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中卒で声優になれるの?
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声優を目指す際に学歴によって不利になることはあるの?
声を使って演技を行う声優は、なりたい職業ランキングで上位に入るほどあこがれの職業の一つとして知られています。
今回は声優を目指す中卒者に向けて、以下の内容を解説していきます。
この記事でお伝えする内容
- 声優になるための基本条件
- 声優へ就職したあとのキャリアパス
- 声優に向いている人・向いていない人の特徴
- 中卒で声優になるメリット・デメリット
他にも、中卒で声優になるためのオーディション対策方法についても詳しくご紹介するので、声優になりたい方は、ぜひ本記事をお役立てください。
中卒で声優になることはできる
声優は、演技力をはじめ必要なスキルを身につければ、学歴に関係なくなれる職業です。
学歴より人気や実力が重要視される職業でもあるため、努力次第で活躍できます。
ただし、声優を目指す過程で学歴が足かせになるかもしれないことがある点には注意が必要です。
というのも入学資格に、高卒以上の学歴条件を設けている声優専門学校や声優養成所も珍しくなく、中卒であるがゆえに声優になる手段の選択肢が狭まってしまう場合があるからです。
また、声優1本で生活できる人はごく一部、基本的にはアルバイトをしながら活動する人がほとんどというのが現実です。
中卒者の場合、学歴を理由にアルバイト探しに苦労する可能性があるので、他の学歴の声優より収入面で不安定になりやすいデメリットがあります。
とは言え、声優になるための適切な手順を踏めば、学歴を問わず活躍できるチャンスがあります。
後ほど「中卒で声優になる方法と手順」をご紹介するので、参考にしてください。
声優になる基本条件
中卒者が声優になるための基本条件は以下の2つです。
- 声優事務所の所属声優である
- 高い声優スキルを身につけている
前提として、「声優事務所に所属=安定して声優の仕事ができる」というわけではく、声優として作品に出演するためには、キャストオーディションを受けて合格する流れが一般的です。
そのため、この記事では「声優になる=声優として作品に出演する」という前提で解説していきます。
ほとんどの制作会社は、声優事務所にオーディションの案内を送るので、基本的に声優事務所に所属しないと、アニメ・ゲーム・外画・ナレーション・ラジオドラマといった仕事をもらえるチャンスはありません。
- 外画(がいが)とは
- 洋画や海外ドラマといった日本以外の国で制作された映像作品を指します。
また、声優として活躍するうえで高度なスキルの習得は必要不可欠です。
高い声優スキルを身につけている人は、たとえ無所属であっても仕事をもらえる可能性があります。
しかし、よほどの人気と実力を兼ね備えていないかぎり、所属声優に比べれば受けられるオーディションの数はかなり少ないです。
中卒者が声優を目指すのであれば、まずは声優事務所の所属を目指しましょう。
中卒で声優になる方法と手順
ここからは、中卒で声優になる方法と手順を解説していきます。
声優になるまでの主な手順は、以下の通りです。
- 声優の専門学校に通う
- 声優事務所の付属養成所に通う
- 声優事務所の所属オーディションを受けて合格する
- 作品のキャストオーディションを受けて合格する
ちなみに、大手声優事務所や有名企業が主催する「一般公募の声優オーディション」に合格して声優になる方法もあります。
しかし、表向きは「一般公募」と主張しているものの、基本的に声優の専門学校や養成所などでスキルを習得している人ばかり応募するので、まったくの未経験者が一般公募の声優オーディションに合格するのはかなり難しいです。
今回は、中卒・未経験で声優を目指すうえで一番堅実的なやり方として、声優に必要な知識と技術を習得しながら複数のオーディションに合格していく方法をご紹介します。
手順①声優の専門学校に通う
中卒かつ未経験の声優志望者の場合、まずは専門学校に通うのがおすすめです。
声優の専門学校では、発声や滑舌などの基礎技術や演技の実習、マイクの立ち位置といった、声優に必要な知識や技術を学べます。
