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中卒で不動産業界に転職するにはどんなスキルが必要?
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中卒で不動産業界に入るメリットやデメリットは何?
今回は不動産業界への転職をお考えの中卒者に向けて、転職を成功させるポイントについて解説していきます。
結論から言うと、中卒で不動産業界を目指すなら、営業職がおすすめです。そこで不動産営業について以下の内容を中心にご紹介していきます。
この記事でお伝えする内容
- 中卒が不動産営業を目指す際の狙い目となる求人の特徴
- 不動産営業の転職に役立つスキル
- 不動産営業になるメリット・デメリット
不動産営業の仕事内容や転職活動を行う際のポイントについても深堀しているので、不動産業界に転職するためのマニュアルとして、本記事をぜひお役立てください。
中卒で不動産業界の仕事を探すなら営業職がおすすめ!
中卒で不動産業界に入るなら「不動産営業」がおすすめです。
不動産業界といってもあらゆる職種がありますが、不動産営業は、自社が保有する戸建て住宅や分譲マンションの販売、住宅や店舗などの賃貸仲介、物件の売買仲介を行うのが主な仕事です。来店したお客さんに物件を紹介したり、SNSやテレアポなどで物件を売り込んだりして、さまざまな方法で営業活動を行います。
不動産営業は個人に売上目標が設定されるケースが多い実力主義の職種なので、学歴よりも実力が重視される傾向にあります。そのため、学歴不問の求人も多く、成果さえ出せれば中卒からでも不動産営業として活躍できるでしょう。
ただし、学歴不問といっても中卒で不動産営業を目指すのは狭き門です。中卒から不動産業界への転職を本気で考えるのであれば、転職のポイントや不動産営業に必要なスキルをしっかり押さえて転職活動を行うことが大切です。
中卒で不動産営業を目指すならどんな求人が狙い目?
中卒で不動産営業を目指すのであれば、中卒でも応募・活躍できる求人を見つけることが大切です。中卒で不動産営業の求人を探す際に着目すべき求人の特徴は、以下の3つです。
- 学歴不問の求人
- 社員の平均年齢が若く未経験歓迎の求人
- ルート営業の求人
それぞれの求人について、着目すべきポイントを詳しく見ていきましょう。
学歴不問の求人
学歴不問の求人は、学歴によって採用の合否を判断されるケースは少ないため、中卒者も採用されるチャンスがあります。
学歴不問の求人を出す企業は、採用の判断材料として人柄やポテンシャル、スキルなどを重視する傾向があるので、スキルや資質をしっかりアピールできれば採用される可能性が高まります。
また、学歴不問の求人を出す企業は、中卒者も含めて誰でも高みを狙えるチャンスが掴みやすい環境が整っていると言えます。
特に不動産営業の場合は、入社後も成果を出し続けて周囲から高く評価されれば、学歴に関係なくキャリアアップが目指しやすい傾向が強いので、「不動産営業×学歴不問」の求人は中卒者にとってかなり狙い目です。
社員の平均年齢が若く未経験も歓迎する企業の求人
社員の平均年齢が若く、未経験者も歓迎する企業の求人は、中卒者にとって狙い目です。
「20~30代の若手活躍中」「平均年齢28歳」といった文言が記載された求人を出している企業は、社員全体で20代や30代が多くの割合を占めているケースが多いです。
また、若手の活躍をアピールする企業は、若い人材に対して「働きながらいち早く知識やスキルを習得できる吸収力」に期待している傾向があり、未経験者も積極的に受け入れます。
研修制度を設けていたり先輩社員がフォローできる体制が整っていたり、未経験者が自信を持って営業が行えるように、人材育成に力を入れている企業が多いのも特徴です。
そして、そういった企業は若いうちからあらゆる仕事を任せてもらいやすい環境なので、仕事へのやりがいを感じやすいメリットもあります。
ルート営業の求人
ルート営業とは、主に既存の顧客に対して定期的にアプローチを行う営業スタイルです。すでに取引経験のある顧客のもとに訪問して、顧客の悩みや課題をヒアリングしたり、新規の土地や物件の購入について提案したりします。
ルート営業は、顧客と良好な関係を維持しながら売上に貢献できるかどうかが重要です。そのため、ルート営業を募集する企業の選考基準として、学歴より人柄を重視する傾向があります。
企業が求める人柄とマッチしていれば、中卒者も含めて活躍できるチャンスがあるのがルート営業の魅力です。さらに、飛び込み営業ほどの忍耐力を要する業務がほとんどないので、未経験からでもチャレンジしやすい営業スタイルと言えます。
