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大学に行きたくないけどそれっておかしいこと?
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大学に行きたくないわけではないけど行くためのお金がない
「大学に進学したほうがいい」と言われることは多いものの、行きたくなかったりいけない事情を持つ高校生もいるでしょう。
大学に行く必要性やメリットを聞く機会はあっても、行かない場合の選択肢や行かなかった人のその後の状況などはあまり聞く機会は少ないように思います。
そこで、大学に行きたくない高校生に向けて、ここでは大学に行かない場合の選択肢や大学に行かなかった社会人の実体験を詳しくご紹介したいと思います。
今後の進路を検討するうえでお役立てください。
大学に行きたくないなら無理に進学をする必要はない
大学に行きたくない高校生にまずお伝えしておきたいのは、大学に行きたくない場合、無理に進学をする必要はないということです。
文部科学省2021年データによると、大学進学率の全国平均は約54%、最高の地域で67.8%、最低の地域で40.8%と、進学していない人の割合は決して少なくありません。
その背景に大学以外の選択肢は様々あることが挙げられます。
もちろん大卒以上が条件の求人や資格は存在することから、大学進学は将来の選択肢の幅を広げるうえでは重要な要素といえます。
しかし「大学に行っておいたほうがいいだろう」と安易な気持ちで進学した場合に後悔することもあります。
ここからは本当に大学に行くべきか慎重に考えるべき理由を解説していきたいと思います。
文部科学省 令和3年度学校基本調査「高等学校 卒業後の状況調査より」(参照 2024-05-02)
大学に行くことがゴールではない
いざ大学に進学したとしてそこがゴールではありません。
大学中退者の理由として2番目に多いのが「学生生活に適応できなかったり学習意欲が低下してしまったこと」になり、人によっては大学受験で燃え尽きてしまうケースもあるようです。
大学生活は4年間続き、勉強面だけでも授業やゼミ、レポート、卒論とやることはたくさんあります。大学=遊ぶ、自由といったイメージを持つ人も多いですが、出席日数や単位をしっかり管理できていなければ最悪の場合は留年も。
大学に行きたくないのに無理して受験して進学したとしてもそこで終わりではありません。
そこから4年もの生活が続くこと、勉強は切っても切り離せないことを認識しておく必要があります。
文部科学省「令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」(参照 2024-05-02)
大学進学には高い学費を要する
大学4年間の学費は決して安くありません。
国立大学で約262万6,400円、公立大学で約269万7,200円、私立大学で約526万7,200円と、特に私立大学は高めです。
そのため大学に行くために奨学金を受給している割合は49.6%(※昼間部)に及び、約2人に1人が奨学金をもらっている実情です。奨学金のほとんどは貸与型になり、利子がついているため返済に時間を要したり、滞納してしまうとその分、返済額は増え続けていきます。
なかには奨学金の返済が行えず破産したケースもあり、朝日学生新聞社によると2004年までの5年間で延べ1万5千人もの破産者が出ているのだとか。
情報は少し昔のものですが、今は当時よりも経済的に良いとは言えないうえ、私立大学の授業料は上がってしまっているので、大学に行きたくない高校生はこのことも念頭に置いて検討してみましょう。
文部科学省「【資料5-2】教育投資参考資料集」(参照 2024-05-02)
日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査」(参照 2024-05-02)
nippon.com「のしかかる奨学金返済(下):頻繁に督促し回収強化、「金融機関」化した学生支援機構」(参照 2024-05-02)
就職する場合、4年早く経験を積めて稼げるメリットもある
高卒で就職するということは大卒より4年早く働きに出られるということです。
つまり高卒は大卒よりも4年多くお金を稼げます。
実際に大学に行きたくない高校生の中には早く社会に出て早く稼ぎたいという理由を持つ人も少なくありません。