専門学校によっては、声優事務所の所属オーディションを主催しているところもあり、上手くいけばそのまま所属できたり、声優養成所の特待生として学費免除の待遇を受けられたり、声優の道に大きく前進できます。
ただし、専門学校によっては「高卒以上」の入学条件を定めている場合もあるので、中卒者も入学できるかどうか募集要項をチェックしましょう。
なお、声優科がある高等専修学校であれば、声優の勉強をしながら高校卒業資格(高卒資格)の取得も可能です。
高卒資格の取得は、今後声優を目指す過程や声優活動をするうえで大きなメリットになるので、可能であれば高等専修学校に通うのをおすすめします。
高等専修学校は、原則3年制です。学費相場は約270万円~330万円程度で、学校によって大きく変動します。
なお、高等学校就学支援金制度の対象校であれば、世帯年収によって授業料が減額されます。
- 参考
- 【高等学校就学支援金制度(単位制授業料の場合)】
・世帯年収590万円未満:1単位あたり最大11,228円
・世帯年収590万円~910万円:1単位あたり最大4,812円
他にも、さまざまな支援制度を設ける高等専修学校も存在するので、少しでも学費を抑えたい方は事前に確認してみてください。
手順②声優事務所の付属養成所に通う
専門学校を卒業したら、次は声優事務所の付属養成所に通います。
【声優事務所の付属養成所へ通うメリット】
声優事務所の多くは、新たな声優を発掘・育成する目的で養成所を運営しており、週1~3回程度のレッスンを実施します。
養成所に入所して一目置かれるような存在になれれば、事務所に所属して声優として活動できる可能性が高いです。そのため、毎回レッスンを受ける際は、「教えてもらう場」ではなく「自分をアピールする場」であることを意識して取り組みましょう。
また、養成所によっては、有名声優や音響監督といった現役で活躍する人の特別講義を受けられたり、モブ役(主要キャラクター以外のその他大勢のキャラクター)として作品に出演できたりして、専門学校より業界の雰囲気を肌で感じやすくなるのも特徴です。
【声優事務所の付属養成所へ通う方法】
声優養成所に入所するためには、入所オーディションに合格しなければいけません。
オーディションでは、書類選考から始まり、実技審査ではセリフやナレーションを中心に行われるので、専門学校で身につけたスキルを存分に発揮するのが合格するコツです。
実は、年齢制限をはじめ入所条件をクリアしていれば、専門学校に通わなくても声優養成所の入所オーディションに参加できます。
しかし、毎年全国から多くの声優志望者が参加するので、特に大手声優事務所の付属養成所の入所倍率は高くなる傾向にあります。
さらに、入所条件に「高卒以上」と定める声優養成所もあり、そもそもオーディションすら受けられない可能性があることにも注意してください。
なお、養成期間は約2〜3年程度です。年に1回上位クラスに進むための進級審査を実施する養成所がほとんどで、進級できなければ退所となります。
学費は年間約30万円〜110万円程度と、養成所や受講するカリキュラムによってかなり差があります。
養成所の公式サイトに学費が記載されている場合が多いので、入所する前にチェックしておきましょう。
手順③声優事務所の所属オーディションを受けて合格する
声優養成所のカリキュラムを修了したあと、声優事務所の所属オーディションに合格すれば、事務所所属の声優になれます。
所属オーディションの開催時期は事務所によって異なりますが、毎年2~3月頃に行われます。
声優事務所の所属オーディションは、養成所の入所オーディションと比べて合格率がかなり低いです。
150名以上の生徒を抱える大手声優事務所の付属養成所の場合、新人声優として所属できる人数は20~30人程度です。
100名以下の生徒を持つ小・中規模の声優事務所の付属養成所になると、所属できる人数は10人以下になるケースも珍しくありません。
声優になる倍率は100~150倍という声もあるほど厳しい業界ですが、ほとんどの声優志望者は事務所所属オーディションを突破できず挫折するパターンが多いです。
所属オーディションを受ける際は、自分が習得した声優スキルを披露するのはもちろんのこと、以下のように自分が事務所に所属するメリットを伝えられるように考えておくのがおすすめです。
