「大丈夫です」敬語・丁寧語は?OK・結構です、ビジネスでの言い換え表現

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「大丈夫です」敬語・丁寧語は?OK・結構です、ビジネスでの言い換え表現

ビジネスコミュニケーションにおいて、「大丈夫です」という言葉の使い方に悩んだことはありませんか?
実はこの言葉はかなりラフなニュアンスを含んでしまうため、場合によっては、相手に不快感を与えることもあるので注意が必要です。

本記事では、ビジネスシーンでの「大丈夫です」の適切な使い方を解説し、敬語での言い換え方法や具体的な例文も紹介します。さらに、「OK」「結構です」などと似た言葉でもあるため、これらの言葉とのニュアンスの違いについても言及していきます。

適切な言葉遣いを学んで相手に好印象を与えることによって、業務が円滑に進む場合は多々あります。ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

「大丈夫です」は敬語ではなく丁寧語

「大丈夫です」は敬語?丁寧語?

「大丈夫です」は敬語ではなく丁寧な表現です。
しかし、この言葉は肯定なのか否定なのか、意味をとりにくい曖昧(あいまい)な言葉
なので、ビジネスシーンでの適切な使用は難しいとされています。

肯定的な意味で使う場合、上司や取引先との会話では、「問題ありません」といった表現が適切です。より丁寧に表現するなら、「問題ございません」という言い方もあります。

一方、否定的な意味で使う場合、提案を断りたい場面では、「遠慮させていただきます」「必要ありません」などを使うのが良いでしょう。
 

「大丈夫です」の語源と本来の意味

「大丈夫」という言葉の語源は、古代中国で成人した男性を表す「丈夫」に由来しています。
また、「大丈夫」の語源は仏教用語にも関連しており、古代サンスクリット語の「マハー・プルシャ(偉大な男性)」が元になっています。

中国においては「丈夫」と「菩薩」のイメージが重なり、「大丈夫」は特に立派な成人男子を表す言葉となったようです。

現代日本では、上記の意味が転じて「安心できる様子」「間違いがない様子」を表す言葉にもなりました。

 

「大丈夫です」を敬語で言い換えた表現をシーン別に紹介

ここからは、「大丈夫です」を敬語で言い換えた場合をシーン別に紹介します。
それぞれのシーンについて、会話の例文をもとに解説していくのでご参照ください。
 

  • 断りたい・否定したい場面
  • 肯定したい場合
  • 可能・了承であると伝えたいとき

 

シーン1:断りたい・否定したい場面

断る場合においての「大丈夫」は誤用とされています。
そのため、そもそも断りの場面で「大丈夫」を使うのは、ビジネスシーンでなくても間違いです。

ビジネスシーンにおいて断りたい・否定したい場面では、以下のような言葉を使うのが適切です。

参考
「必要ございません」
「遠慮させていただきます」

ビジネスにおいては「大丈夫」とあいまいに断るのは誤解の元です。明確に否定の意思を伝えるようにしましょう。
 

必要ございません

「必要ございません」という表現は、相手から何かを提案された際に、丁寧に断りたい場合に使用します。

具体的な会話例は以下の通りです。

  • Aさん:「弊社には○○というサービスもございます。今なら特別価格でご案内いたします」

  • Bさん:「現状のサービスで問題なく運用できていますので、必要ございません」

また、提案に対して以下のように答えることもできます。

  • 「お気持ちは嬉しいですが、必要ございません。」

はっきりと断るのは失礼なのではと感じる方もいるかもしれませんが、ビジネスにおいては相手に誤解を与えるようなあいまいな意思表示はトラブルの元となります。

上記のように、「必要ございません」を用いる時は、相手の気遣いに感謝しつつも、明確に断ることが重要です。
 

遠慮させていただきます

「遠慮させていただきます」という表現は、丁寧な断りを表す言葉です。

会話の場面で使用する例は以下の通りです。

  • Aさん:「明日の会議には出席していただけますか?」

  • Bさん:「申し訳ありませんが、その日は予定が入っておりまして、遠慮させていただきます」

また、申し出に対して、丁寧に断りたい場合には、メールや手紙などで以下のように使用できます。

  • 「お気遣いいただきありがとうございます。大変申し訳ありませんが、今回は遠慮させていただきます」

このように、「遠慮させていただきます」という表現は、相手に丁寧に断りを伝える際に使用されます。相手の配慮に感謝の意を示しつつ、自分の意思を明確に伝えるようにしましょう。
 