中卒で不動産営業への就職やキャリアアップに役立つスキルや資格
中卒で不動産営業への転職を目指すことは可能ですが、転職活動を有利に進めるのであれば不動産営業に求められるスキルや資格を取得しておくと良いでしょう。中卒で不動産営業への就職やキャリアアップに役立つスキルや資格は、以下の3つです。
- 営業に関するスキル(ヒアリング力・行動力・提案力)
- 不動産関連の知識(宅地建物取引士の資格を取得する)
- 税金に関する知識
それぞれのスキル・資格について、詳しく見ていきましょう。
営業に関するスキル(ヒアリング力・行動力・提案力)
不動産営業には、ヒアリング力や行動力、提案力といったスキルが欠かせません。
顧客が抱える悩みや本音を聞き出すためには、ヒアリング力が重要です。住宅やマンションの購入・借用は決して安い買い物ではないので、顧客側は真剣に話を聞いてくれる営業マンを求めています。顧客の話にしっかり耳を傾けて、顧客に寄り添う姿勢を崩さないことで、安心と信頼の獲得につながります。
また、行動力も契約を勝ち取るうえで重要な要素です。不動産業界は競合他社が多数いるので、スピード感を持って仕事に取り組まなければ、新規顧客を獲得し損ねたり既存顧客の減少につながったりします。
ポスティングやテレアポをはじめとした顧客探し、顧客からの問い合わせ対応を迅速に行うなど、顧客を獲得するための行動力を身につけることが大切です。
そして、顧客にヒアリングしたあとは、要望に合った最適な提案を行う必要があります。せっかく悩みや本音を聞き出せたとしても、それらを解消できる提案ができなければ顧客からの信頼を得られず、契約を勝ち取れません。
提案力を身につけるためには、相手の立場を理解したうえで解決策を考え、相手が納得できるように分かりやすく説明することを意識しましょう。
不動産関連の知識(宅地建物取引士の資格を取得する)
不動産営業として働くうえで、不動産に関する知識は必要不可欠です。不動産の知識取得の証明となる資格と言えば「宅地建物取引士(宅建士)」です。
宅地建物取引士(宅建士)の資格を取得できれば、不動産の契約締結前に「重要事項説明」や「重要事項説明書・契約書への記名」を行うことができます。また、営業所につき5人に1人が宅地建物取引士の資格保有者の設置が義務づけられているため、宅地建物取引士の資格は不動産業界において市場価値が高いと言えます。
宅地建物取引士の資格を取得するためには、年に1回開催される宅地建物取引士資格試験に合格しなければなりません。受験資格に年齢や学歴は設けられていないので、中卒者も含めて誰でも受験可能です。
ただし、令和5年度の宅地建物取引士資格試験の合格率は17.2%と決して高い数字とは言えません。そのため、ある程度時間をかけて試験合格に向けた勉強を行う必要があります。
難易度がやや高めの資格ではあるものの、宅地建物取引士の資格を取得できれば、未経験でも就職やキャリアアップなどで有利に働く場合が多いので、ぜひチャレンジしてください。
税金に関する知識
不動産業界で働くなら、税金に関する知識も必要です。たとえば、顧客が不動産を取得した場合、不動産取得税や印紙税、登録免許税といった最初に数種類の税金の支払いが発生します。
さらに、不動産を所有する際は固定資産税や都市計画税など別途税金の支払いが発生するため、それぞれ想定される税金額をおおよそ理解しておかなければいけません。
他にも、賃貸住宅の経営や不動産の売却、不動産の贈与や相続など依頼内容によって支払い義務がある税金が異なります。顧客から安心と信頼を得るためには、不動産に関する税金の基本知識を身につけたうえで、日々変化していく税金のルールを把握しておくことが重要です。
ただし、物件規模や収入などによって税金の条件や支払い金額が異なるケースも多く、中途半端な知識でアドバイスをしてしまうと、顧客側が損をしてクレームを受けるリスクがあります。そのため、税金に関する具体的な相談を受けた場合は、税理士をはじめとした税金のプロへの相談を提案するようにしましょう。
中卒で不動産営業になるメリット・デメリット
中卒で不動産営業になるメリット・デメリットは、それぞれ以下の3つが挙げられます。
メリット | デメリット |
成果が収入に反映されやすい | ノルマを設ける企業もある |
結果さえ出せば学歴に関係なく出世できる | 土日祝日休みが取りづらい |
営業スキルは多くの業界で役立つ | 契約が取れないと収入が安定しづらい |
不動産営業への転職を検討している方は、これから詳しく解説するメリット・デメリットを理解したうえで決断するようにしてください。
中卒で不動産営業になるメリットは3つ
中卒で不動産営業になるメリットは、以下の3つです。