- 声優として事務所にどう貢献していきたいのか
- 自分が今の声優業界のニーズにどうマッチしているのか
声優事務所の所属オーディションの対策方法については、後ほど詳しくご説明します。
手順④作品のキャストオーディションを受けて合格する
声優事務所に所属したあとは、アニメや外画などの作品のキャストオーディションを受けて合格すれば、声優としてデビューできます。
つまり、事務所に所属しても、作品のキャストオーディションに合格しない限り、声優の仕事はできません。
そのため、養成所時代と変わらず、声優としてのスキルアップは必要不可欠で、いつオーディションを受けても最高のパフォーマンスができるように準備しておくのが大切です。
また、多くの声優事務所は、「預かり所属」という制度を設けています。
預かり所属とは、マネジメント契約が発生する声優のなかで最も序列が低い立場のことで、新人は最初「預かり所属の声優」として活動していくのが基本です。
預かり所属の期間は2~3年程度と言われており、期間が終わるタイミングで査定が行われます。
査定内容は、主に「オーディションに合格して声優の仕事をこなせているか」「声優として知名度があるか」など、技術力より実績が重視され、査定をクリアすれば正所属または準所属に昇格できます。
査定の結果次第では、事務所から退所勧告を受けるケースもあるので、まずは作品のキャストオーディションに合格して声優として実績を作っていきましょう。
中卒で声優になるためのオーディション対策方法
声優になるためには、以下のように複数のオーディションに合格する必要があります。
- 声優養成所の入所オーディション
- 声優事務所の所属オーディション
- 作品のキャストオーディション
中卒者にかぎらず目指すには非常に難易度の高い職業なので、各オーディションの特徴や合格するコツなどを把握して、対策を行うことが重要です。
声優になるためのオーディションに合格するうえで、行うべき対策を詳しく解説していきます。
声優養成所の入所オーディション対策方法
声優養成所の入所オーディションの主な内容は、以下の通りです。
- 書類審査
- 実技審査
書類審査では、プロフィールや経歴、自分のアピールポイントなどを記載した履歴書の提出が求められます。
大手声優事務所の付属養成所は、足きりをはかるためにボイスサンプルや作文の提出も必須になる場合があります。
数百人にも及ぶ受験者のなかから合格するためには、審査員の目に留まるような履歴書を作ることが大切です。
たとえば、自己PRに「私のアピールポイントは笑顔です」といった誰にでも当てはまるような内容を書いても、審査員の印象に残りません。「私は10パターンの子どもの声を使い分けるのが得意です」のような他の受験者にはないアピールポイントを盛り込めば、興味を持ってもらいやすくなります。
また、昨今の声優業界は容姿を求める風潮にあるので、自分の容姿が一番良く見える宣材写真を選ぶのも合格するポイントです。
実技審査では、審査員の目の前で指定されたセリフやナレーションを披露したり、制限時間内に自己PRを行ったりするのが一般的です。自己PRの内容は自由ですが、歌やダンス、語学力など、声優・俳優の活動に活かせるものをアピールしたほうが有利に働く傾向にあります。
とは言え、審査員とのやり取りがスムーズだったり、事務所が求める声優像とマッチしていたりすれば、たとえ普通の自己PRであっても高評価をもらえます。
自己PRは他の受験者と差をつけられるチャンスなので、自分の魅力が最大限に引き出せる内容を考えて、当日緊張しないように念入りに練習を重ねましょう。
声優事務所の所属オーディション対策方法
声優事務所の所属オーディションの主な内容は、以下の通りです。
- ボイスサンプル審査
- 実技審査
なお、ほとんどの声優事務所は、養成所内の所属オーディションの内容を非公開にするため、あくまで参考程度にご覧ください。
ボイスサンプル審査では、所属オーディション用にボイスサンプルを制作するケースがほとんどです。ボイスサンプル審査は書類審査や面接などとは異なり、「声」のみで勝負しなければなりません。
さまざまな年齢層・シチュエーションのボイスサンプルを収録して、演じられる役の幅の広さをアピールしましょう。
実技審査では、当日渡される台本をもとにセリフの朗読やナレーションを行います。