ファイナンシャルフィールドによると、高卒が得た賃金に大卒が得た賃金に追いつくのは37歳の8か月目という結果も出ており、先述のとおり2人に1人が奨学金を受け取っていることを踏まえると、奨学金返済のある大卒と比べればさらに差は開きます。
後述しますが、現在は高卒の採用需要も高まっているため、しっかり経験を積んでスキルアップしていくことで、昇進昇格により差を広げることも可能です。
ファイナンシャルフィールド「大卒社会人ですが、高卒の同期の方が稼いでいる気がします。いつになったら追いつけるでしょうか?」(参照 2024-05-02)
高卒でも活躍している人はいる
高卒でも高収入を稼いでいたり起業に成功し活躍している人はたくさんいます。
高卒の社長割合も全体の3割ほど(内訳:中卒、高卒、短期大学卒、大学卒、大学院卒、留学)となり、なかでもITビジネスを手がけている会社が多い実情です。
詳しくは以下記事でまとめているので必見です。
ちなみに大学中退の理由として3番目に多いのは「就職や起業」になります。
大学に通いながら別にやりたいことが見つかって就職活動や企業経営のため中退するケースも少なくありません。
ただし大卒に引けを取らずに活躍するには業界選びが重要です。
高卒や学歴に関係なく、実力ややる気次第で稼げる業界については次項で解説しているのであわせてご参照ください。
文部科学省「令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」(参照 2024-05-02)
高卒でも稼げる業界はある
近年は若手の人材不足により、高卒の採用需要が高まってきていて、さまざまな業界が高卒採用に力を入れていることをご存知でしょうか?
厚生労働省の調べによると、2023年3月に過去35年間で最も高い求人倍率となり、2023年7月末の時点で高校新卒者の求人数は44万4,187人(前年同期比10.7%増)となっています。
その背景に、高卒人材のイメージが向上したことや、若手人材の層を厚くすること、長期の戦力化といった理由があるようです。
なお、前述したIT業界をはじめ、実績を重視していて、学歴問わず活躍できる業界は多数あります。
おすすめ業界
- IT業界
- ホテル業界
- ナイト業界
- 不動産業界
- 介護業界
- 運送業界
- 建築業界
高卒だから大卒と比べて稼げないとは限りません。
詳しくは以下記事で具体的な職業を挙げ解説しているのでそちらもご参照ください。
厚生労働省「令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)」(参照 2024-05-02)
大学進学以外の選択肢はたくさんある
ここまで大学に行きたくない高校生に向けて、「大学進学はマストではないこと」「もし進学するにしても慎重に検討する必要」ということを解説してきました。
将来を検討するにあたっては選択肢が多いに越したことはありません。
ここからは大学進学以外の選択肢と、何を目指していいかわからない人向けのアドバイスをお伝えしていきたいと思います。
自分の得意・不得意や関心、目指したいものを照らし合わせてみて検討の材料にしてみてくださいね。
費用 | 収入 | 難易度 | 安定性 | |
大学 | × | 〇~◎ | 〇 | ◎ |
専門学校 | △ | 〇~◎ | 〇 | 〇~◎ |
海外留学 | × | ×~〇 | △ | △ |
公務員 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ |
起業・フリーランス | △ | ×~◎ | × | × |
就職 | ◎ | △~〇 | 〇 | △~〇 |
専門学校に進学し就職に役立つスキルを磨く
厚労省の調べによると、大学進学理由で一番多かったのは「大学で学問に取り組めば専門性を高めることができる」となり、就職を視野に入れた学びの場として進学したいと考える人は多いことが分かります。
しかし専門性を高めるのみで言えば大学である必要はなく、専門大学に通うほうが名前の通りより専門性を高めることができます。
将来「福祉系に携わりたい」「美容師になりたい」「プログラマーになりたい」といった具体的な展望がある場合、専門学校がおすすめです。
