「登録販売者」は、資格さえ取得できれば学歴に左右されず働ける仕事です。
登録販売者の資格試験の受験条件には、学歴・年齢といった制限は設けられていないため、中卒者も登録販売者を目指すことが可能です。
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中卒から登録販売者になる具体的な方法は?
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登録販売者資格の試験って独学でも合格できる?
今回は、このような疑問を抱く方に向けて、中卒から登録販売者になる方法を中心に解説していきます。
登録販売者試験の内容や注意点についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
登録販売者は国家資格?
国家資格の定義があやふやなこともあり、登録販売者ははっきりと国家資格とは明言されていません。
一方で、各都道府県が試験を実施しており、厚生労働省の登録販売者制度で規定されている資格でもあるため、将来性・信頼性がある資格といえます。
- 登録販売者制度とは
- 医薬品の販売を適切に行うための体制を整えられるように設けられている制度のことです。令和5年4月1日に行われた改正で登録販売者の店舗管理者要件の見直しが行われ、一部緩和されています。
中卒で登録販売者になることはできる
先述した通り、中卒で登録販売者になることはできます。
登録販売者とは、「一般用医薬品の販売ができる専門資格者」を指します。
たとえ薬剤師がいなくても登録販売者が在籍する店舗であれば、一般医薬品の大部分を占める第二類医薬品と第三類医薬品を販売できます。特に薬局やドラッグストアなどの小売店にとって登録販売者は欠かせない存在であり、需要の高い職種と言えます。
しかし、登録販売者の求人には学歴不問の記載があったとしても、実際の応募資格が「高卒以上」と制限する企業も珍しくないので、中卒者が応募できる登録販売者の求人が見つかるまで多少苦労するかもしれません。
とは言え、医薬品の取扱店舗の多くは薬剤師や登録販売者が不足している傾向があることから、近年は学歴より人柄重視の採用を行う企業も増えつつあります。そのため、登録販売者は中卒者も活躍できるチャンスがある職業です。
登録販売者は学歴関係なく誰でも取得できる
登録販売者の資格を得るためには、各都道府県が主催する「登録販売者試験」の合格が必要です。登録販売者試験は、学歴・年齢といった受験資格が設けられていないため、中卒者を含め誰でも受験可能です。
後ほど詳しく解説しますが、「正規登録販売者」になる条件として、直近5年間で1~2年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験が含まれています。
そのため、実務経験がないまま試験に合格した場合、「登録販売者研修生」という扱いになり、2年以上実務経験のある登録販売者または薬剤師の指導の下で実務経験を積む必要があります。
資格を取得することと実務経験を積むことはどちらが先でも問題ありませんが、実務経験を積んだ後に登録販売者の資格を取得する流れが一般的です。
いずれにせよ登録販売者試験の合格通知書と実務従事証明書を用意して正規登録販売者の登録ができれば、晴れて正規登録販売者として自分の判断で医薬品を販売できるようになります。
登録販売者の需要は増加している
一般用医薬品の販売条件が緩和されたことで、薬局やドラッグストアだけではなく、コンビニやスーパー、ディスカウントストアなどでも一般用医薬品が販売されるようになりました。それに伴って、登録販売者の募集も各地で広く行われています。
また、一般用医薬品はインターネットでの販売も可能になっており、ネット通販企業での勤務という活躍の場もあります。
学歴不問の求人や人物重視の採用もあり、中卒者で経験・スキルがない方への門戸も開かれています。
登録販売者の就職先の幅は広がっている
先ほどご紹介した以外にも、様々な業態で登録販売者の採用は行われています。こちらでは就職先例をご紹介します。
登録販売者の就職先例
- ドラッグストア
- 調剤薬局
- コンビニ
- スーパー
- 家電量販店
- ホームセンター
- 介護施設
- 漢方薬局
- エステサロン
- 通信販売会社
- 製薬会社の営業
- 日用品メーカー会社
