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バイトに受からないのは中卒なのが原因?
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中卒がバイトの面接に受かるにはどうしたらいい?
学歴社会の風潮が根強い日本では、バイトが受かりにくい原因として「中卒だから」という理由が挙げられることもあります。
しかし、近年は学歴よりも人柄やポテンシャルを重視する企業も増えているため、中卒者が就職できる会社は徐々に増えてきています。
では、なぜ中卒者がバイトに受からないケースがあるのでしょうか。
本記事では、中卒者がバイトに受からない原因や採用されるためのコツ、おすすめのバイト先などを解説します。
バイトをお探し中の中卒の方は、ぜひ参考にしてみてください。
中卒の求人倍率は0.82倍!バイトでも就職は簡単ではない

はじめに、中卒の就職難易度について見ていきましょう。
以下の表は、学校やハローワークからの職業紹介を希望した生徒の人数と実際の求人数をもとに、「高卒者と比較した中卒者の求職状況」を表したものです。
ちなみに、厚生労働省によると、原則として週20時間以上働く仕事に就く場合は、たとえそれがアルバイトであっても「就職」と定義されます。この表においても、アルバイト・正社員の区別はないものとします。
中学新卒者 | 高校新卒者 | |
---|---|---|
求人数 | 618件 | 約46万5,000件 |
求職者数 | 751人 | 約12万6,000人 |
求人倍率 | 0.82倍 | 3.70倍 |
参考:厚生労働省「令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ」(参照 2025-03-12)
中卒者は求人数も求人倍率も高卒者に比べ圧倒的に少ない結果となっています。
- 求人倍率とは
- 求職者(仕事を探している人)1人あたり何件の求人があるかを示します。
求人倍率が1を上回れば「売り手市場」で労働者側にとって有利となり、1を下回ると「買い手市場」で企業側にとって有利となります。
このことから分かるように、学歴よりも人柄やポテンシャルを重視する企業が増えてきたとはいえ、就職の選択肢が限られるうえ、難易度が高いというのが中卒者の実情です。
中卒がバイトに受からない原因6選

中卒者がバイトに受からない場合に考えられる原因はいくつか考えられます。
ここでは、中卒がバイトに受からない原因について、「企業側」と「中卒者側」の視点からそれぞれ3つずつ解説します。
【企業側の原因①】学歴を採用の基準にしている
企業側の原因として、一定の学歴を採用の基準にしていることが考えられます。
現在の法律では、応募者の年齢や性別の制限を設けることは認められていませんが、「大卒以上」「高卒以上」などの学歴の制限はかけられます。そのため一定以上の学歴を採用の基準にする企業も少なくありません。
学歴で制限をかける企業は、応募者数が多かったり、業務内容が一定水準の学歴を要する場合が多いです。
また、求人上では応募条件に学歴の制限はなくても、企業内での採用基準として「高卒以上」の学歴を求めている場合もあるのが実情です
【企業側の原因②】中卒者の採用実績がない
中卒者の採用実績がないことを理由に、中卒者の採用を控える企業もあります。
企業はこれまでの採用基準を踏襲する傾向があり、「雇ったことがないから」という理由で中卒者を採用しないケースもあります。また、「どの程度業務を任せられるか」「問題が起きないか」といった不安から慎重になることもあります。
学歴だけで業務適性を判断することはできません。
とはいえ、企業側にはアルバイトを雇ったら一定の教育を行う必要があります。
中卒者の採用経験がない場合、比較対象がないことから「高卒者より教育が大変そう」と、採用を控えてしまうこともあるのです。
【企業側の原因③】中卒である事情に理解を示さない
企業側の原因として、中卒である事情への理解不足が挙げられます。
中卒者には経済的理由や家庭の事情などさまざまな背景があるものの、そうした事情を考慮せず「自発的な学習意欲が低い」「仕事を長く続けられない」と決めつける企業も少なくありません。
また、一人ひとりのその背景を確認する余裕がなく、学歴を基準に一律で選考するケースもあります。