というのも専門学校の場合、大学では学べないような実践的なスキルや専門知識を身に着けることができるうえ、専門分野の業界とつながりの強い学校も多いため、大学にはない求人があったり就職面でも強いためです。
2年制の場合がほとんどのため学費も大学に行くより浮きやすいメリットも。
ただし進みたい道が全く違う方向に変わった場合は、総合的なことが学べる大学に比べると、軌道修正しづらい点で注意が必要です。
厚生労働省「第1章 日本の大学・大学生の理解 」(参照 2024-05-02)
文部科学省「令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」(参照 2024-05-02)
海外留学やワーキングホリデーで語学力を磨く
語学や海外の文化に興味がある場合、海外留学やワーキングホリデーを通して語学力を磨くのもひとつの手です。
経済のグローバル化が進むなかで、英語力は高い価値があります。
NIKKEIリスキリングの統計によると、TOIECのスコアの高さに応じて平均年収も増加していて、特に700点以上から開きが大きくなっていく傾向にあります。
最もスコアの低い「499点以下」では平均年収は688万円と日本人の平均年収を上回っています。
日本企業より外資系企業の方が年収も高いため、高収入を稼ぎたい場合、語学力を磨き、外資系を目指すのも手です。ただし外資系は実力を重視するため、成果が出せないとクビといったハイリスク・ハイリターンな企業もあるため、企業選びは注意が必要です。
NIKKEIリスキリング「TOEICスコア別平均年収ランキング 700点台から格差広がる」(参照 2024-05-02)
安定傾向にある公務員を目指す
前項では語学力を磨いた就職先のひとつとして外資系の選択肢があることやデメリットとしてハイリスク・ハイリターンな企業も存在することを解説しました。
もし安定を取りたい場合、公務員を目指すこともひとつの手です。
公務員は民間企業と異なり倒産の心配もなく、就職後は安定して収入が得られます。
さらに、多くの公務員の仕事内容は学歴に左右されないため、大卒よりいち早く仕事を覚え活躍することできます。
また、公務員試験に合格する必要があるものの、大卒と高卒で出題内容は異なります。
大卒は「大卒程度」の内容になり一般教養に加え専門的な問題も出題されますが、高卒は「高卒程度」の内容になり一般教養が出題されるため、大卒に比べると難易度が低めです。
高収入を目指して起業やフリーランスになる
高収入を目指したり、自分で道を切り開いていきたい人は起業やフリーランスになる選択肢もあります。
先述の通り、大学中退の理由で3番目に多いのは起業です。
起業やフリーランスの場合、自分で事業の方向性を決められたり、利益を出した場合にはそのまま自分に返ってくるため、一般企業で働くより高収入を目指しやすいメリットがあります。また、定年もないため働きたいだけ働けたり、休みや仕事時間も自分でコントロールできるため、自分のペースで働きたい人にもおすすめです。
一方で、起業もフリーランスも決裁権が自分にある分、利益が出せなければ倒産や収入がゼロとなるリスクもあります。
税金対策や経営にかかわる手続きも自分で処理していく必要もあるので、日々の仕事のための勉強や研究はもちろん、経営に関する知識もしっかり持ち、更新し続けていく必要があります。
実力次第で稼げる学歴不問の業界に就職する
勉強より早く働きに出たい、だけど起業やフリーランスは荷が重すぎる、という人には学歴不問の業界に就職することをおすすめします。
学歴不問で求人を出している理由は以下の5つが挙げられます。
- 仕事内容が特別な知識や学力を要さない
- 教育・サポート体制が整っている
- 採用の幅を広げたい
- 学歴より人柄やポテンシャルを重視したい
- 若手人材を欲している
このような理由から、学歴に左右されず就職でき就職後活躍できるような環境が期待できます。また、「学歴不問の求人はブラックなのではないか?」と不安視する声もありますが、先述の通り、ここ最近は高卒の採用需要が過去最高まで高まっていて、教育・サポート体制の整っている求人も少なくありません。
早く働きに出たい人は、学歴不問の求人に就職するのもひとつの選択肢としてありだと言えます。
なお、学歴不問でも活躍できる業界は本記事の「高卒でも稼げる業界はある」で先述しているほか、下記記事で詳しい解説を行っているのでご参照ください。
【番外編】何を目指していいかわからない場合は?
