を出す機会が減りつつある今だからこそ、相手への思いやりを表現できる「ご自愛ください」を添えた年賀状を送るのは、より良い信頼関係を築くための手段の一つと言えます。

参考
【年賀状の例文】
どうかご自愛の上、素晴らしい1年をお過ごしください。
寒さ厳しい折、お風邪など召しませぬようご自愛ください。
寒い日が続いておりますので、どうかご自愛くださいませ。

暑中見舞い・残暑見舞い

夏に欠かせない暑中見舞い・残暑見舞いは、暑い時期でも健康に過ごしてほしいという願いを込めたあいさつ状で、体調面を気遣う言葉として「ご自愛ください」が使えます。

暑中見舞い・残暑見舞いの結びの言葉として「ご自愛ください」を使う際は、例文のように季節を表す言葉を沿えれば、より自然に盛り込めます。

参考
【暑中見舞いの例文】
酷暑の折から、くれぐれもご自愛のほどお祈りいたします。
これからも暑さが続きますので、どうかご自愛の上お過ごしください。
参考
【残暑見舞いの例文】
厳しい暑さが続きそうですが、くれぐれもご自愛ください。
夏の疲れが出やすいころですが、お風邪など召しませぬようご自愛ください。

「ご自愛ください」を使う時の注意点

「ご自愛ください」を使う時の注意点

「ご自愛ください」を使う際、気をつけるべき点が3つあります。ビジネスシーンで正しく使えるようになるためにも、使用時における注意点を把握しておきましょう。

「お体ご自愛ください」は二重表現なので注意

「ご自愛ください」とは「ご自分のお体を大切にしてください」という意味です。そのため「お体をご自愛ください」は、「頭痛が痛い」のように二重表現となります。

相手の体を気遣いたい時は「お体を」をつけずに、「ご自愛ください」とだけ言うようにしてください。

「自愛」と「慈愛」とでは意味が異なるので注意

「自愛」と「慈愛」は、同じ「じあい」と読む漢字ではあるものの、意味は大きく異なります。
「ご慈愛ください」とは「慈しむように愛してください」と言う意味で、相手を気遣う言葉ではありません。

相手に誤解を与えて困らせるおそれがあるため、「慈愛」とは書かないようにしましょう。

体調不良の相手に使うのはNG

「ご自愛ください」は健康状態が良好な人に使う言葉なので、体調が悪い人に使うのは控えましょう。「ご自愛ください」は「体調を崩さないようにお気をつけください」という意味を持つため、すでに体調不良の人に対して使うとプレッシャーを与えたり、嫌味に聞こえたりする可能性があります。

体調不良の人に対して体調を気遣う正しいフレーズは「1日も早い回復をお祈りしております」「お大事になさってください」が挙げられます。

「ご自愛ください」に似た言葉や言い換え表現5選

「ご自愛ください」に似た言葉や言い換え表現5選

ここからは「ご自愛ください」以外の相手をいたわる言い換え表現を5つ紹介します。それぞれの言い換え表現を使うのに適した場面も解説するため、言葉のバリエーションを増やしたい方はチェックしてみましょう。

お体にお気をつけください

「お体にお気をつけください」は相手の健康を願う意味を持ち、「ご自愛ください」を使う際と同じ場面で使用できます。プライベートやビジネスシーンでの使用や、目上の人に向けた使用も可能ですが、体調不良の人に使うのは避けるべき言葉です。

より丁寧でやわらかい表現にしたい時は、文章の先頭に「何卒」「どうぞ」「どうか」「くれぐれも」を付けたり、語尾に「ませ」をつけたりしましょう。

お大事になさってください

「お大事になさってください」は、相手の健康状態を心配する意味を持つ表現で、軽い体調不良の相手に対して使う言葉です。症状が重い相手に対しては「ご静養(せいよう)ください」「ご養生(ようじょう)ください」を使うのが無難と言えます。

また「お大事になさってください」は、ビジネスシーンや目上の人に対してはもちろん、日常生活でも使えます。

ご健康をお祈り申し上げます

「ご健康をお祈り申し上げます」は、相手の健康を祈る意味を持ち、健康な人に対して使う言葉です。「ご自愛ください」と比べてより健康を願う意味があり、同じニュアンスの「お体にお気をつけください」より堅い印象を与えます。

ビジネス・プライベートを問わず使える言葉ではあるものの、身近な人に対して用いるとやや距離感があると受け取られかねない表現です。身内の人の健康を気遣う際は、「ご自愛ください」「お体にお気をつけください」を使うようにしましょう。

お労(いたわ)りください

「お労(いたわ)りください」は、相手の体の回復を祈る言葉であり「しっかり休んで回復に専念してほしい」という意味を持ちます。また「いたわる」とは、大切に扱うという意味です。