また、養成所生のコミュニケーション能力を確かめるために、実技審査中に質疑応答の時間を設ける事務所が多いです。
声優事務所の所属オーディションは、ボイスサンプル審査や実技審査の結果はもちろん、今まで養成所で受けたレッスンの評価や授業態度も合否に大きく関わってきます。
そのため、毎回レッスンではオーディションに挑むつもりで取り組み、結果を出し続けることが合格するコツと言えます。
作品のキャストオーディション対策方法
作品のキャストオーディションの主な内容は、以下の通りです。
- テープオーディション
- スタジオオーディション
ここではアニメ作品のキャストオーディションを例にご紹介します。
テープオーディションは、事前に制作会社から送られてくるキャラクターのイラスト資料を見ながら役作りを行い、事務所を通してセリフを録音した音声データを送ります。
スタジオオーディションは、同じく事前に渡されたキャラクターのイラスト資料をもとに役作りをしたあと、当日スタジオに出向き、音響監督をはじめとした関係者の前で披露します。
時には、音響監督からの指示に沿って演技をしたり、他の役を演じるようにお願いされたりする場合もあるので、作品の情報をきちんと把握して指定された役以外のキャラクターも理解しておくことが大切です。
なお、数百人規模の声優を抱える大手声優事務所の場合、すべての所属声優にオーディションの案内を行っているわけではありません。マネージャーがオーディションの内容を確認して、合格できそうな声優のみに案内するパターンがほとんどです。
そのため、日頃からマネージャーと積極的にコミュニケーションをとって顔を覚えてもらいましょう。
マネージャーに顔を覚えてもらえれば、優先的にオーディションを振ってもらえたり、声優として自分の売り出し方についてのアドバイスをもらえたり、たくさんのメリットを得られます。
役者が飽和状態と言われる声優業界において、最近はキャストオーディションすら受けさせてもらえない新人声優が増えています。
もちろん作品のキャストオーディションの対策をするのも重要ですが、まずはマネージャーと良好な関係を築いて仕事をもらうチャンスをたくさん得ることが、人気声優になる近道です。
中卒で声優になったあとのキャリアパス
声優として実績を積めば、別の場所でスキルを活かした働き方ができたり、大幅な収入アップが狙えるキャリアを築けたりします。
ここでは、中卒で声優になったあとの主なキャリアパスを4つご紹介します。
- 出演作品を増やす
- ナレーターになる
- 声優の専門学校・養成所の講師になる
- フリーランスとして独立する
声優の将来像に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
出演作品を増やす
声優として活躍するためには、ジャンルを問わず多くのオーディションに合格して出演作品を増やすことが大切です。
昨今は、アニメのアフレコ(アフターレコーディング)、外画の吹き替え以外にも、ゲームやアプリのキャラクターボイス、動画のナレーションなど、声優の仕事が増加傾向です。
出演作品を増やして実績を積んでいけば、より注目度が高い作品のオーディションにも受かりやすくなります。
また、人気アニメ・ゲームの場合、メインキャストに抜擢されればメディアの露出も多くなるため、人気・認知度ともに大幅アップが狙えます。
しかし、先述した通り、所属したばかりの新人声優の場合、作品のキャストオーディションを受けるまでにかなりの苦労を強いられるのが現状です。
そのため、事務所のマネージャーや作品の制作会社の社員といった業界関係者と関係を築いて、仕事を回してもらえるように自分を売り込む姿勢が求められます。
声優事務所に所属しているからといって仕事がもらえるわけではないので、出演作品が増やせるように自分から営業活動を行って、仕事の関係者と接点を作っておくことが大切です。
ナレーターになる
ナレーションが得意な人は、ナレーターになるのも一つの手です。
ナレーターの仕事内容は、以下のように多岐にわたります。
- 参考
- ・放送番組や映像作品のナレーション
・教材のナレーション
・施設の音声ガイドや案内アナウンス
・コンサートやイベントの司会進行
キャラクターの動きや感情に合わせて演技することを求められる声優とは異なり、ナレーターは視聴者が作品や映像に没入できるように、語りのプロとして情報を分かりやすく伝えるという役割を担っています。