- 化粧品会社
中卒で挑戦しやすいのはドラッグストア
ご紹介した就職先の中でも、ドラッグストアなどの小売業は中卒から挑戦しやすい業態です。正社員の募集でも「学歴不問」の求人が多く、中卒でも応募できる求人が多くあります。
求人サイト「求人ボックス」で実際の求人数を比較しても、全体の約40%は「学歴不問」の求人になっています。
反対に「調剤薬局」や「製薬会社」の募集は、学歴を「大卒以上」「高卒以上」と記載している企業も多く、中卒からの挑戦が難しいのが現状です。
中卒で登録販売者になるには経験・スキルが課題
中卒から登録販売者を目指すときにハードルになりやすいのが「経験・スキル」です。
企業は即戦力として経験者を採用したいという意図があります。しかし、採用ニーズが高く、経験者もすぐには集まりづらいため、未経験者向けの求人も増加しているのが現状です。
たとえ経験やスキルがなくても、やる気やポテンシャルを面接で上手くアピールすることで、採用の可能性も高まりますので、悲観する必要はありません。
ポテンシャルのアピール例
- 前向きに努力できることを具体例を示して伝える
- 資格を持っていない場合は、就職のために学習をしていることを伝える
- 未経験でも登録販売者になりたい理由を熱意を持って伝える
採用の際に優遇される経験・スキル
採用の際に優遇される経験・スキルは以下の2つがあげられます。
- 接客経験(特に小売店)
- パソコンスキル
ドラッグストアやコンビニなどの登録販売者は、一般の接客業務に付随してサービスを行うことがほとんどです。そのため、小売店で働いた経験がある人が、即戦力として優遇される傾向にあります。
また、スタッフの育成やシフトの管理などの店舗管理業務などを経験していると、店長として就職できる可能性もあります。
たとえ登録販売者としての経験がなくても、「接客の経験があること」「資格の勉強をしていること」をアピールして一般の従業員として就職し、その後に登録販売者になるのも一つの手です。
また、パソコンスキルがあると仕事を優位に進められる場合があります。
登録販売者は基本的にコミュニケーション重視の仕事ですが、医薬品の情報収集や顧客のデータ管理、販売データの登録などをパソコンで行う場面も少なくありません。その際に一定のパソコンスキルがあれば、新しい仕事を任せてもらえるチャンスも増える可能性があります。
中卒で登録販売者になるメリットは4つ
次に登録販売者のメリット・デメリットを理解したうえで、自分に適しているかどうか考えていきましょう。
まずは中卒から登録販売者になるメリットをご紹介します。
- 学歴のハンデを埋められる
- 全国各地で転職先が見つかりやすい
- 資格手当や昇進による年収アップが期待できる
- 独立開業もできる
学歴のハンデを埋められる
登録販売者として就職すると、学歴によって勤務内容などが変わることがないため、周囲との差を感じることが少なくなります。
また、登録販売者は学歴を重視しない求人が多いため、職場にも様々な学歴の人が集まりやすく、職場の雰囲気としても学歴のハンデを感じにくいと考えられます。
全国各地で転職先が見つかりやすい
登録販売者の就職先は、ドラッグストアや薬局、スーパー、家電量販店など幅広く、生活の身近に存在する場所ばかりです。登録販売者は資格必須の職業かつ人手不足なのも相まって、最近は全国各地で学歴不問の求人募集も増えており、自分の希望に合った転職先が見つかりやすいメリットがあります。
資格手当や昇進による年収アップが期待できる
登録販売者は資格手当が付く場合が多く、さらには実務経験を積むことで店長やエリアマネージャーといった昇進につながるケースもあるので、年収アップの期待ができるのも魅力です。
登録販売者は、手に職がつきやすく年収アップが狙える点が大きなメリットと言えます。
独立開業もできる
第一類以外の医薬品を販売できる登録販売者は、管理者要件を満たすことで独立開業も可能です。
独立開業すれば、店舗のコンセプトを自分で考えることができたり、店舗の運営が上手くいけば雇用されていた時よりも収入が上がるなどのメリットがあります。
将来、ドラッグストアを開業したい方や、医薬品を扱う店舗のフランチャイズなどを考えている方は、まず登録販売者になることが第一ステップになります。
また、登録販売者の管理者/管理者代行になれる人に、追加で手当を実施している企業もあるため、独立を考えていなくても管理者を目指すことがおすすめです。