ここまで様々な選択肢をご紹介してきました。
しかし何を目指していいのか、自分の適性ややりたいことが分からないという人もいるかと思います。
その場合は自己分析を行うことをおすすめします。
自己分析は自分の長所・短所や、得意・不得意、価値観など様々な特徴を客観的に分析する手段になります。分析を通して自分の強みややりたいことが可視化され、それによってどのような分野でやりがいを感じることができ、どういった進路が向いているのか見出すことができます。
自己分析方法も様々あり、おすすめは自己分析ツールやフレームワークを活用することです。
自己分析ツールとは?
質問に回答するだけで手軽に自己分析が行えます。簡易的な分析から、AIを導入していたり、面接時の自己PRまで考えてくれる就職に役立つ本格的なツールまで様々あります。
ただし転職や就職サイトで提供されるものが主流のため、会員登録が必要だったり、なかには有料の場合もあります。
適職・適性診断 |
進路が決まらない高校生向けのツール。 |
ポテンシャル発掘診断 |
自分のポテンシャルや性格を診断できるツール。 |
フレームワークとは?
用意された枠組みにそれぞれ必要情報を入れて分析する方法になります。
情報整理や分析するうえで最適な形に落とし込まれているため、必要情報を記入すれば個人の感情に左右されたり検討テーマにブレや漏れが発生することなく、論理的に分析することができます。
自己分析ツールより本格的な自己分析が行える一方、手間はかかってしまいます。
▼おすすめのフレームワーク
「自分史」がおすすめです。その名の通り自分のこれまでの人生を振り返ることで、自分の価値観を明確化し自己理解が深められる手法です。
図のように表形式になっていて、縦軸が「楽しかったこと」などのテーマ、横軸が「幼少期」といった時系列になっています。
印象的だった出来事を思うままに書いていくことで、自分の強み・弱みや、日頃から自分が何に重きを置いているか、今まで何で失敗しがちなのか見えてくるため、進路をはじめとした人生の分岐点での選択時に向いている自己分析方法です。
ツールやフレームワークを活用して、自分を客観的に分析してみると見えなかった選択肢や選ぶべき道が見えてくることもあるので、ぜひご活用ください。
【経験談】大学に行かなかった高卒社会人の理由をご紹介
ここからは大学に行かなかった人の理由と経験談をご紹介していきたいと思います。
いずれも高卒でナイト業界に入り活躍中の人たちです。
ナイト業界とは?
- 学歴や経歴不問で就職できる
- 異業種から未経験でスタートする人も多いため安心
- 給与が高めに設定されていて1000万を目指せる求人も!