シーン2:肯定したい場面

相手の言葉を肯定したい場面では、以下のような言葉を使うのが適切です。

参考
問題ございません
間違いございません

「大丈夫」は「安心できる様子」「間違いがない様子」を表す言葉ではありますが、断る場合に使ってしまう人も多いことから、誤解を生みやすい言葉です。肯定の意味であっても、しっかりと明確に意思を伝えられる言葉を使いましょう。
 

問題ございません

「問題ございません」という表現は、肯定的な意思を丁寧に伝える際に使われる言葉です。

会話の場面で使用する例は以下の通りです。

  • Aさん:「このプランでよろしいですか?」

  • Bさん:「はい、問題ございません。進めてください」

メールや手紙などで使用する場合は以下のように使います。

メモ
「ご提案いただいた件について、問題ございません。引き続きお願いします。」

「問題ございません」の一言のみでは少し突き放したように感じるという場合は、その後の対応のお願いを添えたり、感謝の言葉をつけ足したりすると丁寧さが増すでしょう。また、「差し支えございません」といった言葉に置き換えることもできます。
 

間違いございません

「間違いございません」という表現は、物事を肯定する断言や、相手の不安を解消したい場合の断言に使用する言葉です。

会話の場面で使用する例は以下の通りです。

  • Aさん:「この書類の内容について、間違いはありませんか?」

  • Bさん:「間違いございません。内容は正確です」

メールや手紙などで使用する場合は以下のように使います。

メモ
「ご指摘いただきました点について、再度確認いたしましたが、間違いございません。」

このように、「間違いございません」という表現は、自信を持って事実を伝える際に使用されます。
 

シーン3:可能・了承であると伝えたいとき

相手からの打診やお願いに対して了承であると伝えたいときでは、以下のような言葉を使うのが適切です。

参考
〇〇は可能です
お任せください

〇〇は可能です

「〇〇は可能です」という表現は、「~することができる」「~する能力がある」といったニュアンスを丁寧に伝える言葉です。何かしらの対応が可能かと具体的に質問されたときに、肯定の言葉として断言したいときに使います。

会話の場面で使用する例は以下の通りです。

  • Aさん:「来週の打ち合わせはいつがいいですか?」

  • Bさん:「水曜日であれば、参加可能です」

メールや手紙などで使用する例文は以下の通りです。
「お問い合わせいただいた資料の送付につきましては、今週中までにはご対応可能でございます。」

ただし、目上の人が何かすることができるといった意味で使う場合は、注意が必要です。

「あなたは~する能力がありますよ」といったニュアンスに捉えられてしまい失礼になってしまうこともあるので、「差し支えございません」「ご(お)~になれます(ご利用になれます)」「ご(お)~いただけます(お持ち帰りいただけます)」といった使い方に言い換えすると良いでしょう。
 

お任せください

「お任せください」という表現は、何かしらの対応が可能かと具体的に質問されたときに、肯定の意味を示し、さらに信頼を委ねてほしいと意思表示する際に使います。

単に、対応が可能であると伝えるだけでなく、自分に頼んでくれれば成功させることができますと積極的にアピールすることができます。

会話の場面で使用する例文は以下の通りです。

  • Aさん:「この案件の処理、お願いできますか?」

  • Bさん:「もちろんです。お任せください。最善を尽くします」

メールや手紙などで使用する例文は以下の通りです。

メモ
「本件につきましては、私どもにぜひお任せください。迅速に対応いたします。」

このように、「お任せください」という表現は、相手の期待や要求に対して自信を持って受け入れる意思を示す際に使用されます。その際、相手に対して信頼感と責任感がある旨を伝える言葉をさらにつけ足すと説得力が増します。
 

「大丈夫です」は意味が曖昧なので注意が必要

「大丈夫です」は意味が曖昧なので注意が必要

「大丈夫です」というフレーズは、日常生活で幅広い場面で気軽に使われる言葉です。本来は誤用である断る際にも多用されているため、ビジネスでのコミュニケーションにおいては意味が曖昧に伝わってしまう可能性があり、注意が必要です。
「大丈夫です」の一言だけだと、肯定しているのか否定しているのかわかりにくいので、相手に誤解されてしまい、業務に支障が出るおそれがあります。

また、カジュアルな言葉なので、上司や取引先などの目上の方に対して使用するのは、失礼にあたると感じる人が多い言葉でもあります。

ビジネスにおいては、ときには日常生活とは異なる言葉遣いを心がけることが大切です。無意識に「大丈夫」を使ってしまいがちな自覚がある方は、適切な場面や相手であるかをよく考えてから使うようにしましょう。
 

「結構です」の使い方にも注意

「大丈夫です」と似た言葉に「結構です」があります。

「結構です」は正しい敬語表現ではありますが、「大丈夫です」と同じく肯定と否定の両方の使い方ができるため、こちらも注意が必要です。
(断る場面で使うイメージが強いですが、「結構なお点前ですね」と相手の腕前をほめる表現があるように、「申し分がない」「それで良い」と肯定する場合にも使います。)

また、「結構です」は敬語の中でも程度が低いため、相手によっては「失礼」と捉えられる可能性があります。
 

「大丈夫です」を英語で表現をご紹介

「大丈夫です」を英語で表現すると?

