「なるほど」は敬語?ビジネス・目上向けの失礼のない言い換え表現を解説

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「なるほど」は敬語?ビジネス・目上向けの失礼のない言い換え表現を解説

ビジネスの場で相手から説明を受けているとき、「なるほど」と相槌を打った経験は誰にでもあると思います。

「はい」や「ええ」が連続しそうなときに便利な「なるほど」という言葉。

しかし、そもそも「なるほど」が取引先や目上の人に対して適切な敬語なのか不安な方も多いでしょう。

そこで今回は「なるほど」の意味や適切な使い方、敬語として失礼のない言い換えの言葉などを解説します!
ビジネスで使いがちな言葉だからこそ「なるほど」の使い方をマスターしましょう!

「なるほど」の意味と語源

「なるほど」の意味と語源

「なるほど」には「たしかに」「おっしゃる通り」と同じく、相手の言葉を肯定する意味があります。

厳密な意味は以下になります。

なる‐ほど【成程】
① 可能な範囲でその限度までつとめてすることを示す。できるだけ。可能な限り。なるべきほど。(中略)
② その状態や理屈を改めて確認し、または納得することを示す。

出典: 引用:コトバンク 精選版 日本国語大辞典「成程」(参照 2023-09-05)

上記の①は後述する通り、現代では「相手の意見を肯定し、同意であることを示す」という意味に転じています。

要するに「なるほど」には「相手の意見を肯定し、同意であることを示す」と「状況や相手の理屈に納得する」の、2種類の意味があるのです。

どちらも似たような意味に見えますが、後者の場合は納得しているだけで肯定か否定かまでは表明していないことに注意が必要です。

例えば、

参考
「なんでこんな時間にいるの?」
「今日は移動があるから1時間早く来たんだ」
「なるほどね~」
という会話には否定も肯定もありませんよね。この場合は後者の「相手の理屈に納得する」という意味の「なるほど」だとわかります。

さて、そんな「なるほど」ですが、昔は「なるべく」「できる限り」といった意味で使われていたと言われています。

漢字表記の「成程」はその名残で、「(物事が)成る程」というのが語源だったようです。「成る」は「できる」「達成される」という意味があるので、現代風に言えば「成程」は「(物事が)達成できるレベル」になります。

誰かが「物事が達成できるレベル」の能力を見せたとき、多くの人はその人に不満を持たないでしょう。そのため「成程」は段々と「相手を肯定する」意味を持ったようです。

【参考】英語で「なるほど」は何と言うの?

【参考】英語で「なるほど」は何と言うの?

英語にも「なるほど」に当たる表現が複数あります。場面や伝えたいニュアンスによって使い分けることが重要です。

以下は、覚えておくと便利な英語の「なるほど」です。ビジネスで英語を使う方は参考にしてください。

参考
・Right(たしかにそうですね)
ビジネスでも日常会話でも使える「なるほど」です。同意の意味もあるので、相手から提案を受けてOKしたいときにも使えます。

・That makes sense(そういうことだったんですね)
ビジネスでも日常会話でも使える「なるほど」ですが、同意の意味はありません。事実の説明に対して納得したことを表明するときに使えます。

・Got it (わかった)
ややカジュアルな「なるほど」です。上司や取引先に使うのは不適切かもしれません。「I got it」だと丁寧な表現になります。

・I see(だいたいわかった)
学校で「なるほど」の英語として習いますが、実は「言いたいことはわかったよ」というニュアンスが強く、核心的に理解したときに使うには不適切だと言われています。

「なるほど」は敬語?失礼にあたる?

「なるほど」は敬語?失礼にあたる?