企業側は限られた期限の中でそれぞれの応募者を公平に評価する必要があるため、応募者数が多ければ多いほど、応募者一人ひとりの事情を考慮するのが難しく、学歴を理由に採用を見送ることもあるのです。
【個人の原因①】特定の技術やスキルがない
中卒でバイトに受からない理由として、その職場で求められる特定の技術やスキルがないことも挙げられます。
未経験者を採用すると仕事に慣れるまでに時間がかかってしまうので、企業側はなるべく技術やスキルのある人を採用したいと考えています。
例えば、接客業ではコミュニケーション能力やクレームへの対応力、事務職ではPCスキルが求められますが、中卒者の場合、大卒・高卒者に比べ、こういったスキルを習得したり学ぶ機会が限られるため、未経験の場合、採用を見送られることが少なくありません。
【個人の原因②】ビジネスマナー・コミュニケーション能力が不足している
たとえ専門的なスキルがあっても、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が不足している場合は、バイトに受かりにくくなってしまいます。
社会で働く以上、最低限のビジネスマナーやコミュニケーションは欠かせません。
そのため、バイトの面接では、これまでの経歴以外にも「企業のスタッフとして適切な対応ができるか」もしっかりチェックされます。
主にチェックされるポイントは、身だしなみ・言葉遣い・受け答えの態度です。これらに問題があるとみなされてしまうと、採用されにくくなるでしょう。
また、接客業のような対面業務やチームワークが求められるバイトの場合、顧客やチームメンバーとスムーズにやりとりができるレベルのコミュニケーション能力が特に重視されます。
【個人の原因③】履歴書や面接が準備不足である
中卒でバイトに受からない原因として、履歴書や面接の準備不足も挙げられます。
履歴書や面接の準備が不足している例として、以下のようなものがあります。
- 自分の長所や短所、自己PRを話せない
- これまでの経歴を説明できない
- 応募先の企業情報や仕事内容を調べていない
- 志望理由を答えられない
- 出勤できる時間や曜日を答えられない
どんなに働きたい意欲があっても、履歴書や面接の準備が不足しているとその熱意が伝わらず、採用担当者からの印象は悪くなります。「やる気がなさそう」「仕事の質も大丈夫かな?」と不安に思われてしまい、不採用になってしまうケースは少なくありません。
特に、人気な職種のバイト求人は多くの人が応募します。学歴で不利になりがちな状況の中で就職活動を進めるには、履歴書や面接などの対策を十分に行い、自分の強みや意欲をしっかりアピールすることが大切です。
中卒の方に向けたバイトの選び方

中卒者がバイトを選ぶ際は、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
- マニュアルや研修制度が充実しているバイト先を選ぶ
- 就職活動を視野に入れてバイト先を選ぶ
- 危険な仕事内容のバイト先は避ける
上記3つのポイントについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
マニュアルや研修制度が充実しているバイト先を選ぶ
中卒者の中には、初めてバイトをするという人や未経験のバイトに挑戦したいという人もいると思います。
マニュアルや研修制度が充実しているバイト先は、経験やスキルに不安を抱えている人にとって安心して働ける環境です。
しっかりとしたマニュアルや研修制度があれば、仕事の流れやルールを学びやすく、初めてのバイトでもスムーズに始められます。また、作業手順が明確なため、ミスを防ぎやすくトラブル時の対応もスムーズです。
バイト先によっては、基礎的なビジネスマナーを教えてくれるところもあるため、これまであまり働いた経験がない中卒者の方は、こういったサポートが手厚いことをウリにしているバイトに応募するのがおすすめです。
就職活動を視野に入れてバイト先を選ぶ
中卒者がバイトを始める際は、その後の就職活動も見据えてバイトを選ぶのがおすすめです。
例えば、「スキルを身につけてより良い待遇のバイトに移りたい」「将来は正社員になりたい」「独立して自分の店を持ちたい」といった目標がある場合は、正社員登用を積極的に行っている関連性の高いバイトを選ぶと良いでしょう。