近年、ビジネスで海外の方と関わる機会も増えてきています。そこで「大丈夫です」を失礼のない英語で表現する方法も覚えておきましょう。

  • 肯定の意味を表現したい場合
  • 否定の意味を表現したい場合

それぞれ解説していきます。
 

肯定の意味を表現したい場合

肯定の意味を表現したい場合、「大丈夫です」に相当する意味を持つ英語表現として、「OK」や「I’m fine.」などの表現が使われます。

具体的な肯定的な意味を持つ英語表現には次のようなものがあります。

参考
OK.
I’m fine.
I’ll be fine.
It’s all right.

以下は、具体的な会話の例です。

メモ
「OK. I will finish the task by tomorrow.」(わかりました。私は明日までにそのタスクを終わらせます。)
「I’m fine. Please don’t worry about me.」(大丈夫です。私のことを心配しないでください。)
「I’ll be fine. I just need a little rest.」(大丈夫です。ちょっと休息が必要です。)
「It’s all right. You can borrow my laptop.」(大丈夫です。私のノートパソコンを借りてもいいですよ。)

否定の意味を表現したい場合

否定の意味を表現したい場合は、「結構です」に相当する意味を持つ英語表現として、「No.」や「I can’t.」などの表現が使われます。

否定的な意味を持つ英語表現には次のようなものがあります。

参考
No.
I can’t.
I’m not okay with that.
That’s not possible.

以下は、具体的な会話の例になります。

メモ
No, thank you. (いいえ、結構です。)
I can’t make it to the meeting today. (今日の会議には出席できません。)
I’m not okay with your proposal. (あなたの提案には同意できません。)
That’s not possible for me right now. (今はその対応はできません。)

 

「OKです」は日本語としてビジネスの場で使っても良い?

「OKです」は日本語としてビジネスの場で使っても良い?

「OK」という表現は日本語としても定着しています。

英語圏ではビジネスの場でも一般的ですが、日本語でのビジネスシーンにおいては、状況や相手によって使い分けることが重要です。日本人同士のコミュニケーションでは、相手や場面によってはカジュアルすぎると受け取られる可能性が高いです。

ビジネスシーンでは、より丁寧でフォーマルな言い換えや言い回しを用いることが望ましいでしょう。
 

「OKです」をビジネス向けに言い換えると?

ビジネス向けに「OKです」を言い換えるときは、次のような表現や類語が適しています。

参考
承知しました。
承諾いたします。
かしこまりました。

ビジネスシーンでは相手に敬意を払うことが求められるため、適切な敬語を使うことが大切です。相手や状況に応じて、丁寧かつ適切な表現を選ぶよう心がけましょう。
 

「大丈夫です」以外にも間違いやすい敬語は多い

「大丈夫です」以外にも間違いやすい敬語は多い

「大丈夫です」以外にもとっさにビジネスの場で使ってしまう間違いやすい言葉は多いです。なかには敬語と思っていたら、敬語ではなかったなんてケースもあります。

ここでは、代表的な「間違いやすい敬語」をピックアップしてご紹介します。
 

  • 了解しました
  • お世話様です
  • すみません
  • 〜になります
  • ご苦労様です
  • そうです
  • 大変参考になりました
  • お座りください
  • なるほどですね

  

了解しました

「了解しました」は、相手の意見や依頼に対して肯定的な返答をする際に使われる表現ですが、上司が部下に対して使い始めた言葉でもあり、ビジネスシーンで上司や取引先にするのは不適切です。

「承知いたしました」や「かしこまりました」という表現に置き換えた方が無難です。

正しい置き換え方
「進行中のプロジェクトの内容について、承知いたしました。」
「かしこまりました。そのように対応いたします。」

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お世話様です

「お世話様です」は、相手の労苦や取り計らいに対して感謝の意を表す言葉ですが、フランクな雰囲気が出てしまうため、ビジネスシーンでは「お世話になっております」という表現がより適切です。

正しい置き換え方
「大変お世話になっております。」
「お世話になっております。本日の会議の議事録について、ご確認いただけますでしょうか。」

 