- 昇給・昇格がスピーディで頑張り次第で高収入を目指せる
- 寮つきの求人もあるため住み込みで働きたい人にもおすすめ
※ただし応募は18歳以上かつ高校生は不可となります
詳しい体験談はメンズバニラでインタビューページに掲載しているのでそちらをご参照ください。これまでの学生時代や経歴、なぜナイト業界を選んだのか、現在の年収など詳しく知ることができます。
大学に進学する経済的な余裕がなかった
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物心ついた頃には、両親は離婚していて、母は生活費のために夜遅くまで仕事に出ていることが多く。塾には通わず、上位の成績をキープしていたものの、大学に進学するには奨学金をフルでもらうしかない。そう考えるとすくに働いたほうがいいなと思い、進学を断念し就職することにしました。
ナイト業界・店舗スタッフ(29歳)
勤続年数1年3ヶ月、年収530万円以上
最も多いと言われているのは経済的な理由です。
奨学金をもらって進学する選択肢もありますが、誰もがもらえるものではなく条件を満たす必要があったり、受けられても返済の必要な場合もあります。この方のように家の経済状況をみて断念したり、家計支援や兄弟のために就職するケースも少なくありません。
早く社会へ出たかった
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プロ野球選手にあこがれて野球をやっていましたが、上には上がいて…実力の差を見せつけられてしまい、心がぽっきりと折れてしまいまして。高校卒業後は早く社会に出て稼ぎたいと思うようになり、大学には進学せず就職することに決めました。
ナイト業界・店舗スタッフ(26歳)
勤続年数6ヶ月、年収420万円以上
なかにはこういった早く社会に出て稼ぎたいといった理由で進学する人もいます。
アルバイトをしてみたら働くことが楽しかったという人や、事情があって早く経済的に自立する必要があったという人、やりたいことが仕事にあり修行のため早々就職したケースもみられます。
両親や周囲の期待と自身の希望が合わなかった
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子どもの頃からのジョッキーが密かな夢で、高校に入ってからはアルバイトして貯めたお金で乗馬スクールに通っていました。ただ両親は反対していて、「ちゃんと勉強してIT企業に入れ」と。でもやっぱりジョッキーへの思いは真剣だったので、高校生3年間で乗馬の全国大会も出て、卒業後は入学費用を免除で競馬学校に入学しました。
ナイト業界・店舗スタッフ(29歳)
勤続年数0年6ヶ月、年収400万円以上
この方の場合は、両親が大手IT企業に勤めていたため同じようにIT業界に歩むことを期待されていたようです。しかし夢はジョッキーだったので馬関係の学校へと進学しています。またその他にも、行きたい大学はあるものの、両親が望むレベルが高かった、分野が違ったといったギャップから悩んで挫折してしまったといったケースもあるようです。
勉強がしたくなかった
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勉強が嫌で早く就職したいと思っていました。なので通信制の高校へ入学してからは、アルバイトばっかりしていました。そのせいで進級はギリギリだったほど。かなり働いて稼いでいたので、学費は自分で払ってましたし、バイクの免許を取ったり一人暮らしもしたり、すでに自立して生活をしていました。高校卒業後は、飲食店で働きだしました。
ナイト業界・店舗スタッフ(26歳)
勤続年数6ヶ月、年収350万円以上
そもそも勉強が嫌いで行かなかったケースや、大学に高い学費を払ってまで勉強したいことがないといった理由から進学しなかったケースもあります。この方の場合は、勉強がしたくなくそもそも中卒で就職することも視野に入れていたようです。しかしよい就職先がなかったようで、高校進学後、ほぼアルバイト漬けの日々を送ったのち卒業後、就職を果たしています。
また先述の通り、大学中退の理由の2番目に「学習意欲の低下」が入っているように、大学に入ったとしても勉強が続けられないケースも見られます。
【経験談】大学に進学せず活躍している社会人の成功事例
次に大学に進学せず現在活躍中の高卒者の経験談もみていきたいと思います。
こちらもメンズバニラ掲載のインタビューをもとにまとめた事例になり、どういった経験を経て、稼げるようになったのかまとめているので必見です!
上京したくて就職。年収900万円超えを果たし、現在は経営の勉強中!
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テレビ業界で2年間、激務の中、頑張り続けていたのですが、大好きだった担当番組が終了してしまい燃え尽きてしまいまして。洋服が大好きだったので次はアパレル業界を、と思っていたのですが、気になる求人はなく。そこでいったん、手っ取り早く稼げそうなアルバイトを探すことにして足を踏み入れたのはナイト業界でした。
いざ働いてみたら仕事は順調なうえ、給料も良くて。気づけば働き始めて半年後には正社員、そこからは役職にもつき…社内TOPを目指すか、独立するかのところまでいっていました。そこで独立を選び、今は大手グループから個人店に移動し、経営について勉強中です。
ナイト業界・店長/幹部候補
勤続年数2年、年収900万円以上
奨学金で進学するより就職して稼ぎたい!勤続1年で年収530万超え!