そうすることで、スキルや実務経験を積みながら正社員登用のチャンスも期待できます。
たとえ正社員登用に至らなくても、バイトで培った経験やスキルは就職活動で有利になり、働き始めてからも役立ちます。
危険な仕事内容のバイト先は避ける
バイト先によっては、安全対策が不十分だったり、過酷な労働環境で働かなければいけなかったりする場合があるので、注意しなければなりません。
たとえば、長時間労働やサービス残業が基本となっているバイト先や、重労働・危険物の取扱いなどが含まれているバイト先は、健康に影響を与えるリスクがあります。
また、近年では闇バイトも問題視されていますが、下記のような特徴を持つ求人に応募してしまうと、知らず知らずのうちに犯罪の片棒を担がされる危険をはらんでいます。
- 具体的な仕事内容がわからない求人
- 理由もなく高収入な求人
- 企業情報が不明な求人
「簡単でおいしいバイト」には裏がある可能性が高いです。
自分の身の安全や将来を守るためにも、求人情報に少しでも疑問や不安を感じた場合は、応募を控えるようにしましょう。
中卒でバイトの面接を受ける場合の対策方法

中卒で学歴をカバーしてバイトの面接を進めるには、以下の対策を行うことが大切です。
- 志望動機を明確にしてやる気をアピールする
- 自己PRで自分の価値を伝える
- 清潔感のある身だしなみを意識する
- 正しい言葉遣いを心掛ける
どれもそれほど難しい内容ではありませんが、できていないとマイナス評価となってしまう可能性が高い重要なポイントです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
志望動機を明確にしてやる気をアピールする
バイトの面接では、志望動機を明確にしやる気をアピールしましょう。
バイトは短期間で辞める人も多いため、採用担当者に「長く働いてくれそう」と思わせることが大切です。そのためには、「なぜその企業・お店に興味を持ったのか」「なぜ働きたいのか」を具体的に伝えると、熱意が伝わりやすくなります。
仕事内容や勤務条件を事前に確認しておくと、説得力のある志望動機を伝えやすくなります。よく聞かれる質問を想定し、スムーズに答えられるよう準備しておきましょう。
また人手不足に悩んでいるところは多いので、「シフトの融通が利く」「入れる日が多い」ことを伝えるのも効果的です。特に忙しい時間帯や曜日に働けると採用されやすくなります。
自己PRで自分の価値を伝える
学歴をカバーするためにも、自己PRで自分の価値を伝えることが大切です。
中卒という学歴だけで「努力するのが苦手なのではないか」「仕事も続かないのではないか」といったマイナスなイメージを持ってしまう採用担当者も少なくありません。
自分の長所や強みを伝えられると、採用担当者の懸念やマイナスイメージを払拭できます。
自己PRは内容が抽象的すぎると正しく伝わりません。具体的なエピソードを加えて、説得力を持たせるようにするのがおすすめです。
また、中学校を卒業してから空白期間があると、その理由を聞かれる場合も多いです。「これまで何をしていたか」を自己PRと交えて話せると説得力が増します。
面接での自己PRは、準備と練習がとにかく重要です。声に出して繰り返し練習し、スムーズに話せるようにしましょう。
清潔感のある身だしなみを意識する
身だしなみは第一印象につながる重要なポイントで、自分の人柄や仕事に対する姿勢を効果的にアピールできる手段です。
バイトの面接において評価される、清潔感のある身だしなみは以下の通りです。
- シワや汚れのない服を着用する
- 派手すぎない色合いの服を選ぶ
- 肌の露出が多い服装を控える
- 表情がはっきり見えるように髪を整える
- 汚れている靴やカバンを避ける
- 爪を短く切る
- 派手なアクセサリーを控える
特に飲食店をはじめとした接客業のバイトは、清潔感が重視されます。服装や髪型・髪色などの指定がある場合は、指示に従うようにしましょう。
「バイトの面接」という場を意識して身だしなみに気を遣うと、真面目な人柄や責任感が伝わり、採用担当者に好印象を与えやすくなります。
正しい言葉遣いを心掛ける
バイトの面接では、丁寧で正しい言葉遣いを心掛けるのも大切です。
正しい言葉遣いは、学歴に関係なく社会人としての適性やコミュニケーション能力があることを相手に示せます。