すみません

「すみません」は、日常会話や会話でのビジネスシーンでよく使われる表現ですが、より丁寧な場面では「申し訳ございません」や「失礼いたしました」という表現の方が適切です。

相手に対して真摯な謝罪の意を示す際には軽すぎる言葉と受け取られることが多いので、フォーマルなフレーズに置き換えるようにしましょう。

正しい置き換え方
「申し訳ございません。早急に修正させていただきます。」
「失礼いたしました。追加の提案書をご用意させていただきます。」

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〜になります

「〜になります」という表現は、「~です」の丁寧語として使う場合は、実は誤用です。以下の例のように、「です」と言い換えられる場合の「なります」は「~でございます」と表すのが適切です。

正しい置き換え方
「特別キャンペーンは、本日より開始でございます。」
「ご注文いただいた商品は、本日発送でございます。」

ただし、「なります」は「なる」の丁寧な表現として使う場合は適切です。ビジネスの場でもよく使われる「お世話になります」「お世話になっております」は、「世話になる」という慣用句を丁寧に表した言葉なので、問題なく使用できます。
 

ご苦労様です

「ご苦労様です」は一般的に、仕事の終わりや長時間の労働の後に他人に感謝や労いの意を示す際に使用されますが、ビジネスの場では上司が部下に使う言葉とされているため、注意が必要です。

ビジネスでは「お疲れ様です」というフレーズを使った方が無難でしょう。

正しい置き換え方
「ご多忙の中、お疲れさまです。」
「会議お疲れさまです。たいへん有意義な議論ができました。」

 

そうです

相手の意見・主張に対して肯定する「そうです」という表現は、より丁寧な言い回しとして「おっしゃる通りです」があります。

丁寧な言い回しなので、ビジネスの場では相手の意見や主張を尊重し、敬意を表するために用いられます。

正しい置き換え方
「おっしゃる通りです。そのご提案はプロジェクトの成功に不可欠ですね。」
「おっしゃる通りです。そちらの方法で進めてまいります。」

 

大変参考になりました

「大変参考になりました」という表現は、より丁寧な言い回しとして「大変勉強になりました」があります。

「参考」は「そもそも自分の考えを決める際の足しにする」といったニュアンスが強く、目上の人に使うと失礼と捉えられるおそれがあるので、注意しましょう。

正しい置き換え方
「大変勉強になりました。これからのプロジェクトに生かしていきます。」
「この報告書は大変勉強になりました。今後の業務に役立てさせていただきます。」

 

お座りください

ビジネスの場では、「お座りください」ではなく、より丁寧な表現である「お掛けください」を使用しましょう。

「お座り」は犬や子どものしつけといったイメージを持つ人が多く、失礼と捉えられる可能性がある言葉です。特に、目上の方やお客様に対しては「お掛けください」という表現を用いた方が無難です。

正しい置き換え方
「どうぞ、お掛けください。」
「お掛けになってお待ちください。」

 

なるほどですね

「なるほどですね」は、「なるほど」の丁寧な使い方と思っている人が多いですが、実は正しい敬語ではありません。「なるほど」はもともと「それ以上ものはない」といった評価の意味で使う言葉なので、「相手に対して評価を下している」といった意味合いに捉えられかねません。

また、「なるほど」は副詞や感嘆詞なので、「です」を使って敬語にするといった用法も誤用です。
相手の意見・主張を聞いて肯定したい場合、より丁寧な表現としては「おっしゃる通りです」が適切な表現とされています。この言い回しは相手の意見や話に同意し、敬意を示す一方で、自分の理解も伝えることができます。

正しい置き換え方
「おっしゃる通りです。その方法が一番効果的ですね。」
「おっしゃる通りです。その問題には十分に注意しなければなりません。」

「なるほど」は敬語?ビジネス・目上向けの失礼のない言い換え表現を解説

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「大丈夫です」の敬語を正しく使って円滑に仕事を進めよう!

「大丈夫です」には敬語や丁寧語としての要素は含まれますが、ビジネスの場での使用は注意が必要です。相手や使い方によって解釈が異なってしまう可能性がある曖昧な言葉なうえに、カジュアルで丁寧さに欠ける言葉でもあります。

そのため、ビジネスにおいて、肯定したい場合は「承知いたしました」「かしこまりました」、否定したい場合は「必要ございません」「遠慮させていただきます」など、より具体的かつフォーマルな表現が求められます。

ビジネスコミュニケーションでは、相手への配慮と同時に自分の意思をはっきり伝えられるような言葉遣いを心がけましょう。

ネクスト編集部

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