「ご自愛ください」よりもさらに健康を気遣う意味合いが強く、健康な人や体調不良の人、ビジネスやプライベートなど、相手の体調やシーンを問わずに使えるのがポイントです。
加えて、退職する相手をねぎらったり、お悔やみの言葉を伝えたりする際にも用いられます。

お体をおいといください

「お体をおいといください」は、「お体をいたわってください」「お体を大切にしてください」という意味を持つ言葉で、「ご自愛ください」と同じ使い方ができます。ちなみに、「いとう」とは「大切にする」「いたわる」という意味です。

「お体にお気をつけください」とも同じ意図で使えますが、「おいといください」のほうがビジネスシーンや目上の人に対して使うのにより適しています。また気遣う言葉として「おいといください」を盛り込むことで、相手にボキャブラリーが豊富な印象を与えやすいのも特徴です。

ちなみに「ご自愛ください」にかぎらず、普段何気なく使う言葉のなかにはビジネスシーンに合わせて言い換えたほうがいい言葉もたくさんあります。

「ご自愛ください」のより丁寧な伝え方

「ご自愛ください」を目上の人に向けてさらに丁寧に伝えたい時は、以下の言葉を添えて肉付けするのがおすすめです。

ポイント
【「ご自愛ください」をさらに丁寧に伝えたい時におすすめの言葉】
何卒~
どうか~
どうぞ~
くれぐれも~
~ませ
~申し上げます

「ご自愛ください」も丁寧な表現でありますが、「何卒ご自愛ください」「ご自愛くださいますようお願い申し上げます」といった言葉を付け加えると、さらに丁寧な印象を与えられます。

参考
【「ご自愛ください」のより丁寧な伝え方の例文】
厳寒の折、くれぐれもご自愛ください。

暑さ厳しい折から、どうかご自愛のほどお祈り申し上げます。

「ご自愛ください」と言われた時の返し方

メールで「ご自愛ください」と言われた時は、気遣いに対する感謝の気持ちと、こちらからも相手の体を気遣う内容の言葉を伝えることがポイントです。

返信する際は「ご自愛ください」と相手の言葉をそのまま返すのではなく、以下のように違う表現に言い換えるとより自然にコミュニケーションが取れます。

参考
【「ご自愛ください」に対する返し方の例文】
お気遣いいただき誠にありがとうございます。○○さんも、どうかお体にお気をつけください。

お心遣いいただきましてありがとうございます。○○様も、どうかお体をお労りくださいませ。

ご配慮に感謝申し上げます。○○さんも、健康にはくれぐれも留意されますようお祈り申し上げます。

ビジネスシーンやプライベートにおいて、自分から「ご自愛ください」と言うだけではなく、相手から言われるケースもあります。「ご自愛ください」と言われた時を想定して、返し方を覚えておくことが重要です。

【番外編】英語で「ご自愛ください」は何と言う?

英語でビジネスメールを作成する機会がある方もいるでしょう。英語で「ご自愛ください」と同じように表現したい時は、以下の表現を用います。

参考
【「ご自愛ください」と同じような意味を持つ英語】
・Please take care of yourself.
・Please take care of your health.
・Please take good care of yourself.
・Take good care of yourself.

「Please take care」は「お大事に」という意味で、メールの結びで使用します。また、ある程度人間関係を築いている相手に対して使うのが基本です。

英語でやり取りをする際も相手の体をいたわる言葉を用いると、さらに良い関係を築けるきっかけにつながります。

「ご自愛ください」の正しい使い方を学んで良い人間関係を築こう

「ご自愛ください」は、相手をいたわる時や気遣う時の結びの言葉に適しています。

ビジネスメールや異動時のあいさつ、年賀状や暑中見舞い・残暑見舞いなどビジネスやプライベートを問わず使えるシーンが多く、目上の人に使っても問題ありません。

なお、「ご自愛ください」を使う時は以下の注意点を把握しておきましょう。

注意点
【「ご自愛ください」を使う際の注意点】
・二重表現になる「お体ご自愛ください」を使わない
・「慈愛」は「慈しむように愛してください」という意味なので「自愛」とは意味合いが異なる
・体調不良の相手には使わない

また、次のように「ご自愛ください」と似た言葉や言い換え表現もいくつか覚えておけば、表現のバリエーションが広がります。

ポイント
【「ご自愛ください」に似た言葉】
・お体にお気をつけください
・お大事になさってください
・ご健康をお祈り申し上げます
・お労(いたわ)りください
・お体をおいといください

「ご自愛ください」にかぎらず敬語を正しく使えるようになれば、相手に好印象を与えられるメリットがあります。この記事を参考にしながら、適切な使い方をマスターして、良い人間関係を築いていきましょう!

 

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