- 成果が収入に反映されやすい
- 結果さえ出せば学歴に関係なく出世できる
- 営業スキルは多くの業界で役立つ
不動産営業は実力主義が基本で、個人の成果に応じた報酬が支給されるインセンティブ制度(歩合制度)を設けている企業が多いのが特徴です。成果が収入に反映されやすいため、頑張り次第で収入アップを目指せます。不動産営業のインセンティブは高めに設定されている傾向にあり、成果次第で年収1,000万円も夢ではありません。
また、実力主義ゆえに、結果さえ出せれば社内で高く評価してもらえるので、早期昇格のチャンスがあるのも魅力です。学歴や経歴に左右されず、能力や実力次第で上を目指せる環境であることから、中卒者も含めて高いモチベーションで働けるでしょう。
万が一不動産営業から転職する結果になったとしても、そこで習得した営業スキルは多くの業界で役立ちます。「ヒアリング力」「行動力」「提案力」といった営業スキルは、あらゆる業界や職種で活躍するうえで必要なスキルばかりです。そのため、異業種も含めて今後のキャリアに活かしやすい点も不動産営業で働くメリットと言えます。
中卒で不動産営業になるデメリットは3つ
中卒で不動産営業になるデメリットは、以下の3つです。
- ノルマを設ける企業もある
- 土日祝日休みが取りづらい
- 契約が取れないと収入が安定しづらい
不動産営業の場合、インセンティブ制度を設ける企業のほとんどは個人に売上目標のノルマを課すので、ノルマを達成しなければならないというプレッシャーと日々闘わなくてはならないデメリットがあります。
高額商品ばかりを取り扱うだけに契約を勝ち取るのは容易ではなく、ノルマ達成の難易度も高いです。そのため、さまざまな業界の営業職の中でも、不動産営業は高度な営業スキルが求められる分類に入ります。
また、個人向けの不動産営業の場合、顧客のスケジュールに合わせて営業を行うので、土日祝日に勤務して平日に休みを取るのが一般的です。土日祝日休みの家族や友人と予定を合わせづらく、プライベート面で融通が利きにくいのもデメリットと言えます。
さらに、不動産営業は実力重視の企業が多いことから努力次第で収入アップやキャリアアップが目指しやすいメリットがある一方で、契約を取り続けなければインセンティブによる収入が得られないので安定した収入を得るのが難しい点にも注意が必要です。
不動産営業以外で転職を検討するならナイト系がおすすめ
中卒者が不動産営業で働くことは可能ですが、キャリアアップや収入アップを目指すには専門的な資格やスキル習得が必要で、売上ノルマを設ける企業も存在します。
また、ワークライフバランスを保ちづらく、成果を出し続けない限り収入が安定しないといったデメリットもあることから、不動産営業を目指すべきか悩んでいる方もいるかもしれません。
「学歴不問で働ける仕事に就きたい」「高収入を得たい」という理由で転職先をお探しなら、ナイト系への転職がおすすめです。
ナイト系は、基本的に18歳以上(高校生不可)であれば応募可能で、学歴・資格不問の求人が多いのが特徴です。学歴や経歴より実力を重視する業界なので、成果さえ出せればスピード昇給・昇格がしやすく、管理職や経営者へのキャリアアップができれば、年収1,000万円を稼げるケースも珍しくありません。
さらに、売上ノルマが設定されていなかったり、週休制の採用や大型連休の取得といったワークライフバランスが整った働き方ができる企業も存在します。
転職先の選択肢を増やすのであれば、ぜひナイト系も視野に入れてみてください。
中卒で不動産営業で働くためのおさらい
最後に、中卒で不動産営業になるためのポイントをまとめたので、おさらいしておきましょう。
- ポイント
- 【中卒で不動産営業を目指せる求人の特徴】
・学歴不問の求人
・社員の平均年齢が若く未経験も歓迎する企業の求人
・ルート営業の求人
【不動産営業を目指す際に役立つスキル・資格】
・営業に関するスキル(ヒアリング力・行動力・提案力)
・不動産関連の知識(宅地建物取引士の資格取得)
・税金に関する知識
【不動産営業になるメリット】
・成果が収入に反映されやすい
・結果さえ出せば学歴に関係なく出世できる
・営業スキルは多くの業界で役立つ
中卒者が不動産営業を目指すのは大変な道のりではあるものの、学歴不問・未経験歓迎の求人も多くチャレンジすることは可能です。さらには、インセンティブ制度を設ける企業であれば、自分の力量次第で年収1,000万円も狙えるメリットもあります。
本記事でご紹介したポイントを参考に、自分に不動産営業が向いているかどうかを今一度考えてみてください。そのうえで不動産営業を目指したいと思った方は、今日からさっそく準備を進めていきましょう!