ナレーションが得意な人の特徴は以下の通りです。
- 滑舌が良い
- 正しいアクセントを理解している
- 柔軟性に長けている
- 読解力がある
ナレーションは、声優の仕事のなかでも、特に正しいアクセントで滑舌良く表現することを意識しなければいけません。
そのため、日頃から滑舌を良くする訓練を欠かさなかったり、アクセント辞典を使って正しいアクセントを調べる癖をつけたりして、ナレーションスキルを磨く継続力が必要です。
また、ナレーションの原稿は、基本的に収録当日にスタジオで渡されます。
その場で渡された原稿を瞬時に読み解く力や、ディレクターの指示に対して柔軟に対応できる力も求められます。
「自分はナレーションが向いているかもしれない」「もっといろいろなナレーションの仕事をやってみたい」という人は、ナレーターのキャリアパスも視野に入れてみてください。
なお、ナレーターとして働く場合、「ナレーションの案件を多く抱える事務所に移籍する」もしくは「フリーランスとして活動する」流れが一般的です。
声優の専門学校・養成所の講師になる
声優のキャリアを築いたあとは、声優の専門学校・養成所の講師になるキャリアパスもあります。
声優の専門学校・養成所の講師は、生徒をプロの声優として育成するために演技指導やナレーション指導を行います。
専門学校は、演技、ナレーション、アフレコ、吹き替えといった科目に分かれており、講師はそのうちの1〜2科目を担当する場合が多いです。
養成所は、数人〜数十人ほどの生徒を受け持つクラス担任制を採用するケースがほとんどで、事務所が用意した教材をもとに自分でレッスン計画を立てて指導していきます。
どちらも、これまでの実務経験を存分に活かせるのが特徴で、マネジメント能力に長けている方や人材育成に興味がある方にぴったりのキャリアパスです。
なお、専門学校の場合、常勤と非常勤で募集をかけているところもあります。
声優業と両立しながら講師の仕事もやりたい方は、急に声優の仕事が入った時にも勤務スケジュールの融通が利きやすい非常勤を選ぶ傾向にあります。
フリーランスとして独立する
声優として十分な実績を積み、高い人気を獲得している場合は、フリーランスとして独立する方法もあります。
フリーランスの声優は、所属事務所を通さずに制作会社などから直接依頼を受けられるのが特徴です。
携われる仕事の幅が広がるのはもちろんのこと、事務所からマージン(手数料)が差し引かれなくなるので、1案件ごとにもらえるギャラが多くなる点もメリットと言えます。
ただし、フリーランスの声優は事務所のバックアップを受けられないため、自己ブランディング、マーケティング、営業などに注力する必要があります。
働き方の自由度が高くなる分、事務所に所属していたとき以上に業界関係者と良好な関係を築き上げないと、仕事がもらえず収入が不安定になりやすいです。
また、スケジュール管理、仕事の獲得に向けた営業活動、経理管理をこなしながら、声優として高いクオリティの技術を提供しなければならず、大きな責任を伴います。
フリーランスはさまざまなリスクを伴うものの、自分が理想とする声優像に近づく一歩が踏み出しやすいキャリアパスと言えます。
中卒で声優に向いている人・向いていない人
声優は「声」を使った表現力や演技力といった高度なスキルが求められる職業です。
プロの声優として第一線で活躍し続けられるのはごくわずかで、向き・不向きもはっきりしています。
中卒で声優を目指す前に、まずは自分に適性があるかをチェックしていきましょう。
声優に向いている人 |
声優に向いていない人 |
忍耐力がある人 |
体調管理が苦手な人 |
感受性が豊かな人 |
臨機応変の対応が苦手な人 |
コミュニケーション能力が高い人 |
行動力がない人 |
中卒で声優への就職に向いている人の特徴3つ
声優に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 忍耐力がある人
- 感受性が豊かな人
- コミュニケーション能力が高い人
声優は競争が激しい職業であるだけに、プロとして第一線で活躍し続けられる人はほんの一握りです。
声優1本で食べていける人は非常に少なく、特に新人声優はアルバイトと掛け持ちしたり、親から金銭的な援助を受けたりしながら声優活動を行います。