逆に言葉遣いが適切でないと、「社会人としての常識がないのではないか」「この言葉遣いで顧客の前に出すわけにはいかない」と採用担当者にマイナスな印象を与えてしまい、不採用にされる可能性が高くなります。
受け答えは「です・ます」口調で敬語を使った丁寧な言い回しを心がけ、家族や友達と話すときのようなタメ口・砕けた表現は避けるようにしましょう。
難しい言葉を使う必要はなく、シンプルでわかりやすい言葉を選ぶことで、伝えたい内容が相手に伝わりやすくなります。
また、小さい声では、相手に話している内容が伝わらないので、ハキハキした声で話すように意識することも重要です。
中卒でバイトに受からない場合の対処法

中卒でバイトに受からないと悩んでいる場合、以下の対処法も検討してみると良いでしょう。
- 資格やスキルを身につける
- 職業訓練校に通う
- 高卒認定試験を受ける
どれも成果が出るまでには少し時間がかかりますが、どうしてもやってみたいバイトがある場合などに特に有効です。
資格やスキルを身につける
中卒の学歴をカバーしたいなら、バイト先で役に立つ資格やスキルを習得することも効果的です。
資格やスキルを取得すると、たとえ実務経験がなくても書類選考や面接時のアピール材料にできるので、就職のチャンスを広げられます。
資格試験は学歴の条件が設けられているケースもあるものの、学歴不問で中卒でも受験可能なものもたくさんあります。
自分の興味や適性に合ったものを選んでスキルアップにつなげ、資格やスキルに応じた職種や業界にアプローチしていきましょう。
資格の取得は「学ぶ意欲が高い」という自己PRになるだけでなく、バイト先によっては特定の資格を持っていることで任される業務の幅が広がったり、給料が上がったりするケースもあります。
資格勉強の時間がある場合は積極的に取得しておいて損はありません。
職業訓練校に通う
スキルアップのために職業訓練校に通うのも有効な手段です。
職業訓練校とは、就職を目指して専門的なスキルや資格取得の支援を受けられる施設です。
ハローワークをはじめとした国や自治体が直接運営する施設のほか、委託を受けた民間の機関で行っている場合もあります。
中卒で受講できる代表的な職業訓練コースは、「事務系」「医療・保育・介護系」「Web系」「プログラミング系」「ものづくり系」などです。
それぞれのコースで、各業界や職種で就職後すぐに役立つ知識やスキルを習得できるので、受講を完了すれば実践的なスキルがあることをバイトの面接でアピールできます。
また、職業訓練校は基本的に受講費が無料なほか、条件を満たせば給付金を受給しながら通えるといったメリットもあります。民間のスクールに通うよりも負担額を抑えてスキルアップを目指せるでしょう。
高卒認定試験を受ける
高卒認定試験とは「高卒者と同等の学力があること」を認定する試験です。この試験に合格すると、大学や専門学校の受験ができるようになります。
ただし、あくまで高卒と同等の学力があると証明できる資格のため、学歴を高卒にできるわけではありません。
高卒認定試験に合格したからといって、必ずしも高卒以上の学歴制限がある求人に応募できるわけではないので注意しましょう。
とは言え、高卒認定試験に合格すると、世間に「努力ができる人だ」と好印象を与えやすく、企業によっては高卒者と同等に評価してもらえる可能性はあります。
そのため、高卒認定試験に合格した中卒者のほうが高卒認定を得ていない中卒者よりも、仕事の選択肢が広がり、バイトにも受かる可能性が高くなります。
中卒が働きやすいおすすめのバイト5選

中卒者におすすめの学歴に関係なく働きやすいバイトは以下の5つです。
- 飲食系
- 販売・接客系
- 運搬・梱包系
- 工場勤務
- コールセンターのオペレーター
- ナイト系
まだ何のバイトをするか迷っている方や、受かりやすいバイトを探しているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食系
飲食系のバイトは学歴不問の求人が多い傾向にあり、中卒で働きやすいのが特徴です。
飲食系のバイトは、ファミレスやカフェ、喫茶店、ファーストフード店、ホテルのレストランなど、多岐にわたります。
特にファミレスやファーストフード、カフェといったチェーン店は、人材確保に積極的で、学歴に関係なく採用している店舗がほとんどです。営業時間が長い店舗の場合、長時間シフトに入れると重宝される傾向もあります。