- 店舗管理者とは
- 医薬品を扱う店舗に設置が義務付けられる責任者のことです。店舗の管理を含め、薬剤師や登録販売者の管理も行います。正規の登録販売者になった後、勤務先から「実務・業務従事証明書」を発行してもらい、勤務簿などと併せて都道府県へ届け出ることで店舗管理者として働けるようになります。
中卒で登録販売者になるデメリットは3つ
ここからは、中卒から登録販売者になった際に考えられるデメリットをご紹介します。
- 立ち仕事なので体力を要する
- 一人で医薬品を販売できるようになるまで時間がかかる
- 外部研修が毎年発生する
登録販売者は、基本的に立ち仕事です。接客対応やレジ打ち、医薬品の発注、商品の補充、品出しなど立ちっぱなしの業務が多いため、ある程度の体力が求められます。
また、実務経験なしで登録販売者試験に合格した場合、最低でも1年以上は研修生の扱いになるので、すぐに一人で医薬品の販売ができるわけではない点にも注意しなければいけません。
さらに登録販売者は、毎年外部研修を計12時間以上受講することが義務づけられており、他の業種と比べて勉強する機会が多いという特徴があります。
これらのデメリットを把握しておかないと、思い描いていた登録販売者の理想と現実とのギャップに戸惑ってしまう可能性があります。
中卒で登録販売者になるための3ステップ
ここでは、中卒から登録販売者になるために必要な手順を以下の流れで解説していきます。
- 登録販売者試験に合格する
- 就職先を決めたうえで販売従事登録を行う
- 1~2年以上の実務経験を積み実務従事証明書を取得する
なお、ここでは薬局やドラッグストアなどで働いたことがない未経験者が登録販売者を目指す場合を想定して紹介します。
中卒で登録販売者になる方法①登録販売者試験に合格する
登録販売者になるには、まず「登録販売者試験」に合格する必要があります。前述の通り、登録販売者試験は学歴・年齢・経験に関係なく、誰でも受験が可能です。
試験日は都道府県によって異なりますが、年1回(8月下旬〜12月中旬)実施されます。
登録販売者試験の申し込み手順は以下の通りです。
- 各都道府県で配布されている願書を取り寄せる
- 願書と必要書類を記入して提出後、受験手数料を支払う
- 郵送される受験票を受け取る
登録販売者試験の場合、配布場所や受験手数料の金額、必要書類や試験の概要など、都道府県によって異なる点が多いのが特徴です。あらかじめ受験する都道府県のホームページから申し込み方法や試験の概要を確認しておきましょう。
ちなみに、登録販売者試験の概要は以下の通りです。ここでは、東京都保健医療局が掲載した令和5年度登録販売者試験の概要を参考にしています。
問題数 | 120問 |
試験方法 | マークシート方式 |
試験内容 |
・医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問) |
合格基準 | 以下の2つの条件を両方クリアする ・全120問のうち84問以上正解する(正答率7割以上) ・各分野ごとの正答率が3割5分以上 |
令和5年度の東京都の登録販売者試験の合格率は44.0%です。決して高い数字とは言えないので、事前に試験対策を入念に行う必要があります
中卒で登録販売者になる方法②就職先を決めたうえで販売従事登録を行う
登録販売者試験に合格して、就職先が決まった時点で「販売従事登録」を行います。販売従事登録証を発行しないと販売登録者として就業できないため、忘れずに登録しましょう。
販売従事登録の申請する流れは、必要書類を各都道府県の管轄部署へ郵送または受付窓口に直接提出後、登録手数料の支払いを行うのが一般的です。
販売従事登録の必要書類は、都道府県によって異なりますが、以下の書類の提出を求められる場合が多いです。
- 参考
- ・販売従事登録申請書
・登録販売者試験合格通知書
・戸籍謄(抄)本、戸籍記載事項証明書、本籍の記載のある住民票の写しもしくは住民票記載事項証明書のうちいずれか1つ
・雇用証明書
・医師による診断書(該当者のみ)
また、登録手数料に関しても、都道府県によって金額が前後するので注意しましょう。
中卒で登録販売者になる方法③1~2年以上の実務経験を積み実務従事証明書を取得する