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経済的に余裕のある家庭ではなかったので奨学金で進学するのは断念し、なかでも給与の高かった自衛隊へと入隊しました。ただしんどくて辞めたいと思いながらも、実家に仕送りができるし、試験には合格して昇格できていたので、なんだかんだで10年間も続けていました。
とはいえやっぱり我慢の限界がきてしまい、転職することに。転職先では自衛隊のような上下関係がなくて稼げる業界がいいと思い、ナイト業界を選びました。自衛隊とは全く異なる仕事で慣れないこともありましたが、先輩が親切で根気よくアドバイスしてくれて。
今は主任になり、目標はお店の売り上げをグループトップにすること、ゆくゆくは店長、幹部を目指していきたいです。
ナイト業界・店舗スタッフ(29歳)
勤続年数1年3ヶ月、年収530万円以上
受験勉強をしたくない。高卒でトーク力を活かして年収680万円超え!
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高校卒業後、駅ちかなことを理由にパチンコ屋でアルバイトをしていましたが、やる気が出なくて辞めてしまって。スロット生活で貯めたお金で運転免許を取ったりしていましたが、生活が厳しくなってきて再びアルバイトをすることに。
その後も転職を繰り返し、ナイト業界のスタッフに行きつきました。トーク力が活きて入社4カ月で店長になり、そこからなんだかんだ辞めることなく続いていて、今では北関東に新規出店する店舗も担当することに。今はグループを大きくしていきたいという思いで頑張っています。
ナイト業界・店長/幹部候補(28歳)
勤続年数3年2ヶ月、年収680万円以上
大学に行きたくない高校生が後悔しないためにやるべきこと
ここまで大学に無理して進学する必要がない理由や、行かない場合の進路、大学に行かなかった人の実体験など、検討するうえでの判断材料を紹介してきました。
とはいえ、これらの情報だけで大学に進学するか否か、最終的な決断を下すのは難しいと思います。そこで、どういった進路を歩むのか、決断を下す前にやっておくべきことをご紹介したいと思います。
進路の選択肢を多く持ち、情報収集を行う
先述の通り進路の選択肢は多いに越したことはありません。
「大学に行かないといけない」「大学に行きたくないから就職する」と思い込んで選択すると後悔や失敗につながりかねないので、選択肢をできるだけ多く持ち、それぞれの道の情報取集をしっかり行うようにしましょう。
特に良い面だけでなく注意点やデメリットについても把握しておくことは重要です。大学進学の場合のデメリットとして費用面を挙げたように、どの進路にもデメリットは存在します。
自分の強みや弱み、やりたいこと、適性とそろえてみた時に、どの道がよりやりたいことを実現できるのか、自分の強みを活かせるのかといったも見えてきます。自己分析方法については本記事の「【番外編】何を目指していいかわからない場合は?」で解説しているのでご参照ください。
5年後10年後どうなっていたいか、長期的な視野を持つこと
将来を左右する選択肢なので、今だけでなく5年後、10年後の未来にも目を向ける必要があります。
今やりたいことに対して将来的にどうなりたいのかも考えてみましょう。
例えば高校卒業後、海外留学を検討している場合、留学する目的や期間、費用といった留学するにあたっての計画はもちろん、その先のことにも目を向ける必要があります。具体的には、帰国後どういったキャリアを重ねていきたいのか、最低限どの程度は年収を稼ぎたいのか、もし留学の目的が「語学力を活かした就職」の場合、どの程度の語学力が必要なのか…などです。
このように将来も見越して検討していくと、希望就職先や年収にどれだけ語学力を磨くべきかも変わってきますし、場合によっては大学に進学したうえで留学する選択肢も出てきます。
キャリアを考えるワークフレーム