仕事内容はオーダー、配膳、レジ打ちなどを行う「ホール業務」と、調理や皿洗いを行う「キッチン業務」に分かれているのが一般的です。
チェーン店の場合はマニュアルが用意されているケースがほとんどなので、未経験でも業務を覚えやすいでしょう。
販売・接客系
販売・接客系のバイトも学歴不問の求人が多く、特定の資格がなくても応募可能なケースがほとんどなので、中卒者が働きやすい仕事です。
販売・接客系のバイト先は、コンビニ、スーパー、百貨店、ドラッグストア、ガソリンスタンド、その他の各種小売店など、さまざまです。
中でも全国展開している大手チェーン店は、確保しなければいけないスタッフの人数が多いので、積極的に人材を採用している傾向にあります。
主な仕事内容はレジ業務、品出し作業、清掃作業などです。業種によって扱う商品や接客スタイルは異なりますが、基本的にマニュアルや研修制度が整備されているので、未経験でもスタートしやすいです。
接客業で顧客対応が多い仕事のため、特にコミュニケーション能力に自信がある方には、向いているバイトと言えるでしょう。
運搬・梱包系
運搬・梱包系のバイトは、荷物の運搬や梱包などが主な仕事内容です。
職種によっては運転免許が必須となる場合もありますが、免許が必要ない求人もあるので、車を運転できない人でも応募できます。
特に、引っ越しバイトや倉庫での荷物の仕分けを行うバイトの求人は、学歴不問で積極的に採用しているケースが多く、体力に自信がある中卒者の方は活躍しやすいです。
運搬・梱包系のバイトは、重い荷物を持ったり運んだりする仕事が多いです。体力勝負な仕事でもあるので時給が高い傾向にあり、頑張り次第で短期間で高収入を目指したい人に向いています。
接客がメイン業務のバイトと比較すると人と話す機会が少ないため、会話が苦手な人も取り組みやすいバイトでもあります。
工場勤務
工場勤務のバイトも学歴不問の求人が多いため、中卒から始めやすい仕事です。
主な仕事内容はライン作業、ピッキング、仕分け、梱包、検品など多岐にわたります。
- 【ピッキングとは】
- リストや伝票などの指示に従って該当する商品を取り出す作業
いずれの仕事もマニュアルが用意されていて、マニュアルに従って業務をこなすことを求められるため、未経験でも業務内容を覚えやすいバイトと言えます。
工場勤務のバイトは、同じ作業をマニュアル通りに繰り返すルーティンワークなので、求められるのは正確性とスピードです。高い集中力を持って仕事に取り組める人は活躍できます。
また、人と接するのが苦手な人や一人で黙々と作業をしたい人は、工場勤務のバイトが向いている可能性が高いです。
コールセンターのオペレーター
コールセンターのオペレーターのバイトは、顧客からの電話での問い合わせに対応する「インバウンド業務」や、新規顧客を獲得するためにリストの番号へ電話をかけたりする「アウトバウンド業務」が主な仕事内容です。
インバウンド業務では、サービス・製品に関する問い合わせの回答や、他の部署への取次ぎなど、電話の内容に合わせて対応することが求められます。また、顧客へ営業の電話をかけるアウトバウンド業務は、自社の製品の仕様を把握してセールストークをする必要があります。
一見難しいように感じますが、マニュアルが用意されている職場が多いので、経験がない中卒者も働きやすい仕事です。
基本的に座って仕事を行うため、体力に自信がない人にもおすすめのバイトと言えます。
ナイト系スタッフ
ナイト系は、女性キャストが男性のお客様に対しておもてなしのサービスを提供する企業・店舗で働く男性向けのバイトを指します。
職種によっては接客を中心に行うものから、裏方でのサポート業務までさまざまです。
夜間勤務が基本になるため、時給が高めに設定されているケースが多く、短時間で効率よく稼ぎたい方におすすめです。
また、シフトの融通がききやすい職場も多いため、自分のライフスタイルに合わせて働きやすいのも魅力です。
未経験歓迎の求人も多数あるため、興味があれば挑戦しやすいジャンルです。
高校生や18歳未満の方は勤務できない点に注意が必要です。応募の際は、年齢制限をしっかり確認しましょう。
中卒のバイトに関するQ&A

最後に、中卒のバイトでよくある下記の質問をQ&A形式でまとめました。
Q1.中卒で就くバイトの平均時給はいくら?