販売従事登録証を発行後、「登録販売者研修生」として1~2年以上の実務経験を積んで、実務従事証明書を取得します。
実務従事証明書を取得するためには、ドラッグストアや薬局といった一般用医薬品を取り扱う店舗で以下の条件を満たさなければいけません。
- 直近の5年間で1年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験+追加研修の受講
- 直近の5年間で2年以上かつ通算1,920時間以上の実務経験
登録販売者研修生の実務経験は、1年以上の場合は同一店舗で月160時間以上、2年以上の場合は同一店舗で月80時間以上従事した際に認められます。
研修中の登録販売者ができる業務は以下の通りです。
- 医薬品以外の一般商品の販売
- 薬剤師や2年以上実務経験のある登録販売者の管理・指導の下での医薬品販売
実務経験を積んで販売従事証明証を手に入れると、正規登録販売者として一人で医薬品の販売が可能になります。
登録販売者に向いている人・向いていない人
登録販売者に限らず、自分に適性のない職業で働いてしまうと、苦労ばかりが続いて転職したことを後悔してしまうかもしれません。
ここでは、登録販売者に向いている人・向いていない人の特徴を紹介するので、自分はどちらに当てはまるのかチェックしてみてください。
向いている人 | 向いていない人 |
お客様と積極的にコミュニケーションがとれる人 | 人と関わらない仕事がしたい人 |
自主的に勉強ができる人 | 自主的に勉強ができない人 |
協調性がある人 | 土日祝日に休みたい人 |
登録販売者に向いている人の特徴3つ
登録販売者に向いている人の特徴は、以下の3つです。
- お客様と積極的にコミュニケーションがとれる人
- 自主的に勉強ができる人
- 協調性がある人
登録販売者は「接客業」なので、コミュニケーション能力が求められます。特に、お客様に適切な医薬品を提案する意味で、「どういった症状に困っているのか」「どんな薬を探しているのか」といったヒアリング力は必須です。
また、日々変化する医薬品に関する情報に対応するうえで、情報収集や知識のアップデートは必要不可欠です。そのため、医薬品に関する勉強を自主的に続けられる人が向いている職業と言えます。
なお、薬局やドラッグストアで働く登録販売者は、商品の陳列や補充、開店・閉店作業など店舗スタッフの業務も担っている場合が多いです。店舗を円滑に運営するためには、スタッフ間のチームワークが欠かせないので、協調性も求められます。
登録販売者に向いていない人の特徴3つ
登録販売者に向いていない人の特徴は、以下の3つです。
- 人と関わらない仕事がしたい人
- 自主的に勉強ができない人
- 土日祝日に休みたい人
登録販売者は、お客様が悩んでいる症状に合った医薬品の提案や説明を行うのが主な仕事です。お客様と密に関わる機会が多いからこそ、人と関わることに苦手意識を感じる方には向いていない職業かもしれません。
また、先述した通り、医薬品の最新情報を把握するためには、登録販売者になった後も継続的に知識を習得しなければいけません。したがって、自主的に勉強ができない人や資格を取るだけで満足してしまう人も難しいです。
さらに、登録販売者の就職先として、ドラッグストアや薬局、スーパー、商業施設の医薬品コーナーといった土日祝日も営業する店舗が挙げられますが、そのほとんどはシフト制を採用しています。
特に正社員の場合、希望を出さない限り土日祝日の出勤は避けられないので、安定して土日祝日休みを希望する場合、不向きといえます。
登録販売者についてのQ&A
中卒から登録販売者を目指すときに生じやすい疑問点をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
登録販売者の資格はどこまで扱えますか?
登録販売者が扱える薬は「一般医薬品」と呼ばれ、医師による処方箋を必要とせずに購入できる「医薬品」のことを指します。「市販薬」「売薬」などとも呼ばれます。
一般医薬品は第一類・第二類・第三類の3グループに分けられており、登録販売者は第二類・第三類を扱うことが可能です。上位資格である薬剤師はすべての一般医薬品を扱うことができます。
医薬品の中でも、第二類・第三類(かぜ薬や解熱鎮痛剤など)は全体の9割以上を占めているため、登録販売者が能力を発揮できる範囲は広いといえます。
登録販売者の試験は難しいですか?