両親や先生など信頼できる人に相談する
まずは両親や先生など身近な信頼できる人に相談をしてみましょう。
これは進路に悩んでいるときだけでなく、答えが決まっていても相談することは重要です。
信頼できる人に相談することで客観的な意見や、自分にはなかった視点からアドバイスを得られ、新たな選択肢が見えてくる場合があります。どうしても1人の視点では思い浮かばない考えや知識もあるので、相談することをおすすめします。
とはいえ、そもそもどう伝えればいいのか分からなかったり、言ったら怒られそうと考える人もいるでしょう。
大学に行きたくないとだけ伝えても理解を得るのは難しいので、まずは前述した「選択肢を多く持ち、情報収集すること」「選択肢に対する将来設計」を実行し、なぜ行きたくないのか、行く行かない場合の選択肢のメリットデメリットを挙げ、行かない代わりにどういったプランを検討しているのか、相談してみましょう。
単純に行きたくないという感情を訴えているのではなく、しっかり将来を見越して進路の情報収集を行ったうえで相談していることが相手に伝われば、真剣に聞いてもらえる可能性が高まります。
これにより理解を得られればできる限りの支援をしようとしてくれるはずです。
ただし、進路によっては準備期間が必要なものもあるため、相談は早いに越したことはありません。最終決定まで期間に余裕があればある分、得られるアドバイスや支援の幅も広がるので、悩んでいる場合は早めに準備をし、信頼できる人に相談してみましょう。
【就職する場合】「自己開拓」型での就職活動も視野に入れる
高校生が就職活動を行う時、多くの場合は学校から推薦を受ける「学校斡旋」で進めるのが主流です。
- 「学校斡旋」とは?
- 学校の推薦を受けて企業に応募する就職方法になり、一人につき応募できる企業が一社に制限されます。
学業に専念しつつ就職活動でき、学校推薦のため内定が出やすいメリットがある一方で、学校成績に応じて就職先を推薦されるため就職先の選択肢が狭まること、スケジュールがタイトなこと、直近の離職率の高さなどから見直しが検討されています。
リクルートワークス研究所によると、高卒者の早期離職率は高く、半年以内は10.7%、1年以内は17.2%、さらに3年以内となると40%まで大幅に上がります。さらに4人に1人が最初の就職先を「0点」と評価しているという調査結果が出ています。
こういったミスマッチの原因に、1人につき1社しか同時に受けられない「一人一社体制」が挙げられ、半数以上が1社のみ調べて受けて内定していることが分かっています。
「学校斡旋」で進める場合、地域によって異なる場合はありますが、基本的に一人一社制となってしまうので、学校を介さず就職活動を行う「自己開拓」という方法で進めるのも手です。自己開拓であれば1人1社制に縛られず就活可能です。
直近では高校生の就職を支援するサービスもあるほか、厚労省が高校生向けに企業合同説明会を開催していたりするので、こういったサービスを活用して、就職の幅を広げてみることもおすすめします。
リクルートワークス研究所「高校生の就職とキャリア」(参照 2024-05-02)
大学に行きたくない高校生に最後にアドバイス
大学に行きたくないという考えはおかしいことではありません。
大学への進学以外にも選択肢は様々あります。
大学に進学するにも進学以外の選択をするにもしっかり検討を重ね、相談できる相手と話しあい、できることをやり切ったうえで最終決定を行いましょう。
おさらいすると、検討するうえでおさえるべきポイントは4つになります。
- 視野を広げたくさんの選択肢を持つこと
- それぞれの進路の情報収集を入念に行うこと
- 将来を見据えた長期的な視野を持つこと
- 親や先生など頼れる相手に相談をすること
最後に進路は人生を左右する重要な分岐点で、最終的に重要な決断を出すのはあなたです。
この記事を通して、大学に行きたくないという悩みの解消や進路を決める手助けとなれれば幸いです。