Q2.中卒でバイト歴が長いと正社員就職が難しいって本当?
Q3.バイトしながら就職活動することは可能?
Q4.中卒の場合は履歴書にどう記入すればいい?
Q5.中卒で住み込みバイトに応募できる?
Q6.中卒で「高校生不可」のバイトに応募できる?
不安なくバイトに応募できるように、Q&Aをチェックして今のうちに疑問を解消しておきましょう。
Q1.中卒で就くバイトの平均時給はいくら?
A.マイナビの調査によれば2024年11月時点のアルバイトの平均時給は1,281円でした(※パートも含む)。
最低賃金は都道府県別に学歴や雇用形態に関係なく定められています。バイトの時給はその地域で決められた最低賃金を下回ることはありません。
しかし、企業によっては中卒の時給を高卒や大卒の時給よりも低く設定しているケースもあります。
バイトの時給を上げるためには、業務レベルを高めて仕事に対する意欲をアピールし、昇給や正社員登用を目指しましょう。コツコツと努力して経験と実績を積み重ねていれば、時給交渉に応じてくれる企業もあります。
参考:マイナビキャリアリサーチLab「2024年11月度 アルバイト・パート平均時給レポート」(参照 2025-03-13)
Q2.中卒でバイト歴が長いと正社員就職が難しいって本当?
A.確かに、バイト歴が長いほど、正社員就職の難易度が高くなる傾向にあるというデータは出ています。
以下の表は、厚生労働省が発表しているフリーターの期間別の就職率を表したものです。
期間 | 就職率 |
---|---|
6ヶ月以内 | 72.5% |
7ヶ月から1年 | 61.7% |
1年から2年 | 60.0% |
2年から3年 | 62.1% |
3年超 | 57.0% |
参考:厚生労働省「正社員?フリーター?何が違うの??~将来の進路について悩んでいる方へ~」(参照 2025-03-13)
上記のデータから、バイト歴が長くなるほど、徐々に正社員としての就職率が低くなっていることがわかります。
アルバイトは正社員と比べると収入が低く生活が安定しにくいので、長期間バイトの収入のみだと、就職活動をする余裕がどんどんなくなっていきます。
また、30代以降の正社員での就職では、即戦力になる高い技術・スキル、マネジメント経験などを求める企業が多いです。
中卒者は高卒以上の学歴の人と比較すると選考時に不利になりやすい傾向があるので、即戦力が身に付かないようなバイトを長年続けてしまうと、どんどん正社員での就職のハードルが上がってしまいがちなのです。
Q3.バイトしながら就職活動することは可能?
A.バイトをしながら就職活動をすることは十分可能ですが、時間の使い方や職場選びが重要です。
就職活動には少なからず準備の時間が必要となります。バイトをしながら企業研究や自己分析をしたり、履歴書を書いたり、面接の対策をしたりするので、決して簡単ではありません。
準備が不十分な状態で就職活動をしても採用される可能性は低く、長引くほど不利になってきてしまいます。
そのため、就職活動の時間を確保しやすい勤務体制のバイトを選ぶことも大切です。自己申告制シフトや、毎週固定で日中の決まった曜日・時間に勤務するシフトなどは、調整しやすくおすすめです。
また、働きすぎて体調を崩してしまわないように、体調管理も怠らないように気を付けましょう。
Q4.中卒の場合は履歴書にどう記入すればいい?