そのため、かなりの忍耐力がある人でないと難しい職業です。
また、声優はキャラクターの感情を声だけで表現しなければいけません。
キャラクターの感情を正しく表現するためには、キャラクターが抱く感情を理解するうえで豊かな感受性を持つことが求められます。
さらに、声優にとって人脈づくりはかなり重要で、さまざまな業界関係者と積極的にコミュニケーションを取って仕事につながるような営業活動を行わなければいけません。
そして、1つの作品制作には、共演者、音響スタッフ、その他制作スタッフなどたくさんの人が関わっており、意思疎通を図りながら協力して作り上げていきます。
そのため、声優はコミュニケーション能力が高ければ高いほど向いている職業です。
中卒で声優への就職に向いていない人の特徴3つ
声優に向いていない人の特徴は、以下の3つです。
- 体調管理が苦手な人
- 臨機応変の対応が苦手な人
- 行動力がない人
声が資本である声優は、常に喉のケアや風邪予防など体調管理を徹底しています。
しかし、制作会社の都合や作品の内容によっては収録時間が深夜にまで及ぶケースもあり、不規則になりやすい労働環境です。
さらには、自宅でもボイストレーニングを欠かさず行ったり、オーディション用もしくは出演が決まった作品の台本を読み込んだりする必要があります。
このように、プライベートでも常に声優業を第一に考える状況のなかで、ベストコンディションを保ち続けるのは容易ではありません。
万が一体調を崩してしまうと、スケジュールを変更してもらったり、急遽代役を立ててもらったりして、周囲に多大な迷惑をかけてしまいます。「声優の代わりはいくらでもいる」と言われているほど飽和状態の声優業界において、「体調不良で現場を休む=そのまま現場に呼ばれなくなる」に等しいです。
また、声優はキャラクターの性格や感情に合わせて声質を変えたり、音響監督からのディレクションに応じて声のトーンや演技を変えたりすることが求められます。
そのため、臨機応変に対応できない人は、声優の仕事に不向きと言えます。
そして、声優は新人・ベテランを問わず、作品ごとにキャストオーディションに合格して仕事を獲得するのが基本です。日々オーディションの連続であり、どんなに人気・実力を兼ね備えた声優であっても、必ず合格できるとは限りません。
くわえて、業界関係者から当日の飲み会に誘われたり、事務所のマネージャーから翌日に迫ったオーディションや声優の仕事の話をもらったり、急な予定にも柔軟に対応できるフットワークの軽さも求められます。
そのため、仕事をもらうための行動を惜しまない人でないかぎり、声優として活躍するのは難しいです。
中卒で声優になるメリット・デメリット
ここでは、中卒で声優になるメリット・デメリットを解説します。
声優は声を使って表現する魅力的な職業ですが、一方で厳しい世界でもあるため、声優になるか迷っている人もいるでしょう。
声優になるメリット・デメリットを判断材料の一つとして、ご自身の進路を今一度検討してみてください。
声優のメリット |
声優のデメリット |
新たな作品に携われる |
常にオーディションを受け続けなければいけない |
実力が評価されると声優業以外の仕事の幅が広がる |
収入が不安定 |
あらゆるキャラクターを演じられる |
ベテラン声優になると仕事が減る可能性がある |
中卒で声優になるメリットは3つ
中卒で声優になるメリットは、以下の3つです。
- 新たな作品に携われる
- 実力が評価されると声優以外の仕事の幅が広がる
- あらゆるキャラクターを演じられる
新しい作品を制作する過程において、音響監督やディレクターなど数多くの人たちが協力して作品を作り上げていきます。
声優も新しい作品を生み出すために欠かせない存在の一人になれるため、作品を通して達成感や満足感を得られるのがメリットです。
また、声優として実力が評価されれば、テレビへの出演や歌手活動など仕事の幅を広げられる可能性もあります。
最近は、社会現象になるレベルのアニメ作品が誕生するケースも珍しくなく、出演声優も注目される機会が増えています。「声優=裏方」という考え方はもはや昔の話で、実力が認められるきっかけさえあれば、声優業以外にも表舞台に立てるチャンスを得られるのが魅力です。