登録販売者試験の平均的な合格率は40~50%と言われています。
各都道府県によって試験問題が違うため一概には言えませんが、しっかりと対策をすれば取得できる資格です。
関連する資格には「薬剤師」も該当しますが、薬剤師は6年制薬学部の卒業が必須条件のため、そもそもの受験が難しくなっています。
登録販売者のように薬剤に関連する資格や人気資格の合格率、受験資格をまとめてみました。
人気資格 |
合格率 |
受験資格 |
登録販売者試験 |
40~50% |
なし |
調剤薬局事務検定 |
50% |
調剤薬局事務講座の受講 |
薬剤師国家試験 |
60~80% |
6年制薬科大学の卒業 |
調理師試験 |
60~70% |
厚労省指定の専門学校を卒業、または2年以上の実務経験 |
介護福祉士国家試験 |
70% |
養成施設・福祉系高校の卒業、または3年以上の実務経験が必要 |
中卒で登録販売者になるための資格試験の対策方法
登録販売者の試験は独学でも合格することは可能ですが、出題範囲が広いため計画的に勉強をしなくてはなりません。
ここでは、登録販売者試験の効果的な対策方法をご紹介します。
- 過去問を解いて出題傾向を掴む
- 最新の問題集を購入して勉強する
- 問題作成の手引きを確認する
登録販売者試験合格のための対策①過去問を解いて出題傾向を掴む
登録販売者試験に合格するためには、過去問の活用は必須です。過去3〜5年分の試験問題を解き、出題傾向を掴むのが試験に合格するコツと言えます。
過去の試験問題は、各都道府県のホームページに解答と一緒に掲載されているケースが多いです。
頻繁に出題される分野や専門用語を把握することで、どの範囲を重点的に勉強するべきかより明確になります。
出題範囲を把握した後は、苦手分野を中心に勉強したうえで再度過去問を解いて、インプットとアウトプットを繰り返し行いましょう。苦手分野を克服しやすくなるのはもちろん、120問に及ぶ問題数を解く時間配分の目安も掴めるメリットもあります。
登録販売者試験合格のための対策②最新の問題集を購入して勉強する
登録販売者試験の問題集やテキストは、必ず最新の情報が反映されたものを購入しましょう。
医療業界は、定期的に薬機法をはじめさまざまな法律や制度の改正が行われており、その度に資格試験の内容も変更されます。改正前の知識を覚えてしまうのを防ぐ意味でも、最新版の問題集を活用して勉強する必要があるのです。
ちなみに、登録販売者試験の問題集を選ぶ際は、自分に合ったレイアウト構成のものを選ぶのがおすすめです。毎年文字数が多いものや図や表が多用されているものまで、さまざまなタイプの問題集が登場しています。
可能であれば、書店で実際に問題集の中身を確認して、自分が覚えられそうなレイアウト構成になっているかどうかチェックしてみてください。
登録販売者試験合格のための対策③問題作成の手引きを確認する
登録販売者試験の出題内容は、厚生労働省のホームページで公開している「登録販売者試験問題作成に関する手引き」を基に作成されるため、必ず確認しましょう。
この手引きは、例年3月末頃に改定内容が発表されており、直近では令和5年4月に簡易的な変更が実施されています。(※令和6年2月時点)
手引きの改正内容は、主に用語の変更や、各章ごとに情報の削除・追加が行われるケースが多いです。手引きの改正が行われた際は、変更箇所をチェックして新しい知識をインプットできるようにしておきましょう。
ちなみに、最近は登録販売者試験対策のオンライン講座も登場しています。オンライン講座のテキストであれば、オンラインで定期的に情報が更新されるので、膨大な情報量の手引きの中から変更点を洗い出す手間を短縮したい方はぜひ検討してみてください。
登録販売者以外で転職を検討するならナイト系がおすすめ
登録販売者試験は誰でも受験できて挑戦しやすい職業ですが、中卒では調剤薬局や製薬会社などへの就業は困難であったり選択肢は限られてきます。
中卒者も採用されるチャンスが多い業界で働きたい方は、ナイト系がおすすめです。
ナイト系は、18歳以上(高校生不可)であれば特別な資格不要で応募できます。学歴より実力重視の企業が多く、成果を出せればスピード昇給・昇格も夢ではありません。
登録販売者は一人前になるまで時間を要することを踏まえると、いち早く稼ぎたい方にとってぴったりな業界と言えます。
また、ナイト系には店舗スタッフや送迎ドライバー、Web系スタッフなど、さまざまな職種があるので、自分に合った仕事が見つかりやすいのも魅力です。
転職先の選択肢の1つとして、ぜひナイト系もチェックしてみてください。
こんなお悩みありませんか?
- 今より収入も待遇も
上げたいけど学歴がネック - 他業界から転職したい
けど年収を下げたくない - 正社員として働けて
稼げる仕事がない
中卒で登録販売者になるためのおさらい
最後に、この記事で解説してきたポイントをまとめます。
- ポイント
- 【中卒から登録販売者になるメリット】
・ 学歴のハンデを埋められる
・全国各地で転職先が見つかりやすい
・資格手当や昇進による年収アップが期待される
・独立開業もできる
【登録販売者に向いている人の特徴】
・お客様と積極的にコミュニケーションがとれる人
・自主的に勉強ができる人
・協調性がある人
【中卒で登録販売者になる方法】
・登録販売者試験に合格する
・就職先を決めたうえで販売従事登録を行う
・1~2年以上の実務経験を積み実務従事証明書を取得する
登録販売者は、一般医薬品の取扱店舗において重要な存在であり、今後も活躍の場が広がっていく職業と言えます。
資格試験の受験条件に学歴・年齢といった制限がなく中卒者も受験できるため、資格必須の仕事に就いて安定した収入を得たい方は、ぜひ挑戦してみてください。