「なるほど」自体は敬語ではありません。友達口調(いわゆるタメ口)と同じなので、ビジネスの場で使用すると失礼にあたります。

特に取引先や上司と話すときに「なるほど」という相槌は避けましょう。

もしビジネスの場でどうしても「なるほど」を使いたい場合は「なるほど、おっしゃる通りですね」と丁寧な言葉で補足してください。

とはいえ、できるだけ「なるほど」を使うこと自体、避けたほうが無難です。社会人歴が長い人や礼儀を大事にする人ほど「なるほど」と返されることを嫌がる傾向にあります。

「なるほど」と言うのは「うん」と相槌を打っているのとほぼ変わりません。ビジネスの場で咄嗟に言ってしまわないように注意しましょう。

「なるほどですね」と「なるほどです」は敬語の言い換えとしては不適切

「なるほどですね」と「なるほどです」は敬語の言い換えとしては不適切

「なるほどですね」「なるほどです」という言い換えは、正式には存在しません。

「なるほど」は副詞・感嘆詞なので、敬語の「です」をそのままつけるのは誤用となってしまいます。ビジネスの場では、口頭でも文章でも「なるほどですね」「なるほどです」は使わないようにしましょう。

そもそも「なるほどですね」という表現が使われ始めたのは2009年前後のようです。おそらく当時の若い世代が使い始めたスラングのような相槌なのでしょう。

NHK文化研究所の2009年3月1日の「最近気になる放送用語」でも、「なるほどですね」に苦言を呈す文章が見られます。

「なるほどですね」は、特に最近になって頻繁に使われているようです。ただし違和感を覚える人も多く、少なくとも現時点では、放送ではあまり使わないほうがよいでしょう。

出典: 引用:NHK文化研究所「「なるほどですね」?(2009年3月1日)」(参照 2023-09-06)

現在は当時よりも「なるほどですね」を使う人が増えましたが、やはり言葉として歴史が浅いため、年長の方ほど聞きなれず敬語だと思わない方が多いかもしれません。

一方で、「なるほど、そのとおりですね」「なるほど、たしかにそう思います」のように、なるほどの後に丁寧な言葉をつけるなら誤用ではありません。

うっかり「なるほど」と言ってしまったときは、「ですね」をつけるのではなく「おっしゃるとおりですね」等をつけるほうがまだ正しい敬語と言えるでしょう。

「なるほど」の代わりに使えるビジネスシーン・目上相手向けの表現とは?

「なるほど」の代わりに使えるビジネスシーン・目上相手向けの表現とは?

ここからは、実際にビジネスの場で使える「なるほど」の言い換えとなる表現をご紹介します。

相槌の打ち方や肯定の仕方に悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。

会話の相槌として使いたい場合

会話の相槌で「なるほど」と言いたくなったときは「はい」と言いましょう。

参考
「なるほど」に代わる丁寧な相槌
・はい
・そうですね

相槌で「はい」が連続すると不安になるかもしれませんが、敬語ではない「なるほど」よりは適切な相槌です。

とはいえ、「はいはい」と2回続けて言うと馴れ馴れしさが増し、相手に不快感を与えてしまうので控えてください。

相手の言葉に丁寧に1回だけ「はい」と相槌を打つ分には特に失礼には当たらないので、意識せずに「はい」と言えるくらい自分のものにしておくといいでしょう。

また、仲の良い上司や、何回も一緒に仕事をしている取引先の担当者が相手なら「そうですね」という相槌でも問題ありません。

ビジネスシーンの相槌は基本「はい」、相手と距離が近くなったらときおり「そうですね」を挟んでもOK、と覚えると安心ですよ。

同意として使いたい場合

「なるほど」の代わりに同意を表明したい場合は「おっしゃるとおりです」が最も無難だと言えます。

ビジネスシーンでも使える同意の表現は他にもいくつかあるので、ぜひ覚えてください。

参考
「なるほど」に代わる丁寧な同意表現
・おっしゃるとおりです
・そのとおりです
・同感です
・私もそのように思います

「おっしゃるとおりです」は上司に使っても取引先に使っても違和感がなく、使い勝手がよい表現です。

一方「そのとおりです」「同感です」はやや無骨な印象を受けるため、取引先との会話にはあまり使われません。社内の人間との会話なら問題ないでしょう。

「私もそのように思います」は表現としては適切ですが、テンポの早い議論の場だとやや長すぎるかもしれません。逆に、最終的な意思表明の場では非常に丁寧で明瞭な表現です。