そして、声優はあらゆるキャラクターを演じられる点もメリットです。
声優を目指す人のほとんどは、自分の声でキャラクターに命を吹き込むことに強い憧れを抱いています。
そのため、声優になったあとも、自分の担当キャラクターに対して愛着を抱く傾向にあり、演じるキャラクターが増えていくことに対してやりがいを感じる人も多いです。
中卒で声優になるデメリットは3つ
中卒で声優になるデメリットは、以下の3つです。
- 常にオーディションを受け続けなければいけない
- 収入が不安定
- ベテラン声優になると仕事が減る可能性がある
声優は仕事を獲得するために、常にオーディションを受け続ける必要があります。
たとえ数多くのファンを抱える人気声優や、声優歴数十年のベテラン声優であろうとも、基本的にオーディションで役を勝ち取らないかぎり仕事がもらえません。
「声優活動を行う=競争社会に身を置き続ける」ことを意味しているので、精神的なストレスを背負うのは避けられないデメリットがあります。
また、声優の仕事がなければ当然お金はもらえないため、収入が不安定になりやすいです。
特に実績も人脈もない新人声優の場合、生計を立てるためにアルバイトを掛け持ちするケースも多く、声優業に集中できないのも欠点と言えます。
くわえて、声優はランク制度が導入されており、ランクが上がるにつれてギャラも上がっていく仕組みです。
デビューしたての新人声優のギャラは、1案件につき最低15,000円からスタートします。声優活動を始めてから3年後には自動的にランクが付き、最高位にあたるAランクまで上がると新人時代のギャラの約3倍になると言われています。
一見ギャラが上がっていくことに対してメリットだと思われがちですが、実際はこのランク制度のせいで仕事をもらえなくなるリスクがあるのです。
昨今の声優業界は、作品の製作費の削減に伴い、ギャラが高いベテラン声優よりギャラの安い新人声優を起用する傾向にあります。
そのため、ベテラン声優になると、たとえ実力があったとしても仕事が減る可能性がある点にも注意しなければなりません。
声優出稼げるようになるまでのアルバイトならナイト系がおすすめ
声優は中卒も目指せる職業ですが、声優になるためにはいくつものオーディションに合格する必要があり、難易度はかなり高いです。
また、プロの声優になったあとも継続的なスキルアップと人脈づくりを行わないと、声優の仕事がもらえず収入が安定しないデメリットもあります。
声優になり稼げるようになるまでの間、効率よくアルバイトをして生計を立てるならナイト系の仕事がおすすめです。
ナイト系は18歳以上(高校生不可)であれば応募可能で、学歴・経験不問で働ける求人が多数存在し、未経験からスタートする人が多いため安心して始められます。
また、正社員募集の求人も多数あり、アルバイトから正社員に転向することも可能です。
声優を目指すにも資金を懸念していたり、将来的に不安という方はぜひチェックしてみてくださいね。
中卒で声優になるためのおさらい
最後に、中卒者が声優になるためのポイントをまとめたのでおさらいしましょう。
- ポイント
- 【中卒で声優になる方法】
1.声優の専門学校に通う
2.声優事務所の付属養成所に通う
3.声優事務所の所属オーディションを受けて合格する
4.作品のキャストオーディションを受けて合格する
【声優に向いている人の特徴】
・忍耐力がある人
・感受性が豊かな人
・コミュニケーション能力が高い人
【声優になるメリット】
・新たな作品に携われる
・実力が評価されると声優以外の仕事の幅が広がる
・あらゆるキャラクターを演じられるる
声優はデビューするまでの道のりが長く、デビューしてからも安定して仕事がもらえる保証がないため、非常に厳しい世界です。
しかし、学歴を問わず誰でも目指せる職業であり、人気と実力が評価されれば声優業以外の分野にもチャレンジしやすくなります。
なにより、さまざまな作品に出演できたり、多くのキャラクターを演じられたり、役者ならではのやりがいや楽しさを感じられるのが魅力です。
本記事で本格的に声優を目指したいと感じた方は、さっそく今日から準備を始めてみてください。
こんなお悩みありませんか?
- 今より収入も待遇も
上げたいけど学歴がネック - 他業界から転職したい
けど年収を下げたくない - 正社員として働けて
稼げる仕事がない