A.履歴書の学歴欄には「中学校卒業」以降の学歴があれば記載します。
高校に進学して中退した場合は、中退した高校名を記載し、1マス空けて「途中退学」と書くのが一般的です。「家庭の事情のため」「経済的理由のため」など、中退した理由も記載するのが望ましいでしょう。
職歴は正社員経験がなければ空欄で構いませんが、応募するバイト先の業務に関連するバイトの経験がある場合は、アピール材料として記載しておくのもありです。
履歴書は選考の第一段階で、合否を左右する重要な書類です。中卒であることを気にして、履歴書に嘘を書くのは絶対にNGです。
また、志望動機や自己PRの欄も具体的な内容を意識して丁寧に記載し、記入漏れや誤字・脱字などがないかをしっかり確認するようにしましょう。
Q5.中卒で住み込みバイトに応募できる?
A.中卒で住み込みバイトに応募することは十分に可能です。
住み込みバイトとは、勤務先で住居が用意されているバイトで、主な勤務先としては工場や工事現場、リゾート地の宿泊施設などがあります。求人では「住み込みOK」「社員寮あり」といった文言で記載されているケースが多いです。
未経験歓迎で学歴不問の求人も多く、やる気や責任感を重視する職場もたくさんあるため、中卒者も意欲をアピールできれば採用されるチャンスはあります。
住み込みバイトは短期間で集中的に稼げるのがメリットの一つです。特にリゾートバイトは時給が高い傾向にあり、稼ぎを重視したい人におすすめのバイトと言えます。
また、通勤時間を短縮できたり、家賃が無料や一部負担のみだったりするので、時間的・経済的な負担を軽くできます。
Q6.中卒で「高校生不可」のバイトに応募できる?
A.中卒でも「高校生不可」のバイトに応募することは可能です。
「高校生不可」とは、一般的に「高校に通っている人は応募不可」を意味します。そのため、高校に通っていない中卒であれば、「高校生不可」の条件には当てはまらないケースが多いです。
ただし、企業によって「高校生不可」の定義や条件は異なります。高校生を含めた18歳以下の人の採用を避けたい企業が遠まわしな表現で「高校生不可」としている場合もあるようです。
応募する際は、条件をよく確認したうえで、採用担当者に直接相談するのが無難です。また、面接時には、念のために自分の年齢や働く意欲をしっかり伝えておくようにすると安心でしょう。
バイト探しで苦戦したらハローワークやエージェントを活用しよう

より待遇の良いバイト先を探したり、バイトから正社員就職を目指すなら、ハローワークやエージェントを活用するのもおすすめです。
ハローワークは厚生労働省が運営している就職支援を目的としたサービスで、仕事の紹介や職業訓練、就職に関するセミナーの開催、個別相談などを実施しています。学歴や年齢に関係なく無料で相談に応じてもらえるため、気軽に利用できる施設です。
一方、就職エージェントは主に民間企業が運営している就職支援サービスで、求職者の相談対応や求人の紹介、履歴書の添削、面接対策、企業との条件交渉などを実施しています。フリーターや特定の年齢層、希望の業界・職種に特化したサービスを展開している企業もあり、今の自分の希望や事情に合ったサービスを選べるのもポイントです。
おすすめエージェント
中卒者は高卒者以上と比べて応募できる求人が限られてしまうので、プロにサポートしてもらいながら進めるほうが、満足いく就職先を見つけやすくなります。
もしバイト探しに苦戦している方は、ハローワークやエージェントを活用し探してみてください。
中卒がバイトに受からない原因はアピール方法やバイト先選びで解決できる!

中卒者は高卒以上の学歴の人と比べると、バイトを含めて就職率が低い傾向にあります。
中卒がバイトに受からない原因と採用されるためのコツを今一度おさらいしましょう。
- 中卒がバイトに受からない原因には、学歴以外にスキルや準備不足が挙げられる
- バイトを探す際はマニュアルや研修が充実していたり、スキルアップや正社員登用がある職場を選ぶとメリットが大きい
- 面接では、志望動機や自己PRでのやる気のアピールと、身だしなみや言葉遣いに注意する
また、バイトに受からないといった就職活動で悩んでいる方は、就活のプロにサポートしてもらうと、スムーズに就職活動を進められるでしょう。
これからバイト探しを行う中卒の方は、ぜひ本記事を参考にしながらバイトの面接合格に向けて行動してみてください。