納得したことを伝えたい場合

相手に納得したことを伝えたいなら、「なるほど」ではなく「かしこまりました」「承知いたしました」などを使いましょう。

以下のような表現なら失礼にあたりません。

参考
「なるほど」に代わる丁寧な納得の表現
・かしこまりました
・承知いたしました
・わかりました

「かしこまりました」はビジネスシーンではよく使われる表現であり、特に口頭で丁寧に納得したことを伝えたいときに有用です。取引先にも上司にも使えます。

「承知いたしました」も相手を問わずビジネスシーンで使いやすい表現です。文章の際は「かしこまりました」よりこちらのほうがよく使われます。

「わかりました」はややカジュアルな丁寧表現です。社内の人間に使う分には問題ありませんが、商談の場などではあまり使われません。

理解・賛同を示すあいづちとして使いたい場合

相手の主張をひとまず理解したことを伝えたい場合、「参考になります」といった応答だと丁寧です。

参考
「なるほど」に代わる丁寧な理解の表現
・左様でございますか
・参考になります
・勉強になります

「左様でございますか」は「そうですか」「そうだったのですね」の丁寧な表現にあたります。「左様でございますか、承知いたしました」だとより明確に相手に理解したことを伝えられます。

「参考になります」は言葉のとおりの意味です。「だいたい同意見だが、まだ結論は出せない」といった状況のときにも使われます。

「勉強になります」は上司にも取引先にも使える謙譲の意味を持つ表現です。「知らないことでしたが、教えていただいて理解しました」というニュアンスを持ちます。

「なるほど」以外にも注意したい失礼な応答・例文

「なるほど」以外にも注意したい失礼な応答・例文

ビジネスの場では、「なるほど」以外にも使うべきではない応答があります。

中にはうっかり使ってしまいがちな言葉もあるので、失礼に当たる応答は全部覚えて意識的に使用を避けましょう。

参考
ビジネスシーンで使うと失礼な応答
・了解です
・たしかに
・一理ありますね
・本当ですか?
注意点
失礼な応答の例文
・取引先「~という方針で対応させていただきます」自分「了解です」
・取引先「~であると考えております」自分「たしかに」
・取引先「~はいかがでしょうか?」自分「一理ありますね」
・取引先「~という結果になりました」自分「本当ですか?」

一見丁寧そうな応答でも、例文にすると失礼さがよくわかりますよね。それでは一つずつ解説していきましょう。

「了解です」は「オッケー」と返しているのとほぼ変わりません。「了解」自体が目上から目下の人に使う言葉なので「です」をつけても失礼に当たります。「承知いたしました」などの言葉に置き換えると無難です。

「たしかに」はそのままだとタメ口になってしまいます。敬語として使いたい場合は「たしかに、おっしゃるとおりです」まで言いましょう。

「一理ありますね」は「粗はあるけどまぁだいたい正しいね」「部分的には正しいかもね」という相手の言葉の一部だけを肯定しているニュアンスを含んでしまいます。相手から反感を買う危険があるので使用は避けましょう。ビジネスの場で相手に合意を示したいときは「おっしゃる通りです」「ごもっともです」などといった言葉を使いましょう。

「本当ですか?」は言葉通り、相手を疑っているような印象を与えてしまいます。うっかり言ってしまった場合は、「本当ですか?それは素晴らしいですね!」「本当ですか?ぜひお願いいたします!」などポジティブな言葉をつけると失礼さが軽減されます。

評価を下げないためにも正しい敬語を覚えよう!

「なるほど」は敬語に当たらないため、ビジネスシーンでは使わないほうが無難な言葉です。

相手に対してどういう立場を表明したいのかを考え、同意・納得・理解などを適切な敬語で表現できるようにしましょう。

もちろん、「なるほど」以外にも要注意な言葉はたくさんあります。

例えば、「了解です」「ごめんなさい」「ありがとう」といった言葉もビジネスシーンでは不適切とされているので、正しい用法を知りたい方はぜひ以下の記事を参考にしてくださいね。

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